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2013年01月28日

【仕事術】『スマホ時代のタスク管理「超」入門』佐々木正悟,大橋悦夫


スマホ時代のタスク管理「超」入門
スマホ時代のタスク管理「超」入門


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「シゴタノ!」の名コンビ、佐々木正悟さんと大橋悦夫さんによる、仕事術のご本。

実は本書は、以前佐々木さんが『クラウド時代のタスク管理の技術』で書かれた「タスク管理」について、より分かりやすく仕上げたものなのだそう。

アマゾンの内容紹介から。
スマホ時代になって一気に脚光を浴びているのがタスク管理の技術です。紙では煩雑すぎて実行できなかったプロジェクト管理や未来の目標管理などをIT技術を駆使することで、誰でも手のひらで実行できるようになった時代の必須ノウハウを解説します。
情報化時代の昨今、何から手をつければいいか分からなくなりがちですが、タスク管理を行えば、いつでもどこでも本当にやるべきことに集中できるようになります。本書はタスク管理の巨匠コンビが書いた初の入門書で、仕事を「仕組み化」し、習慣に変えるノウハウを一読で誰でも学べます。

スマホ持っていない私でも実践できるTIPSが多々ありました!


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【ポイント】

■1.タスク管理をすればリストができる


Hipstamatic'12 - TDL / koalazymonkey

 この点はあまり強調されることがなくて残念なのですが、タスクを実行してチェックボックスに完了マークをつけたら、それはそのまま仕事のログになります。
 だからログからチェックマークを外せば、それがタスク管理になるのです。
 よくリストの作り方が分からないという人がいますが、リストを作るなど簡単なのです。自分が行動した記録をとります。それを箇条書きにします。それをタスク管理すればいいのです。


■2.「いつかやりたいこと」を「今からやること」に変換する


Chrome Hawaii / Justin Ornellas

 1つ具体例を挙げるなら「将来はハワイに住みたい」という夢があるとします。ではそのためにやらなければならないことは何でしょう?
「お金を稼ぐ」。ではいくらくらい稼ぐ必要がありますか?「分からない」。では誰かにそれを尋ねて教えてもらうという「タスク」が発生します。「本を読む」というタスクでもいいでしょう。その前に「本を見つけて買う」というタスクが必要かもしれません。
 このようにして「将来ハワイに住む」ために必要なことを考えつく限り洗い出すのです。それらをすべて「タスク」として、時間をかけて1つ1つ実行していくわけです。


■3.時間帯をコンテキストにする


Time / Alan Cleaver

 コンテキストというものが機能しなくなるのは、あるコンテキストで抽出したリストの中に「そのときには処理しないタスク」が雑音になってしまう場合です。「@自宅」というコンテキストで切り出しただけのリストが機能しないのは、自宅でやることが全部同じリストに入ってきてしまうからです。(中略)
 そんなに複雑にせず時間帯のコンテキストを入れれば、時間帯と無関係に存在する空間というのはないので(そんな人もいないので)、自動的にコンテキストの要素が絞り込まれます。時間帯というコンテキストを用意するだけで、人名や空間のコンテキストをグッと減らすことができるということです。


■4.スターやフラグは「他人との約束タスク」につける


stars / clarism_4

単に「重要そうな仕事」には全部スターをつけてしまう。そのため気がつくとほとんど全部のタスクにスターがついている。これではあまり意味がありません。
 スターは図のように「他人との約束」があるものだけにつけるようにしましよう。こうすることで「他のタスクは最悪できなくても"約束を破った"ことにはならない」という状態にできます。(中略)

 このスターのつけ方をしておけば「いざどうしても時間がなくなったら、スターのついたタスク以外はやらない」という判断もできるようになります。「やる・やらない」の判断基準が明確になるということです。


■5.価値のあることを、やらないことリストに挙げることを検討する


no / spectruss

「やらないことリスト」を作るように人にいうと、どうしても「価値のないこと」をやらないようにしようとしますが、当人が「価値がない」と思っていることはそもそもあまりやる可能性がないので、そんなリストを作ってみても時間は作り出せません。「やる価値がある」と思っていることを切り捨てるからこそ「時間ができる」のです。


■6.同一のリストを同一の順番で何度も使う


Omelette challenge #3 / Jon Juan

 チェックリストは「同一のリストを同一の順番で何度も」使う必要があるのです。これができると仕事が速くなります。
 どういうことかというと「ロボット」が育つからです。(中略)

 ではどうやれば「ロボット」を脳内に育てられるかというと、「同一のチェックリスト」を「同じ順番で何度も使う」ことによってです。料理が苦手な人にとってオムレツをうまく作るのは難しいことかもしれませんが、同じレシピに忠実にしたがって何度も同じオムレツを作れば、オムレツを作ることは達人レべルになるでしょうし、もちろん非常にスピーディに作れるようになります。


■7.「いつかやりたいことリスト」はカタログだ


Barbie Journal 1992 (Finnish) / vaniljapulla

「いつか」とはいえ「やりたい、やるべき」リストなので、特に生真面目な人や、ちょっと欲張りな人は「いつかやりたいことがいつになってもできません」ということに悩むようです。(中略)
 ここには誤解があります。「いつかやりたいことリスト」はこなすものではありません。厳密にいうとデヴィッド・アレン氏の考え方と、私の場合はちょっと違うのですが、「いつかやりたいことリスト」は「カタログ」扱いにしています。
 少しも難しい話ではありません。
 カタログにあるものを全部買える人はまずいないでしょう。お金がいくらあっても足りなくなるからです。
 いつかやりたいことも同じです。いつかやりたいことを片端からやっていったら、時間がいくらあっても足りないのです。


【感想】

◆タイトルに「スマホ時代」と入っていながら、上記ポイントでは「スマホ関係ない」状態になっており、申し訳ございません。

実は本書では、それぞれの環境(PC/スマホ、iPhone/Android等)に合わせて、アプリやソフトが紹介されているのですが、冒頭で触れたように「私自身がスマホを持っていない」ため、丸ごと割愛しました。

実際、スマホがなくとも本書で言うところの「チェックリスト」や「やらないことリスト」「いつかやりたいことリスト」は作れますし、タスク管理もできます。

ただし、その効率を考えた場合、スマホがあるのとないのとでは大違い。

スマホがあれば、PCと同期できることから「タスクの一元化」は可能ですし、常時携帯してチェックしたりリマインドすることができるわけですから。

……今年中に、スマホに乗り換える!(多分w)


◆ちなみに佐々木さんの場合、「ミスを防ぐ」ためのチェックリストが22個もあるのだそう。

チェックリストと言えば、以前こんな本をご紹介しましたが。

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】
アナタはなぜチェックリストを使わないのか?【ミスを最大限に減らしベストの決断力を持つ!】

参考記事:マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)

この本の場合、チェックリストの有用性について、かなり掘り下げているものの、具体的な作り方や実践法については、あまり触れられていませんでした。

その点、本書は作り方はもちろん、アプリの選び方まで指導されていますから、ご安心を。


◆個人的に「目からウロコ」だったのが、上記ポイントの5番目の「価値のあることを、やらないことリストに挙げることを検討する」というお話です。

佐々木さんの場合、「デザインの勉強」「英語の勉強」といった、人によっては「絶対やったほうがいい」と言うようなものも含まれていますが、どれも時間のかかるもの。

これらをやらないことにより、その分時間が節約でき、自分がやりたいことがやれるわけですね。

ただ、そういったものをわざわざリストにして、毎朝見返している、というのがスゴイな、と……。


◆ところで本書の第6章では、デヴィッド・アレン氏の「GTD(Getting Things Done)」の「シゴタノ!流実践法」について言及されています。

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則

参考記事:「ストレスフリーの仕事術」デビッド・アレン(著) 田口 元(訳)(2006年07月01日)

GTDは、導入部において「気になることを全部吐き出す」必要があり、この部分で挫折する人が多いのも事実。

本書では、その点について「新たな考え方」が提示されていますので、かつて挫折した方(含む私w)なら、この第6章は必読かと。

また、具体的な実践ツールやその使い方も図解入りで解説されていて、ありがたかったです。


仕事の質を高めるために!

スマホ時代のタスク管理「超」入門
スマホ時代のタスク管理「超」入門
第1章 タスク管理を行うことのメリット
第2章 クラウドを使ったタスク管理のメリットと実践的な方法
第3章 タスク管理の優れものアプリを使い倒す
第4章 チェックリストで「仕事の達人」になる
第5章 ポールタスクを決める
第6章 GTOを実践してタスク管理をする
第7章 トラブルシューティング Q&A


【関連記事】

「スピードハックス」大橋悦夫・佐々木正悟:マインドマップ的読書感想文(2007年02月09日)

【仕組み化時間術】「ルーチン力」佐々木正悟(2009年01月14日)

マッキンゼーが選んだ『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』の10個の原則(2011年06月23日)

【GTD】『ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編』デビッド・アレン(著),田口 元 (監修,翻訳)(2010年11月29日)

「ストレスフリーの仕事術」デビッド・アレン(著) 田口 元(訳)(2006年07月01日)


【編集後記】

◆佐々木さんと大橋さんのコンビと言えば、『スピードハックス』が有名ですが、既に文庫化されていました。

スピードハックス 仕事術 (中経の文庫)
スピードハックス 仕事術 (中経の文庫)

未読の方は、この機会にご確認を(単行本のレビューは上記関連記事にございます)。


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この記事へのコメント
               
この本、とーっても気になっていて、ご紹介されていたので感謝です。
すかさず読みアタックしてしまいました!!!
アプリの部分が気になるほうです…。
ぜひ、スマホにしましょう〜。便利ですよ!!って、でも使い方によるのか…。。。
Posted by あきのり♀ at 2013年01月28日 17:37
               
>あきのり♀さん

コメントありがとうございます。
タイトルだけ見てスルーしそうになってましたが、実際に手に取ってみて良かったのでご紹介させて頂きました。
そしてアプリご紹介できずスイマセン。
ホント、今年中にはスマホ何とかしたいです(汗)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年01月29日 06:51
               
こんにちは!
いつも楽しく読ませていただいています。
佐々木さんのブログにsmoothさんの記事が紹介されていました。

”それにしても「マインドマップ的読書感想文」の中の方は、恐ろしく本を読むのが上手です。本の良いところは著者よりも分かっていて、著者本人が読んでいて「この本はいい本だ」と思わせられるのだから困ってしまいます。”

そうなんです!そのせいで「アマゾンアタック」数知れず、、。でも、とても役だっています。
これからも宜しくお願いします!
もちろん、今回も、アマゾンアタックです!

Posted by むらりん at 2013年01月29日 12:20
               
>むらりんさん

コメントありがとうございます。
そして今までの数多くのアマゾンアタックにも感謝です(涙)。

○| ̄|_ 土下座

佐々木さんのブログの件、ご報告ありがとうございます!(私も確認致しました)
佐々木さんにそう言ってもらえるなんて、光栄です。いわゆる1つのアサマシスキルではあるんですが(ゲホンゲホン)w

これからも、アタックして頂いて「失敗だった」と思われないよう精進していく所存です。(`・ω・´)キリッ

今後とも宜しくお願い申し上げます!

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年01月30日 04:57