2012年09月15日
【ガイシの掟?】『外資系の流儀』に学ぶ7つのコツ
外資系の流儀 (新潮新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げた1冊。私自身が外資系企業に興味があったこと以上に、内容的にも面白くて、一気に読み切ってしまいました。
アマゾンの内容紹介から。
初日からフル稼働を覚悟せよ、会社の悪口は言うな。過酷ながらも魅力ある環境で、どういう人が成功し、どういう人が失敗するのか――。トップエグゼクティブやヘッドハンターに学ぶ「ガイシ」族の仕事術!
今回は本書の中から、外資系企業で活躍するためのコツを7つ選んでみましたので、ご覧ください。
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【外資系で活躍するための7つのコツ】
■1.募集やヘッドハンティングより「紹介」で入社する「外資は、中にいる人からの紹介で入るのが一番いいですよ。私も同じ業界内で何回か転職していますが、知っている人から誘われたのがきっかけでした」
と外資系保険会社のAさん(30代・女性)は言う。
会社によっては、紹介した人が採用された場合、社員にボーナスを支払う会社もある。へッドハンターに高い報酬を支払うよりも、企業の文化をよく知る社員からの紹介の方が効率的というわけだ。今回取材させていただいた外資系企業の皆さんも、「知り合いの紹介」で転職した人が最も多かった。
■2.プレゼンスキル必須
大手グローバル企業の新卒採用では、プレゼンテーション能力をよく見ているという。英語でも日本語でもプレゼン能力は外資系では必須。新卒で日本ヒューレット・パッカード(日本HP)に入社したAさん(30代・女性)は、「HPを目指している方には事前にプレゼンテーションの練習をすることを強く勧めますね」という。自分の主張を論理的に語れるかどうかが、評価の大きなポイントだそうだ。
■3.朝早く出社する
日本法人のトップが朝型なのには、時差の関係もある。
たとえば日本時間の朝7時は、ニューヨークの夕方5時、ロサンゼルスの午後2時。アメリカ本社の人たちは、自分たちの勤務時間帯の中で会議の時刻を設定するから、どうしても日本時間の朝に本社とのやりとりが集中することになる。
中間管理職や平社員にとっても、早朝出社の利点は大きい。早朝は会議が入っていないことも多く、上司とアポなしで話せる時間がもてるのである。さらに、上司は深夜残業する部下には厳しいが、朝早く出社する部下には優しい。残業代がかからないからである。
■4.極限状態で長時間働く
今回、多くの外資系企業経験者に取材をさせていただいたが、成功している日本人の方々は人生の一時期、あるいはずっと継続して、実によく働いている。成果へのプレッシャーも相当なもので、この時期はまさに「極限状態」。何とか乗り切るために、少々家賃が高くても会社の近くに住むのも一案だそうだ。
私自身は、外資系の長時間労働がとてもつらく、時折、体を壊したりもしたので、今回取材させていただいた成功者の方々の働きぶりには、正直驚いてしまった。しかも、「長時間働いた時期に最も成長した。やらされている感はなかった」と、心からおっしゃるのである。
■5.英語は緊張感の中で磨く
Sさん(40代・男性)は、断言する。
「英語はプレッシャーのない英会話学校で習っても、なかなか上達しないのではないかと思います。緊張感のある仕事の現場で学んだ方が、結果的には効率的だと思いますね」
確かに私の英語力も、「発言せざるもの、存在しないも同じ」という雰囲気のアメリカのビジネススクールで勉強する中で飛躍的に伸びた。
英語力を磨くには、伝えるための英語を実地で身につけていくのが最も効率的なようだ。
■6.日本企業以上に上下関係が厳しい
外資系企業といえば、フラットな組織で、何でもオープンに発言できるイメージがあるが、実は日本企業以上に上下関係が厳しい。
上司に「なぜこの分析をやる必要があるんですか??」とフラットな立場で意見を言えるのは、BCGやマッキンゼーといった、一部のプロフェッショナルファームだけである。
前出の岩下充志さんも、外資系で働いてみて、上下関係が厳しいので驚いたという。
「日本企業のように入社年数で決まる上下関係とは違って、職責に基づく上下関係ですよね。外資系では上司が強い人事権を持っているというのが大きいと思います」
■7.海外本社への転勤は至難の業
多くの外資系企業の日本法人の採用は、日本企業でいう地方支店の地方採用と同じ。ずっと地方で働くことを前提として採用しているのである。本社に転勤させて育てようなんていう気はさらさらない。海外本社で働きたかったら、自分で求人を見つけて面接に行って、本社に「転職」するしかないのだ。
海外で働きたいのであれば、日本企業の方が余程チャンスがある。
【感想】
◆著者の佐藤さんは、外資系企業での勤務経験がおありですが、本書ではさらに「大手グローバル企業の日本法人に勤務した50人超の方々」にインタビューされています。そして佐藤さんご自身は、上記にもあるように体を壊された経験もあるため、取材をする前は「外資系はつらいよ」的な体験談が寄せられると思っていたのだそう。
ところが取材を進めていくと、「つらかったが、外資系で働いてみてよかった」という方が多かったのだとか。
もちろん取材に応じる時点で、ポジティブな人だけが集まった可能性もありますが、いずれにせよ「つらかったこと」が「マイナス」にはなっていないと、皆、口を揃えて言われたとのこと。
ただし、その内情は、世間一般的な「外資系」のイメージとは少々違うことが、本書を読むと分かります。
◆たとえば、入社のきっかけでは「紹介」が一番多いというお話。
ただし、そもそも、外資系の求人はあまり表に出ていません。
というのも、求人広告を大量に掲載すると「人がすぐ辞める居心地の悪い会社」と思われるリスクがあるから。
そこで登場するのがヘッドハンター。
現在トップクラスのヘッドハンターは、およそ50人いるのだそう(詳細は本書を)。
ちなみに、ヘッドハンターからの連絡は通常はメールですが、経営幹部等に送る時は、候補者に迷惑がかからないようにするため、差出人名が入っていない「真っ白な封筒」で送るのだとか。
……ただのDMと間違えて捨てちゃいそうですがw
◆また、採用面で意外だったのが「歯並び」の重要性。
欧米人の中でも特にアメリカ人は歯並びを重視するらしく、歯並びの悪い人は「自己管理ができない人、親の愛を受けないで育った人」と見られるとのこと。
ゆえに、「アメリカ企業に勤めるのであれば歯列矯正は必須」。
外資系のアパレルに転職した私の知人が、いい年して歯列矯正したのは、それが理由だったのかもしれません。
なお、同様に(?)「デブ」も不利らしいので、こちらは自己管理で何とかして頂きたく。
◆本書は新書であり、具体的な面接テクニックや、働き方のTIPSについて、専門書ほど深く掘り下げているワケではありません。
それでも、収録されたエピソードや、外資系勤務経験者の生の声は、特に転職希望がない私であっても、非常に興味深かったです。
ですから本書は、転職先として外資系を考えている方なら必読でしょうし、今現在働かれている方であっても、「見えないルール」に気がつかれることがあるのではないか、と。
実際、佐藤さんご自身も、今回取材をしたことで「もし事前に知っていたらな〜」と思われたそうですし。
外資系企業で活躍するために!
外資系の流儀 (新潮新書)
1.扉はどこにあるのか
2.こういう人が選ばれる
3.企業カルチャーに染まれ
4.生存するための戦術
5.トップダウンのマネジメント
6.エグゼクティブへの第一歩
7.成長なき者は辞めよ
8.成功のカギは「心技体」
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【編集後記】
◆昨日の記事で紹介できなかった1冊。心をつかむ!誰からも好かれる話し方(DVD付き): 魔法のコミュニケーション38
「DVD付き」と言うことで、実は気になってますw
ご声援ありがとうございました!
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