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2012年11月21日

【プレゼン】『絶対!伝わる図解 面白いほど通るプレゼン作成術』池田千恵


絶対!伝わる図解  面白いほど通るプレゼン作成術
絶対!伝わる図解 面白いほど通るプレゼン作成術

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは「朝4時起き」でお馴染みの池田千恵さんの最新作。

「外資系戦略コンサルティングファームで7万枚以上のプレゼン資料を作成した」池田さんのノウハウが凝縮されております。

アマゾンの内容紹介から。
キースライドとは、プレゼンの「キモ」となるスライド、適切なタイミングとは、キースライドを出す位置と順番。プレゼンでは、この2つが大事。すぐに使える「伝わる図解」設計図つき。

書店で見た「コロンブスがスペイン国王にプレゼンしたなら、こんなスライドを作ったであろう」という架空の事例にフイて、思わずレジに持って行ったのは秘密ですw


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【ポイント】

■1.「伝える」と「伝わる」の間には大きな溝がある
「伝える」は自分が主体なのに対して、「伝わる」は相手が主体です。自分が考えていることを、間違いなく正確に相手に届けようというのが「伝える」で、相手が「分かった」と納得して、何らかの行動を起こすのが「伝わる」です。
 つまり、「伝える」こと自体はゴールでなくプロセスにすぎないし、「伝えた」という事実は「伝わった」という保証にはならないのです。


■2.「何を伝えないか」を決める
 感動するプレゼン、資料に出合った時は、何がすごかったか、何に心が動いたかが一言で言えるものです。つまりそれが、あなたの心の琴線に触れた「キースライド」です。
 思考整理の段階で「あれもこれも」入れて考え抜くのは良いことなのです。しかし、プレゼンをする段階になったら、「言わないこと」を決める勇気も必要です。
 限りある相手の時間も大事にするためにも、あなたの話を聞く相手、資料を見る相手に「これだけは伝えたい」というものは何を考え、伝えることが重要です。


■3.「相手にどう言われたいか」を考える
 資料作成を
「自分が知っていて(持っていて)、
相手が知らないもので(相手にないもので)、
それを相手にどう見せれば相手の役に立つかを知らせるゲームだ」
と考え、相手の反応を想像しながら作ってみましょう。
 たとえば、提案書なら「よし、やろう!」「いつから始める?」、
報告書なら「分かりやすくまとめてくれてありがとう」、
説得なら「今まで全く反対の意見だったけれど、あなたの話を聞いて考えが変わった」
など、"相手から言われて嬉しい言葉"を思い浮かべると、自分のこと、相手のことをよりいっそう調べようという気持ちになりますよ。


■4.先回りして資料を作る
私は、次の2点をゴールに据えてから、資料作成に取りかかります。

(1)相手にどんな気持ちになってもらいたいか
(2)その結果どんな行動を起こしてもらいたいか


これを私は、「感情を論理でくるむ」と表現しています。
 相手を調べれば、
「何が相手の響きポイントか」
「相手の響きポイントと自分の思いをどうリンクしていけばよいか」
「どのタイミングで言えば伝わるか」
が分かってきます。
「相手がどう感じ、どう動いてくれるか」まで先回りして資料を作ることができたら、あなたの思いは必ず相手に伝わります。


■5.主語と述語と数字で語る
 思えば、私が最初に就職した職場でよく使われていた決まり文句も、
「主語と述語と数字で語れ」
でした。
「主語と述語だけではツメが甘い。数字がないと納得できない」ということです。
 前職の外資系コンサル会社勤務時代にももちろん、「数字」は重視されていました。
 感情的に「これはいい」「こうすべきだ」だけでは、人は動きません。その点、数字があれば、論理的に説明しやすく、相手を納得させやすくなります。


■6.図解の適性を考える
 右脳タイプが優先順位を高く見ている事項は「どこで」「誰に」「何を」であり、左脳タイプが優先順位を高く見ている事項は「いつ」「なぜ」「どのように」「いくらで」でした。
 つまり、「どこで」「誰に」「何を」に対応する「地図」「構成図」「ピクトグラム」「ピラミッド」「組織図」「イメージ図」「写真」は右脳タイプの人を相手にしたプレゼンに向いています。
 一方、「いつ」「なぜ」「どのように」「いくらで」に対応する「スケジュール」「フロー」「グラフ」「因果関係図」「プロセス」「ステップ」「サイクル」「表」「Yes/Noチャート」は左脳タイプの人を相手にしたプレゼンに向いています。

(詳細は本書を)


■7.伝わる論理展開「GARPFSメソッド」
・Goal…………目的や認識を共有(同じゴールに向かいましょう)
・Analyze………目的達成のための分析(こんな手法で調べました)
・Result………分析から得られた結果(興味深い分析結果が出ました)
・Propose………分析結果を踏まえた提案(ついては、ぜひこの提案を)
・Future………提案が実現した時の未来(これを実行すれば、こんなステキな未来が待っています)
・Schedule……導入までの具体的ステップ、プロセス(具体的には、こんな手順で実行していきましょう)

(詳細は本書を)


【感想】

◆「図解の本」なのに、本エントリーに図を挿入できなくて申し訳ございません。

実際には本書は「必要に応じて」図が満載であり、特に第3章の『「伝わる図」設計図』は、6つのステップごとに、「5W2H」の何をすればよいかを図解で説明しており、これがなかなかに秀逸。

本書のポイントを「図解する」という、まさに「キモ」とも言えるコンテンツとなっています。

同様に、序章においては「本書の概要を図解!」と題して、9ページ、17枚のスライドが収録されており、これを見るだけで本書の全体像がひと目で分かるという仕様。

書店でチェックする際には、この2点から攻めて頂ければ良いと思います。


◆さらに事例として、池田さんが処女作を出版するに至った提案書や、『朝活手帳』の企画を通した図解も掲載。

「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!
「朝4時起き」で、すべてがうまく回りだす!

朝活手帳2013
朝活手帳2013

こうした「伝わる図解」によって、「出版」という結果を出されているのですから、その効果については相当なものがあるではないでしょうか。

……と言いつつ、実は事例の中で個人的にツボだったのが、冒頭でも触れた「コロンブスのスペイン国王への提案書」。

ノリは、ほとんどこれに近いんですがw

@nifty:デイリーポータルZ:ペリーがパワポで提案書を持ってきたら

池田さんのは、なまじ「ガチ」なだけに、かえってワロテしまいました(すいません)。


◆なお、上記ポイントの7番目の「GARPFSメソッド」については、池田さんの記事がホッテントリ入りしているので、ご記憶の方もいらっしゃるかと。

シゴタノ! 通る提案資料は「GARPFS(ガルフス)」の順番で作る シゴタノ! 通る提案資料は「GARPFS(ガルフス)」の順番で作る

なお、これはあくまで「伝える順番」であって、「考える順番」については、本書にてご確認を。

ちなみに、上記エントリーでは触れられていませんが、この並びは「左脳」パターンであり、「右脳」タイプを相手にする場合には、また順番が変わってきます(これまた詳細は本書を)。

もっとも上記ポイントの6番目にあるように、右脳と左脳とではそもそも「使うべき図」にも違いがあるわけですから、完全を期するのであれば、この辺までこだわるべきかと。


◆本書は、プレゼンや提案書におけるスライドの作り方について、私のようなプレゼン素人にとっても、分かりやすく解説してくれています。

その一方で、上記「右脳/左脳ネタ」のような、上級者にとっても有益なTIPSも提供しており、幅広い層に対して訴求していると思われ。

「横書き左開き」なことが唯一残念なのですが、これはもう「図解ネタ本」の必然でしょう。

池田さんの「GARPFSメソッド」記事にブクマされた方なら、一読の価値アリです。


成果を出すプレゼンをしたいなら!

絶対!伝わる図解  面白いほど通るプレゼン作成術
絶対!伝わる図解 面白いほど通るプレゼン作成術
序章 「伝わる図解」とは
第1章 「伝わる図解」のメリット
第2章 「伝わる図解」を作る前に
第3章 「伝わる図解」を作る6ステップ
第4章 「伝わる図解」でプロジェクトもうまくいく!
第5章 「伝わる図解力」向上のヒント
終章 「伝わる図解」で人生を楽しく!


【関連記事】

【オススメ!】『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』山口 周(2012年10月22日)

もしものときのための『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』6選(2011年04月13日)

【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)

【88のワザ】「図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック」山田雅夫(2010年07月12日)

【図】「図で考えるとすべてまとまる」村井瑞枝(2009年09月13日)


【編集後記】

◆上記の「コロンブスの提案書」を作成する際、池田さんが参考にされたという1冊。

歴史を動かしたプレゼン (新潮新書)
歴史を動かしたプレゼン (新潮新書)
どうすれば交渉相手を思うように動かせるのか。言葉で人を動かす技術、プレゼンの力で相手をたらしこみ、歴史を動かした先人たちがいた。コロンブス、豊臣秀吉、大黒屋光太夫、クーベルタン男爵・・・・・・壮大なプロジェクトを実現させた、彼らのプレゼンを解剖すると、不可能を可能にするプレゼン術の極意が見えてくる。人は説得では動かない。納得させられてはじめて動くのだ。歴史とビジネスが合体した比類なき一冊。
2年以上前の本ですが、面白そうなので、今から読んでみたいな、と。


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この記事へのコメント
               
私自身、仕事がら人に何かを伝えたり、プレゼンをしたりすることもあるのですが、記事を読みながら、とても興味がわいた、というよりも、今の自分に必要だな…と感じました。早速購入して読んで、実践していこうと思います。

Posted by 短時間睡眠法に挑戦 at 2012年12月13日 17:19
               
>短時間睡眠法に挑戦さん

コメントありがとうございます。
この本、なかなか面白いですし(特にコロンブスの所w)、必要性のある方には結構オススメですよw

これからもよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年12月14日 00:26