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2012年12月21日

【いい人?】『超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』岡田斗司夫


超情報化社会におけるサバイバル術   「いいひと」戦略
超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み岡田斗司夫さんの最新刊。

今回のテーマは「いい人」ということで、私たちの日頃の振る舞いや考え方を指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
「いいひと戦略」とは、21世紀の超情報社会において個人が生き延びる最適戦略です。ネット時代である現代のリスク管理です。いいひとだよ、という評判こそ個人戦略上、最も手堅く強い効果を発揮します。では「いいひと」になるには、どうしたらいいのでしょう?すべて本書の中で回答しています。

ぎ、偽善じゃないんだからねっ!


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【ポイント】

■1.「いい人」が求められている
樋口さんは昨年末に渡米してGoogleやfacebook本社を訪問し、役員クラスの人にこう質問したそうです。
 「あなたたちの会社では、どういう人材を求めているんですか?」
 樋口さんは「すごいスキルを持っている超天才」みたいな答えを予想していたそうです。ところが、彼らからは「good natured person (グッド・ネイチャード・パーソン)」という言葉が返ってきました。グッド・ネイチャード・パーソン――つまり「いいひと」です。
 不思議ですよね。Googleやfacebookのようなネット業界を引っ張っている企業の採用方針が、スキルではなく人格を重要視しているというのです。


■2.共感する
人は正しさだけでは動きません。そこに「共感」がないと、人の心や身体は1ミリも動かない。
 私はこんな大変な目にあったのに、あなたはまったく理解しくれない――共感を欠いた提案内容では、提案者が無関心であるかのように見えてしまいます。だから心まで届かない。問題も解決しない。
 順序を変えましょう。相手の懐へもう一歩だけ踏み込んで、まず共感してあげる。
 改善点の提案はそのあとで充分。その方が、成功確率がぐっと上がるはずです。


■3.これからの世界の3つの階層
 プライべートな情報を沢山公開している「パブリック」の影響力が一番強くなり、「スタンダード」、「アンダーグラウンド」となっていくにつれて、影響力が弱まっていきます。
 オススメはスタンダードです。頑張れる人はパブリックを目指してもよいかもしれません。でもアンダーグラウンドは、やはりオススメできません。個人情報を公開しないと、評価経済社会ではすごく生きにくいから。
 アンダーグラウンドという生き方をするには、高度なスキルが必要です。誰にも頼ることができず、自分のスキルが命綱だからです。
 そんなスキルがないよという人は、せめて個人情報を少しだけでも公開して、ネット市民からの信頼度を高めてください。


■4.意識して褒める
 まずは、パンチの打ち方を覚えてください。
 少しずつ「スゴい」と「スゴいね!」を使い分けられるようになってください。エクスクラメーションマークの使い方がポイントです。
 パンチに強弱を付けられるようになると、ジャブとストレートのコンビネーションで相手を追い詰められます。かわされた時のダメージも小さくなります。評価も同じです。評価の仕方が上手くなる――評価が適切になってくる、と言い換えてもよいでしょう。すると、あなたの評価に対する評価すなわち他人からの信頼性が高まります。


■5.いいことをしたらTwitterやfacebookに書き込む
私たち日本人にとっては、ちょっと照れくさいことかもしれません。
 でも、これは「戦略」であり「武道」ですから、最後までやり抜くことが大切です。パンチを途中で引っ込めてはいけません。最後まで打ち抜きましょう。
 おばあちゃんを助けただけでは、あなたが「いいひと」であることが、世の中に伝わりません。(中略)
 これは「評価戦略」です。あなたが「いいひと」であることを、おばあちゃんにだけではなく、ネット市民にも伝えないと攻撃力や防御力が上がりません。


■6.3Cという仕組み
 3Cとは「コンテンツ(Content)」「コミュニティ(Community)」「キャラクター(Character)」という3つの単語の頭文字を取ったものです。(中略)

 この3Cという仕組みは、何か目新しいもののような感じがするかもしれません。ところが、同じような仕組みは古代ヨーロッパや近代の日本にもありました。
 古代ギリシャでプラトンが始めたアカデミアもそうだし、江戸時代末期に緒方洪庵が始めた適塾なんかも同じ構造です。(中略)

 現代では、経済評論家・勝間和代さんの「勝間塾」、政治家・橋下徹さんの「大阪維新の会」、思想家・東浩紀さんの「ゲンロン友の会」などが3Cにあたるでしょう。


■7.キャラクター上場を目指す
 勝間さんや橋下さん、東さんやビートたけしさん。彼らはみんなキャラクター上場している魅力的な人たちです。彼らは、「いいひと」でありながら、別の側面も持つ人たちでもあります。
 魅力的なキャラクターというのは、両面的な存在です。「いいひと」というキャラクターをやっているだけでも充分得をするのですが、別の一面を公開すると――パブリックに晒すと、より立体的なキャラクターになる。ここに魅力が生じます。

(詳細は本書を)


【感想】

◆本書のタイトルに「戦略」とあるように、本書では繰り返し「いい人」という「戦略」を取る事を説いています。

『「いい人」になる』のではなく『「いい人」であるように振る舞う』、さらには『「いいこと」をしたらネットに書き込む』。

結構この時点で抵抗感がある方も多いと思います。

本書では、第4章にて『「いい人戦略」への反論』と題して、こうしたの反論にていねいに回答。

ちなみに、これらの反論は、岡田さんの主宰する「FREEex」が運営するSNSである「クラウドシティ」にて集められたもの。

まさに上記ポイントの6番目の「3C」を実践されているわけです。


◆それにしても普通だったら『「いい人」になりましょう』と言いそうなところ、「これは戦略です(キリッ)」と言い切ってしまうのが、岡田さんらしいというか。

上記ポイントの5番目の「いいことをしたらTwitterやfacebookに書き込む」にしたって、抜かりはありません。

上級編になると「なるべくただの自慢に見えないように注意せよ」と。

具体例として「おばあちゃんの手を握って、横断歩道を渡るのを手伝ってあげた。手が柔らかくて気持ち良かったよ(笑)」という文が挙げられているのですが、これにもさりげない(?)工夫がw
 先の例でいうと、「手が柔らかくて気持ち良かったよ」のように相手に対する「褒め」の部分を入れたり、「(笑)」や「www」を付け加えたりするのも一つの手です。
計算ずくww

そういう私も、このブログで「おばあちゃんに席譲ったら、『私がもっと若かったら…』と言われて全客が吹いた」みたいな事書いていましたw

……私の場合「自慢」ではなくて「自虐」ですね。


◆それより問題なのが「3つの階層」のお話。

本書によれば、個人情報を公開しないと、必然的に「アンダーグラウンド」になってしまいます。

逆にプライベートな情報(実名や年齢や顔写真等)を公開すればするほど、信頼できる人間に見えるようになる、と。

確かに「3C」のお話で言うところの「キャラクター」は、こうしたプライベートな情報が開示されないと、非常に弱いものになりそうです。

実際、上記ポイントの最後の「キャラクター上場」まで実現するには、むしろ「必然」でしょうし……。

     ____
   /      \ ( ;;;;(
  /  _ノ  ヽ__\) ;;;;)
/    (─)  (─ /;;/
|       (__人__) l;;,´   ペンネームで勘弁してもらいたいお。
/      ∩ ノ)━・'/
(  \ / _ノ´.|  |
.\  "  /__|  |
  \ /___ /



◆結局私の場合、リスクとリターンを秤にかけて「匿名」を選んでいるのですが、今後社会が変化していったら、どうなるか分かりません。

また私自身の置かれる状況が変わったら、いきなり顔出しして攻めまくるかもしれませんしw

今では知らない方も多いのでしょうけど、勝間さんもデビュー作を出された時は、まだ「ムギ」名義でした。

インディでいこう!
インディでいこう!

今後も匿名で通すかはさておき、少なくとも私は「いい人」を目指そうかと思います。

結局最後まで上場できずに、「大型未上場キャラクター」で終わっちゃうかもしれませんがw


「いい人」として認知されるために!

超情報化社会におけるサバイバル術   「いいひと」戦略
超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略
序文
第0章 ネット世代から「いいひと」が生まれている
第1章 評価経済社会の到来
第2章 自己啓発の格付け
第3章 評価戦略
第4章 「いいひと」戦略への反論
第5章 いいひと戦略
第6章 評価経済社会で生きる
後書き


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【編集後記】

◆相変わらず書影がないのですが。

大好きなことをやって生きよう!
大好きなことをやって生きよう!

本田健さんの新作です。

すでに発売されているのに、どうしたことやら。


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