2013年02月04日
お前らもっと『絶倫食』の凄さを知るべき
絶倫食 (新潮文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、表紙だけならドン引きになりそうなものの、実は結構ためになる1冊。単行本の中古価格が下がらない状態だった人気作の、待望の文庫化です。
アマゾンの内容紹介から。
「旦那、効き過ぎても責任は取りませんぜ。何せピンピン、ズンズンよ」―中国・雲南省昆明の蛇酒屋で勧められた怪しげな一杯の効き目やいかに…。他にも、鹿の睾丸酒や交尾中の二匹のトカゲを姿漬けにした酒、「精を硬くする」粥など、あっちも、こっちも、そっちも元気になる食べ物や飲み物、媚薬を、「発酵仮面」こと小泉博士が体を張って試した抱腹絶倒、世界の強精食大全。
「アッチ」関係なく、スタミナを付けたい方なら、一読の価値アリ!
なお、タイトルは久々に「ホッテントリメーカー」作でありますw

【ポイント】
■1.オットセイ
Fur seal of ManurewaPoint / brians101
さて、そのオットセイの睾丸に本当に人間の精力を高めてくれる成分や効果があるのかと申しますと、生理学的には、睾丸から抽出した成分の中に発情ホルモンやそれを支えるペプチドが多量に含まれていると発表されているそうです。
また、日本では昔から、この精力剤を実際に殿様たちが使っていたという記録があちこちの文書に残されているのですから驚きであります。
■2.ウナギ
では、なぜウナギを食べれぱ精がつくのかを栄養学的に見てみましょう。先ず多量に含まれるビタミンAがさまざまな部分を活性化させます。ビタミンEも豊富で、老化促進物質の増加を抑えると同時に、若返リホルモンの分泌を促してくれます。またビタミンB1やB2も多く、これも活性素となります。タンパク質やアミノ酸の塊のような肉からは精力活性ぺプチドが体内で生合成される、というように申し分ありません。
■3.スッポン
さて、スタミナ鍋の代表格と申しますと、そりゃ何と言っても「スッポン鍋」でございましょう。江戸時代、九州地方に参勤交代で帰った殿様は、毎日のようにお城の内堀で捕ったスッポンを食べてスタミナをつけ、3年間で18人の子供をつくり、また江戸に行くと静かになり、また城の主に戻ると16人の子供をつくり、その後の隠居生活まで入れると何と57人の子を女性に孕ませたという話が残っています。それが全てスッポン鍋のせいだ、というのですから凄い。スッポンは精力成分の中心であるコラーゲンの塊であり、また医学的には強精効果のあるぺプチドを含有していることが知られているので確かに効くのでしょう。
130204追記:
日頃からチェックしている「銀座でランチ!」さんが、丁度すっぽん雑炊のお店のレビューをされていました!
有楽町 一会 すっぽん雑炊 | 銀座でランチ
■4.ヤギ

goats / normanack
まず沖縄で有名な強壮薬効食といえばヤギ(山羊)です。これには「ヒージャーグスイ」(ヤギ薬)という言葉があるくらい珍重されております。ヤギ1頭を屠り、血は勿論とっておいて、肉と内臓に分けます。内臓もすべて食べ、血も一滴も無駄にせず料理に使います。(中略)
さて吾が輩、このぺ●スと睾丸の入ったヒージャーヌチーイリチャーを丼に3杯ほど食べたことがあります。そうしましたらこれは効きましたねえ。本当に。食ぺて3時間もしましたら体がカッカッカと熱くなりまして、おやと思ったら鼻血がタラーと流れ出てきたのです。これは凄い、本物だと思いました。確かに下の方もズンズン、ギンギンといった感じになりまして、独りでは持てあましかねない状況に陥りました。
■5.マカ
マカについては、数多くの研究が世界中で行われていて、これまでにわかった効能だけでも、疲労回復、精力増進、不妊治療、新陳代謝の活性化、免疫力の向上などがあります。マカは、栽培してもその個性の強さがわかります。同じ畑では6年に1回しか栽培できないといいます。つまり、1回の栽培で周囲の土壌のミネラルを6年分も吸収してしまうという凄さなのです。
■6.イチジク

Fig cut in half / richard_north
さてイチジクはリンゴ以上の栄養成分を持ち、さらに実に含まれているフィシンという酵素が、強力にタンパク質を分解する力を持っております。イチジクの枝や葉を折ると、真っ白い乳液が惨み出てきますが、あれはそのフィシンが濃縮されたようなものなのです。(中略)
そしてイチジクの実にあるスタミナ源はそればかりではありません。他の果物に比べてミネラル類を著しく多く含み、とりわけ精力を左右するといわれる亜鉛が多いのです。多産地では、イチジクは、生で食べることはあまりなく、大半は乾燥果実として流通しております。干して水分を飛ばしてドライフルーツにすると、含まれている成分は濃縮されるわけですからグラム当たりの含有量が増えることになり、効くのです。
■7.スルメ

Dried squid / ffg
精子や卵子には、核酸が多く含まれておりますが、それを多含する食べものには強精強壮の作用があることを経験で知っていたのか、昔から随分と食べられてきました。
中でも、多含している食品の代表がイカを干したスルメ(鯣)でありまして、効くぞ、効いたぞ、効きましたと大いに頼られてきたのです。(中略)
ところでスルメは核酸のほかに、アルギニンというアミノ酸を身に多く含んでいます。このアミノ酸こそ人間を含む動物の精子の主要成分のひとつですからスルメはやはり効くと言われる所以なのであります。実際、スルメは効いたか? と、これ蜜で何百人もの男性に聞いたことがありますが、大体7割もの人が「確かに効いた」、「間違いなく効いた」と言っておりました。
【感想】
◆最初のオットセイは別として、比較的、マトモと言うか、摂取しやすいモノを選んでみました。実際には、もっとエグい食材も多々登場しており、例えばガマガエルやヘビ、さらにはアリやカブトムシ(しかもカンボジアの5本角の!)などなど!?
著者の小泉先生、本業は農業博士でいらっしゃるのに、世界各地を回って、こうした「絶倫食」を実際に食べられているのがスゴイです。
上記ポイントの4番目のヤギのくだりでは、ギンギンになられてますし、中国・雲南省ではヘビ酒(3種ミックスw)を飲んで、やはり鼻血がタラタラとw
◆さて、そのオットセイですが、みかけの愛らしさとは裏腹に繁殖力はかなり旺盛で、ハーレムを築く動物とのこと。
ハーレムの雌の数は平均して65頭とかで、それだけの数に種付けするワケですから、そりゃあ精力もあります罠。
また、野生のシカも同じように一夫多妻制であり、中国の薬材の中でも勃起力を誘発させるのに最も即効性のあるものの1つが、鹿の睾丸だと言われているのだとか。
一方、ヤギに関しては、以前こんな記事を読んでいましたので、そりゃ食べたらスタミナ付いても不思議ではないかもw
常軌を逸したレベル…ヤギの断崖絶壁を登る能力に驚いた:らばQ
◆なお、絶倫食とは直接関係ないのですが、チンギス・ハーンの強さの秘密を探りに行った日本人というのがいたのだそう。
明治41年にモンゴルに趣いた彼がそこで目にしたのは、羊の皮に覆われたかめに入った「羊の乳を発酵させたもの」。
モンゴル人たちが「不老長寿の霊薬で活力源だ」と言っていたのにヒントを得て、彼は後に製品化します。
……彼の名は三島海雲といい、実はカルピスの創業者。
そう、私たちが飲んでいるカルピスの原点は、モンゴルにあったんですね。
◆本書は確かに「精力絶倫」になる食材が中心ですが、それは同時に「スタミナ食」の探求でもあります。
「疲れやすい」「疲れがなかなかとれない」という方なら、本書を読んで色々試してみるのも良いかと。
個人的には、小泉先生オリジナルのスタミナ料理のレシピを試してみたいところ。
「納豆+生卵+長芋+ナメコ+オクラ」……って、ネバネバし杉ワロタww
モテも仕事も、まずはスタミナから!

絶倫食 (新潮文庫)
絶倫食を知るための前口上
童の清い強精強壮剤
絶倫確実、ガマ油
まぼろしの虎骨酒
オットセイ、すごさの事実
見た目もすごい中国強精酒
起つ、タツノオトシゴ
皇帝たちが精力絶倫だったワケ
カユはカユでもすごい粥
中国、三大強精強壮剤〔ほか〕
【関連記事】
【健康になる7つの習慣】『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』 小林弘幸(2011年06月09日)【健康】「病気が消える習慣」入谷栄一(2010年02月08日)
【健康】「HEALTH HACKS! ビジネスパーソンのためのサバイバル健康投資術」川田浩志(2009年02月14日)
【編集後記】
◆小泉先生は、食に関する本を色々出されているのですが、これは比較的マトモそう(失礼)。
すごい和食 (ベスト新書)
中古でもほとんど値崩れしてないのがスゴイです。
タイトル見て、凡庸なんでスルーしてましたが、こういう方が書いた本なら、ちょっと興味がw

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