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2013年01月22日

【2軸で考える!】『「キャリア未来地図」の描き方』原尻淳一,千葉智之


「キャリア未来地図」の描き方
「キャリア未来地図」の描き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「ハックシリーズ」でお馴染みの原尻淳一さんと、「出逢いの大学」学長の千葉智之さんによるキャリア本。

食べるための「ライスワーク」と生きがいややりたいことである「ライフワーク」の2軸でキャリアを考え、その相乗効果を目指すやり方が解説されています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ワーク・ライフバランスやフリーエージェントではなく、 ライフワークもライスワークも「複線(AND)」キャリアで やりがいのある仕事と人生を手に入れようというのが、この本です。
会社を辞めずに、今いる場所から自分のライスワークとライフワークを高めていく 「道すじ」を描くことで、仕事と生きがいを両立する、新しい働き方を提唱します。

「自分探し」をされている方は要チェックです!


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【ポイント】

■1.「AND(複線)」キャリアを目指す
 本業は疎かにはしない。しかし、もう1つ人生をかけて追求する「何か」を持っていること。僕ら、千葉と原尻が伝えたい「AND」の可能性です。ポイントは2つ。
1.本業はしっかり続けること
2.そして自分のやりたいことにも妥協しないこと
 その意味で、「夢を追いかけて会社を辞めました。この後どうなっても後悔しません!」と言い切るような勇ましい行動に踏み出すことは、実はおすすめしません。会社だけの一本道はよくない、と言いましたが、会社を辞めて夢だけにかける、のもまた同じ一本道発想にすぎないからです。
 また、本業にプラスして新しい「ビジネス」を始めることも、僕らが提案する「AND」の考え方とはちょっと違います。


■2.ライスワークにおける「消費」と「創造」の違い
 ちょっと厳しい言い方になりますが、誰かの考えた方程式に準じて業務を回しているだけ、ならそれは生産ではあるけれども「創造」ではない。これは価値の大小や種類によって峻別するのではない点。例えば工場勤務の、いわゆるブルーカラーであっても、自分が担当している工程の所要時間を短くする知恵を出したのなら、それは立派な「創造」です。いいでしょうか?

 さて、この基準で区分をしてみたときに、はたしてあなたは「創造」しているでしょうか?


■3.消費から創造へシフトするときの2つのコツ
 1つ目は、小さくても創造的な工夫を積み重ねること。いきなり大きな創造性が発揮されることはなくて、小さな創造性が結びついて……そして化ける。いざ大きなプロジェクトを任されたときに役に立ちます。十数年働いてきて、自分自身を含めていろんな人を見てきての実感です。だから、小さな仕事をバカにしてはいけない!

 2つ目は、一歩でも、半歩でもいいから主体者、当事者の側に踏み込んでみること。「観戦者」から「プレイヤー」になる。「参加する」より「主催する」。次元の違う楽しさを体験できるはずです。


■4.「特技」の活動では、他者に価値を贈与する
 ライフワークをそのまま本業にする必要はありません。まずは「趣味」を「特技」に。そして積極的にプレゼントしましょう。プレゼントすることで自分の心が満たされるだけでなく、周囲の人々も多少なりとも満たされることになります。豊かさの正体は、自分が満たされることにあるのではありません。相手≒コミュニティに価値を提供することで、相手から感謝され、お返しがくる。このお返しこそが豊かさの源泉。お返しは、時として金銭のカタチをとります。
 しかし、初めからお金を目当てにするのはちと筋違い。贈与経済の仕組みの中では、本当に素晴らしいものであれば、結果としてお金になってついてくるものなのですから。


■5.天職は「お役目を授かる」もの
 自分に適した職業は、見つけるのではなく、「お役目を授かる」感じなのです。1つのことを高めるだけ高めていく。すると今度は「お役目」が降ってくる。

 多くの人は、"自分探し"をしがちです。いろないろな経験をしながら、自分の天職を見つけることができると思い込んでいます。しかし、千葉の経験からも分かるように、天職は1つ突出したことによって、新たに授かるお役目、なのではないでしょうか。でも、これはライフワークだけのことではないと思います。ライスワークも同じですよね。


■6.最初のライフワークこそ、選択と集中
 消費するだけの「趣味」を広げてはいけないのは当然なのですが、「特技」にまで高めたいと狙うものについても、最初の1つは選択と集中が肝要。すでに成功している人の話を聞くと、ついついあれもこれも……となりますが、それは成功した後だからそうなっているだけ。誰しも最初はたった1つのことが出発点。
 先達からヒアリングをするなら、「最初に取り組んだことは何だったんですか?」と聞いてみてください。
 ちなみに千葉は数名規模のランチ会。原尻はエッセイを書くことが始まりでした。


■7."何となく"転職してはいけない
 フリーランスと聞けば素敵な"職業"ですが、こちらはこちらでそうそうフリーではいられないのが実情です。ノマドワーカーにしても事情は同じ。ワークスタイル上、定型の事務所があるかないか、だけの違いで実質はフリーランスですから。案件を出してくれる取引先との発注受注関係に縛られてしまっている方も多くいらっしゃいます。フリーになったはずが、内心嫌な作業を続けなければ食べられない……なんてことにもなりかねません。


【感想】

◆いつも通りに、テキストをダーッと引用してきましたが、実は本書を読む上で、非常に大事な図があります。

それがこの「創造×消費/ライスワーク×ライフワーク」の4象限マトリックス・「キャリア未来地図」。



最初のうちは、ライスワークもライフワークも、「消費」レベルに過ぎないものが、スキルをつけること等によってレイヤーが上がり、「創造」レベルになるわけですね。

上記ポイントの2番目では、ライスワークにおける「創造」について触れられていますが、単に他人(上)から言われたままに働いている状態では、「創造」ではなくて、「生産」である、と。


◆ここで注意しないといけないのは、ライフワークの場合『金が稼げるようになるのが「創造」ではない』ということ。

たとえ儲けがなかったり、赤字だったとしても、他者に価値を提供したり、人を育てるようであれば、それは「創造」になります。

例えばブログを書いていて、初めは自分向けのライフログのようなものであったとしても、段々と読者が増え、価値を提供するようになれば、それはもうライフワークの創造領域である「特技」に他なりません。

上記ポイントの6番目にあるように、千葉さんはランチ会、原尻さんはエッセイをスタートとして、ライフワークの「趣味」を「特技」に昇華させ、さらにライスワークの「仕事」との相乗効果をも果たしています。

「ライスワークとライフワークの両立」といったお話はよくありますが、そこに「消費×創造」という軸を加えたのが、本書のキモであり、ユニークな点ではないでしょうか。


◆ちなみに本書では、この「キャリア未来地図」を用いて、「どのようなキャリアを目指すのか」の代表的な「ルート」を6つ提示しています。

 ●ライスワーク集中型

 ●ライフワーク集中型

 ●ライフワーク→ライスワーク昇華型(特技→仕事)

 ●ライスワーク→ライフワーク昇華型(仕事→特技)

 ●ライスワーク&ライフワーク突破型(仕事+特技)

 ●ライスワーク&ライフワーク停滞型(労働+趣味)

個々のルートに言及することはボリューム的に難しいので、詳細は本書にてご確認を。

なお、それぞれのルートのサンプルとして、次のようなキャラクターが紹介されているのですが、誰がどれに当てはまるのかルートのタイトルだけで考えてみてくださいw

IDEA HACKS! 今日スグ役立つ仕事のコツと習慣 (講談社プラスアルファ文庫)  キャプテン翼 海外激闘編 EN LA LIGA 1 (ヤングジャンプコミックス)  アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ コンプリートDVD

……念のために申しあげておくと、左端は本書の共著者の1人である、原尻さんですカラ(当ブログの読者さんならご存知だと思いますが、一応)。


◆そして大事なのが、ポイントの5番目にあるように『天職は「お役目を授かる」ものである』ということ。

今の仕事を一生懸命やることで何か1つ突出し、「創造領域」にまで到達すれば、「天職」という「お役目」が授けられるワケです。

実際、千葉さんも原尻さんも「もし転職するなら、今の会社で頑張って、最低1つの分野で突出してから行って下さい」と後輩にアドバイスされているのだそう。

「自分探し」「天職探し」をされている方は、心して読んで頂きたいところ。


今の仕事や生き方に疑問を感じている方に!

「キャリア未来地図」の描き方
「キャリア未来地図」の描き方
はじめに ようこそ、ジャングルクルーズへ!
第1部 キャリアは「ライスワーク」と「ライフワーク」の2軸で考える
第2章 消費者から創造者へ価値を作る人になる
第3章 「キャリア未来地図」で人生まるごと整理する
第4章 「ANDキャリア」を探検しよう
第5章 再び「働く場所の仕組み」を考える
第6章 僕らが見つけた「新しいお宝=人生への報酬」
おわりに 「たくましさ」を取り戻す


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【オススメ】『35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』渡邉正裕(2010年10月14日)

【オススメ】「キャリア・ショック」高橋俊介(2009年04月11日)


【編集後記】

◆今日から発売なのがこちら。

成功者の話を聞けば君も成功できる
成功者の話を聞けば君も成功できる

この本読んで、私もムスコに「成功物語」を語らねば!


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この記事へのコメント
               
smoothさん 紹介ありがとうございます!

さすが、本書の本質を簡潔にズバッと
切り取られています。

会計士と書評家というダブルの肩書きのsmoothさんは
まさに「キャリア未来地図」のロールモデルの一人です。


ありがとうございました!



Posted by 千葉智之 at 2013年01月25日 07:19
               
>千葉智之さん

著者様直々のコメントありがとうございます。

自分自身、なっとくできる考え方でした。
確かに私もライス&ライフを両立させてますよね
(会計士じゃなくて税理士ですがww)。

今後ともよろしくお願いします☆ 

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年01月25日 23:51