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2012年09月02日

【22のマル秘ルール】『企画書を確実にお金に変える仕事術』温井和佳奈


企画書を確実にお金に変える仕事術
企画書を確実にお金に変える仕事術

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトルだけ見たら、いわゆる「仕事術系」な1冊(実際「仕事術」ってなってますし)。

もしくは企画書の書き方を教えてくれる「ライティング関係」のようでもありますが、蓋を開けたら「あらビックリ」の「仕事を取ってくる」ための実践的な内容でした。

アマゾンの内容紹介から。
小さな会社で1件5000円の仕事をとっていた私でも1000万円の仕事を次々にとれる社長になれた22のマル秘ルール。

企画書の中身はもちろん、営業法やプレゼン法にまで踏み込んだ、大変興味深い作品です!


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【ポイント】

■1.企画は「売上が伸びている会社」に売り込む
同じ企画をもち込むのであれば、最初から売上が伸びると見込まれる企業を対象にすれば、企画が成功する確率は当然高くなる。少し乱暴な言い方をするならば、企画の内容がそこそこでも、売上が伸びている企業では、その企画も勢いにひっぱられる。したがって、結果として自分の企画が成果を上げる確率も高くなる。
 つまり、売上の伸びている、または伸びそうな企業をターゲットにしていくことで、企画を具体化させ、成果を出すことができ、次のクライアントを確保していくための大きな武器になる実績を増やすことができる。


■2.規模の小さすぎる企業には実力をつけてから
売上高が1000万円しかない企業にとっての100万円は、大きな投資となる。まさに社運をかけた新規プロジェクトとなってしまう。100万円の投資で、売上高が1000万円しかないような知名度のない小さな会社の成果を出すことはむずかしいと考えるのが普通だ。さらに、成果が出なければ、それはその企業にとって大きな痛手となってしまう。そうなると、成果が出るまで予算も満足にとれないなかで、いつまでも続けなければならない状況に陥ってしまう。そればかりか「社運をあなたに賭けたのに」と責められることにもなりかねない。


■3.持ち出しで実績をつくる
 私の場合も、起業当初は大手企業どころか、中小企業からの仕事すら取れなかった。そこで行なったのは、小さな会社ではあったが、経営者の方は著名な、ある企業のホームぺージを「無料でつくらせて欲しい」と提案することだった。
 小さな会社なので、こちらのもち出しもたいしたものではない。その代わり、今後の営業をする際に、自社の実績として前面に出させて欲しいと正直にお伝えした。もちろん、その方からは「思う存分使ってください」と言っていただくことができ、その実績を営業ツールにして、次の企画書に盛り込んでいった。


■4.成果を記録して分析する
 たとえばイベントの場合であれば、集客を図るに際して、新聞や雑誌などのマスメディアを通じた告知、インターネットを通じた告知、当日のビラ捲きによる告知のうち、どれが最も効果的なのかを調べる。イベントを開催する曜日や内容にもよるが、以前、私が行なったイベントでは、意外にも当日配布したチラシによる集客がいちばん効率的だった。


■5.公の場所で評価を受ける
私が「デザイナーは全員強制的に、コンテストに応募すること」と宣言すると、社員からは「絶対無理です。クライアントの納品に間に合わなくなります」という声も上がった。それでも「絶対にクライアントの納期も間に合わせて、コンテストにも全員出ること」とした。最初はしぶしぶとではあったが、合間を見つけて、デザイナーたちはプロデューサーやディレクターとブレストをし始めた。そして1人のデザイナーがグランプリをとった。
 この実績のおかげで、会社としても契約前にデデイン案を出さなくてよくなるケースが増え、さらに仕事も増えた。このような公の場での受賞歴は、何にも増して雄弁に、実績を物語ってくれる。


■6.広告は媒体を厳選する
 広告については、それなりの費用のかかることなので、記事を出す媒体は慎重に選びたい。私の場合、『○○○』という雑誌に広告記事を掲載してもらうケースが多かったが、これは、経営者が読んでいる可能性が高い雑誌だったからだ。

(ネタバレ自重)


■7.「他社がやってないことは何か」を考える
「御社のUSPは何ですか?」という質問をしても、おそらく多くの社員は、きちんと答えられないと思います。しかし、このように「他社がやっていないことは何か」という点を突き詰めて考えていくと、まさに他社には真似のできないUSPを抽出できるのです。(ハー・ストーリィ:日野佳恵子さん)


【感想】

◆筆記具が並ぶ表紙を見て、最初はてっきり普通のビジネススキル系のご本かと思いました。

しかし上記ポイントをご覧頂ければお分かりのように、本書はむしろ、ガチな起業&営業系。

企画書の書き方の前に、まず「企画をどこに売り込むのか」というお話があるという位です。

実際、本書の根幹をなすのは、「内的プラン」(企画書の書き方)と「外的アクション」(企画の中身以外の部分)の2本立て。

ただし、「内的プラン」について書かれた本は非常に多いため、今回は「外的アクション」の部分を中心にまとめております。

下記目次の通り、第2章がモロに企画書の書き方で、付箋は結構貼ったもののすべて割愛していると言う(スイマセン)。


◆続く第3章もプレゼンのお話であり、こちらも当ブログではプレゼン専門の本を数多くご紹介しているので、同じくカット。

一方、第4章以降は、具体的な企画例がいくつか登場し、思わず「ムムム」と引き込まれてしまいました。

有名なところでは『ニューズウィーク日本版』のプロモーションサイトも、温井さんの会社は手がけたことがあるのだとか。

そして、こういう有名どころの「実績」がそれ以後の受注につながるやり方――温井さんが言うところの「反響営業」――が、第5章のテーマとなっています。

ビジネス書を名刺代わりに出したがる経営者さんも、近いところがありますがw


◆ただし本書には、うまくいったケースだけではなく、「自分の能力を超えた仕事を引き受けた」際の大失敗の事例も収録されています。

しかも、その問題となったプロジェクトの総額は約1億円!

温井さんの会社の社員は15名なのに、そのプロジェクトには外部スタッフもあわせると30名近くが関わっていたのだそう。

さて、そのプロジェクトの1部に、1日数百万円の売上があがっている旧サイトを、新サイトに移行させる、というミッションがあったのですが、実際に移行させてみるとこれがバグだらけ。

当然クライアントからはクレームの嵐であり、問題が解決できないまま、応急処置に毎月200万円出ていくという状態の中、1人で情報を抱えていたクライアントのキーマンが倒れてしまいます。

果たして、このプロジェクトならびに、温井さんの会社の運命は!?
 企画書が採用されることがゴールではない。「企画の実現」がゴールなのである。
ここの事例を読んで、これは本当にそうだと思いましたよ。


◆女性著者の本というと、イメージ先行だったり、抽象的なものを想像しがちですが、本書は全く違いました。

逆に泥臭いというか、著者名が出てなかったら(文体のこともありますが)、100%男性の経営者が書いたものだと決めつけていたと思います。

とういか、本書を読んで起業に憧れる人は少なくて、むしろ今現在、仕事が少なくて(又は単価が低くて)悩んでいる経営者・自営業者の福音になりそうな気が。

私自身、本業並びに当ブログの今後を考える上で、非常に参考になりました。


刺さる人には、きっと刺さる1冊!

企画書を確実にお金に変える仕事術
企画書を確実にお金に変える仕事術
プロローグ 企画書がお金に変わらなかった理由
第1章 企画書を確実にお金に変えるためのマル秘営業術
第2章 確実にお金に変えられる企画書の中味とは
第3章 企画書が確実にお金に変わるプレゼンテーションとコミュニケーション術
第4章 成功した企画の「課題解決」の発想法
第5章 企画書を書かずにお金に変える方法
第6章 企画を成功させるフェイスブック活用&温井流人脈術
第7章 私が学んだ企画書の達人2人に訊く
第8章 新規事業の企画実例


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【オススメ】『ポーターの『競争の戦略』を使いこなすための23問』牧田幸裕(2012年06月09日)

【77のルール】『ラクに書けて 通る企画書 77のルール』富田眞司(2011年08月31日)


【編集後記】

◆こちらは一般ビジネスパーソン向けのご本。

手帳・ふせん・クラウドを使う ダンドリ上手になる技術 計画力を強くするタスク管理仕事術
手帳・ふせん・クラウドを使う ダンドリ上手になる技術 計画力を強くするタスク管理仕事術

本を読む時に付箋を使っている程度の私には、学ぶべき点が多そうです。


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