2012年11月26日
知らないと損する『ハーバード流宴会術』
ハーバード流宴会術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「社内行事、接待、結婚披露宴、合コン、ホームパーティー」等々のシーンでお役にたちそうな1冊。著者の児玉教仁さんは、三菱商事時代に「東京の夜の怪物くん」と呼ばれる先輩に師事することで、世界最強の「日本の総合商社の宴会術」を極めたというお方。
その後、ハーバード大学経営大学院にて学んだリーダーシップ論・ビジネス論等を宴会術に応用し、「誰にでも実践できるよう理論に落とし込んだ」ものが本書になります。
……と書くと、小難しいようですが、TIPS自体は誰にでも実践できるものなので、是非ともお試しアレ!
なお、タイトルはまたもや「ホッテントリメーカー」のお世話になりましたw
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.「席順」は事前にシミュレーションしておくBanquet / Andrew Juren
宴会における配置の基本は、偉い人を上座に据えるなどの一般的留意事項ととは別によく喋る人とあまり喋らない人を混在させることです。特に次の点が大事です。
・よく喋る人を角の席にする(喋らない人が角だと孤立してしまう可能性大)。
・よく喋る仲のいい人同士は、できれば離してみる。
・あまり喋らない人は、隣に喋りやすい人を配置する。
・女性陣に配慮する(オヤジの相手を重点的にさせない)。
■2.結婚式の二次会には「お手紙エンドロール」を用意する
Lee's slide show / jeremytarling
結婚式の二次会における最強の出し物のひとつに「お手紙エンドロール」というものがあります。これは、宴もたけなわの頃、事前に新婦の母親に書いてもらった手紙をサプライズで新婦に見せるという企画です。(中略)
「お手紙エンドロール」のべストのやり方は、手紙を映画のエンドロールのように、映像にして流すべきです。手紙が流れるバックには当然、新婦の小さい頃からの写真。音楽はなんでもいいから泣けるやつ。
「それでは、新婦にサプライズです!」と言ってから、そのVTRを流します。(中略)
そして、歌の1番が終わる頃から手紙をエンドロールで出しはじめます。
■3.新人芸の5つのポイント
新人芸のポイントは、宴会芸の3つのポイントである「単純明快」「どっかんと笑う」「お馬鹿だなあ」に加えて、2つあります。
ひとつはコスプレです。全身タイツでも女装でも何でもいいです。とにかく何かをまとわせるということです。(中略)
もうひとつは、先輩社員の「介添え」です。
(詳細は本書を)
■4.お酒が弱くても最初の一杯だけは気持ち良く飲む
Beers and Glassware / Cambridge Brewing Co.
「お酒は必要ない」といいましたが、宴会の幹事をやるときには、いくら下戸でも1杯目は「お酒」を頼んでください。そして、(本当に体質的に受け付けない方以外は)1杯目は気持ちよく、美味しそうに飲み、そして、早々に2杯目を頼んでください。2杯目は口をつけなくても大丈夫です。そのうち水でも頼んでそちらを飲んでください。
なぜなら、幹事や接待主催者側がお酒を頼まないと盛り上がらないからです。(中略)
2杯目を早々に頼むのも同じ理由です。それによって、「今日は、みなさん、好きなだけ飲んでくださいね」という雰囲気をつくり出すのです。
■5.「恋のからさわぎ」の明石家さんまに「仕切り」を学ぶ
この番組で彼が行なっている「作業」は、およそ2つに分けられます。
1 話を引き出すこと
2 話にオチをつけること
この「人の話を引き出し、オチをつけていく」というのは、まさに「ファシリテーション」です。彼の天才的レべルに達することは至難の業でも、この2つのファシリテーションの要素は、訓練をすることで僕たち素人でも体得することができます。
(詳細は本書を)
■6.ビンゴは絶対にやってはいけない
出し物は「参加型」にするのが鉄則ですが、参加型であればなんでもいいというものではありません。特に長い時間をかけて行なう「だらだら参加型」のゲームは最悪です。
「だらだら参加型ゲーム」の最たるもの、それがビンゴです。もう「ビンゴは日本の駄目な会議の縮図」といっても過言ではないでしょう。(中略)
人の一喜一憂、喜びや落胆が声となり、盛り上がっているかのように錯覚しがちですが、ビンゴの問題は、数十分というゴールデンかつ大切な時間が、誰のエアー・タイムの向上にもなっていないことです。
■7.カラオケはロケットスタートで
karaoke / electricnerve
部屋番号を集団に告げたら、自分は一気に部屋に駆けつけます。(中略)
一次会の席は幹事側で完全に決めておくべきですが、二次会、特にカラオケでは偉い人や敬うべき人を真ん中のほうに座ってもらうなどの配慮だけで十分です。(中略)
そして、みんながまだ座り切っていない段階で、1曲目を入れてしまいます。「もう、歌いはじめているのか!?」と全員が驚くなか、「露払いで1曲歌わせていただきます!」と大きな声で、元気に言い放ち、歌いはじめましょう。特にこの1曲目は、ノリのいい曲にしてください。誰でも口ずさめる曲がべストです。
【感想】
◆アマゾンの書影だと分からないものの、本書の帯には、「ライフネット生命保険副社長 岩瀬大輔氏 激推薦!」という一文が寄せられています。そう言えば岩瀬さんもハーバードご出身だったな、と思いながら読み始めたところ、ご本人が本書内に登場していてビックリの巻。
実は本書の著者の児玉さんや岩瀬さんは、2005年にハーバードビジネススクールの生徒140人が、10日間に渡って日本を練り歩いた「ジャパン・トリップ」を引率したメンバーでした。
日本勢には他にも「ツワモノ」が勢揃いしており、連夜の特殊宴会(?)は大成功。
後に伝説として語り継がれていくようになったのだとか……って、日本人が皆、彼らのような「パーティピーポー」だと思われても困るんですがw
◆実際、本書のテクニックは特に外人向けというのではなく、むしろ普通のビジネスパーソンが、俗に言う「宴会」にて活用できるもの。
今回はご紹介できませんでしたが、社内の宴会で「誰に場所を決めてもらうか」「誰にお店を決めてもらうか」といったTIPSは、なるほど一歩間違えると大変なことになりそうな。
さらには、「スケジュール調整サービスはむやみに使うな」というお話では、まず「誰の日程から抑えるべきか」といった重要なTIPSを指南。
上記ポイントの初っ端の「席順」と合わせて、部内で幹事をする方なら、知っておいて損はありません。
◆また、「お手紙エンドロール」のアイデアも目からウロコ。
最近は、披露宴や二次会で披露される凝った映像が多いですが、お母さんからの手紙が、新婦の小さい頃の写真と一緒に出されたら、それは感動します罠。
同様に、児玉さんが考えられた「結婚式で必ず感動の雨あられになる出し物」というものが本書にはあるのですが、さすがにそちらはネタバレ自重(スイマセン)。
「それ」をやると、新郎新婦のみならず、そのご両親や親族もとても喜ばれるのだとか。
確かに事前の手間の割には効果は大きそうなので、今後幹事の予定のある方は、ぜひ検討してみてください。
◆「目からウロコ」という点では、上記ポイントの6番目の「ビンゴは絶対にやってはいけない」もそうでした。
そもそも披露宴の二次会等では、ビンゴをやらないことの方が少ないような?
一方本書では、ビンゴに代わる「参加型ゲーム」を提唱。
1.単純明快であるものこの3つの要素を満たすゲームとは?
2.興味をかきたてられたり、自尊心がくすぐられるもの
3.わいわい相談できるもの
……すいません、こちらもネタバレ自重させて頂きます。
◆なお、ここまで外国人向けのネタがありませんでしたが、本書の「コラム」には、外人さんをもてなすネタが満載。
例えば「ランチョンマットは半紙に習字」とか「たこ焼きマシンは最高」なんてTIPSは、すぐにでも実践できそうです。
何でも「たこ焼きソース」の甘辛い濃厚な味と日本のマヨネーズのまろやか味は、多くの外国人に馬鹿ウケ」だったのだそう。
山善(YAMAZEN) たこ焼き機(着脱プレート式) SOPX-1180(R) レッド
値段も意外とお安いですし、これはおもてなしに良さげw
◆ちなみに、今回のエントリーでは丸ごと割愛しておりますが、本書の多くのTIPSが「ビジネススクールの知識」と結び付けられています。
この辺は、以前ご紹介したこの本のノリに若干近いものがありました。
もう合コンに行くな―3時間で女をオトす恋愛戦略「ナンパマーケティング」 (ベストセレクト 783)
参考記事:【モテ】『もう合コンに行くな―3時間で女をオトす恋愛戦略「ナンパマーケティング」 』リーマンナンパマスター(2009年02月22日)
さすがにそこまで「ネタ」感は強くないものの、中には「ちょっと強引すぎねw?」と思ったものがいくつかあったのも事実。
ただ、本書収録のテクニックは、たとえ「理論に裏付けられて」いなかったとしても、実際に効果がありそうだという印象を強く受けました。
ハーバード流、恐るべし!
ハーバード流宴会術
はじめに
基礎編
実践編
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【モテ】『もう合コンに行くな―3時間で女をオトす恋愛戦略「ナンパマーケティング」 』リーマンナンパマスター(2009年02月22日)
【編集後記】
◆その児玉さんの前作。パンツを脱ぐ勇気
未だ中古価格も値崩れしていないのがスゴイです!
ご声援ありがとうございました!
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