2012年08月14日
【ロジカル?】「日本人の発言が論理的に聞こえない5つの理由」@『1分でわかる! ロジカルシンキング』
1分でわかる! ロジカルシンキング
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」で取り上げた1冊。著者の小野田博一さんは、JPCA(日本郵便チェス協会)第21期日本チャンピオンであり、ロジカル・シンキングに関する著作も多い方です。
アマゾンの内容紹介から。
相手の理屈をとことん聞こう。自信を持って堂々と話す。“仕事ができる人”と思わせる47のルール。
今回は、本書の中で特に興味深かった「日本人の発言が論理的に聞こえない理由」について5つ挙げてみます。
……アナタの発言は大丈夫ですか?
いつも応援ありがとうございます!
【日本人の発言が論理的に聞こえない5つの理由】
■1.意見が客観的でない日本人は発言が感覚的です。
理詰めに書かなければいけないときでも、感じたことだけを書くことがあります――いやだ、とか、いいとは思えない、とか、うれしい、とか……これらの場合、ほとんどつねに「私」が主語で、「私」の思い、なのです。
例を挙げましょう。A「あの規則はいいとは思えないな。うっとうしいだけだよ。なくしてほしいものだな」最後の「なくしてほしい」という個人的な願望も含め、Aの発言は思いばかりです。
これでは意見ではありません。
■2.短絡的な発言をする
たとえば、「その仮説は正しいだろう」と思ったら、「私は、その仮説は正しいだろうと思います」とだけ述べるのです。
なぜそのように思うのか、理由は一切ナシです(「なぜ」と訊かれないかぎり、理由を述べません)
理由を説明する意思が欠けているのです。
これでは発言が短絡的すぎます(幼いころ、感想文に感想だけを書いた悪影響でしょうね)。
何度も繰り返しますが、理由は必ず述べましょう。
■3.相手の発言を無視した形式の発言をする
もちろん、実際は無視してはいないのですが、発言の形の上では無視している形式になっている発言をよくするのです。
これは「自明なことを省略する習慣」ゆえ、です。(中略)部長「さっきの会議はムダが多くて疲れたねえ……」部下は部長の発言を(形式的には)無視しています――なぜなら、ムダが多かったか否か、疲れたか否かにまったく言及していないからです。
部下「でも、有意義な決定もありましたよ」
■4.相手の質問に答えないことが多い
次の会話を聞いたとき、多くの日本人は、「Bの発言が変」とは思わないでしょうが、その感覚は直さねばなりません。A「この事業に投資することはできないんですか?」できないかどうかを訊かれているので、Bはまずできるかできないかを答えなければなりません。
B「わが社が財政的に苦しいことがわかってますか?」
質問に対して質問を返さないこと――これが原則です(ただし、質問の意味がわからない場合は別)。
■5.伝えたい意味をそのまま述べていない
A「二十日までに可能ですか?」Aが日本人なら、Bの返事はノーの意であることは通じるでしょう。
B「難しいです」
でもAが海外の人なら、ノーの意では伝わりません。
その場合、Aは「難しいけれど可能」なのか「難しくて不可能」なのかわからず、悩むことになります(きっと「難しくて不可能」の意だろう、と勝手に決め込む人はいません)。
【感想】
◆なんかもう「あるある!」の連続で、おぢさん、疲れましたw初っ端からして、まず「アウト」。
当ブログのコンテンツ(感想部分)自体、「客観性」という観点からはかなりマズいです。
そもそも「数値的な裏付け」や「理由」等はほとんどないですし、「私がこう感じたから、この本オススメ!」という「オレ節」だらけ。
上記ポイントの2番目にもあるように「感想文に感想だけを書いた」状態ですね、これは……。
◆一方、ポイントの3番目のようなパターンは、日常会話でもよく聞かれる気がします。
本書ではこの件に関しては「無視していない形にするためには、少なくともどちらか一方に言及せよ」と指摘。
具体的な返答例として
「ええ、ムダが多かったですね。でも全部がムダというわけではなかったですね。有意義な決定がありましたから」といったところが挙げられていました。
「ええ、疲れましたねえ。でもそれは別として、有意義な決定があって、疲れたかいはありましたね」
ただ、部下としてみたら、部長が疲れたか否かはどうでもいいことでしょうし、どのくらいの割合をもって「ムダが多い」か分かりませんから、端的に「有意義な決定もあった」と発言したのではないでしょうか。
それでもこの答え方は、形式的には「論理的な発言ではない」ということになるわけですね。
◆また、ポイントの4番目の例も、私は最初、違和感すら感じませんでした。
というか、この例の場合「いちいち、そんなこと聞くなゴルァ」的なニュアンスを含ませるために、「あえて」質問に対して質問で返しているハズ。
それを「イロジカル」と言われてしまっては、日本人の「あうんの呼吸」の立つ瀬がありません(大げさ)。
「あうん」という意味では、続くポイントの5番目も同様で、真正面からダメ出しするのが忍びないから婉曲に表現しているのですが、確かに外人さんには分からないかも。
……そうですか、そんな感覚は直さなければいけませんか。
もちろん、本書を通して読んでいただければ、その処方箋はしっかり述べられておりますので、気になる方はご確認を。
◆今回取り上げたのは「日本人の発言が論理的に聞こえない理由」としてまとめられた部分ですが、これ以外にも本書は「ロジカル・シンキング」に関して、基礎から詳しく解説しています。
そして、日頃私たちが普通に使っている言い回しが、まったくロジカルでなかったり、逆にロジカルに表現されたものを読むと、ぎこちなく感じることも多々。
要はそれだけ、日常的に使っている日本語がロジカルではない可能性が高いのではないか、と(私だけ?)。
実際にビジネスシーンでそのまま使うには、ワンクッション置く必要もあるかもしれませんが、「ロジカル・シンキング」を理解しておくことが「ロジカル・パーソン」になるためには必要なハズ。
「ロジカルな人」と思われたいなら一読の価値アリです!
1分でわかる! ロジカルシンキング
第1章 「ロジカル」とは何か
第2章 ロジカル・シンキングとは何か
第3章 だれでもできるロジカル発言
第4章 ロジカル発言の技術
【関連記事】
【ロジカルライティング】「仕事ができる人の論理的に考え、書く技術」小野田博一(2009年06月24日)【論理思考】『今すぐ使える!ロジカルシンキング』に学ぶ7つのポイント(2011年01月21日)
【面白】『頭がよくなる「経済学思考」の技術 』木暮太一(2010年06月07日)
【勉強】「コンサルタントの勉強法」野口吉昭(2009年12月22日)
すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)
【編集後記】
◆『なぜレストランのメニューで3行目を選んでしまうのか?』の著者である氏家秀太さんの新作。儲かっているラーメン屋は朝8時に掃除する! (宝島社新書)
朝に弱い私には耳イタイタイトルですがw
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
初めまして、自分もマインドマップと、提唱者のTony Buzanに興味があり、題名が関係していそうであったので、どうブログと融合させるか気になってお拝見いたしました。
今回の記事の「小野田」さんのお名前は書籍の帯の部分で目にすることがあるのですが、チェスの日本一の方とは知りませんでした(日本大会があることも疑問ですが)。
それで、著書のご紹介を拝見して、なるほど、これ以上ないくらい思考し(体重も激減するくらいに)いらっしゃる方の内容だな、と改めて感じます。
やはり、チェスはやってみると意外な刺激がありそうだな、というところにいたります。
今後も参考にさせていただきます。
今回の記事の「小野田」さんのお名前は書籍の帯の部分で目にすることがあるのですが、チェスの日本一の方とは知りませんでした(日本大会があることも疑問ですが)。
それで、著書のご紹介を拝見して、なるほど、これ以上ないくらい思考し(体重も激減するくらいに)いらっしゃる方の内容だな、と改めて感じます。
やはり、チェスはやってみると意外な刺激がありそうだな、というところにいたります。
今後も参考にさせていただきます。
Posted by Go at 2012年08月17日 18:47
>Goさん
レス遅くなって申し訳ございません(汗)。
また、タイトルにある「マインドマップ」もブログに形としては現れなくなって、随分経ってしまいました。
いいかげん、タイトル変えるべきのような気もしますが、この名前で沢山の書籍で紹介されてしまっていて、なかなか変えにくいと言う……。
小野田さんは、かれこれ10年以上前から著作を読んでいた数少ない著者さんで、その割にこのブログがロジカルでないのが悲しいところです。
……私もチェスをやらないといけないのかも(汗)。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
レス遅くなって申し訳ございません(汗)。
また、タイトルにある「マインドマップ」もブログに形としては現れなくなって、随分経ってしまいました。
いいかげん、タイトル変えるべきのような気もしますが、この名前で沢山の書籍で紹介されてしまっていて、なかなか変えにくいと言う……。
小野田さんは、かれこれ10年以上前から著作を読んでいた数少ない著者さんで、その割にこのブログがロジカルでないのが悲しいところです。
……私もチェスをやらないといけないのかも(汗)。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年08月18日 23:26
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