2012年10月08日
【脱努力?】『このムダな努力をやめなさい: 「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ』成毛 眞
このムダな努力をやめなさい: 「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、お馴染み成毛 眞さんの最新刊。いつも通り(?)に成毛節が全開で、ファンにはたまらない作りとなっておりますw
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「しなくていい努力」までするな!
仕事は「ラク」をしないと成果は出ない!(中略)
日本マイクロソフト元社長が説く「人生を消耗しない生き方」
“努力家”のあなたに読んでほしい本。
タイトル通り、「ムダな努力」をしている方には、「目からウロコ」の1冊かもしれませぬ!?
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.人に好かれる努力は無意味人に好かれるための努力なんて無意味だ。はっきりいうが、好かれる人は何をしなくても好かれるし、嫌われる人は何をやっても嫌われる。そして、ビジネスにおいては、人に「好かれる」必要はない。それよりも「信頼される」ことが重要なのだ。
部下を上手に動かすための方法、などといったセミナーに通ったりするのは愚の骨頂である。結果さえ出せば部下は勝手についてくるものだ。
■2.「いい人」にならない
今の時代は、「いい人」を演じていても何のメリットもない。そういった人間は、都合のいい人であり、無能の代名詞であり、消耗しつくされてしまう。今までなら、会社では「右へならえ」の精神の人間であれば出世できた。だが、今は真っ先にリストラ要員となるだろう。
上司に楯突く人間もリストラの対象になるかもしれないが、日本では正社員の権利が厚く守られているので、裁判になれば企業側は確実に負ける。裁判を起こされると厄介なので、やはりクビを切っても抵抗をしない、おとなしくて文句をいわない人間から切り捨てていくものだ。
■3.場当たり的に生きる
「戦略的に生きる」というのは、今までのトレンドだった。そんなものは不可能だと、リーマンショックや東日本大震災でよくわかっただろう。明日には何が起きるのかわからないのに、目標を立てても意味はない。
これからは「場当たり的に生きる」のをおすすめする。
その場その場で判断を変えてもよし、今日できることを明日に持ち越してもよし。
自分に課題を課さず、締め切りも設けない。
もっとゆるく生きればいいのだ。
■4.人に「情け」をかけない
人は自分の思う通りには動かないものだ。
情けをかけ、面倒を見たからといって、自分に恩義を感じてくれるとは限らない。たいていは自分の思い描いていたのとは違う行動を取られ、失望させられる。10人中1人くらい期待に応えてくれる人がいたらマシなほうだ。
期待や情けをかけすぎると、相手が自分の思い通りに動かないとわかったときに許せなくなる。
そうなる前に、人は人、自分は自分と割り切ることだ。人はどうやっても、自分の思い通りにはならないと悟るのだ。
そうすれば、相手が何をしようと、何をいおうと気にならなくなる。ストレスフリーでいるためにも、人に期待や情けをかけないのが賢明だ。
■5.人脈はかけ算で増やす
たとえば、5人の仲間で1つのプロジェクトを立ち上げたとき、5人それぞれがその分野の専門家を紹介し合えば、人脈が5人増える。
その5人の専門家がさらに別の専門家を紹介してくれて、その専門家がまたさらに専門家を紹介してくれて……そうやって、次々に優秀な人が集まってくるのが理想的な人脈づくりである。自分であちこちに出向いて顔を売らなくても情報が自然と集まってくる。
■6.臨機応変に対処する
始終意見を変えるくらいなら、その場で判断せずに熟考してから答えを出すべきだと考える人もいると思う。しかし、熟考するとマイナス要素ばかりが目について、かえって決断力が鈍る。
そもそも、どんな決断にも"絶対"はない。熟考した結果、実行に移してもうまくいかないことは多々ある。どの段階で決断を下しても、成功するときは成功するし、失敗するときは失敗する。だから、臨機応変に対処するのが重要なのであって、どの時点で決断するかはそれほど重要ではない。
■7.「反省」はしても「後悔」はしない
反省とは思考の1つであり、改善点を考えるポジティブな行為だ。後悔は失敗をただ悔やむだけの感情であって、ネガティブな行為である。
スポーツ選手が勝負に負けたとき、「気持ちを切り替えて次に臨む」というのは、今日の敗北を忘れて新たな気持ちでチャレンジするためだ。いつまでも失敗にとらわれてなどいられない。
ビジネスマンもそれくらいの心構えでいるべきだと思う。
現在と未来だけに目を向けて、過去は記憶から消去していい。
【感想】
◆私が拝読しているここ最近の成毛さんの自己啓発系の著作は、だいたい似たようなテイストが根底にあります。要は「今までの価値観を疑う」ということ。
それはまぁ、「英語」だったり「勉強本」だったりするワケですが。
実際、こういう主張をすることにより、成毛さんのことを快く思ってない方も、これらの業界内部にはいるはずです。
もっとも成毛さんご自身は「無理に人に好かれる必要はない」と思われているのですから、これはこれで問題ナシ。
むしろ、過去のこうした「価値観」を疑問に思っていた読者の方から、今まで以上に支持されているのだと思います。
◆その「今まで」というのが、もう1つのポイントで、勝間さんや本田さんがガンガン表舞台に出られていた数年前の「ビジネス書ブーム」の頃だったら、本書はどうなっていたのやら。
いくら「努力」しても、本人的にそれに見合うだけの「リターン」が得られない人がいたからこそ、こうした主張が受け入れやすくなっているのではないでしょうか?
さらには、上記ポイントの3番目でも触れられているように、リーマンショックと、東日本大震災のおかげで、従前の価値観は今まで以上に怪しくなっています。
それを踏まえて、「かつて成功したやり方」が、今後も通用するかは、私たち自身も、今一度確認しておくべきではないか、と。
◆ちなみに、成毛さんは「努力」を頭ごなしに否定しているわけではありません。
曰く、「やみくもに努力をするのは二流の人間」であり、「一流の人間は、最短で目的を達する方法を理解し、そのための努力は惜しまない」とのこと。
今回は、「ムダな努力」についてばかり挙げてしまいましたが、どういう「努力」をすべきかについては、本書にてご確認を。
今までの価値観に囚われている人にとっては、結構ハードルは高いかもしれませんがw
◆個人的にキモだと思ったのが、『「反省」はしても「後悔」はしない』というお話。
たとえば、慣れ親しんだ「価値観」を手放すのは勇気がいると思うんですよ。
それは、手放して、もし何かうまくいかなかった場合に、きっと「後悔」してしまうから。
そこで「後悔」せずに、ポジティブに前に進めるかが、今後の成功の鍵になるような気がしています。
新時代を生きるための成功本がここに!
このムダな努力をやめなさい: 「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ
はじめに◎人生を“消耗"する前に考えておきたいこと
1章◎“努力家"が知っておくべき10のこと
2章◎「ムダな努力」と縁を切る、12のルール
3章◎仕事は、「ラク」をしないと成果は出せない
4章◎ここで分かれる「面白い人生」「つまらない人生」
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【編集後記】
◆その成毛さん率いるHONZの本がもうすぐ登場します!ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊
これまた楽しみですね!
ご声援ありがとうございました!
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