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2012年11月09日

【世界的名著の続編!】『人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則』D・カーネギー協会


人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則
人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、D・カーネギーの名著『人を動かす』の「正統たる続編」。

現代の事例を用いることで、オリジナルバージョンの教えが、ほぼそのままアップデートされております。

アマゾンの内容紹介から。
世界的名著、待望の21世紀版。メール、ツイッター、フェイスブック、インターネット―。デジタルメディア全盛の時代に、何をどう伝え、人間関係をどう築くべきか。カーネギーの原則を活かして現代を生き抜くための最新版。

もはやお約束ですが、付箋も貼りまくり!?


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【ポイント】

■1.笑顔を忘れない
 クリスタキスとファウラーは最初の研究を補足するものとして、フェイスブックで交流のある1700人の大学生を調査した。彼らのオンラインプロフィールを調べ、最も親しい友人を選び出し、そのとき全員のプロフィール写真を調べて、笑顔の写真かどうかに注目した。(中略)
 ネットワークの統計的分析からわかるのは、笑顔の人は友達が多いことである(笑顔の人は平均して友人が1人多い。これは親しい友人が平均して6人であることを考えれば有意な数字である)。それだけなく、笑顔の人はそうでない人よりずっとネットワークの中心寄りにいるということも統計は裏づけている。すなわち笑顔の人は、オンライン世界でも、隅へ追いやられることが少ないということである。


■2.他人をちょっと幸せにする
 ジャネット・ジャクソンに「あなた最近、私に何かしてくれた?」(邦題「恋するティーンエイジャー」)というタイトルの歌がある。この歌がいまなお人気なのは、これが人々の気持ちだからだ。たくさんのメッセージやその送り手が人の気を引こうと張り合っている今日では、もっとそういう気持ちだろう。これはいつも何かすごいことをしてくれなければならないという意味ではない。あらゆる人間関係をよくする秘訣は、何か価値あるちょっとしたことをしてくれること、継統的にそうしてくれることだと言っているのだ。


■3.議論しない
 私たちはオンラインでも議論や議論をあおることに多くの時間を注いでいる。人気ブログやニュースサイトの下のほうの、コメントの欄から先をのぞいてはいけない。そこには必ずといっていいほど他人の発言をあげつらい、人を出し抜こうとする投稿が数珠つなぎになっている。(中略)
そういう議論が人の意見を変えることはまったくない。議論にデジタルというべールがかかり、じかにやり合うときのような明瞭な結果を伴わないせいで、あからさまな個人攻撃やあいまいな沈黙という人づき合いにとっては最悪の道具がやすやすと使われる。


■4.「あなたは間違っている」と決して言わない
 Eメールやツイッターで舌足らずな議論をするのはやめて、もっと敬意と融和の精神をもって会話のできる環境をつくることだ。そのうえで率直に自分の言うべきことを言う。たとえあなたは正しく、相手は間違っていたとしても、その人の自尊心を傷つけたり、人間関係を永久に損なったりすることに何の値打ちがあるだろう。もしあなたに人から手厳しく間違いを指摘された記憶があるなら、あなたもそういうネガティブなかたちで人の記憶に残ることがわかるはずだ。結びつきを深めるチャンスが教訓を垂れる機会に変わらないように、会話の方向を選ぶことである。


■5.親しみをこめて話しかける
 かつて家を出るときはぱりっとした衣服に身を包み、職場へ向かう道すがら、すれ違うすべての人と挨拶を交わした時代があった。ミーティングという言葉が人と会って話をすることを意味し、コールという言葉が電話ではなく、誰かを訪問することを意味した時代があった。今日では取引の範囲は地球全体になり、そういう実際の交渉が滅ってはいるが、鍵になるのは依然として、その人が目の前にいるときと同じ気持ちで接することだ。ソーシャルメディアを活用してワイン販売業を成功させたヴェイナチャックは、こう述べている。「ぼくらはどのお客さんにも、その晩その人のお母さんの家で、隣同士に座って夕食をとることになっているみたいなつもりで話をする」。


■6.気高い精神に訴える
 いま広告のつくり手は、この原則を使うのがじつに上手だ。「環境にやさしい」製品のコマーシヤルや、石鹸のダヴの「リアル・ビューティー・キャンぺーン」のことを考えてみるといい。買ったり売ったりすることで、自分がより気高く思われるような製品がいろいろあるだろう。NPO(非営利団体)もこの作戦を使っていて、ソーシャルメディアを使って自分たちのメッセージをそういうふうに宣伝している。それが効果的なのは、自分が正直だとか、利己的でないとか、フェアだとほめられたと感じると、ほとんどの人が相手の提案に喜んで従うからだ。


■7.ほめて伸ばす
 ジェラルド・グレアム博士は、管理者が何をしたら従業員がもっとやる気になるかを知りたかった。そこで1500人の従業員を調査したところ、驚くべき結果になった。

・回答者の58パーセントが、上司からほめられたことはほとんどないと報告した。
・76パーセントが、文書でほめられたことはほとんどないと報告した。
・81パーセントが、大勢の前でほめられたことはほとんどないと報告した。

 この「上司からほめられる」「文書でほめられる」「大勢の前でほめられる」というのは、調査に回答した従業員のあいだでは、「やる気の出ること」の上位5つのうちの3つだったのだ。


【感想】

◆本書と、オリジナル版の目次を比較してみると、多少異なってはいるものの、個別のテーマについては、ほぼ同じよう。

図書出版 創元社 | 新装版 人を動かす

図書出版 創元社 | 人を動かす2

ですから、上記ポイントでの見出しも、本書における小見出しを、そのまま用いております。

ちなみに、ことごとくデジタルネタが登場しているのは、あえてそういうものを選んだからではあるのですが、要はそれだけオリジナル版の内容が、今現在のデジタル社会においても通用する、ということかと。


◆と言うより、むしろその教えは今現在の方がより一層重要になっている気が。

なにせ、TwitterやFacebook、ブログ等のソーシャルメディアを手にした個人は、オリジナル版が出た頃からは想像もつかないくらい、他人と接する(間接的ではありますが)機会や量が増えたのですから。

それゆえ「人に好かれる」ことも「人に嫌われる」ことも、青天井的に拡大化されてしまっています。

今や、不用意な一言が炎上を招き、築き上げた地位や名声が、一瞬にして失われることも多々。

そこまでいかないにしても、上記ポイントでも挙げた「議論しない」「「あなたは間違っている」と決して言わない」あたりは、ソーシャルメディアを利用する上でも留意しておきたいものです。


◆割愛した事例の中で印象的だったものの1つが、ユナイテッド航空にギターを壊されたインディーズバンドのお話。

壊されたギターの持ち主であるリードボーカルのディヴ・キャロル氏は、この顛末を曲にしてYouTubeにアップロードしたところ、最初の2週間で400万人が視聴したとか(今は1200万人を超えてますね!)。



この結果、ユナイテッド航空の株価は急落し、株主に1億8000万ドルの損害を与えたそうです。

ユナイテッド航空に壊されたギターの賠償金を払えキャンペーンソング - 涙目で仕事しないSE

ここでの一番の問題は、旅客貨物の取り扱いではなく(もちろんそれも大問題ですが)、ユナイテッド航空が、キャロル氏をたらい回しにして、話を聴かなかったこと。

ひと昔前なら、新聞等のマスメディアが取り上げてくれない限り、ここまでの問題にはならないものが、個人でもここまで「人を動かす」ことができるわけですから、やはり本書の教えは戒めておくべきでしょう。


◆もっとも本書は、あくまで「オリジナル版の正当な続編」という位置づけですから、ソーシャルメディア指南に関する過度な期待はされませぬようw

下記目次(もしくは上記版元のリンク先)にあるような、オリジナル版の教えをアップデートして、事例を新しくした、という風に理解して頂くのが良いと思います。

もちろん、オリジナル版を読み込んでいる方の中には、「何を今さら」と思われる人もいらっしゃるかもしれませんが、例え同じ事であっても、言い方を変えて聞かされると腑に落ちることがあるように、本書を読んで改めて得ることもあるかもしれません。

逆に、ずいぶん前にオリジナル版を読んで、中身を忘れかけている方、もしくはまだオリジナル版を読んだことのない方なら、一読の価値は十分にあると思います。


今だからこそ読んでおきたい1冊!

人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則
人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則
はじめに――カーネギーのアドバイスはなぜいまなお重要なのか
Part1 人づき合いの3原則
Part2 人に好感をもたれる6原則
Part3 信頼を築く10原則
Part4 人を変える8原則


【関連記事】

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【編集後記】

◆上記関連記事のトップでご紹介しているこの本。

こうすれば必ず人は動く
こうすれば必ず人は動く

4年位前に読んだのですが、分かりやすくてなかなか良かったです。


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