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2013年02月08日

社会人なら押さえておきたい『人を動かす伝え方』


人を動かす伝え方
人を動かす伝え方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、連日の(?)コミュニケーションカテゴリからの1冊。

タイトル通り単なる「伝え方」ではなく、その先の「行動させる」ところまでを意識した内容となっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「理解され、納得され、行動してもらうのが伝わるということ」という考えを軸として、では、「どう伝えれば人を動かすことができるのか」を、分かりやすい56の具体例で紹介。

「部下が思った通りに動いてくれない」「プレゼンがうまく伝わない」などのビジネスマンの悩みから、「人付き合いをもっとうまくしたい」「好かれる人になりたい」など一般的な悩みまで、幅広い層にオススメ。

なお、書名ががあっさりし過ぎていたので、記事のタイトルは「ホッテントリメーカー」のお世話になっておりますw


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【ポイント】

■1.聞き手が考えていることを、思い浮かべながら話す


Day 103- What to Get.... / Jinx!

 伝え方のへタな人は、自分の頭の中に浮かんでいる映像だけを見て話しています。
 それよりも、聞き手の頭の中に浮かんでいる映像を見ながら話すことが大切です。

 セミナーで、私は聞き手の頭の中に浮かんでいる質問がわかります。
「今、○○を聞きたいと思ったでしょう」と言うと、「なんでわかるんですか」と言われます。
 頭の中から風船のような「?」の吹出しが出ているのです。
 その映像を見る力があるかどうかです。


■2.数字を言い切る

Seven Samurai - The Criterion Collection (七人の侍 クライテリオン版 Blu-ray 北米版)

 伝えるためには言い切ることです。
 たとえば、「七人の侍」は強そうです。
「7、8人の侍」は、一気に弱そうになります。
 もはや黒澤明監督作品ではありません。(中略)

 たとえば、「大切なコツが7つあります」と言うと、相手にバシッと伝わります。
「7、8個あります」と言った時点で、聞き手は「あまりたいした話じゃないな」と思います。
 厳密にわからない時は、あいまいに言いがちです。
 7つか8つかわかりにくい時に「7、8個」と言うのです。
 言い切ることの強さと、言い切らないことの弱さがあるのです。


■3.「個人的に」薦める


Desserts display - Wall Two 80 / avlxyz

 たとえば、デザートの説明を受けます。
 ウエートレスが「これがおすすめで、今これがおいしいです」と説明してもなかなか注文されません。
「じゃあ、デザートはいいか」で終わってしまいます。
 売るのがうまい人は「私、これ大好きなんです」と言います。
 そうすると、「じゃあ、君の好きなものを頼もう」となります。
 店長のおすすめや会社のおすすめは、何か売らんかなと感じます。
「私、これすごい好きなんです、個人的に」と言うと、「個人的に」という言葉に強く惹かれるので「じゃあ、○○ちゃんの好きなそれを頼もう」となります。
 これがすすめ方のうまさなのです。


■4.目の前で書く


Local First Planning Session December 15, 2011 1 / stevendepolo

 ロジック的にやや怪しいことを強引に丸め込むには、目の前で書くのが一番です。
 ネットワークビジネスで勧誘をする人は、聞き手の目の前でホワイトボードに書いていきます。
 事前につくられたパンフレットを広げても、伝わらないのです。
 友達との会話でも、書きながら話すと話が伝わることがあります。
 なんの意味もない落書きでも、目の前で書きながら話すと納得されます。
 きれいに書かれたものが用意されていると、かえって伝わらないのです。


■5.「なぜならば」のひと言を足す


Japan TV Purchase / Danny Choo

 TVを買う時も、「なぜならば」を言ってくれたら、そこで買います。
 単に「安い」と言われても、不安です。
 画面の大きいほうが安かったら、買う時に必ず不安が生まれます。
 ところが、「それは1つ前の機種で、新機種が出ている分下がっていますが、性能的にはまったく同じです」と言われたら、お客様は安心します。
 ここがセールスで大切なことです。
 お客様は、それを一番聞きたいのです。


■6.全体よりも部分的にほめる


Staples / Andrew Stawarz

 外国人がうまいのは、「君はホチキスのとめ方がうまいよね」と部分的にいつもほめるところです。
「君はいつも仕事が丁寧だね」と言うと、そのネタは明日使えません。
 それよりは、「ホチキスのとめ方がいいよね。めくりやすい。君がとめたホチキスってすごいわかる」と、細部のところをほめられたほうが、全体をほめられた感じがします。


■7.オノマトペで感情をのせる


love letters / camerabee

 伝えるのが苦手な人は、感情が伝わることを軽んじています。
 普通は「明日お会いできるのを楽しみにしています」とメールします。
 これでは感情は伝わりません。
 伝わるメールはオノマトペです。
「明日お会いできるのでワクワクしています」と送るのです。
「楽しみにしています」は、一情報にすぎません。
「ワクワクしています」は、そこに感情がのってきます。
 社交辞令でなくなるのです。


【感想】

中谷彰宏さんのご本は、どれも一定のクオリティはキープしているものの、毎月のように発売されているため、男性向けのモテ本(これは優先的w)と、「これは!」とピンときたものしか、当ブログでは取り扱っておりません。

本書はもちろん後者で、いつもの「中谷さんフォーマット」にのっとり、今回のテーマである「伝え方」について言及。

「はじめに」で曰く、単に「理解される」だけではダメで、「納得され」さらに「行動してもらう」ところまでクリアして、初めて「本当に伝わった」と言えるのである、と。

以降、装丁にもあるように「56の伝え方」が展開されており、これが思いのほか(失礼)ツボで、結構付箋を貼りまくりました。


◆それゆえに割愛したTIPSも多いのですが、中でも「人を動かす」という点で押さえておきたいのが「逆の心理を利用する」やり方。

これは例えば、「来ちゃダメ」と言われると来たくなったり、「小声で言われる」とつい聞きたくなってしまう心理を利用するものです。

笑ったのが、中谷さんの職場で回覧板を回してもよく停滞するので、「マル秘」と書いたところ、驚くほど早くまわったというお話。

もっともその内容は「今度クリーンディがあるので、その日までに掃除しておきましょう」という内容だったりします。

なのに「中谷さん、今度の○曜日、掃除なんですよね」とよその会社にまわっていたりする……って、中谷さん、話盛ってませんかww?


◆また、装丁の帯部分に「タッタカ・タッタカ」とあるのは、丁度昨日ご紹介した本でも登場した「オノマトペ」です。

と言うか、そこに注目したんで、リアル書店で本書を手にしたんですけどねw

すると何と本書の第7章は「オノマトペで、気持ちを深く伝える。」ということで、かなり深く掘り下げてくれているという。

中谷さんはNLP畑の人ではないものの、人を誘導したり、行動させるには、オノマトペが効果的なのかもしれません。

なお、上記ポイントの7番目のほかにも「これは!」という「気持ちののせ方」が、この第7章には収録されていますのでお見逃しなく。

『この話をすると、「もっと早く聞いておけばよかった」と言われます。』とまで言われてますので、これは期待大……w


◆本書は、上記で「中谷さんフォーマット」と書いたように、文字の密度はいつも通りそれほどでもなく、それが苦手な方もいるかもしれません。

ただ、キモとなるエッセンス自体はキチンとあるので、その点はご安心を。

中谷さんや齋藤孝さんは、山のように本を出しつつ、不意に剛速球を投げ込んでくるので、油断も隙もありませぬ。

本書も読む人が読めば、きっと響くと思われ。


あえて小さな声でオススメしておきますw

人を動かす伝え方
人を動かす伝え方
はじめに
第1章 聞き手の気持ちになってみることで、伝わる。
第2章 「言いかえる」ことで、伝わる。
第3章 「伝え方」を意識するだけで、変わる。
第4章 伝わる質問を、しよう。
第5章 人に好かれる、伝え方。
第6章 伝わるから、笑ってもらえる。
第7章 オノマトペで、気持ちを深く伝える。
おわりに


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【編集後記】

◆当ブログ的には微妙ですが、こんな本をご紹介。

これからの広告人へ (アスキー新書 233)
これからの広告人へ (アスキー新書 233)

この本もリアル書店ではもう出ていました。


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