2012年08月17日
【気づかい】『がんばる人ほど見落としている気づかいの極意』美崎栄一郎
がんばる人ほど見落としている気づかいの極意
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、美崎栄一郎さんのコミュニケーションスキル本。先月末には出ていたのですが、丸善オアゾの田中さんのこのツイートを見て、気になっておりました。
美崎栄一郎さんの『気づかいの極意』を読んだ。仕事ってのは人とするものなんだから、気づかいってのはほんとに重要だと思う。仕事ができるからって周りの人のことを考えないなんて論外。一緒に仕事をする人が仕事をしやすいようにするってのはとっても大事。そのためにどうしたらいいか勉強になった。
— diesuk / 大輔さん (@diesuk) 8月 2, 2012
以前、当ブログで「今、出世本が来てる!」と申しあげましたが、本書もある意味その流れに沿うものかと。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.おみやげは「手渡し」するおみやげを渡すのは、コミュニケーションが目的ですから、机の上に置いておくようなことはしてはいけません。だから、個包装されているモノでなくても大丈夫です。
会話がしづらい相手がいる場合は、おみやげを2種類以上用意しておくと良いのです。たとえば、沖縄に行って「ちんすこう」をおみやげで買って帰るとしたら「宮古島の塩」「石垣の塩」「パイナップル味」のように数種類を用意しておくと、「どれにしようかな」などと話のきっかけを作ることができます。
■2.年賀状は1行だけ書き添える
宛名も裏面も印刷したものでかまいません。手書きの必要はないのです。ただし、印刷面は、近況などを入れるようにしなければ、送る意味がありません。
私の場合は、昨年の出来事などの近況を書いた文や写真で簡単に読めるものにしています。(中略)
また、こちらが元旦に届くように送ったとしても「賀正」とだけ書かれた年賀状に返事は書きづらいですが、近況が書かれてあれば相手もネタがあるので返事を書きやすいわけです。
年賀状の気づかいは、相手に話題を提供することです。手書きで書くことが気づかいではないのです。
■3.「やってみた」を報告する
「こんな本が良いよ」と言われたら読む。
「面白い場所があるよ」と言われたら行く。
たった、これだけです。重要なポイントは、その後報告する、または取りかかったことや途中経過を報告する、ということなのです。(中略)
経緯や進捗を伝えておくことが「気づかい」なのです。おべんちゃらを言うのではなく、言われたことで自分が何かを実行したならば、それを「伝えるだけ」です。
■4.「過去の栄光」を聴き出す
上司への気づかいで一番効果的なものは、えっと、会社を辞めて独立しているから、言えるノウノウですが……。
おべんちゃらを言わずに、過去の上司の成功体験を聴く……これだけです。(中略)
上司の過去の栄光話は、火の粉がかかりませんし、世代間ギャップもありません。上司になるくらいの人ですから、「栄光話」はあるはずですし、その話を聞けば、沈黙することもありませんし、相手の機嫌も良くなりますから、一石二鳥なのです。
■5.アポイントは3択で素早く決める
私の場合、アポイントのメールは、基本的に3択にして、返事を待つようにしています。
そうすると、相手はどれか1つを選択すれば、その時点で予定は決定します。
1回の往復で日程と時間が決まるのです。
たくさんの候補から選ばせることが必要な気づかいではないのです。速く仕事を実行に移すための時間を与えることが、本当の意味での気づかいでしょう。
■6.手紙に合わせてメールを送る
アナログツールである手紙を送って、届いたタイミングで、メールも送信するようにします。そうすると、手紙を読んで、相手は返事を私のメアドを探すことなく、受信したメールに返信するだけで済みますから、相手の手間を省くよう「リアルなお手紙+デジタルなメール」を、タイミングを同期させて送るようにするのです。
私自身も編集者さんから直筆のお手紙をいただくこともありますが、そういう仕事はやはり受けることが多いです。返事の連絡はメールですから、こういう順番で送っておけば、相手が楽だということを知っていたのです。
【感想】
◆美崎さんといえば、大昔は「著者さんにその方の著作の装丁のミニノートをプレゼントする方」というイメージが私にはありました。読書パーティーに出席しました |カワテツの「出版プロモーションの裏側、全部見せます」
今はなさってらっしゃるのか知りませんが、当時はこれを見て「すごい心配りだな〜」と感心した記憶が。
こんなサプライズグッズもらって、うれしくない著者さんはいらっしゃらないでしょう。
その美崎さんが書かれた「気づかいの本」ですから、期待しない訳には参りませぬw
◆そして本書で「気づかう」相手は、下記目次のように「同僚」「上司」「得意先」等さまざま。
すべてに共通しているのは、「机上の空論」ではなく、実際に美崎さんが実践されている、ということです。
確かにこういう同僚や部下がいたら、周りの人は働きやすいハズ。
こういうコミュニケーションの達人ワザは、できるものから1つでも2つでも取り入れるべきだと思います。
……この夏の家族旅行のお土産は手渡ししなくてはw
◆割愛した中で試してみたかったのが、「イラストの入ったクリアファイルを、仕事の書類とともにプレゼントする」というもの。
私は結構、書類を送るのにクリアファイルを多用して、相手にプレゼントしているツモリでしたが、わざわざ「イラスト入り」を買うことまでは頭が回りませんでした。
本書で具体的に挙げられていたワンピースやら……
エヴァやら……
新幹線など……
相手の好みがあらかじめ分かっていれば、それに合わせてさりげなくプレゼントすれば、喜ばれること間違いナシでしょうね。
◆そしてこうした「気づかい」ができる人こそ、周りから愛されて、冒頭で触れたように、結果的に出世するのではないでしょうか?
そういう意味では、ビジネスパーソンにとっては、一般的なビジネススキルと同様に、マスターしておきたい心がまえだと思います。
ちなみに本書の版元は「言われないと絶対に分からない」であろうフォレスト出版さん。
フォレストなのにこの装丁ということも、読者に対する「気づかい」なんじゃないか、とw
上を目指す人ほど読んでおきたい1冊!
がんばる人ほど見落としている気づかいの極意
1章 社内の同僚への気づかい
2章 上司に対する気づかい
3章 打ち合わせの時の気づかい
4章 得意先への気づかい
5章 チームの中の気づかい
6章 デジタルツールの気づかい
7章 「幹事」における気づかい
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【ドッキリ】「人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない」小山薫堂(2009年05月11日)
【編集後記】
◆今日のご本に関連して。この人と一緒に働きたいと思わせる仕事術
まだ読んでいないのですが、以前オススメされた記憶が。
……って、上記ポイントの3番目が実践されていませんね!
ご声援ありがとうございました!
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