2012年12月05日
【仕事術】『結果は「行動する前」に8割決まる 世界上位2%だけが知っている「達成思考」仕事術』金田博之
結果は「行動する前」に8割決まる 世界上位2%だけが知っている「達成思考」仕事術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、かなりガチな仕事術のご本。著者の金田博之さんは、「29歳での異例の副社長補佐への抜擢」をはじめ、「それぞれのステージで圧倒的な結果」を残してこられた、という方です。
アマゾンの内容紹介から。
「勝つ」方法より「負けない」方法から考える。自分の限界を打ち破る「ストレッチゴール」。「モチベーションの波」を小さくする方法。プレゼンの成否は「意味づけ」で決まる。部下の可能性を引き出す「GOD」管理法。世界のスキルを日本で使い倒せ。
内容的にもかなり盛り沢山な1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.身につけるべきスキルを数字に落とし込む例えば営業の仕事で考えてみましょう。「訪問件数」「受注件数」を比べるとどうでしょうか? この2つの数字についてトップセールスのTさんと比べるだけでも見え方が変わります。
Tさんよりも「訪問件数」が少ないのであれば、もっと「訪問件数」を増やせば「受注件数」をTさんと同じくらいにまで増やせるかもしれません。訪問件数が少ない理由が準備に時間がかかりすぎているせいであれば、準備時間を短くする時間管理術を磨けばいいでしょう。
Tさんよりも「訪問件数」は多いのに「受注件数」が少ないのであれば、商談の進め方に改善の余地があるとも、訪問する客層を検討したほうがいいとも考えられます。
このように数字を抽出して検討すれば、どこに課題があるのかが明確になり、どこに伸びる余地があるかを把握できるようになります。
■2.「完成イメージ」が無理でも「プロトタイプ」を描く
スゴい人たちは行動する前に「完成イメージ」を描いています。そのもとになるのは、経験量と直感です。それがわかったところで、そもそも私には経験量が圧倒的に少なかったのですから、直感も生み出しようがありません。(中略)
そこで「完成イメージ」を描くのは無理でも、「プロトタイプ(試作)」を描ければいいのではないかと考えたのです。
プロトタイプは試作(仮説)であって完成イメージではないので、不備があるのが前提です。自分のイメージを紙に書き出して、周囲の意見を集める。そうすれば経験不足を補うことができる。こうすれば「行動する前」から「完成イメージ」にかぎりなく近い「プロトタイプ」を作成できると考えたのです。
つまり「プロトタイプ」は、自分のイメージを紙に書き出し、足りないところは周囲の人からフィードバックをもらってそれを蓄積するノウハウなのです。
■3.「目標の上」にもう1つ目標を設定する
ビジネスにおいて、目標を設定するときには、最低目標ラインを設定します。その目標の最低目標のラインを数値化しておくと同時に、「目標の上」にもう1つ目標を「ストレッチゴール」として設定しておくのです。(中略)
ストレッチゴールの設定方法には、いろいろな切りロがあります。
例えば営業の人であれば、周囲のトップセールスの売上実績を目標値に設定してみます。人聞の能力に大きな差はありません。つまり自分の周囲のデキる人をストレッチ目標にするわけです。
■4.信念や目標をコミットメントとして数値化する
私はコミットメントを「自分の信念や目的を数値化したもの」ととらえています。「ある売上目標を達成する」というコミットメントは、数字を達成することそのもの以上に、数字を達成する先にある信念や目的が重要だと考えています。
例えば売上を達成し続けることで「会社が成長する」、新製品を開発し「新しい付加価値をお客様に届ける」、雇用が安定し「従業員の満足度が向上する」、教育投資ができ「将来の会社を担う人材(タレント)が育成できる」、株価を上げ「投資家に還元できる」などです。自分が売上目標を達成することで、自分自身はもちろん自分の周囲の仲間にも結果的に還元されるのです。
■5.「思考停止ワード」を使わない
例えば「他社との差別化は?」と聞かれて、会議中にみんなで一生懸命考えているケースがあります。他社との違いを考えるのですが時間だけが費やされるばかり。ここで「A社の商談のケースを使って、自社と競合T社の営業アプローチの違いはどこにあるのか?」「先日B社の商談で、自社がT社に負けた原因は?」「C社のケースではどうやったら、T社に勝てるのか?」などをテーマに議論をすると、「差別化」という言葉を使わなくても、営業アプローチや敗因、勝つための方法を議論できます。「思考停止ワード」は、表届の言葉にとらわれてロジックの本質や議論の本質を崩してしまう言葉なのです。
■6.何をすべきかは「GOD」に落とし込む
以前の私の上司たち(イタリア人、ドイツ人、アメリカ人)は、アメリカやアジア各国で200名近くの人材を管理していました。(中略)
この上司が部下を管理するときには、お互いが何をすべきかを「文章で共有する」方法をとっていました。基本的にはメールやパワーポイント、あるいはエクセルで文章に落とし、お互いがいつでも参照できるようにしておきます。
そして文章に落とし込んでいく際には、「目標(Goal)」「途中成果(Output)」「期限(Deadline)」を書き込んでいきます。私はこれら3つの頭文字をとって「GOD」と呼び、自分のフレームワークとして活用しています。
【感想】
◆引用量が多かったのでこの辺で。本書の著者である金田さんは、その業績から「グローバル全社60000人の上位2%にも6年連続で選出されている」のだそう。
そのこともあってか、本書は「海外で使われるフレームワーク」等が多々登場しています。
例えば「STARフレームワーク」とか。
参考記事:ボストンキャリアフォーラムの歩き方 | Boston Career Forum
お馴染みの「SMART」ですとか。
参考記事:コンサルタントのSMARTな目標設定法とは? [コンサルタントの転職] All About
そう言えば、下記目次を見ても、カタカナが多いですねw
◆今回の記事では、比較的「小ネタ」を割愛してしまったのですが、備忘録代わりにいくつかご紹介しておきます。
まずは「メールを『ひな型(テンプレート)』として蓄積する」という方法。
これは、優秀な人のメールをひな型として保存しておいて、自分がメールを書く際に
私もお中元やお歳暮のお礼葉書を書く際には、本やネットの例文をほぼそのまま借用してますが、ビジネスメールも考え方としては同じ。
さらに英文メールであれば、その効果はより一層高まります。
……私の様に英語が苦手であれば特にw
◆もう1つ、これは「小ネタ」とは違うのですが、『「見せかけの達成感」にだまされない』というお話。
例えば、トラブル対応を無事切り抜けたときには、気持ちが高ぶり、達成感を覚えてしまうことがあります。
ただし、その「気持ちの高ぶり」と「仕事での成果」は、切り分けて考えるべきである、と。
そもそも、トラブルが起きる前に手を打てていれば、トラブル対応は必要のないものです。
そういう意味では「見せかけの達成感」に浸ることなく、本質的な問題解決を考えたり、本来の目的である成功を目指すべきなんですね。
自分自身、会社員時代は、トラブルやら緊急事態に迅速に対応できたことを誇りに思っていましたが、「そこ」が問題ではなかったのだと、今さら気がついてみたり(遅すぎ)。
◆再度下記目次をご覧頂くとお分かりのように、本書は、第4章までは一般的な仕事術で、それ以降は「プレゼンテーション」「ファシリテーション」「リーダーシップ」と、当ブログ的にはカテゴリーが異なる内容となっています。
おまけに巻末では「英語」まで取り扱うという、バラエティ豊富な品揃えw
その分、個々のテーマの密度は濃いので、読み応えはあると思われ。
「世界上位2%」に入るような人は、こんなタイトな働き方をしているのだということが実感できることウケアイです。
世界レベルの仕事術がここに!
結果は「行動する前」に8割決まる 世界上位2%だけが知っている「達成思考」仕事術
序 章 結果は「行動する前」に8割決まる
第1章 デキる人を「ベンチマーク」してスキルを盗む
第2章 行動する前に“失敗リスク"を下げて成功へ導く「プロトタイプ」
第3章 改善から“革新"へと意識を変える「ストレッチゴール」
第4章 「コミットメント」で“初速"を上げて一気にやりきる
第5章 インパクトで相手を“その気"にさせる「プレゼンテーション」
第6章 “ダラダラ会議"から脱却させる「ファシリテーション」
第7章 指示待ち人間を“自ら考えるプロ"に育てるリーダーシップ
特別章 グローバル社会を生き抜く「英語」を身につけろ
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【編集後記】
◆当ブログでは『出版で夢をつかむ方法』でお馴染みの、吉江 勝さんの新作。どんな人にも1つや2つ儲けのネタはある!
どちらかというと、起業本らしいですが、ちょっと気になりますねw
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
すごくいいですね!
by 山村正
by 山村正
Posted by 山村正 at 2012年12月05日 10:22
>山村正さん
コメントありがとうございます。
ちと私にはオーバースペック気味でしたが、勉強になりました。
コメントありがとうございます。
ちと私にはオーバースペック気味でしたが、勉強になりました。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年12月06日 04:51
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