2012年12月29日
【メモ】竹内謙礼さんのお母様が遭遇した振込み詐欺事件と似た事例が警視庁のサイトで紹介されていた件

とりあえず疑え、オレオレ詐欺 by 警察署 / N.Hope
【はじめに】
◆本日のはてなブックマークのホットエントリーにて紹介されているこちらの記事。竹内謙礼のアメリカネットビジネス訪問記 母親がオレオレ詐欺の被害者になりました。
お母様が被害にあった竹内さんをして『本当によくできている「仕掛け」』と言わしめたこの事件ですが、実は警視庁のサイトによく似た手口が掲載されていましたので、メモ書き代わりにご紹介しておきます。
……と言っても、私も上記の記事のブクマの関連エントリーで見つけたのですが。

【警視庁のサイトから】
◆まず該当するサイトですが、こちらになります。あなたは見破れますか?振り込め詐欺のテクニック
9つあるうち、上から2つめの
「俺の責任だ! 今日中に会社の取引先にお金を支払わなければならない」
という事例が、かなり似ているのではないか、と。
60歳代女性方に、息子を装った者から
「電車の中で鞄をなくした」
との連絡。
その後、信用させるために、駅員役、会社の上司役など複数の者が電話をかけ、現金700万円を騙し取ろうとした事例です。
◆どの事例も、詳細は音声ファイルで確認する必要があり、この事例も6分半ほどあるので、あらすじを簡単にご紹介しておきます。
●息子⇒母に電話竹内さんのケースと、「小切手が通帳」に変わっている以外は、アウトラインはほぼ同じ。
「鞄を電車の網棚に忘れた」
「携帯は新しい番号にした」
「もし駅から電話があったら新しい番号に電話して」
●駅⇒母に電話
「鞄あったので、東京駅遺失物センターまで取りに来てください」
●母⇒息子
「鞄が見つかったって電話あったわよ」
(息子)
「わかった、駅に取りに行く」
●息子⇒母
「鞄の中に会社の通帳があった」
「口座は止めたから大丈夫だけど、今日中に取引先にお金を振り込まなければならない」
「部長が300万用意したんだけど、残り700万は僕が用意しないと……」
「会社の通帳には2000万あるから、明日か明後日には返せるんだけど」
「いくらなら払える?」
(母)
「300万とか400万なら……今から銀行行くから」
●母⇒息子
「700万おろしてきたわよ」
●息子⇒母
「部長が母さんにお礼言いたいって」
(部長)
「お母さんありがとうございます」
「私の部下がそちらの方に営業に行っているので、その者に預けてください」
「この件は私と斉藤君(息子)しか知らないので、"書類"と言って渡してください」
お金を「書類」と言って渡すところも、そんまんまです。
むしろ、直接関係ない(上司ですが)部長が300万も用意している、と言われたら、それ以上用意せざるをえない分、より悪質ではないか、と……。
【所感などなど】
◆竹内さんのケースや、今回のケースに限らず、「振込み詐欺」で皆さん疑問に思うのが、「何で最初に声を聞いた時点でニセモノだと分からないのか」ということではないでしょうか?やはり「お年寄りは耳が悪いのか?」と考えたくもなりますが、あにはからんや。
その件については、この本に詳しいのですが。

だましの手口 (PHP新書)
こういう聞き違いをするのは、高齢者だというのも間違いです。じつは年齢にはあまり関係ないのです。20歳前後の大学生を用いた私の行った実験でも、サンプルは十数人と少ないですが、6割ぐらいの人が聞き間違えました。最近、いくつかのテレビ局でも、同様の実験をしてくれていますが、結果はやはり同じくらいの割合で老いも若きも身内や友人のなりすましに気づきませんでした。つまり、これらは電話の相手の声が思い当たる人にちょっと似ていたり、辻褄の合う話を相手がしたりしてくるだけで、その人と話をしていると思い込んでしまいやすいことを示しています。その原因についても、引き続きこの本から。
人は、耳から入ってくる音声だけでは割といい加減な分析しかできないのです。まず声を聞くと、その音の高さや話し方の特徴、イントネーションなどから、瞬時に、知人のなかでもっとも近い声を発する声の持ち主がいないか検討し、そこそこ当てはまりそうな人を見つけると、次にその人かどうかを判断できる手がかりを探します。(中略)ちなみに、竹内さんの記事のブコメに「"わたしわたし詐欺"は聞かない」とありましたが、「50代の主婦が、一緒に住んでいて、毎日声を聞いていた専門学校生の娘をかたられた」事例もあるのだとか。
仮説にぴったり当てはまらなくても、少しでも当てはまるところがあれば、「よし、たぶん、この人だ」と思い込むのが実情です。
もはや他人事ではありませぬー。
参考記事:【『影響力の武器』悪用編?】『だましの手口』に学ぶブラック手法6選(2012年03月07日)
◆また、竹内さんは「ストーリーとしては、非常によくできている」と驚嘆されていましたが、上記の警視庁のサイトに掲載されているだけでもあれだけあるのですから、まだ他にもあるのでしょうし、今後新たなシナリオも作られていくのでしょう。
大昔に読んだこちらの本によると、「名簿とシナリオがセット」になって出回っているようですから、既に過去2回電話がかかってきていた竹内さんのご実家は、何らかの名簿に載せられてた可能性が……。

大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか―カンニング竹山と考える (扶桑社新書)
参考記事:「〜カンニング竹山と考える〜大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか」竹山隆範:マインドマップ的読書感想文(2007年04月05日)
お母様は、過去2回はひっかからなかった(どの時点で感づいたのか気になりますが)にもかかわらず、今回は被害にあってしまったのですから、1回かかってきたものの、大丈夫だった私の母も、今後は分かりません。
……今回の竹内さんの件は正月に実家に行った際に、一応話しておこうかと。
もちろん、警視庁のサイトも、お時間がある時に確認いただきたく。
皆さま、くれぐれもお気をつけください!
【関連記事】
【『影響力の武器』悪用編?】『だましの手口』に学ぶブラック手法6選(2012年03月07日)「〜カンニング竹山と考える〜大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか」竹山隆範:マインドマップ的読書感想文(2007年04月05日)
【詐欺師の法則】『詐欺師たちの殺し文句』に学ぶ5つの心理テクニック(2011年10月06日)
絶対に公開してはいけない「詐欺師の逆転話術」:マインドマップ的読書感想文(2010年05月09日)
【編集後記】
◆上記でもご紹介しているこの本ですが、4年弱前の本であるにも関わらず、中古でもまったく値崩れしていません(むしろプレミア付き)。
だましの手口 (PHP新書)
振り込み詐欺以外の事例も多いですし、内容的にも非常に濃いです。
レビューは上記関連記事をご覧下さい。

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この記事へのコメント
オレオレ電話。実家にもかかってきましたが「大人なのだから、正々堂々自分のミスは自分で始末着けなさい!」と説教したところ、突然電話を切られたそうです。
事後、男名前な私(女)の経歴が漏洩していると、母から連絡が入り判明した事案ですが、皆、隠そうとする見栄故にひっかかる気がします。
親も親なら子も子のような気もしますが、男社会は大変ですね・・・。
事後、男名前な私(女)の経歴が漏洩していると、母から連絡が入り判明した事案ですが、皆、隠そうとする見栄故にひっかかる気がします。
親も親なら子も子のような気もしますが、男社会は大変ですね・・・。
Posted by たかや at 2012年12月30日 11:58
>たかやさん
初めまして、コメントありがとうございます。
ご実家で対応されたのはお母様でしょうか?
ウチの母が大丈夫だったのは、ひとえに私が間違っても「オレ」なんて言わないからでしたが、母の性格的には、次かかってきたら、多分アウトだと思います。
確かに隠そうとする部分は誰しもあるところですが、そこを巧妙についてくるのがヤツらの手口ですからね……(汗)。
今後ともよろしくお願いします。
初めまして、コメントありがとうございます。
ご実家で対応されたのはお母様でしょうか?
ウチの母が大丈夫だったのは、ひとえに私が間違っても「オレ」なんて言わないからでしたが、母の性格的には、次かかってきたら、多分アウトだと思います。
確かに隠そうとする部分は誰しもあるところですが、そこを巧妙についてくるのがヤツらの手口ですからね……(汗)。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年12月31日 09:24
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