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2012年11月20日

『サッカー日本代表の少年時代』に見る3つの共通点


サッカー日本代表の少年時代 (PHP文庫)
サッカー日本代表の少年時代 (PHP文庫)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、サッカー日本代表の選手の面々の幼少期から現在までを、周囲の人々の証言で浮き彫りにした1冊。

本田選手や香川選手、長友選手などなど、お馴染みの面子の「隠れた一面」を垣間見ることができました。

アマゾンの内容紹介から。
香川真司、本田圭佑など、サッカー日本代表として活躍する選手たちは、いかにして育てられたか? 本書では、代表に選ばれた選手の家族・友人・指導者から、彼らの少年時代を徹底取材。

今回は特に、全体的に共通するポイントを3つ挙げてみましたのでご覧ください。


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【3つの共通点】

■1.挫折を経験している

SAMURAI FOOTBALL vol.6 (ゴング格闘技2012年10月号増刊)


◆日本代表のほぼすべての選手が、少なくとも1度は挫折を経験しています。

セレッソ大阪で香川真司選手をスカウトした小菊昭雄さんのお話から。
ワールドカップ落選が、ドルトムントでの活躍につながったことは間違いない、と小菊さんは語る。
「1年目、ドルトムントであれだけのスタートダッシュが切れたのは挫折から得たことと、さらに、もがき苦しんだ悔しさが、あそこで爆発したからだと思います。真司は悔しさを力に変えることがよくある。わずか2年半前はJ2の選手だった彼が、あっという間にビッグクラブの一員になった。まさにサクセスストーリーだ、とよく言われます。皆さんは活躍しているところしか、あまリイメージがないでしょうからね。でも実際は違うんです。多くの挫折を経験し、その悔しさをエネルギーに変え、前よりも大きくなって帰ってくることができるんです。才能はもちろんですが、メンタルの強さは想像以上ですね」
これは本田圭佑選手も同様で、ガンバ大阪のユースチームに昇格できなかったことが、大きなターニングポイントになっているのは、かねてから知られているところかと。


■2.負けず嫌いである

本田圭佑 2011年 カレンダー


◆その本田選手ですが、昔から負けず嫌いだったとか。

本田選手のお兄さん・弘幸さんのお話。
「どんなことでも真剣に取り組むんです。遊んでいても遊びじゃなくなる。例えば『かくれんぼしましょう』ということになっても、まるで『かくれんぼ』というプロの職業があるかのように命がけで隠れる。本気なんですよ。そして負けると必ず泣く(笑)。小さいときは誰だって喜怒哀楽が激しいじゃないですか。圭佑は人一倍でした。だからうまくいかないとすぐに泣いていました。腕相撲とかしても負けそうになると手の甲が机につく寸前にはボロボロ泣いているんです。痛くて泣いているんじゃないですよ。悲しくて泣いているんでもない。悔しくて泣いているんです」
そして意外なことに、冷静そうな長谷部誠選手についてもこんな証言が!
「リーダーシップがあって、キャプテンも務めていました。常に前向きな子どもでしたね。普段はわりとおとなしいタイプなんですが、サッカーになると熱くなるんです(笑)。試合に負けた後は悔しがっていましたし、チームのみんなにもかなり厳しいことを言っていました。そのへんは、いまも変わってなさそうですね(笑)。負けず嫌いな子どもだったという印象が強いです」(小学生時代のコーチ・松浦さん)
負けず嫌いはさておき、当時からキャプテンだった模様w


■3.努力家である

日本男児


◆これはもう当然と言えば当然ですが、皆、努力家です。

これは長友佑都選手が、高校3年の全国高校サッカー選手権大会で強豪・市立船橋に負けた時に、お母さんの美枝さんに出したメール。
「今日は応援ありがとう。試合は負けてしまったけど、勝つことよりもっと大切なものを得た気がします! まだまだ人生は長い。得るものがあれば失うものも当然ある。俺はこの3年間、誰よりも努力してきた自信がある。すごく成長した! この3年間を活かし、これからの人生に活かしていきたい。あの舞台で戦えたことを誇りに思います! 僕を生み一生懸命育ててくれた母さん、感謝してます」
長友選手の場合、その後明治大学に入ったのもスポーツ推薦ではないですし、サッカー部にも一般入部と、まさに「雑草」そのもの。

それが今やあのインテルの一員なんですから、大したものです。


◆また意外なことに、長友選手と同じサイドバックながら、「エリート街道まっしぐら」な"ウッチー"こと内田篤人選手も努力家だったのだそう。

内田選手は高校時代、自宅から清水東高校まで、通学に片道1時間30分もかかっていました。

しかも朝練があって、1年生は練習開始時間より30分早い6時30分が集合時間だったにもかかわらず、これを3年間続けたとのこと。

当時、清水東高のサッカー部監督だった梅田和男さんも「内田の努力には頭が下がる」と本書内で発言されていました。


◆同じく意外だったのが、世間的に「天才」と思われている宇佐美貴史選手までもが努力家だったこと。
「貴史は天才ではなく努力型ですよ。新しいフェイントの練習なんかをすると、チームで一番どんくさい。みんなに笑われるほどなんです。でも一週間後には一番、うまくなっている。飲み込みは悪いけど努力は一番です」(長岡京SSS小嶋重毅監督)
その宇佐美選手本人も、週刊誌の取材で次のように発言しています。
「天才なんてないですよ。そう言われて勘違いしている選手は消えていってると思うし。サッカーって、ほんま努力したやつが勝っていく世界。努力して、うまくなった結果で天才と呼ばれるんやと思う。だから天才と呼ばれることは自分が努力してきたことの結果なんで、うれしいっちゃうれしいですけどね」
「ガンバユースが生んだ最高傑作」と言われている宇佐美選手に、こんな一面があるとは知りませんでした……。


【所感などなど】

◆今回は3つだけに絞りましたが、他にも多くの選手に共通しそうな点はありました。

たとえば「目標をしっかり持つ」とか。

香川選手は小学校6年生の時に、既に「Jリーグの下部組織に入るか強豪校に入って実力を認められて、各カテゴリーの代表に選ばれて……」とかなり具体的な夢を持っていたとのこと。

同様にキャプテン・長谷部選手も小学校の卒業アルバムに
「プロのサッカー選手になる。セリエAでユべントスにはいる。年ぽうは30兆円ぐらい。長谷部誠 天才」
と書いていました……って、30兆円高過ぎワロスw


◆また、「周りとのコミュニケーションを心がける」辺りも挙げられそう。

もともと長友選手辺りは有名ですが……。

問題児カッサーノも溺愛!長友のコミュ力に注目が!! - Togetter

何かもう、イタリア語うんぬん以前のコミュ力の気がw

逆に、川島永嗣選手の様に「語学が堪能」というのも、コミュニケーションを取る上では大きなアドバンテージですけどね。

意外だったのが森本貴幸選手で、実は「人を大事にする」「人のよさをわかってあげられる」キャプテンだった、というのは知りませんでした。


◆なお本書のあとがきには、「取材を通じて気づいた共通点」が2つ挙げられています。

1つは、選手たちが「深い愛情に育まれていた」こと。

もう1つは、選手を取り巻く人々が、一様に明るかったこと。

これらは、選手個々人についてのものではありませんので上記では割愛しましたが、本書を読んでいて、周囲の人々が皆愛おしそうに選手のことを語っていることからも分かりました。

もちろん、周りにそうさせる選手たちの姿(態度や考え方等)があってこそでしょうけどね!


日本代表戦がより一層楽しめる1冊!

サッカー日本代表の少年時代 (PHP文庫)
サッカー日本代表の少年時代 (PHP文庫)
香川真司
本田圭佑
長友佑都
遠藤保仁
長谷部誠
内田篤人
中村憲剛
ハーフナー・マイク
森本貴幸
宇佐美貴史
川島永嗣


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【編集後記】

◆この季節ですから、来年の代表カレンダーを。

サッカー日本代表 カレンダー2013年
サッカー日本代表 カレンダー2013年

【サッカー日本代表】 Jリーグオフィシャルカレンダー 2013 日本代表オフィシャルカレンダー (壁掛けタイプ) 13枚刷り
【サッカー日本代表】 Jリーグオフィシャルカレンダー 2013 日本代表オフィシャルカレンダー (壁掛けタイプ) 13枚刷り

早いところ、ワールドカップ出場を決めて欲しいものです。


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この記事へのコメント
               
面白そうな本ですね。購入します。

長友選手の最近の日本代表でのキレキレの動きに感動しています。ほかの選手のエピソードの面白そうですね。

長友選手のFC東京時代のインタビューですが、よく読み返します。努力なくしてあの成果は出ませんね。

http://www.tokyofa.or.jp/tokyofanews/TKY02_11.html
Posted by がってん at 2012年11月20日 22:04
               
>がってんさん

コメントありがとうございます。
また、ご購入ありがとうございます(涙)。

長友選手の場合、日頃はインテルのようなビッグクラブにいるので、多分アジアレベルだと代表戦も生ぬるいのではないか、と。

またインタビューのURLも感謝です。
ホント、努力あってこその今の長友選手があるのだな、と思った次第です。

今後とも宜しくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年11月22日 06:54