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2013年01月30日

【自己肯定】『ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則』森川陽太郎


ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則
ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ちょっと変わったタイプの自己啓発本

著者の森川さんは、元サッカー選手でありながら怪我のため若くして引退し、現在はメンタルトレーナーとして、女子サッカーチームやミス・ユニバース・ジャパンファイナリストを指導されてらっしゃる方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
従来ありがちな前向き・ポジティブ路線の自己啓発書の「逆」を行く、「OKラインメソッド(目標は低くして、小さな成功を積み上げて自信を得る)」を中心として、結果を出し続けているトップビジネスマン・プロ選手に共通する「成功する目標設定」の方法を紹介します。

年間1200件のメンタルトレーニングを指導している著者による、「しなくてはいけないこと」を「やりたいこと」に変える、気持ちの整理術を教えます。

装丁のイラストは脱力系ですが、中身は結構しっかりしていますのでご安心をw

140719追記

森川さんの新刊もレビューしました!

【正しい目標設定とは?】『絶対的な自信をつくる方法---「OKライン」で、弱い自分のまま強くなる』森川陽太郎:マインドマップ的読書感想文


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【ポイント】

■1.OKラインを下げて「自己肯定感」を持つ
 人には「いつかこのレべルを達成したい」という目標とは別に、「いま自分自身がこのレべルを満たしているならOK」と自己肯定感が持てる基準があります。
 私はそれを「OKライン」と呼んでいます。
(中略)

 OKラインは「自分が確実にできること」に設定しておくことが大切です。
 確実にできることを積み重ねることで得られる「自己肯定感」によって、実力を発揮し続けることができるからです。


■2.「自分で出せる成果」に焦点を当てる
 大きな目標を掲げて努力をしている人は、いつしか「望む結果が出ないこと」に対して自分を追い込み続けてしまうサイクルにはまります。
 結果、挫折感を持ったり、義務感のようにただ努力するという悪循環にはまりがちになります。
 これでは、「自分のやりたいことをやろうとする」という前向きな行動が、ちっとも楽しいものになりません。夢を実現するための行動だったはずが、ただ辛さを感じさせるだけのものになってしまうでしょう。
 だからもっと「自分で出せる成果」に焦点を当て、それにふさわしい努力量に自分の日常の取組みを調整してみてはどうかと思うのです。


■3.自分の本当の感情に気づく
本来、感情には「いい」も「悪い」もありません。まずは、問題に直面したときの自分の感情が理解できなければ、問題そのものを乗り越えることもできなくなってしまいます。
 たとえば「成績が落ちて悔しい」といった場合を考えても、「できるはずの成果が出せなかった自分にはがゆい思いをしているのか」、それとも「ライバルに負けて、自尊心が傷つけられたことにショックを感じているのか」によって、対処の仕方は変わってきます。
 そういった機会に自分の感情に気づき、それを受け止めるためには、感情を表す言葉を知る必要があります。


■4.不安を持ったまま対処することに慣れる
 学校のテストを思い出せば、勉強のできる人は、むしろ前日はリラックスして、「早いうちに就寝して翌日に備えよう」といったことをしていたはずです。前日に徹夜して知識を詰め込んだところで、本番で頭が働かずその知識を引き出せないとしたら、何の意味もありません。
 結局は、ただ安心感が欲しいからやっている行為にすぎないのです。
 一度そうした「あがき」を止めて、不安要素を持ったまま本番に臨んでみましょう。
 必要なことは、それまでの長い歳月ですでに身につけているはすです。最初はドキドキするかもしれませんが、「不安を持った状態のままで対処することに慣れていけば、結果を出すためになすべきことは次第にわかってきます。


■5.「できなかったこと」にちゃんと向き合う
 サッカーのチームでも、じつは負け続けているチームに限って、負けた瞬間から「次の試合は、絶対勝つぞ」などと気持ちをすぐ前向きに切り替えてしまいます。
 聞いている側には、頼もしく感じられるのですが、「負けたこと」がアッサリと心のなかでスルーされてしまっているのです。
 悔しさや辛さといった感情からも、敗因をよく分析することからも逃げてしまっているから、いつまでも強くなれないのです。


■6.「感情の経験値」を増やす
 ネガティブなことまでを含めて「予想外をなくす」ということに関して、有効なのは「感情の経験値を増やす」トレーニングです。
 実際にこれから起こす行動の中で感じるであろう感情を、あらかじめ具体的にイメージして書き出しておくのです。
 行動した後に書いたものを振り返り、「実際にはどんな感情を感じたのか」も書き出していきます。
 その違いを把握することで、行動を起こしたときに感じる感情について「予想外」の部分を減らすことができるのです。


■7.安心感を得るための努力をなくす
 頑張った「過程」を評価されたいというクセがついてしまっていると、いつまで経っても実力は発揮できません。
「過程」よりも「結果」に目を向けさせるため、私は「あえて練習量を減らすように提案したり、努力をさせないようにする」ことを、しばしばアドバイスしています。
 たとえば極端な場合だと、100回やらないと安心できなかった練習をわざと1回で終えたり、10時間やらないと安心できなかった練習をあえて5分で切り上げることもあります。そのことで「安心感を得るための努力」をやめてもらうわけです。


【感想】

◆個人的にはグサグサくる内容のオンパレードでした。

まず思い当たるのが、上記ポイントの4番目で、10年以上前の税理士試験の初日を翌日に迎えた私は、専門学校の自習室のクーラーにやられて、グッタリしてしまったことがありまして。

本来であれば早めに帰宅し、翌日に備えて休むなり、睡眠を取るべきだったところ、「本試験の前日に昼間から寝ているなんて」とムキになって帰らず。

かといって机に向かうのでもなく、部屋が寒いので、炎天下の中、学校の周りをウロウロ歩いていたという。

翌日の試験は、暗記モノではない簿記論でしたし、1日ばかり何もしなくとも実力的には大して変わらないのに、「不安を抱えたまま試験を受ける」ことができなかったワケです。

……当然、その試験はオチましたが(涙目)。


◆これは極端な例ですが、「不安を打ち消すための努力」をしている方は多いような。

例えば、「何時間勉強したか」にこだわる方は、点数を上げることよりも「どれだけ頑張ったか」にフォーカスしています。

本書によると「1週間まったく努力しないで結果が出る」ことと「1週間、苦しい努力をし、結果を出すことができない」という選択肢がある場合、多くの日本人が後者を選ぶのだそう。

「過程で満足感を得る」のではなく「結果で満足感を得る」クセをつけなければ、つねに結果を出すことはできません。


◆そのためには、上記ポイントの1番目にあるように、まずは「OKラインを下げておく」こと。

そして、目標に向けて努力していることを、「自分でコントロールできるもの」(「客先を訪問する」等)と「コントロールできないもの」(「契約を取る」等)に分けて、「コントロールできるもの」にフォーカスします。

このような「努力すれば報われる」ものであれば、「小さな成功体験」を積み上げることも可能なハズ。

さらには、ポイントの7番目にあるように「最小限の努力で結果を出す」よう意識すべし。

あかん、成功してまうww←楽観的杉w


◆ところで、本書で特徴的なのは「感情との向き合い方」ではないか、と。

上記ポイントの3番目や6番目がそうですし、割愛した中でも「感情にフタをするのをやめる」という小見出しで、「感情を押し殺してプレーしていた女子サッカー選手が、素直に出してしまうことで実力を発揮できるようになった」というお話がありました。

ちなみにその方、本書では名前が出てないのですが、「スペインリーグで優勝」「UEFA女子チャンピオンズリーグに出場」ということで、後藤 史さんのよう。

本書では、森川さんがメンタルトレーニングをする際に用いる、感情を表現する言葉をプラスとマイナスに分けてまとめた「感情表」を収録しています。

他にも「感情と思考の不一致を起こさない」等、引用だけでは説明しにくい部分も多かったので、この辺はぜひ本書にてご確認頂きたく。


これは意外と効果がありそうな予感!

ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則
ネガティブシンキングだからうまくいく35の法則
第1章 向上心は「そこそこ」あれば成功できる
第2章 平常心じゃなくても大丈夫
第3章 ポジティブシンキングをやめよう
第4章 「ラクをすることに対する罪悪感」を乗り越えよう
第5章 モチベーションをムリに上げるのはやめよう


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意外と知られていない『「テンパらない」技術』のテクニック10選(2012年07月10日)


【編集後記】

◆その森川さんの前作がこちら。

本番で実力が出せない人のための 「いつもの自分」トレーニング―簡単!直前!“勝負弱さ”を克服する50の方法
本番で実力が出せない人のための 「いつもの自分」トレーニング―簡単!直前!“勝負弱さ”を克服する50の方法

評価もなかなか高いですね。


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この記事へのコメント
               
ネガティブモデルもウケていますね。時々「リア充うざい」という声も結構聞かれるので、適度なネガティブも悪くないのかもしれませんね。ネガかポジか、いちいち考えるのも基本的には面倒なことですが。

Posted by 前田めぐる at 2013年01月31日 12:47
               
smoothさま

本書を担当しました、よねだと申します。
このたびは、本書をわかりやすくダイジェストでご紹介いただき、ありがとうございます!

おっしゃる通り、「グサグサくる1冊」だと思います。挙げていただいた、「7.安心感を得るための努力をなくす」は、わたしもグサっときたところです。



Posted by よねだ at 2013年01月31日 14:55
               
>前田めぐるさん

ご無沙汰しております。
本書の場合「ネガティブ」というよりは「過度なポジティブを避ける」「ありのままでいい」的な感じですよね。
何でも暗くとらえるのは問題ですが、本書の内容は、ストイックであればいい、という考え方からしたらパラダイムシフトかと。


>よねださん

初めまして、コメントありがとうございます。
いやホント、装丁からは考えられないくらい、刺さりました。
素敵な本をありがとうございます。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年02月01日 08:27