2012年10月23日
【給料UP?】『うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ』平康慶浩
うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、就職・転職はしたものの、給料が増えない方なら必読の1冊。著者の平康慶浩さんは、コンサルタントとして「企業側でバブル崩壊後の人件費抑制のため、賃金改革をしてきた」方だけあって、逆に「社員側でどうすれば社内で評価が高まるか」についてもお詳しいという。
アマゾンの内容紹介から。
ブラック型企業でも、優秀な人でなくても大丈夫! 業種別・職種別、君の給与を増やすルールを教えます。
なるほど、私もこうすれば良かったのか!(←遅すぎw)
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.自分を評価する人の懐に入るだからあえて懐に入るのだ。
自分から打たれにいく、と言い換えても良い。
ミスをしたら、すぐに報告する。
自分で判断できそうな内容でも、すぐに連絡をする。
作業を指示されたら、それが完了する前に、途中段階で相談をする。
それらをすべて、顔を突き合わせて行うのだ。決してメールだけですませてはいけない。
■2.給与が増えやすい部署への異動を目指す
配置転換を目指すにあたって、私が彼に示した基準は次の3つだった。
(1)過去3年間の売上平均よりも昨年の売上高が大きい
(2)初期投資額が大きい
(3)部門一人あたりの売上高が社内平均よりも高い
彼が勤務している会社には、この条件に適合する部門がいくつかあった。それらに対して彼は社内転職活動を行ったのだ。
■3.専門性を獲得するなら、使うアテを先に用意しておく
勉強だけして満足しても意味がない。自分にはこんな知識が、こんなスキルがあるんだ、と自己主張してもそのチャンスは与えられづらい。
だから先に自分で、どういった業務にそのスキルを活用するかをあらかじめ考えておく。
例えば事業計画策定を学ぶのであれば、それを社内新規事業コンぺに応募する締切にあわせる。マーケティングであれば、日々の営業活動にさっそく活用する。(中略)
行動として発揮しなけれぱ、君にそれができるということに誰も気づかない。
君の得た専門性を、行動として表明しよう。
■4.経営層の意見に賛同する
人の手配を考えるタイミングで君が意見を言う。それが経営層と同じ考えなら経営層は君の意見に賛同してくれるだろう。もし君の意見が違ったとする。経営層は彼自身の意見を披露する。君はその経営層の意見に賛同するのだ。なるほど、と。そこには何らかの意図があり、何らかの見識がある。君はまずその意見に賛同し、そのあとでその意見の理由を考えればよい。わからなければ経営層自身に聞けばよい。
これを繰り返すことで経営層は君のことを評価する。彼は私と同じ意見を持っている、と。
■5.依頼者への質問を徹底する
君にプラスの評価を与える回答、そして仕事の進め方とは。それはこういうものだ。
「今やっている作業が終わるのが16時くらいです。もしそちらがお急ぎなら優先することも考えられますが、どれくらいの時間がかかりそうですか」
作業を依頼されたときに、依頼者に質問をするのだ。それも徹底的に。(詳細は本書を)
■6.職務経歴書をストーリーにする
多くの職務経歴書は経年式で書かれている。○○年にこの仕事を経験して、その次にこんな仕事を経験して、最近ではこんな仕事を経験しました。そこで得たスキルや知識はこういうものです、という具合に。これれは読む側に苦痛を強いる。(中略)
だから職務経歴書の時点で、読みやすく書くのだ。
読みやすく書くということは、ストーリーとしてわかりやすく書く、ということだ。
そのために君は余計な経歴を省かなくてはいけない。ついついあれもこれも書きたくなる衝動を抑えなくてはいけない。
■7.非上場企業なら役員が多い企業を選ぶ
君が就職を検討するとき、この執行役員以上の人数が多い会社を選ぶほうがよい。
そのほうが君はキャリアを積めるチヤンスがある。給与も増えやすい。
なぜならファミリー企業だからこそ、役員登用には慎重になるからだ。その数が多い、ということは、従業員が信頼されているということでもある。それはそのままキャリアのゴールが高く設定されているということであり、昇進によって君が受け取ることができる給与の上限が高いということでもある。
【感想】
◆なかなかに重いテーマのご本でした。私自身、会社員時代は「普通に働いていればお給料が上がる」時代だっただけに、戦略的に考えることなど全くなかったのですが、それでも何とかなりましたw
もっともそれは、私がいた会社に限らず、当時の日本の企業はどこでも大体右肩上がりだったからで、逆に今や「4社に1社は昇給ゼロ」だそう。
本書の第1章では、この辺の「給料が増えない」事情について、かなり細かく解説してくれており、漠然と「給料増えないな〜」と思っている方なら現実に直面することと思います。
◆そこで本書が提案する「給与を増やすための基本ルール」は3つ。
「定期昇給で増やす」「昇進で増やす」「配置転換で増やす」。
実はそれに先立って、「10個の質問」(「3年以内に一律での賃金カットを行った」「名ばかり管理職がいる」等)に回答することにより、今いるのがどういう企業(「普通の企業」「ブラック型企業」「業績悪化型企業」「二重苦企業」)かを判定するのですが、その判定結果によって対処法が変わってきます。
例えば「普通の企業」なら「定期昇給で増やす」であり、「ブラック型企業」なら「昇進で増やす」等々。
本書の第2章では、この辺のベーシックな部分について説明がされているので、ぜひ熟読して頂きたいところです。
◆それに対して、第3章と第4章では、もうちょっと踏み込んで、「業種別」「職種別」のアドバイスが。
「業種別」では「製造業」「建設業」「小売・飲食業」などが。
「職種別」では「事務職」「営業職」「専門職」について、具体的な方策が提案されています。
「業種別」の方は、自分が属している業種がないと微妙(もっとも、今後そういった業界に行かないとも限りませんが)ですが、「職種」の方は、どれかに当てはまる方がほとんどでしょうから一読の価値アリ。
さらには第7章では、派遣やアルバイトの方がどうすべきかについてまで言及されていますので、該当される方は要チェックで。
◆私の場合は、頑張ればお給料が上がると思っていましたし、異動も「やりたい仕事」だけを考えて希望したものです。
しかし、これからの時代は、普通に頑張っても昇給しなかったり、希望した異動先が消滅することだって普通にありそうな。
私がバブル世代を経験した者だからかもしれませんが、本書の内容には少なからずショックを受けました。
キレイゴトだけでは、お給料は増えないんですね……。
年収300万円を超えていても必読かも!?
うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ
第1章 給与が増えなくなったのは君だけじゃない
第2章 君の給与を増やすための基本ルール
第3章 業種別の給与の増やし方
第4章 職種別の給与の増やし方
第5章 二重苦企業から脱出したい君へ
第6章 希望は人事制度の中に必ずある
第7章 ハケン・アルバイトから抜け出せない君へ
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【編集後記】
◆こちらの本も、いよいよアマゾンで書影が入りました!ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊
逆に熟読されてしまうと、こちらの商売あがったり(?)なんですがw
ご声援ありがとうございました!
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