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2012年10月27日

【知的生産】『10分あれば書店に行きなさい』齋藤 孝


10分あれば書店に行きなさい (メディアファクトリー新書)
10分あれば書店に行きなさい (メディアファクトリー新書)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ご存知齋藤 孝先生による「リアル書店賛歌」。

丁度Amazon Kindleが上陸したのに対抗したかのように、こんなツボな本を出して下さいました。

アマゾンの内容紹介から。
何かを調べたいとき、ネット検索だけでわかったつもりになる、リンク先のネット書店で関連書を買い「調査終了」のつもりになる…、そんな情報収集では、知識に「広がり」や「深み」は生まれない。街の書店へ行こう!そこでは隣の本から新しいヒントが、平台から時代が、ふと惹かれた本から、気づかなかったあなたの内面が立ち上がるのだ!「世界一、書店通いをした」著者が縦横に語り尽くす、知性を鍛えて明日からの仕事に役立つ、書店の使い方・楽しみ方。

私たちのような「書店好き」にとっては「わが意を得たり!」となること必至な1冊です。


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【ポイント】

■1.書店で知的な刺激を受ける
 日々の仕事は、いやがうえにも常に変化する。そのつど、最適な方法を考えて対応する必要がある。これは大きなストレス要因だろう。しかし刺激に慣れておけば、少なくともあわてふためくことはない。そのトレーニングとして、書店に通う習慣が功を奏するのである。いわば「刺激タフネス」を身につけるわけだ。
 ただし、たまに立ち寄る程度ではトレーニングにならない。できれば毎日、ほんの10分でも時間を見つけて訪問する、それをずっと続けることが最低ラインだ。


■2.書店を自宅の書棚代わりにする
本の場合にはかさばるという問題がある。増えれば増えるほど、居住空間を圧迫しかねない。つまり、自宅に置ける本の量は自ずと限界があるということだ。
 そこで、書店の出番だ。あくまでもイメージの話だが、自宅の書棚に本来あるべき本をキープしてくれている場所、という前提で書店を利用すればよい。いつかは取りにいくが、今はちょっと預けてあるだけと勝手に規定するのである。


■3.書店で頭の健康を維持する
 健康のためにウオーキングなどを日課にしている人は少なくない。ではなぜ、頭の健康を維持するための工夫をしないのか。私の知る限り、地アタマというよりも頭の健康状態に問題を抱えている人は少なからず存在する。自分の能力に疑いを持ち始めたら、嘆く前にメンテナンスすることをおすすめしたい。そのための書店通いだ。
 しかも、これは体を酷使するよりずっとラクで、しかも大きな効果を得ることができる。実践しない手はないだろう。


■4.待ち合わせは書店でする
 たとえば、相手が10分遅れるとしよう。外で携帯電話をいじりながら待つ手もないわけではない。だが書店にいれば、その10分で得られる知的な刺激は相当なものだ。なんとなく店内をぶらぶらすると、ふと興味を惹いた本のタイトルが目に飛び込んでくる。手に取ってパラパラめくり、「こんな世界があったのか」と驚く。不意打ちを食らうようなものだから、こういう経験のほうが印象に残りやすい。


■5.書店で知恵を借りる
書店に行けば、大学の先生をはじめ古今東西の各界のプロたちが、著者としてズラリと揃っている。言い換えるなら、彼らが自らの名にかけて相談に応じようと手を挙げ、ライバルや世間の動向も気にしつつ、手取り足取り指導しようと必死になって書いたのが書籍なのである。
 しかも、書店はいわば「読み手市場」だ。どれほど丁寧に書かれた一冊でも、丁寧に読んでやる必要はない。無数の本のなかから適当に手に取ってパラパラめくり、役立ちそうなメッセージだけをその場で吸収して「もう用はない」とばかりに書棚に戻す。この作業を繰り返せば、たちまちにして人類の叡智から幅広くヒントを集めることができるわけだ。


■6.書棚を通じて書店員さんと会話する
面白い書棚をつくっている書店を見つけたら、なるべく頻繁に通ってみる。それが自分の趣味・興味に合っていたら、ちょっと長居して立ち読みしてみる。それによって気に入った本に出会えれば客としてもラッキーだし、書店員さんも冥利に尽きる。もっといい書棚をつくってやろうという気にもなるだろう。
 そこでどんな本が売れたかという独自のデータから、ならばこんな本も揃えてみよう、という「おすすめ」の算段が立つ。このあたりは、誰よりも本の情報に精通した書店員さんにしかできない芸当だ。
 それは客にとって、いいソムリエにアドパイスを受けるも同然だろう。いちいち言葉を交わさなくても、両者のあいだで濃密なコミュニケーションが可能になるのである。


■7.書店でデザインやキャッチコピーのヒントを得る
装幀を楽しむという観点で書店に行ってみるのもいいかもしれない。平台で展開されているのは、さながらカバーデザインの見本市である。新書や文庫に押され気味の、お世辞にも売れ筋とはいえない単行本が中心になるが、だからこそ必死の形相がうかがえよう。文字の色や配置、写真やイラストの使い方、オビとのバランスやそこに書かれたキャッチコピー等々、見どころは満載だ。(中略)

 本に限らず、今やデザインはどんな商品やサービスにとっても大事な要素だ。その感性を磨き、ヒントを得ようと思うなら、書店は最適な空間といえるだろう。


【感想】

◆こうして書評系ブログを運営し、アマゾンへのリンクを貼っている私が言うのもナンですが、実は本自体は、アマゾンよりリアル書店で買うことの方が多いです。

と言うのも、アマゾンや版元サイトの内容紹介等で、ある程度は中身は分かっていても、やはり「買うべきか否か」というのは、実物をチェックしてみないと分からないから。

なお、リアル書店で本の何処をチェックしているかは、この本から抜き出した部分をご参照のこと。

土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)
土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)

参考記事:【必読】『土井英司の「超」ビジネス書講義』に学ぶ、本の5つの選び方と2つの読み方:マインドマップ的読書感想文(2012年05月30日)

他にも「1ページあたりの文字数」等もチェックしたいところ。

あんまりスカスカだと損した気分になりますし、逆に詰まりすぎてても読みにくいですから。


◆もう1つは、リアル書店では、予想していなかった本との出会いがあること。

私の場合、2週に1度の「未読本記事」を書くために、日々ネットで新刊をチェックしているにもかかわらず、どうしても漏れはあります。

そもそも本書もそこから「漏れて」いたため、昨日リアル書店で捕獲して、こうしてご紹介している次第。

また、地方の中小規模の書店にふらっと入ると、日頃見ない本が平積みにされていて、そこで初めて出会うこともあります。

当ブログの2009年ランキング8位にもなったこの本(名著です!)は、自宅そばの書店で偶然見つけたのですが、行きつけの大手チェーン店では、ついぞや平台には置かれていませんでしたし。

プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動
プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動

参考記事:【新しい問題解決の手法】「プロデュース能力 ビジョンを形にする問題解決の思考と行動」佐々木直彦(2009年04月28日)


◆さて、本書の場合「読書のすすめ」ではなく、「書店のすすめ」であるのが大きな特徴です。

「読書の効能」をうたった本は数多くありますが、あくまで「書店を利用する」ことにこだわっていると言う。

その結果「立ち読みのすすめ」的になってる部分があるのはご愛嬌。

例えば上記ポイントの5番目だと、読んだ本を「書棚に戻して」しまうんですなw

もちろん、本を買うことも推奨しており、第6章では「本への投資」を推奨されています。

なお、この第6章では「読んだ本の内容を1分で説明する」お話もでてきますが、それは齋藤先生のこちらの本でも言われていたことですね。

1分で大切な仕事を片づける技術
1分で大切な仕事を片づける技術

参考記事:すぐに使える『1分で大切な仕事を片づける技術』テクニック4選(2010年11月24日)


◆思い起こせば、税理士試験の勉強期間中、殺伐とした私の生活に潤いを与えてくれたのが、書店で過ごした時間でした。

建前上、勉強本を漁る(実際、それで『スーパーエリートの受験術』に出会いましたw)ということで、罪の意識を感じずに済みましたが、むしろ「気分転換」としての意味合いが大きかったです。

そして上記で挙げたように、リアル書店は本を探すだけでなく、様々なメリットがあるわけでして。

本好きの方なら、本書を読んで「そうそう、そうだよね!」となることウケアイだと思います。


リアル書店に行くとワクワクする方へ!

10分あれば書店に行きなさい (メディアファクトリー新書)
10分あれば書店に行きなさい (メディアファクトリー新書)
序章 書店の潜在能力を、あなたは知らない
第1章 書店で知性と精神力を磨け
第2章 書店はアイデアの宝庫
第3章 コーナー別・書店の歩き方
第4章 書店をもっと使い倒す「裏技」
第5章 「心のオアシス」としての書店
第6章 本への投資を惜しんではいけない
終章 分水嶺の時代


【関連記事】

【読書術】『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』千田琢哉(2011年07月30日)

【読書ネタ?】『あたらしい書斎』いしたにまさき(2012年09月22日)

【必読】『土井英司の「超」ビジネス書講義』に学ぶ、本の5つの選び方と2つの読み方:マインドマップ的読書感想文(2012年05月30日)

【警鐘?】『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』漆原直行(2012年02月25日)

【オススメ】『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ 』成毛 眞(2010年07月10日)

【小飼邸動画アリ】「新書がベスト」小飼 弾(2010年06月11日)


【編集後記】

◆同じ版元さんの新刊から。

1日1回背伸びするだけで人生と体形は変わる (メディアファクトリー新書)
1日1回背伸びするだけで人生と体形は変わる (メディアファクトリー新書)

この記事を書いていて、背中が固まっていたので、思わず背伸びをしましたw


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この記事へのコメント
               
書店に行く、これ本当に大事なことだと思います。

子供の頃の色々な興味って本屋で出会った雑誌とかからスタートすると思うのです。

そういった意味からするこ、コドモの目線でざっとすべてのジャンルが網羅される町の小さな本屋ってのは本当によかったなぁ、と。

今の大規模書店だと、目的のコーナーに行ってそこで終わってしまうんじゃないかな...
Posted by あじむら at 2012年10月29日 08:23
               
>あじむらさん

コメントありがとうございます。
私も子供の頃は、本屋さんに入り浸りで、マンガではなくて児童書を読み切ってしまっていたので、本屋さんからうざがられていました。

ウチもできるだけ本屋さんには連れて行ってるんですが、下の子は戦隊モノとかライダー本ばかり読みたがって困ります(涙)。

ただ、それでもテレビやゲームに浸るよりはいいと思ってるんですけどね。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年10月29日 22:51