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2012年11月04日

【31のルール】『苦手な人ほど上手にできる 女性の部下の活かし方』前川孝雄


苦手な人ほど上手にできる 女性の部下の活かし方 (メディアファクトリー新書)
苦手な人ほど上手にできる 女性の部下の活かし方 (メディアファクトリー新書)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、人材育成コンサルタント会社の代表取締役である前川孝雄さんの「女性活用本」。

今でこそ女性部下の取り扱いには定評のある前川さんですが、かつては苦労なさった模様で、その経験が生かされた1冊となっています。

アマゾンの内容紹介から。
「女性は、男とは別の生き物である」…わかってはいても職場における女性独特の振る舞いに悩まされる男性は多い。「すぐ泣く」、「すぐ群れる」、責任ある仕事には「自信がない」、あげくの果てにとんでもないタイミングで「辞めます」等々。しかし逆にいうと、これらの言動の理由さえ理解すれば女性たちの特質を利用して味方につけるのは簡単である。謙虚で正直な上司にこそ、女性は喜んで尽くしてくれるのだ。

もちろん本書は「ビジネス視点」から書かれたものですが、社内恋愛を考える方なら、当然マスターしておきたいところかと。


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【ポイント】

■1.挨拶は元気に明るく


Good Morning! / Clintus McGintus

 1日の大半をすごすオフィスは、社員全員が気持ちよく働けて、なおかつ生産性を高めるためにも、いい雰囲気であるに越したことはない。そんなとき、普段の何気ない「挨拶」が、思った以上に潤滑油の役割を果たしてくれる。
 ここではまず、「挨拶は部下からするもの」という固定観念を捨て、努めて自分から部下に挨拶を試みていただきたい。もっとも意識したいのは、誰もがゆううつになる朝だ。朝一番の重苦しい空気をなごませるのは他でもない、上司の元気で明るい第一声なのである。


■2.名前の呼び方は公平に


231 / Robert Bejil Photography

 仮に山田花子さんと佐藤明子さんがいたとしよう。特に意識せず呼びやすさだけで山田さんを「花子ちゃん」と呼び、佐藤さんを「佐藤さん」と呼び分けると、知らないうちに本人を傷つけることがある。
ちゃんづけで呼ばれたほうは、こちらが親しみを込めたつもりでも「なれなれしい」「セクハラ」と感じるかもしれない。逆に、さんづけで呼ばれたほうは、「あの子は花子ちゃんなのに、私には他人行儀なのね」と距離感や疎外感を感じるかもしれない。


■3.自慢話ではなく失敗談を


oops! / Sarah Korf

挨拶がクリアできたら、次に実践したいのは、ミーティングやランチの際の「雑談」だ。とはいえ、雑談ならなんでもいいというのではない。ポイントは、上司が雑談によっていかに「自己開示」できるか。自慢話と思われかねない武勇伝は、ここでは封印したほうがいいだろう。むしろ積極的に話したいのは失敗談のほうである。


■4.相手の顔を見よう


I can't believe what I'm looking at / Ed Yourdon

「顔を見よう」なんて、立派な社会人相手に、なんと初歩的なことを、と思われるだろうか? だが仕事中、用事があってデスクまでやってきた女性部下に、パソコンの画面を見ながら「ああ」「うん」「そこ置いといて」と、そっけない態度を取ってしまう上司は非常に多いのである。(中略)
 女性部下がデスクになんらかの成果物を持ってやってきたら、もしそれがデスクに置いてもらうだけで済む用事でも、一度パソコンから目を離して体ごと彼女のほうを向く。これだけでも好印象だ。さらに目を見て「ありがとう」「ご苦労さま」と、ねぎらいの言葉を添えるとなおいい。


■5.開口一番の否定は絶対NG


No / o5com

 セミナーでは管理職の方から、「会議で部下が意見を出さないんですよ」という悩みをよく聞く。最近の部下たちは極度に消極的か、やる気がないと言いたげである。私はそんなとき「結果的にそうなったのかもしれませんが、最初からそうだったわけではないと思いますよ」とお答えしている。
 部下が会議で意見を出さないのは、そのつもりはなくとも上司が無意識のうちに「意見が言えない」雰囲気を作り上げてしまっているケースが圧倒的に多いからだ。得てして上司は、自分と違う意見を述べた部下に対し、否定語から入ってしまいがちである。


■6.アドバイスより、まず共感


~ healing ~ / AlicePopkorn

 問題解決型コミュニケーションに慣れている男性管理職者は、何か問題が生じたり、壁にぶち当たって悩んでいる部下がいると、解決策を必死に見つけ出そうとする。しかし、女性は解決よりもまず、今の自分の状況や気持ちを誰かと共有したいと考える。だから、問題を抱えている女性部下にとってはアドバイスより、上司が親身に話を聞いてくれ、同じ気持ちで考えてくれるほうがありがたいのである。


■7.女性部下を一人の人間として見る


Father and Daughter / joeszilagyi

 管理職の方々に、よくこんな質問をする。
「部下の女性があなたの娘、妹、姉だったとしたら、はたして今と同じ評価や声かけをしますか?」
 すると、多くの方が居心地悪そうに目を伏せてしまう。つまり、「同じではない」ということだ。これは、女性部下を一人の人間ではなく、単なる組織のパーツとしてとらえているからに他ならない。


【感想】

◆以前このブログでも書いたことがあるのですが、私自身、新卒で入った会社では、当初女性社員との人間関係があまりうまく行きませんでした。

男性の先輩と女性の先輩との折り合いが悪い所に、私と女性の新入社員がそれぞれの陣営(?)に取りこまれ、さらに対立が悪化したという。

今なら、なぜ対立したかも、その解決法も分かるのですが、当時はお互い「相手が悪い」の一点張りで、歩み寄れず、結局2年ほどギクシャクしてしまいました。

しかも最終的に解決したのも、揉めていた男性の先輩が異動し、代わりにもっとKYな男性が入ってきたから、という結果オーライな理由に過ぎず。

当時、『ベストパートナーになるために』や本書のような本を読んでいたら、どれだけ有意義な時間を過ごせたかと思うと、いくら悔やんでも悔やみきれません。


◆そして冒頭でも触れたように、本書の著者である前川さんも、かつては女性部下の扱いに失敗した経験がありました。

なんでも、懇親会の2次会の席で、同世代の女性部下から「あんた、なんにもわかっていないじゃないの!」とおしぼりを投げつけられたのだそう。

この事件をきっかけに前川さんは、マネジメントの自信を失い、結果的に左遷させられてしまいます。

どの辺がわかっていなかったのか、そしてどう対処していったかについては、本書を読んで頂くとして、とにかく女性部下を敵にするのと味方にするのとでは、大違いだということ。

こうした黒歴史を経て、いまや人材育成コンサルタント会社を経営されてらっしゃる方のお言葉ですから、本書の内容にも説得力がありました。


◆ちなみに、今回上記ポイントで挙げた内容は、すべて本書の第3章「女性が喜んで働く31のルール」から抽出したもの。

実際には「初級編」「中級編」「上級編」とレベル分けされているのですが、すべて「初級編」からとなっています。

「中級編」には、たとえば「相手のためなら怒ってヨシ」「中長期の夢や期待ばかり語らない」といった、確かにちょっと難易度の高いものが。

さらに「上級編」には、「女のケンカは母性に訴えて解消」なんてかなり難しめなルールがあり、下手に一部を引用して、誤解されても困るので、丸ごと割愛させて頂きました。

上記でご紹介している7つが実践できている方なら、これら「中・上級編」にもぜひ挑戦して頂きたいところです。


◆なお、本書は「女性部下」を持つ「男性上司」を読者の対象としていますが、男女の性差等に関する部分は、上司部下は関係ありませんので、男性の新人さんでも学ぶべき点はあるかと。

また、女性の方で、自分の上司がどうもわかっていない、もしくは男性の方でも、自分の上司が女性の活用が下手だと思われているなら、本書をそっと上司の机の上に置いておくと良いかもしれません。

分かっている方には「当たり前」、そうでない方には「目からウロコ」なのが、本書のような本の特徴。

そして「目からウロコ」と思われた方は、多分、社内恋愛は難しいと思います。

逆に「当たり前」のように出来ている男性社員なら、きっと社内の女性からは人気のハズ!?


女性社員とうまく共存したいなら、読んでおきたい1冊です!

苦手な人ほど上手にできる 女性の部下の活かし方 (メディアファクトリー新書)
苦手な人ほど上手にできる 女性の部下の活かし方 (メディアファクトリー新書)
第1章 優秀な女性がビジネスの勝敗を分ける
第2章 「女性の部下」の基礎知識
第3章 女性が喜んで働く31のルール
第4章 女性の部下があなたを成功させる理由


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【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

ビジョナリーであるということ
ビジョナリーであるということ

結構骨太そうですが、チェックしておきたいと思っています。


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