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2013年02月25日

【ブラック企業?】『儲かる会社、つぶれる会社の法則』に学ぶヤバイ会社の7つの特徴


5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャー」である藤野英人さんによる「会社あるある」本。

実際に投資の判断を下すために会社を観察されているだけあって、「なるほど」と思わせられる点が多かったです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
5300社の会社を訪問し、5700人の社長と会って投資判断をして、優秀な成績の「ひふみ投信」(2012年R&I最優秀ファンド賞受賞)のファンドマネジャーが明かす、会社の見分け方。
「買い」の会社と、「要注意」の会社とは?

今回はその中から「ヤバイ会社」の特徴を7つ選んでみましたので、ご覧ください。


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【ポイント】

■1.社長が自伝を出している

Trump: The Art of the Deal

自伝を出すということはその社長がすでに確定した評価に満足していることを示唆しています。「目標に到達した」という感覚を持っていなければ、物語は完結しないでしよう。つまり、自伝を書ける人というのは、すでに挑戦を終えており、企業を牽引していくだけのモチべーションを維持できなくなっているおそれがあると考えられます。
 また、自伝を書く時間があるなら、もっと企業の成長のためにできることがあるのではないかという疑問も浮かびます。喜んで自伝をプレゼントして回っているとすれば、「経営者として事業に対するプライオリティが下がっているのではないか」と考えざるを得ません。


■2.豪奢な新社屋に入居している


Buildings [ Roppongi Hills ] / d'n'c

 投資家の間で広く言い伝えられ、ほぼ絶対的に信じられている法則があります。それは、「豪華な新社屋に移転した会社は、その時点が業績のピークか株価のピーク、またはその両方である」というものです。また、新社屋建設だけでなく、バブル臭のするような話題のピカピカビルに賃貸で入る場合も同様です。
 新社屋やピカピカのビルは、経営者のメンタルの問題を表していると言えます。立派な建物に会社が移ることによって達成感を得てしまえば、会社はそれ以上伸びなくなってしまうでしょう。このため、新社屋ビル建設もしくは移転の時が株価のピークとなり、その後、業績を上げるだけのパワーが失われてしまうのです。


■3.自社サイトに社長の写真がない


Global Clearing- ABOUT US page layout / Shoa

 顔写真が載っていないのは、社長が遊び人で"顔が割れる"のを避けているなど、何かしら後ろ暗い理由があることも少なくありません。俗に"ブラック企業"と呼ばれる会社では、多くの場合、社長の写真がウェブサイトに載っていませんし、過去に社長が不祥事を起こしたり逮捕されたりした会社も、不祥事前から社長の顔写真を出していなかったケースが多いのです。
 私は社長にインタビューする時、ウェブサイトに写真がない人には「なぜ載せていないのですか?」と質問することがありますが、答えに詰まってしまう人が少なくありません。スッと答えが出てこないのは、答えにくい理由があるからなのでしょう。


■4.社長室が過度に豪華だったり、ゴルフのトロフィーがある


Trophies / _Yuki_K_

社長室が広すぎたり豪華すぎたりする企業であれば、「この会社は成長性が低そうだ」と考えたほうがいいでしょう。最近では華美な調度品を置くところはだいぶ少なくなりましたが、それでも磨き上げられた切り株や動物の剥製、有名画家の絵画、高級酒、ゴルフクラブ、トロフィー、著名人とのスナップ写真などがこれ見よがしに飾ってある会社もまだあります。これらのうち2つ以上が社長室に置かれていたら、まずアウトです。

 
■5.トイレ周りが汚い


Toilet fascination / Vagabond Shutterbug

「トイレ掃除」「机の周辺の整理整頓」「工場の清掃の徹底」は、経営コンサルタントが厳しく指導するポイントなのですが、実際、これらが行き届いている企業とダメな企業とでは生産性に大きな差があるものです。トイレ掃除は専門業者が行っているケースもあるので、「トイレがきれいなら安心」とは言えませんが、汚れが目についたり雑然としたりしている場合は、「社員のモラルが低く、愛社精神もないのでは」と疑ってかかったほうがいいと思います。


■6.情報開示に後ろ向き


Journalist interviewing SCA CEO and President Jan Johansson after the Q1 2011 interim report / SCA Svenska Cellulosa Aktiebolaget

IRに対して後ろ向きな会社は少なくありません。現在、上場企業は約3600社ありますが、そのうち1000社くらい、つまり4社に1社以上は情報公開への意識が低いのです。私たちが「会社訪問をしたい」「企業調査に協力してほしい」と依頼しても、嫌がって対応してくれないところもあるのです。(中略)
 ハッキリ言って、株主に対して背を向けている企業は良い会社とはいえません。
 情報公開は上場企業としての社会的責任であり、それが果たせないのであれば、そもそも上場すべきではないのです。このような会社はある意味で"不真面目"と言えますから、ほかの社会的責任も軽視するのではないかと疑わざるを得ません。


■7.社長が「客」という

三波春夫長篇歌謡浪曲スーパーベスト

 また、細かいことに思われるかもしれませんが、私が社長に会ってインタビューする際は「顧客」や「客」ではなく、「お客様」と言っているかどうかもチェックしています。経営者が「客」という言葉を使うと言うことは、「お客様大切度」が低いことの表れだと考えているからです。
 ちなみに、私は一般のビジネスマンでも、「客」という言葉を平気で口にする人はあまり信じていません。優秀なビジネスマンほど、きちんと「お客様」という言葉を選んで使っているものなのです。


【感想】

◆……というワケで、本書の第3章「ブラック会社はこう見抜け! ――こんな会社には投資したくない、ダメ会社の見分け方」を中心に「ヤバイ会社の特徴」を選んでみました。

第3章には全部で20の「法則」があり、他にも「あるある」的なネタが満載。

アマゾンの内容紹介にも『会議室の時計が5分以上ズレている』『美人「すぎる」受付嬢がいる』なんてのがありますし、『会計方針や監査法人が変わる』というのは、個人的(本業的?)にも納得しまくりです。

諸事情により(?)、具体的な社名はほとんど出てきませんが、「社長の写真がない」というのでは、「AIJ投資顧問」(自社サイトはおろか、ネット上にもなし)が、「社長室が過度に豪華」というのでは「後に破たんした英会話学校運営会社」が挙げられていました。

本書をご覧になって「うわっ…私の会社、ヤバ過ぎ…?」と思われる可能性はあるものの、沈みかけた船なら早めに(ry


◆また、今回は「ダメなパターン」のご紹介でしたが、第4章では「良いパターン」の法則もまとめられています。

章のタイトルでもある「社内結婚が多い会社は儲かっている」というのは、そもそも女性が社内結婚するのは「この会社で働いている男性と結婚すれば安定した生活が送れる」と感じるから。

逆に最近社内結婚が減っているのは、業績が低迷している企業が増えているからでは、と藤野さんは指摘されています。

他には「アンケートの返信がある(しかも早い)」というのも、納得できるものかと。

とはいえ、第4章の法則は9つしかなく、ダメな法則の方が倍以上多いというのが、カナシイところです。


◆一方、第5章では「ベンチャー企業の成功法則」について言及。

上場できるような優秀なベンチャー企業であっても、上場したことにより余計な費用がかかったり(「名刺やパンフレットを上質にする」「グリーン車を使う」等)、有能な人材が殺到したため多めに人を採用する、という問題が起こってくるのだとか。

特に人件費は固定費なため、将来的にも負担になるリスクがある上、入社1年目からその費用に見合う売上が立つハズがありません。

さらに、「上場企業だから」という理由で応募してくる人は、未上場だったら応募してこなかった可能性が高く、「この会社なら安心だ」という「ぶら下がり体質」であるとのこと。

そこで藤野さんは、上場が決まった企業の社長に会うと必ず、「上場後1年間は未上場のときのように振る舞って下さい」とアドバイスするのだそうです。


◆本書は基本的には「ある会社が投資に値するか否かを見分ける」という視点で書かれています。

ただし、それは結局のところ、私たちが「働くに値する会社か否か」ということにも関係してくるわけですから、すべてのビジネスパーソンにとって、読む価値はあるのではないか、と。

とはいえ、こうした「法則」は「原因」というより、むしろ「本質的な問題」から発生する「結果」が表面化したものだと思います。

その「本質的な問題」が、私たちで解決できるのならするべきでしょうし、「上」に何とかしてもらわねばならないのなら、それはしかるべき方法で何とかしてもらいたく。

やはり「自伝」のことも含め、本書はまずトップから読むべきなのかもしれませんネw


入社を控えた方、転職を考えている方ならマスト!

5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
5700人の社長と会ったカリスマファンドマネジャーが明かす 儲かる会社、つぶれる会社の法則
第1章 「株価」で成長する会社を見極められる!
第2章 会社の性格は社長で決まる! ――大成功する会社の社長は例外なく「ケチ」
第3章 ブラック会社はこう見抜け! ――こんな会社には投資したくない、ダメ会社の見分け方
第4章 社内結婚が多い会社は儲かっている! ――あの会社が伸びるワケ
第5章 産卵後に死んでしまうサケでなく、メンドリを探せ! ――ベンチャー企業の成功法則
第6章 会社を見分ける三つの基準――ナオコの原則


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【編集後記】

◆アルファブロガーとしても知られるfinalventさんの処女作。

考える生き方
考える生き方

どこ行っても見当たらないんですが……(涙目)。


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Posted by smoothfoxxx at 08:00
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