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2012年12月06日

【優先順位】『トリアージ仕事術』に学ぶ、仕事の順位の付け方7つのポイント


10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術
10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」で取り上げた1冊。

タイトルにある「トリアージ」とは医療用語であり、病気やケガの「緊急度や重傷度を判定し、治療や後方搬送の優先順位を決める」ことです。

トリアージ - Wikipedia

アマゾンの内容紹介から。
「正しい優先順位」で、効率と質が10倍アップ。現役医師×MBAホルダー×企業再生コンサルタントによる毎日忙しすぎる、あなたを救う本。

今回は本書の中から、「仕事の順位の付け方」のポイントを7つ挙げてみましたのでご覧ください!


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【ポイント】

■1.複数の軸で仕事の山をざっと見る


Time And Space / Brisbane Falling

 たとえば、軸に「時間」を取るとしましょう。すると、どれくらいの時間がかかるのか、この症例は10分、この症例は1時間など、時間という軸でタスクを見ます。または、人工(にんく)を軸に取ると、この症例は他科の医師何名くらいに聞かなければならないか、上級医に何度コンサルトが必要か、などです。または、情報収集という軸もあります。図書館に行く必要があるのか、手持ちの資料で足りるのか、医学文献検索サイトでのチェックが必要かどうか、という軸でも可能です。
 ここで注意していることは、複数の軸を変えながら、同じ仕事の山を数回「ざっと見る」こと。ビジネスの場合では「コスト」も良い軸ですね。そうすると優先順位が見えてきて、その後のスケジュールが立てやすくなります。


■2.大きなお皿から洗う


Love My Fiesta / Sarah Korf

 多忙なビジネスパーソンが複数の仕事を同時にこなすアイテアとして、「大皿思考」とうものがあります。
「溜まっている仕事は、大きなものから余力があるうちに片づけてしまえ」ということです。(中略)

 心身ともに疲れたとき、さあ、これから大きな仕事に取りかかるか、という気持ちにはなりません。仮に取り組んだとしても、疲れのせいでそのアウトプットは納得のいくものでなくなる可能性が高くなります。私は体力・脳力のあるうちにやっかいな仕事はやっつけてしまうようにしています。そのためには大きな皿を探すこと、つまりやっかいな仕事に優先順位をつけることが最初のステップとなります。
 そう、仕事に手をつける前に「大皿はどれかを探す」作業から始めるということです。


■3.重要な意思決定は「漆細工」をイメージする

秋田 川連塗り Xperia 漆塗りケース さくら

 病理医として、患者さんの人生を左右するような癌などの最終診断をする場面は数多くあります。こういうときは、非常に迷います。正直、すごく怖いのです。
 その恐怖感を脇によけるには、緻密に事実を積み上げ、あたかも漆細工を作るように、前の事実に次の事実を塗り固めるように、意思決定を組み立てていくしかありません。
 その際、前後の事実に齟齬があると、漆細工の表面の凹凸のように、何らかの違和感が生じます。「あれ?」と、全体の中での何かしらの違和感に気づけるかどうか。ここが大きなポイントとなります。


■4.迷ったら「ヒト・モノ・カネ・タイム」で判断する


Time is Money $ / Sir Ali Al-Saeed

私は、ヒト・モノ・カネ・タイムの基準で考えます。
 ある仕事に対し、これら4項目でそれぞれ点数をつけるのです。
 そして、その4項目で最も点数が高い仕事を「大皿」と認定し、先に取りかかります。(中略)
 
 1つ目のヒト。これは協力者の手助けが必要かどうかで点数をつけます。
 2つ目のモノ。これは資料を揃えたり、新しいテバイス・機器が必要かどうかで判断します。
 3つ目のカネ。お金がかかるかどうか、予算化が必要かどうか、何かを購入する必要があるかどうかを判断します。
 4つ目のタイム。締め切りが近いかどうか。


■5.「当たりでないもの」から排除する


Tanja Aims / topgold

 ある課題に対して、考えられる解決策をできるだけ挙げる。そこで可能性の少ないものから除外し、最後に残ったいくつかに精力を費やして精度を上げていくという考え方です。最初から「当たり」を探さないのです。「当たりでないもの」を省くのです。最初から当たりをつけて行動すると外れたときにショックが大きくなります。見当違いの解決法をいくら検討しても、正解からかけ離れていると、徒労に終わります。


■6.「自分でできる・できない」の因数分解をする


Enough organization, enough lists and we think we can control the uncontrollable. / katerha

 限られた時間内でクライアントの求める最大限のパフォーマンスを挙げるためには、「ここまでは自分でできる」「ここから先は自分ではできない」と勇気持って因数分解することが必要です。問題の範囲が明確になることで自分の力を最大限発揮できます。それ以外は、問題解決のアウトソースを目指します。タスクを因数分解し、controllableとuncontrollableの仕分けをしましょう。


■7.影響「範囲」と「深度」の2軸で考える


Professional Services Matrix / the.urbanophile

 皆さんは自分の意思決定が、どこまで影響を及ぼすかを考えたことがあるでしょうか?(中略)

 この問題を考える際には影響範囲影響深度の2軸マトリックス(3×3マス)で考えます。横軸に影響範囲、縦軸に影響深度を取ります。
「範囲」とは人、つまり関係者を指します。その意思決定が自分だけに及ぶのか、チームにも影響するのか、クライアントにまで及ぶのか、を考えます。
「深度」とは決定後に取るべき行動です。意思決定することで、経過を見るだけで良いのか、意思決定後に何らかの変化があり要注意状態で備えておくのか、意思決定後に即時にレスポンスが予想されるため即時対応が必要なのか、で軸を切ります。

(詳細は本書を)


【感想】

◆複数の仕事を抱えている場合に、「どれから手をつけるべきか」という問題は、誰しも抱えているもの。

かくいう私でさえ、毎日のタスクを書きだすところまではやっていますが(一応w)、どういう順番で処理していくかについては、明らかに緊急なものを除けば「何となく」「気分で」やっております。

そんな私でしたから、リアル書店で本書を手に取って、第1章をパラパラめくった時には、正直焦りました。

出来る人は、ここまで考えてやっているのだな、と。

さすがお医者さんは、「人の命」がかかっているだけに、問題への取り組む姿勢が違います。


◆例えば上記ポイントの6番目では、「自分でできる・できない」を切り分けるTIPSが出てきますが、本書で挙げられていた事例というのが、重い糖尿病を抱えている患者さんが、肺癌になった時のお話。

著者である裴 英洙さんも、糖尿病に関してはある程度治療はできるものの、中途半端に治療をすると、後で診る糖尿病専門医が困ります。

そこで「仕事内容を要素に分割」し、「できない部分」はキチンとエキスパートである他の医師に依頼したという。

なるほど、「限られた時間内でクライアントの求める最大限のパフォーマンスを挙げる」ためには、積極的なアウトソーシングも必要なんですね。


◆実は上記ポイントは、すべてこの第1章から抜き出したもの。

純粋な「トリアージ」という部分は、ここまでとなります。

そして第2章以降は、裴さんの「仕事術全般」がその内容。

ただし「現役医師×MBAホルダー×企業再生コンサルタント」という肩書きゆえ、類書とはひと味違うTIPSがちらほら見受けられました。

特に第4章の「体・コンディションの整え方」に関しては、さすがお医者さんが書かれたビジネス書だな、と納得しきり。

例えば、眠気覚ましに「シャーペンの芯をペン先から入れる(しかも逆手で芯を持って)」というTIPSは、今度試してみたいところです。


◆私の場合、本書購入の大きな動機は第1章にありました。

厳密に言えば、第2章以降は「トリアージ」とは直接関係ないため、ここをどう考えるかで、本書の評価も変わってくると思います。

もちろん、2章以降も有益なお話は多々あるので、それをエクストラポイントと考えれば「お得感」はアリw

個人的には、第1章のエッセンスを身につけることができれば、それだけで元は取れると思いますが。


正しく優先順位をつけるために!

10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術
10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術
序章 忙殺&プレッシャーの毎日から解放される、3つの原則
1章 仕事はトリアージで動く
2章 自分のパフォーマンスを最大化する
3章 とにかく「ばらつき」をなくせ 仕事に特効薬はない
4章 体・コンディションの整え方
5章 人のパフォーマンスも上げてしまおう


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【編集後記】

◆昨日のお買いもの。

「心を動かす」プレゼンテーション―実例から学ぶ80のヒント
「心を動かす」プレゼンテーション―実例から学ぶ80のヒント

相変わらずプレゼンの予定もないのにプレゼン本を読んでおりますw


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