スポンサーリンク

       

2012年12月03日

【超集客力?】『日本全国 超繁盛店の すごい集客』日経レストラン


日本全国 超繁盛店の  すごい集客
日本全国 超繁盛店の すごい集客

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、日経レストラン編集による、全国の超繁盛店の秘密に迫った1冊。

今まで集客という視点で飲食店を見たことがあまりなかったのですが、本書を読んで、全国にはこんなユニークなアイデアを持ったお店がいくつもある事が良く分かりました。

アマゾンの内容紹介から。
なぜあの飲食店はお客でいっぱいなのか?全国よりすぐりの50店を視察、その強さの秘密。すぐに使える50の秘策。

値下げだけが集客手段じゃないんですね!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【ポイント】

■1.週2回ワイン1000円5時間飲み放題

セレクション 赤ワイン 5本セット ( チリワイン 2本 フランスワイン 1本 イタリアワイン 1本 スペインワイン 1本)計750ml×5本

 そんなことをしたら、誰もほかのお酒を注文せず、大損するのではないかと思うかもしれない。でも、その心配は無用だ。事実、飲み放題を利用するお客の客単価が3100円なのに対し、普通のお客は客単価が3200円。「原価率は約34%で、差はほとんどない」(オーナーシェフの瀧本博通氏)という。
 というのも、実際にはお客はワインだけを飲んでいるわけではないからだ。最初に450円の生ビールを頼んだり、1人当たり2品以上の料理を注文したりしている。



■2.ランチでくじ引きのイベントをする

金の抽選箱

 2月、5月、8月、11月という閑散期の前には、ランチ客から注文を取るときにくじを引いてもらうイべントを2週間ほど実施している。
 このくじを持って夜の営業時に来店すれば、無料でフードかドリンクを1品提供する。例えば2011年夏に実施した際の「特賞」は刺し身の盛り合わせで、「1等」は芋焼酎のボトル1本だった。これにより、156人が来店。夜の売り上げを20%ほど押し上げる効果があった。
 くじは毎回400枚ほど用意する。すべて何らかの特典が付いていて、「はずれ」でも、ワンドリンクは無料になる仕組みだ。販促として、ワンドリンク無料のクーポン券を配るより、はるかにお客の印象に残りやすい。



■3.マンガ本で男性の一人客を狙い撃ち

ミニコミ 手塚治虫 漫画全集 Vol.1 200巻 特別限定セット BOX

 昔ながらの洋食店「レストラン&珈琲 ジェノバ」は、大手外食チェーンが近隣に出店したこともあり、10年間、売り上げは右肩下がりだった。それが2010年5月以降、売上高は11ヵ月連続で前年同月比でプラスに。特に11年3月は月商215万円と前年同月比で35%の増収を果たした。平日夜の男性一人客の獲得に成功したのだ。
 反転攻勢巳きっかけは、10年4月半ばから店内に置いた600冊以上のマンガ本だった。翌月には早くも、対前年同月比で5%のプラスになった。理由は明快で、食事をしながらマンガを読みたいという20〜40代の男性客が集まったからだ。

レストラン&珈琲ジェノバ


■4.結婚式の二次会需要で月商の6割近くを稼ぎ出す


Hama Wedding Party 5 / upyernoz

 多くの二次会はビュッフェ形式のため、料理を事前に用意できて、当日のスタッフもそれほど多くなくていい。実は利益率が高いのだ。(中略)
 立川駅周辺で二次会対応を宣伝する店は少なくない。そんな中で、「キャンティーナ」が選ばれるのは、二次会を盛り上げる各種オプションが無料という他店にないサービスを提供しているためだ。
 種類は豊富だ。「ワインタワー」「号外新聞」「ウェルカムボード作成」「ウェデイングケーキ」「チョコレートファウンテン」「招待状作成」「DVDスライドショー作成」「ビンゴゲーム」「司会・受け付け」など。



■5.花を持参すると500円のスパークリングワインを無料提供 


Morning Bud Vase / hello-julie

 オーナーシェフの福家征起氏によると、3つの狙いがある。
 1つは、企画のユニークさでお客の興味を引くこと。「ドリンクを1杯無料チケット」はありふれている。しかし、一輪の花が無料チケットの代わりになるとなれば、話は違ってくる。(中略)
  2つ目は、手間をかけず店内が華やかになること。殺風景だった店を何かで彩りたくても、福家氏自身は材料の仕入れや仕込みに時間を取られて思うに任せない。だったら、お客さんに持って来てもらえばいいと考えた。(中略)
 そして3つ目が、常連客の来店頻度を高めること。この店のお客は、来るたびに違った花が飾られているのを楽しんでいる。



■6.デザート食べ放題でランチに主婦層を取り込む

わらび餅(抹茶) 1kg

 一般的に、居酒屋のランチ客は男性がメーンで、女性は少数派。にもかかわらず、同店のランチ客のほとんどを女性が占めるのは、合計20種類の和菓子、ケーキ、アイスを時聞無制限で食べ放題にする「甘味ビュッフェ」を提供しているためだ。甘味ビュッフェに、790〜890円の定食1品を加えた「甘味ビュッフェ付き定食」は1480円でランチ客の5割が注文する人気メニューになっている。
 


■7.予約があれば「昼宴会」実施

TWINBIRD 酒燗器 ブラック TW-4418B

 昼宴会の用途はさまざま。シニアがゴルフ帰りに使ったり、親子3世代が集まって個室を利用したりしているという。
 もともと夜の常連だったお客が昼宴会を開く一方で、昼宴会がきっかけで夜も通い始める人がいるなど、相乗効果も出ている。普段は休んでいる昼間に店を開ける作業は一見すると負担が多そうだが、予約のみなので、事前に人と食材を手配できるし、ロスも出さずにすむ。

夢の蔵 平針店


【感想】

◆まだまだ付箋を貼った箇所はあるものの、お腹一杯でありますw

いやー、それにしても皆さん色々考えるものだな、と。

冒頭で「値下げだけが集客手段じゃない」と書きましたが、ホントその通りで。

また、ストレートな値下げでなくとも、「飲み放題」や「食べ放題」といった手法に、「ひと工夫」加えることで、「お得感」を出しつつも、利益を確保しているという。


◆たとえば、ポイントの6番目の「甘味ビュッフェ」なら、一口サイズのスイーツが、あらかじめ小皿に盛ってあるんですよね。

: 料理写真 : とりでん 水戸見和店[食べログ]

これ、普通のビュッフェみたいに自分で取り分けるのなら、1個ずつ載せるということはまずしないハズ。

自分で実際に測ったワケじゃないですけど、比較したら、あらかじめ盛っておいた方が、出る量もロスも少ないのではないでしょうか?

さらにこのお店の場合、居酒屋であるにもかかわらず、こうした工夫で本来の客層ではない女性客も集めているのがスゴイわけで。


◆なお、本書は下記目次にもあるように、集客の工夫をタイプ別に分けて紹介しています。

第3章の「悪立地」で「なるほど」と思ったのが、上記ポイントの4番目の「結婚式の二次会」。

悪立地がなぜ悪立地かと言うと、ひとえに「一見客」というか「ふと目にしたので入った」という来店が少ないこと。

その点、「結婚式の二次会」であれば、幹事が地図まで書いて人を呼んでくれます(当たり前w)。

加えて、「各種オプション」が無料とくれば、よほどのこだわりがある幹事でない限り、「ここ、いいんじゃね?」となっちゃいます罠。


◆一方、第6章は「ネット活用」なんですけど、正直ここはちと微妙。

もともとそういう事例が少ないのか、日経レストランがネットに力を入れてないのか、あまりピンとくるケースがありませんでした。

本書には載っていないのですが、一時期流行った(?)「フォロー数分無料」等のTwitterでの集客とか、今はどうなんでしょね?

私自身が、FacebookもTwitterも活用していないので、現状に疎くて申し訳ないのですが……。


◆本書は、各店4ページで詳細がまとめられており、最後の1ページが「ここがすごい」として3つに絞ったポイントを列挙するという「ビジネス書仕様」w

写真等も収録されていることもあって、文字数自体はそれほど多くありません。

ただし、各店ごとのアイデアは、上記以外でも「さすがに本に載るだけのことはある」というものばかり。

飲食店のみならず、「集客のヒント」になることウケアイです。


「集客アイデアの玉手箱や〜!」(彦麻呂風w)

日本全国 超繁盛店の  すごい集客
日本全国 超繁盛店の すごい集客
第1章 お客がわんさと詰めかける
第2章 平日夜のお客をどんどん呼び戻す
第3章 悪立地でもお客を続々と誘い込む
第4章 リピーターを絶対に逃さない
第5章 女性の心をがっちりとつかむ
第6章 ネット活用でファンを次々に増やす
第7章 シニアが喜ぶツボをしっかり抑える
第8章 ランチ営業できちんと儲ける


【関連記事】

【確かにスゴ本】『ローマ法王に米を食べさせた男』高野誠鮮(2012年07月06日)

【スゴ本】『トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる』宇野隆史(2011年05月12日)

【オススメ!】「外食の天才が教える発想の魔術」フィル・ロマーノ(2008年03月20日)

【良い店とは?】「流行る店」吉野信吾(2007年09月07日)

「小さな飲食店 成功のバイブル」鬼頭宏昌(2007年02月06日)


【編集後記】

◆今日ご紹介の本に関連して。

外食の天才が教える発想の魔術
外食の天才が教える発想の魔術

世界で最初に「オープンキッチン」を始めたフィル・ロマーノが、自らの半生を語った1冊。

「全国展開されたレストランコンセプトが6つもある」というのは、半端ないっす。

レビューについては、上記関連記事にてご覧ください。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「マーケティング」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。