2012年08月25日
【6つのNG】『軽く扱われる人の話し方 影響力のある人の話し方』大串亜由美

軽く扱われる人の話し方 影響力のある人の話し方
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「研修女王」こと大串亜由美さんのビジネスシーンにおける話し方の本。タイトルからは分かりにくいのですが、普段私たちが何気なく使っているフレーズにも、気をつけるべきものが色々あることが分かりました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
他人を動かすことができない原因は、実は、すべてあなた自身にあります。
あなたが普段、無意識に行っているコミュニケーションの「悪いくせ」をやめるだけで一瞬で、相手に対して影響力のある人間に変わることができるのです。
今回は、注意すべきNGポイントを6つ選んでみましたので、ご覧ください。

【ポイント】
■1.「今、ちょっといい?」と頼まない何のために時間をもらいたいのか。「ちょっと」とは、どれくらいのことなのか。はっきり言っていません。
それがわからないと、相手はYESとも、NOとも答えられない。相手の仕事を邪魔しないように気遣っているようで、実は相手にNOと言わせない、迷惑な投げかけです。
■2.「〜していただけると幸いです」は大事な時に使わない
「〜していただけると幸いです」
という言い方は、ものを頼む時によく使われます。ビジネスの常套句として、多くの人が便利に使っていますが、これは基本的に、
「してもらえたら嬉しいけれど、してもらえなくても大丈夫」
ということ。してもらえないと仕事に支障をきたすような場面で使ってはいけません。
■3.「たいした意見では……」の前置きは不要
そもそも会議とは、いろいろな意見を叩き台として、どんどん積み上げ、みんなでディスカッションしながらアイデアをふくらませたり、進化させたりしていく場です。どんな意見も叩き台なのですから、「たいした意見ではないのですが」という前置きは不要。
Bさんは軽い気持ちでロにしたのかもしれませんが、「Bさんの意見がたいしたことないなら、次の発言はもっといいアイデアでないと」と、ほかの人にプレッシャーをかけて、活発な議論ができなくなります。ほかの人が発言しにくくなるようなことを言うのは、ルール違反です。
■4.「基本的には」はグッと飲み込む
意見を求められているのに、「基本的には賛成なんですけど……どうなんでしょう」(中略)と、曖昧に切り返すのは反則。ほかの人の意見に同調しているようにも聞こえますが、これは「賛成していない」「反対」と言っているのと同じです。(中略)
本当に賛成なら、「基本的には」はグッと飲み込んで、「賛成です」と言い切りましょう。
■5.相手メリットの見えないアピールをしない
例えば、評価面接で異動希望を出すとします。「○○の資格を取りました。これを活かせる仕事をさせてください」これではYESをもらえなくて、当然。会社は、個人の自己実現のために存在しているわけではありません。
「得意な英語が使える仕事がしたいと思っています」
■6.「私なんか」と自分を過小評価しない
「私なんか、まだまだ」と謙遜しつつ、周囲から「いやいや、そんなことないよ」「すごいと思うよ!」と言ってもらえることを、ひそかに期待していないでしようか。(中略)
自分を過小評価している人は、ほかの人のことも正しく評価できません。「自分なんて」は、どこかで「アイツなんか」という妬みを生んでいます。不当に過小評価された相手は、決してあなたのことを正しく評価してくれません。
【感想】
◆そんなに厚い本ではないのですが、付箋を貼りまくってしまいました。というか、今まで当たり前のようにやってきた発言や行為にNGが多かったことに、結構茫然自失(大げさ?)。
例えば初っ端の「今、ちょっといい?」や「今、お時間ありますか?」は、私は常套句のように使っていました。
書店でたままこの部分を読み、ドキっとしたところに、続くポイントの2番目の話が立て続けに出て来たので、この時点で購入を決意した次第。
◆もちろん本書は、NGだけ挙げ連ねて「そのまま」ではなく、キチンと改善策を提示しています。
上記「今、ちょっといい?」については、「要件と所要時間を予告」した上で、相手の都合を聞け、と。
さらに2番目の「〜していただけると幸いです」は、実現することが必須ならば、誤解のないよう、語尾をハッキリさせよ、とのこと(詳細は本書を)。
ただし、後者の場合、ていねいに頼みたいのであれば、「お手数ですが」「ご足労かけますが」といった「クッション言葉」をプラスすることを推奨しています。
この辺は、うまくバランスをとりつつ、誤解を防いでいると言えるでしょう。
◆今回は、「NGポイント」でまとめてしまったがゆえに、ご紹介できなかったお話を、1つだけご紹介しておきます。
それは、会話のラリーを続けるために、普段から「1.5往復の会話」を意識せよ、というもの。
例えば、資料を仕上げて「できました」と報告し「ありがとう」と言われたら、そこで終わらせずに「どういたしまして」とひと言返して、「1.5往復」にするワケですね。
「このひと言を返すために、自分の気持ちに耳を傾けたり、相手のことを観察したりするようになる」というのは、確かに言えるかも。
◆本書を読んで、ビジネスシーンで当たり前のように使われているフレーズが、実は多少なりとも誤解や問題を生んでおり、改善すべきであることが良く分かりました。
上記では触れませんでしたが、私自身「基本的には」を頻発してますし(ダメじゃん)。
惜しむらくは、タイトルからその内容が分かりにくいことかと。
正直、私も大串さんの名前を見なければ、多分手に取らなかったと思いますが、当エントリーを読まれた皆さまにおかれましては、書店等でお見かけの際は「要チェック」でお願いします。
個人的には結構オススメ!

軽く扱われる人の話し方 影響力のある人の話し方
CHAPTER1 やんわりな頼み方を<やめる>
CHAPTER2 自分を守る発言を<やめる>
CHAPTER3 伝わらない相づちを<やめる>
CHAPTER4 マニュアル通りの対応を<やめる>
CHAPTER5「自分なんて…」は、今すぐ<やめる>
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【テク満載!】ブライアン・トレーシーの 話し方入門(2008年08月03日)
【編集後記】
◆あの「ビジョナリー・カンパニー」シリーズに新刊が出るようです。
ビジョナリー・カンパニー 4 自分の意志で偉大になる
……ボリューミーですが、読んでおきたいところ。

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