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2012年11月06日

【オススメ】『-世界を変えた伝説の広告マンが語る-大胆不敵なクリエイティブ・アドバイス』ジョージ・ロイス


-世界を変えた伝説の広告マンが語る-大胆不敵なクリエイティブ・アドバイス
-世界を変えた伝説の広告マンが語る-大胆不敵なクリエイティブ・アドバイス

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「アメリカの広告業界において最も影響を与えたといわれる伝説的アートディレクター」ジョージ・ロイスのクリエイティブな1冊。

数多くの事例や自身の経験からの教訓が、ギッシリ詰まっております。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
彼が放つ言葉は、ビジネスや広告・デザイン、ビジュアルアートなど、クリエイティビティに関わるすべての読者にインスピレーションを与えるでしょう。
若いビジネスマンに向けたブランディング術や販売戦略の入門書としても最適。
常識にとらわれない発想で目の前の課題を解決するための知恵とユーモアがたっぷり詰まった、クリエイター&ビジネスマン必読の一冊!

この手のビジュアルが多い本の中では、ピカイチの出来だと思われ!


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【ポイント】

■1.すべてのクリエイティビティはナノセカンドで伝わらなくてはダメだ
もちろん、もっともすぐれた広告やポスター、パッケージ、雑誌や本の表紙ロゴタイプデザインなどは、いつまでも記憶に残るよう、人の脳と心にすぐに伝わらなくてはいけない。1960年に、コルデーンの咳止めのために私が制作したミニマルな広告(右ぺージ)は、「ライフ」誌や「ルック」誌を開いた読者に、衝撃的なピジュアル爆弾を届けた。
女性が強くなる前の時代、べッドで寝ていた夫婦が子どもの咳で目を覚ましたときに交わすであろう会話は、広告掲載誌の発売とともに広告業界で評判となった。商品写真もなけれはロゴもない、ダイアグラムもない。

coldene



■2.ときには、本気を出して完全に徹底的にやっちまえ
ときには私は(わざと)やりすぎることがある。1985年、発音しにくい名字の若いファッション・デザイナーが、マンハッタンのアッパーウェストサイドに店を出すことになった。少年のようにほほえむ彼の名は、トミー・ヒルフィガー。
私の最初の広告は大胆不敵なとんでもない問いかけで見る者を挑発した(同じものを屋外広告としてファッション界重鎮どものオフィス向かいにずうずうしく掲げた)。(中略)
トミー・ヒルフィガーはすぐに有名になり、数日のうちに全国にその名が知れ渡った。このキャンぺーンは、まだ若かったヒルフィガーがじきに世界でもっとも有名で成功したデザイナーになることをみずから予言した広告となったのである。

Tommy Hilfiger




■3.真に偉大な広告を決定づけるビッグアイデアに含まれるもの。
1.記憶に残るコピー!
2.記憶に残るビジュアル!

イメージという言葉は単純にビジュアルと結びつけられがちだが、それ以上の意味がある。イメージとはアイデアを、ひとつの名場面、忘れられないシンボル、伝説と化した光景、特徴的な映像へと変換させたものだ。
そしてそのイメージは、言葉かビジュアル、あるいは理想的にはその両方で表現されるべきだ!このぺージで紹介するのはマッチョなスポーツ選手をあえて女々しく描いた大傑作である。60年代のスター選手が「I want my Maypo! (メイポがほしいよ!)」とめそめそ泣くオートミールのテレビCMは、言葉と映像がガッチリひとつになり、アメリカ中の子どもたちをとりこにした。

Maypo



■4.いつでも突破口を見つけられるように、毎週日曜はメトロポリタン美術館へ
私は若い頃から、「ひらめき」(ギリシャ語の「epiphanie」が語源)が与える衝撃を日常的に経験しており、それらは多くの仕事に神秘的に反映されている。
たとえば、メトロポリタン美術館で見たフランチェスコ・ボッティチーニの聖セバスティアヌスの痛ましいイメージは、1967年の『エスクァイア』のモハメド・アリの表紙イメージへと変化した(76参照)。

Ali as St. Sebastian



■5.「効果的な広告の秘訣は、新しく巧みな言葉と絵を創造するのではなく、なじみのある言葉と絵を組み合わせて新たな関係を創造することだ」(レオ・バーネット)
60年代、ありがちなぺントハウスに笑顔のカップルという死ぬほど退屈なアルコール飲料の広告に私は終止符を打ち、恋多きウォルフシュミットのボトルがトマト(イイ女を意味する当時のスラング)をナンパするという広告を『ライフ』誌で披露、ウォッカ愛飲者と広告業界を驚かすと同時に大喜びさせた。
ぞの1週間後の広告では、まるで男●のようにみえるボトルがオレンジに言いより、こっびどく反撃される。「あなたが先週一緒にいたあのトマトはだれなのよ?」(中略)
なじみのある言葉と絵に、驚くはど新しい(エ●ティックな)関係性をもたせたのだ!効果的な広告の秘密?新しくしろ!

Wolfschmidt Vodka



【感想】

◆事例がどれも興味深かったので、そちらを中心に引用したところ、ボリューム的に一杯になってしまいました。

今回、画像を多用できたのは、ひとえに著者であるジョージ・ロイスのサイトに、本書と同じ画像が収録されていたから。

George Lois

縮小している関係上、コピーが読めないものについても、それぞれの画像のリンク先にオリジナルサイズの画像がありますので、そちらでご確認下さい。

また、サイトでは英文ですが、本書ではすべて和訳が載っておりますのでご安心をw


◆なお、ジョージ・ロイスは仕事として広告を手掛ける傍ら、自ら望んで広告を出したりしています。

その1つが、「ルービン・カーター事件」における『ニューヨーク・タイムス』の広告

しかも彼は、モハメド・アリに協力を依頼し、1万人のデモ行進を実行(その結果、500万ドルのクライアントであるカティ・サーク社を失うことに)。

さらに、ボブ・ディランを説得して、曲を書いてもらいます。



この曲は聴いたことがありましたが、まさかこんな経緯があったとは……。


◆本書は基本的にはクリエイティブなお話がメインなのですが、仕事術として使える部分もちらほら。

例えば、こんなのが。

・急ぎの仕事には「NO」ではなく「NOW!」と言え!

・仕事がない1日なんて、パニックになる。

・人生を寝て過ごすな

・くだらないことをTwitterでつぶやくくらいならきちんとした文章を書く力を身につけろ

・机の上に置いていいものは、自分がそのときやっている仕事に関するものだけ


……いくつかは耳イタイところですがw


◆ところで、広告関係の書籍で、一般の仕事でも使えるものと言えば、この本が有名でした。

ある広告人の告白[新版]
ある広告人の告白[新版]

参考記事:「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)

ただし本書の中で自分で言っているように、ディヴィッド・オグルヴィとロイスのクリエイティビティのスタイルはかなり違います(どちらが正しいという意味ではなく)。

なのに、そのオグルヴィは、ロイスが広告代理店を設立する前の1959年、アート・ディレクターのヘッドとして自分の会社に来ないか口説いたのだとか。

……もし、この2人が一緒にやっていたら、それはそれで面白い広告が出来ていたかもしれませんネw


◆実は、本書を書店で見かけた際、あまりにあっさりした装丁と、ちょっと小さめなサイズゆえに、スルーしておりました。

しかし、「未読本・気になる本の記事」で取り上げている関係上、チェックしなくては、と思ってリアル書店でチラ見したら、面白くてあら、ビックリ!

私が最初に開いたのは、上記ポイントの2番目のトミー・ヒルフィガーのページだったのですが、この話には続きがあります。

くだんの広告で怒り狂っていたカルバン・クラインは、広告から数か月後、レストランで食事をしていたロイスに向かって「いまのヒルフィガーの地位にのぼりつめるまで、私は20年かかったんだぞ!」と文句を言ったのだそう。

そしてそれに対するロイスの弁。
「バカな!20日でできるのに、なんで20年もかかるんです!?」
即レジ直行の巻ww


読むだけでクリエイティブになれる気がする1冊です!

-世界を変えた伝説の広告マンが語る-大胆不敵なクリエイティブ・アドバイス
-世界を変えた伝説の広告マンが語る-大胆不敵なクリエイティブ・アドバイス

【関連記事】

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【ブロガー必見!】「視覚マーケティング実践講座」はお役立ち!(2009年09月16日)

【フツウにスゴ本】「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ (著), 神田昌典 (監修)(2008年10月20日)

【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日)

「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

アニメ映画ヒットの法則
アニメ映画ヒットの法則

私はあまりアニメに詳しくないのですが、「映画ビジネスにマーケティング理論は通用しない」なんて言われると読みたくなってしまいますw


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