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2012年12月07日

知らないと損する『「心を動かす」プレゼンテーション』活用法


「心を動かす」プレゼンテーション―実例から学ぶ80のヒント
「心を動かす」プレゼンテーション―実例から学ぶ80のヒント


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、『アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術』が当ブログでも人気だったジェリー・ワイズマンの新作。

サブタイトルにもありますように、プレゼンに関する80ものヒントが詰め込まれた1冊です。

アマゾンの内容紹介がちと簡潔過ぎるので、版元のサイトから。
プレゼンテーション・コーチングの第一人者が歴史的な名プレゼンを大分析!
日本人の多くが苦手とするプレゼン。
どうすれば、本当の想いを聴衆の心に届けられるのでしょうか?
優れたプレゼンの実例から、その答がわかります!

なお、タイトルは「伝家の宝刀」(?)、「ホッテントリメーカー」によるものです。


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【ポイント】

■1.「皆さん(you)」という言葉を使う
 選挙期間中、オバマ氏のサイトには次のような見出しが表示されていました。「どうか信じてください。ワシントンに真の変化をもたらす私の能力だけではなく……皆さんご自身の能力を」
 晴れて当選を果たした後、就任演説ではyouやyourをあわせて15回使っています。このyouは「あらゆる人種、地域、地位のアメリカ人」を指しています。(中略)

 この章の教訓は、プレゼンテーションではあらゆる機会をとらえて「皆さん(you)」という言葉を使い、聞き手を巻き込む、ということです。「皆さん」を使えば、格調高い大統領演説からありふれた日常のメールにいたるまで、コミュニケーションの質を高めることができます。


■2.「聞き手にとってのメリット」を差し込む
 プレゼンテーションで「だからどうした」症候群を回避するのにとりわけ効果的な方法があります。「それによって聞き手が何を手にするのか」に注意すればよいのです。(中略)
言い換えればプレゼンテーションの端々に「『聞き手にとってのメリット』を差し挟む」必要があるのです。こうすると視点が発表者から聞き手に移ります。


■3.結論を先に決めてさかのぼる
 ジョン・アーヴィングの前述のサイトには、創作にかかわる重要なアドバイスがもう1つ載っています。「私はいつも最後の一文から書き始め、そこからさかのぽっていき、最終的には冒頭部分となるべき箇所まで書き上げて終わります」というものです。(中略)

プレゼンテーションの原稿を作成するときには、常に結末を念頭に置いて書き始めましょう。まずはプレゼンテーションの目的や聴衆にどのような影響を与えたいのかを決め、次にその助けとなる具体的な情報を使ってプレゼンテーションを組み立てていくわけです。


■4.間を置く
新しいスライドを表示するときや、同じスライドで(画像であれ、テキストであれ)次の項目に移るときは、必ず小休止をしましょう。しばし話すのをやめ、皆さん自身も画像の方を向き、その新しい情報を見るのです。自分でも初めて見るかのような気分で見つめてください。そうすることで、聴衆が画面の新しい情報を消化する余裕ができます(聴衆は、もちろんその情報を初めて見るはすですから)。


■5.スライドはコントラストを意識する
 すべてのスライドを、どの聞き手から見てもわかりやすいものにするための決め手があります。あらゆる構成要素に応用できる決め手です。一言で言うなら「コントラスト」です。(中略)

 皆さんがスライドを作るときも、背景と文字表示のコントラストに留意しましよう。弊社のセミナー「パワー・プレゼンテーション」でも常に米国海軍の例をお手本にして、ロイヤル・ブルーの地に明るい黄色の文字を組み合わせ、くっきり目立つようにしています。
 それ以外の色を使う場合も、とにかく背景と文字表示を「寒色/暖色」か「暖色/寒色」の組み合わせにしましょう。


■6.プレゼンに使える「30秒間自己PR」の10のコツ(抜粋)
●準備は徹底的に。話す内容を慎重に考えておく。何度も練習する。実際に話してみて、所要時間も測る。声を出して練習する。よく練習して、話の内容を頭に叩き込むこと(ただし、一言一句暗記するところまではやらない)

●話し始める直前にぬるま湯をすする。コーヒー、牛乳、炭酸飲料は避ける

●両足でしっかり床を踏みしめ、イスの前方に背を伸ぱして座る。こうすると、集中して落ちついた印象を与えられる

●上着の後ろの裾にお尻を乗せるように座る。こうすれば首のうしろの所で上着の襟が持ち上がったりしない

●カメラのレンズをきちんと見る。ただし凝視せず、自然にまばたきをする

(詳細は本書を)


■7.オプラ・ウィンフリーに学ぶ「7つの習慣」
1.個人対個人の会話の連続と考える

2.聴衆の気持ちをくみ取る

3.アイコンタクトをする

4.できるだけ座る

5.正しい姿勢で

6.ジェスチャーを交える

7.笑みを忘れない

(詳細は本書を)


【感想】

◆冒頭の「はじめに」にあるのですが、本書は著者であるジェリー・ワイズマンの過去の3冊の著作に沿ってまとめられているのだそう。

パワー・プレゼンテーション (グロービス思考シリーズ)
パワー・プレゼンテーション (グロービス思考シリーズ)

アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術
アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術

In the Line of Fire: How to Handle Tough Questions...When It Counts
In the Line of Fire: How to Handle Tough Questions...When It Counts

下記目次の第1部と第2部は『パワー・プレゼンテーション』に、第3部は『アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術』に対応。

第4部は本邦未翻訳の『In the Line of Fire: How to Handle Tough Questions』に、そして第5部は3冊全体に対応しているとのことです。

ただし、この「対応」というのは、再収録というの意味ではないので、彼の過去の著作をお持ちの方でも大丈夫なはず。

むしろ、本書を読んだ後で、その詳細を個々の本で掘り下げるのが正しい使い方だと思います。


◆私は上記3冊の中では、『アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術』だけを読んでおりますが、改めて自分の書いた記事を読んでも、この本、かなり中身が濃そうな気がw

参考記事:【プレゼン】「世界最強のプレゼン術」ジェリー・ワイズマン(2010年03月08日)

アマゾンでもあまり値崩れしておりません(もっとも、3冊ともその傾向にあるんですが)し、プレゼンのノウハウ本としては、かなり秀逸かと。

ちなみに、上記参考記事の中でネタ的にかぶっているので割愛したのが、「スクリーンは左手側に置く」というお話。

これはスライドのテキストと写真の位置関係も同様で、「左に写真、右にテキスト」という配置の方が、私たちはわかりやすく感じます。

ついでに言うなら、アニメーションをも「左から右」に動いた方が、目にとって自然で心地よく、聴衆がメッセージを受け入れやすくなるのだとか。


◆こうした「人の習性」に関連したものが、上記ポイントの4番目の「間を置く」というTIPS。

ハーバード大学のスティーブン・コスリン博士によると、プレゼンの聴衆は「スライドのテキストを読み、写真や絵を眺め、発表者の話に注意を向け」る必要がありますが、大抵、3つ同時は不可能なので、どれかがおろそかになります。

ところがこの場合において、スクリーンに新たな画像が映し出されると、聴衆は「無意識」の行動として、スライドに注目し、発表者の言葉はまったく耳に入らないことに。

それを防ぐために良いのが「間を置く」こと。

私の今までの経験からすると、新たな画像でわざわざ間を取っていた人はいなかったのですが、読者の皆様におかれましては、今後はぜひご留意頂きたく。


◆他にも割愛した中に、こんなTIPSが……。

●ジョークは原則禁止(言うなら「自虐系」)

●パワポの「言及済みの項目を灰色にする」は使わない

●パワポのアニメーション効果の「軌跡」オプションは使わない

●一度にいくつも質問されたら、確認しながら書き留める
etc...

うーん、お腹いっぱいw


プレゼンの80ものヒントがここに!

「心を動かす」プレゼンテーション―実例から学ぶ80のヒント
「心を動かす」プレゼンテーション―実例から学ぶ80のヒント
第1部 内容―何をどう話すか
第2部 ビジュアル資料―パワーポイントのスライドはこうデザインする
第3部 伝えるスキル―言葉より雄弁なのは動作
第4部 質疑応答―やっかいな質問のさばき方
第5部 仕上げ―すべての要素を一つに


【関連記事】

【プレゼン】「世界最強のプレゼン術」ジェリー・ワイズマン(2010年03月08日)

【オススメ!】『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』山口 周(2012年10月22日)

【秀逸!】『思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書』佐々木繁範(2012年02月18日)

【スゴ本】『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則』カーマイン・ガロ(2010年07月11日)

【スピーチテク】『スピーチの天才100人』から選んだ10のTIPS(2010年11月01日)

【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

知の逆転 (NHK出版新書 395)
知の逆転 (NHK出版新書 395)

内容的にHONZさんあたりに持ってかれそうですがw


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この記事へのコメント
               
ども!久しぶりです。
マインドマップ的読書感想文のブログ、毎日、欠かさずチェックしてます。

良かったら、自分のブログもたまには見に来て下さいw
経済の記事は、かなり気合入れて書いてます。

マインドマップ的読書感想文で紹介されていた「入社1年目から使える「評価される技術」」を今頃、買いましたが、名著の予感。
これはコミュニケーションのスゴ本かも。
まだ、ざっと読みですがw

今後も、良い記事を書いていきたいですね。
smoothさんも俺も。
Posted by グラさん at 2012年12月07日 14:55
               
>グラさんさん

コメントありがとうございます。
また、ブログのご愛読も感謝です☆

さっそくお邪魔しましたよ〜。
千田さんのモテ本読まれているのには、ビックリしましたがw
ただ、経済関係は、個人的に得意ではないのですよ〜。
経済学科卒なのにお恥ずかしい限りですが。

また『入社1年目から使える「評価される技術』のお買い上げもありがとうございます(涙)。
ウチでは空振りしてしまいましたが、気に入って頂けたようで何よりです。

今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年12月08日 05:41