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2012年08月23日

【記憶術】『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』碓井孝介


偏差値35から公認会計士に受かる記憶術 (講談社+α新書)
偏差値35から公認会計士に受かる記憶術 (講談社+α新書)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、専門学校LEC東京リーガルマインド講師である碓井孝介さんの勉強本

タイトルがちと煽り系(?)ですが、記憶術自体は、かなり真っ当でしたのでご安心をw

アマゾンの内容紹介が目次そのままなので、版元のサイトから一部引用。
本書では、「能力が平均の人」でもできるような、地に足をつけた「記憶術」を紹介していきます。偏差値35の、落ちこぼれだった僕にもできたのだから、皆さんにできないことはないでしょう。

受験と仕事、どちらにも使える記憶術でしたが、あえて受験用にまとめてみます。


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【ポイント】

■1.受かる人は「記憶の方法」がうまい
 合格できる人は、「記憶の方法」がうまい人です。受かる人は、覚える対象を絞って、最小限の知識を確実におさえていきます。さらに、知識と知識を、関連しているものとして覚えていきます。関連して覚えているからこそ、見たことのない応用問題が出題されたときも、対応できるようになります。「A」という知識と「B」という知識、これらを組み合わせて、「AB」という思考ができるのです。


■2.人差し指をペン代わりにする
人差し指を1本立てて、あたかもペンで紙に書くように、机でもどこでも、人差し指でなぞりましょう。
 指をぺン代わりにすることで、いつでもどこでも書いて覚えることができます。実際のペンではありませんから、準備なんていりません。また、ぺンを家に置き忘れることもなければ、インク切れの心配もないのです。
 これだと目立たないように覚えることも可能です。打ち合わせ中に、どうしても覚えたいことがあったら、右手を太ももの上にのせて、人差し指だけ小さく動かせばいいのです。


■3.感情を結び付けて記憶する
 僕は、この覚え方を受験勉強に活用していました。世界史の勉強をしているとき、「おっ、チンギスハン強すぎ(驚き)」、「不平等条約は、人の道に反するだろ!(怒り)」というように、反応しながら勉強をしていたものです。そうすると、不思議なくらい印象に残りました。
 皆さんも、日々の場面で、感情を利用してください。仕事をクールにこなしているように見せかけて、内心は大きなリアクションをしている。覚えるためには、このくらいがちょうどよいのです。


■4.知識は縦と横に広げる
理解することが「縦の知識」をつくることなら、今度は「横の知識」をつくります。つまり、目の前にある情報から関連情報に派生させて、その情報について思考を巡らせていくのです。
 たとえば、英語の「関係代名詞」について、勉強をしているとします。「関係代名詞といえば、That、Who、Whomなどがあり、それぞれの用法は……」と一通り理解したら、知識を横に広げていきます。「文法で、似たものといえば関係副詞!」というように、派生をするのです。


■5.長い数字はチャンク化+ストーリー化で
 長い数字は、どんどんチャンク化してください。分け方は、4桁ごとに分けましょう。たとえば、円周率の「3・14」以下であれば、「3.14 1592 6535 8979……」というように分けていくのです。
 次に、チャンク化したグループごとに、意味を与えていきます。これが、「ストーリー化」です。まず、ストーリーのひな形をあらかじめ決めておきます。そして、そのひな形に数字を当てはめていきます。具体的には、「いつ、誰が、何を、どうした」というのが物語のひな形です。ひな形が決まったら、それぞれの数字から、連想するキーワードを選んで、ひな形に落とし込んでいきましょう。

(詳細は本書を)


■6.歩きながら覚える
歩きながら覚えるときは、「見る→唱える→また見る」というステップで覚えてください。信号待ちなどで立ち止まっているときに、本やコピーを見るのです。安全に、そして効率的に覚えることができるようになります。具体的な覚え方は、いたって簡単です。
1.覚えたい該当ぺージのコピーを取り、折りたたんでポケットに入れる。
2.出かける前にそれを見て、とりあえず覚えてしまう。
3.歩きながら、頭のなかで「2」の情報を繰り返し唱える。
4.忘れかけた頃に、「1」のコピーをポケットから出して、確認をする。
こうすることで、間違いなく覚えることができるようになります。


【感想】

◆本書の著者の碓井さんは、「平均以下」(本人談)の公立高校から、黙々と勉強し、関西の有力私大である関西学院大学に現役で合格します。

そして、大学在学中には司法書士試験に合格。

さらには、大学卒業後1年4ヵ月の学習期間で、タイトルにもあるように公認会計士試験にも合格します。

その全ての試験で決め手となったのが、試験の都度、ブラッシュアップしていった「記憶術」。

特に参考にしてらしたのが、渡辺剛彰さんの記憶術のようで、巻末の参考文献では、こちらの本が紹介されていました。

一発逆転!ワタナベ式記憶術
一発逆転!ワタナベ式記憶術


◆ただ、渡辺剛彰さんが「あまり苦労せずに」大学受験や司法書士試験に合格されているのと比べると、碓井さんはかなりハードコア。

大学受験では高1から高3まで予備校に「みっちり通い」、司法書士試験では「勉強漬けの毎日」を送り、公認会計士試験では「工夫して、工夫して、工夫をし」たことにより合格するという。

結局、「ラクして受かった」試験は1つもありません。

この辺りは、万人受けしないでしょうけど、いかに本書が真っ当な内容であるか、を表しているのではないか、と。


◆ボリュームの問題もあって割愛しましたが、碓井さんの記憶術は、本書では他にもまだ沢山収録されています。

名前だけ挙げていくとこんな感じ。

「芋づる式記憶術」

「劇場型記憶術」

「マジカルバナナ式連想記憶術」

「ホウレンソウ式記憶術」
etc,etc……

ぶっちゃけ、従来からある記憶術やそれに近いものだったりもするのですが、そもそも記憶術自体、目からウロコのやり方というのは、私自身ほとんど目にしていないワケでして。

それよりはむしろ、複数の資格試験に通用した記憶術と、その使い方の具体例を確認できる、という意味で、本書を読む価値はあると思います。


◆なお本書は、特に資格試験等の受験だけに特化したものではなく、冒頭で触れたように、ビジネスパーソンが日常業務で使える記憶術も収録。

例えば、「名刺交換した相手の名前」や「仕事上付き合いがある人の家族の話題」等々を記憶する方法も紹介されています。

ただ、受験する予定のない人が、本書のような記憶術の本を読むか、というと微妙なところなので、やはり当ブログとしては、ガチな勉強本がお好きな方にオススメしたく。

実際に効果はあるものの、上記で触れたように「ラクして覚えられる」ワケではないので、それだけはご留意ください。


新書の割には結構濃い勉強本です!

偏差値35から公認会計士に受かる記憶術 (講談社+α新書)
偏差値35から公認会計士に受かる記憶術 (講談社+α新書)
第1章 人生に記憶はつきもの
第2章 覚える前に、「何を」覚えるのか
第3章 平均の頭で、「普通のこと」をどのように覚えるのか
第4章 平均の頭で、覚えづらいことを「いかに」覚えるか
第5章 時間がない!「いつ」覚えるのか
第6章 真似のススメ【「記憶術」を日々実践する!】


【関連記事】

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【編集後記】

◆本書の参考文献として挙げられていた中の1冊。

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)
受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)

私としても激オススメ。

レビューは上記関連記事にてご確認下さい!


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