2012年08月13日
【読者特典アリ】『一瞬で思い出せる頭をつくる 機械的記憶法』牛山恭範

一瞬で思い出せる頭をつくる 機械的記憶法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログでも人気だった、『なぜ人は情報を集めて失敗するのか』の著者、牛山恭範さんの記憶テクニック指南本。『なぜ人は情報を集めて失敗するのか』が「戦略面」寄りだったのに比べると、本書はガチな「戦術本」であり、ノウハウ好きの読者さんとしては、ツボなのではないでしょうか。
版元のサイトから概要を引用。
ゴロ合わせやイメージとして覚える従来の記憶術に加えて、「速読」と「速聴き」を組み合わせ、高速で記憶する技術を解説。一瞬で広い範囲を視界におさめる「速読」の技術を用いて記憶すべきことを目に焼き付けるなど、記憶作業を効率化します。
ここまで多様な記憶テクニックを収録している本は、なかなかないかと。

【ポイント】
■1.選択肢の番号にマーキングする選択肢を見るときに、消去法で解答を決める人は多いと思います。このとき、消去法だけではなく、わからないものにもはっきりとマークをつけるのです。(中略)
わかるもの、わからないものの区別がはっきりしているため、△マークがついた選択肢(正解かどうかがわからない選択肢)を見比べて、そこから時間をかけて正解の判断をするような癖がつくようになります。このようなことをすると、基本的に多くの場合、点数が上がることがわかっています。
■2.記憶の種類に適した勉強法を選ぶ
択一式試験の勉強は、わざわざ書いて覚えるのではなく、繰り返し読んだり聞いたりすることで覚え込む方法が効果的です。具体的には、テキストなどの10から15ぺージを繰り返し20回程読みます。また、ICレコーダーなどに内容を吹き込み、繰り返し聞くのも効果的です。
一方、論文試験や口述試験の勉強は、再生記憶用の記憶アプローチに基づいて行ないます。(中略)
具体的には、瞬間的に思い出すことができるようになるまで、7項目くらいの記憶対象をグルグルと回していきます。ヒントとなるキーワードを一瞬見ただけで、思い出すべき事柄が頭に浮かぶように記憶していきましよう。
■3.問題集とノート、過去問を速読する
結論からいうと、問題集とノート(論点ブロック集)、過去問を速読すれば試験は合格できるようになっています。もちろん、第4章で紹介する速聴きを使うなど、別のやり方で覚えたほうが効率的な場合もあります。しかし、構造的なもの(民法など)や、概念が複雑なものは脳に理解を与えやすいので、速読を使ったほうが効率的に学習ができます。
では、なぜ速読をすれば合格できるのでしょうか。
記憶は、何度も同じことを繰り返すことで形づくられていきます。このとき、速読を使えば、高速で頭の中に情報を入れることができるため、何度も繰り返すことができます。
猛烈なスピードで繰り返すので短時間で広い範囲を勉強することができ、その結果、効率的に記憶を残すことができるようになるのです。
■4.問題集を速読しやすくカスタマイズする
(1)まず正解の選択肢を蛍光ペン(黄色)で塗る。○×の問題集なら、○の選択肢や文章を蛍光ぺンで塗る。特に覚えにくい部分は、その上からピンクで塗りましょう。
(2)間違っている文章は、読まずに線を引いて間違っている部分を消してしまう。そのうえで正解に書き直す(間違っている文章を読んでいると、そのまま間違った文章を覚えてしまう危険性があるため)。
(3)解答の解説部分も、重要な部分は蛍光ぺンで塗る。
■5.暗記速読はスキャンするように読む
暗記速読の目の使い方は、従来の速読よりも少し狭い範囲を見ます。視野を少しだけ狭めるということです。それでは速読ではないと感じる方もいるかもしれませんが、そうではありません。実際には目線をまっすぐ右から左に走らせるように動かしたり(縦書きの本の場合)、視線をまっすぐ上から下に走らせるように(横書きの本の場合)読みます。1行ずつは読みません。1行ずつなぞるようにする読み方の10〜20倍くらいのスピードは確保したまま、文字群全体をスキャンするように読むのです。
(詳細は本書を)
■6.速聴き用に問題集を加工する
(1)○×の問題集であっても、選択肢型の問題集であっても、正解の選択肢を黄色の蛍光ぺンでまずは塗ってください。そして、間違っている選択肢は正しく直して、黄色の蛍光ぺンで塗ってください。
(2)蛍光ぺンで塗っている箇所をICレコーダーに吹き込んでください。
(3)記憶術を使った場合は、その記憶術の変換内容やフレーズを一緒に吹き込んでもかまいません。
(4)吹込みを行なうときには、1つの音声がせいぜい3〜5分程度にしておきましょう。
(5)吹き込んだ音声をリピート再生しましょう。
【感想】
◆本書は「記憶ネタ」が豊富で、抜き出す部分も迷いました。中には、本来選ぶべき重要性がありながら、分かるように引用すると、とんでもない量が必要なため、泣く泣くカットしたものも。
その1つが第2章の「記憶術」。
これは俗に言う「イメージ記憶術」で、最近ご紹介したこの本でもお馴染みですね。

即戦力をつくる記憶術 (トクマブックス)
参考記事:【スゴ本?】『即戦力をつくる記憶術』渡辺剛彰(2012年07月14日)
◆牛山さんはこの「イメージ記憶術」をフレーズによって管理し、「牛山式フレーズ法」と命名。
さらに出先でもスマホで勉強できるよう、このようなソフトウエアも提供されています。

……すいません、メアド登録する必要があるので、試してませんw
私個人としては、この「イメージ記憶術」系の記憶法で暗記をしたことがないので、効果のほどは何とも言えないものの、イメージへの変換のやり方が比較的自然であり、試してみようか、と思わされました。
◆また、速読については、第3章において、かなり踏み込んで紹介されています。
上記ポイントでは割愛していますが、速読の基本から具体的な練習方法も収録。
ただ、「通常の速読」については、目の動かし方から練習する一般的な速読の本とかぶるので、お持ちの方はそちらでも代用可能かと。
むしろキモとなるのは、上記ポイントの5番目で触れている「暗記速読」でしょう。
本書ではもうちょっと詳しく書かれていますが、それでも「紙幅が限られた書籍という性質上難しい」と言われてますので、牛山さんの記憶塾でないとマスターできないのかもしれませんが……。
◆なお、記事タイトルで触れた「読者特典」は、音声ファイルとPDFファイルの2つが、パスワードを入力することにより入手が可能です。
これがまた結構なボリュームで、音声ファイルはMP3ファイルが60分弱。
PDFファイルは、こんな表紙で素っ気ないのですが……。

これがなんと、241ページもあって、smooth涙目の巻w
最後の方にQ&Aがあって、そこだけはちゃんと読んだのですけど、本書を買われた方は、本書の記憶術を適切に活かすためにも、このQ&Aは必ずお読みください。
◆本書を読んで改めて思ったのが、勉強法は、その対象によって「向き」「不向き」があるのだな、ということ。
例えば「速聴き」は、テキスト等を通しで行なう学習の初期に向いています(逆に学習の後期は覚えていない所を重点的にやる)。
同様に、上記ポイントの2番目にあるように「択一式試験」と「論文試験」でも、適切な勉強法が異なってくるという。

要は、それぞれの「メリット」「デメリット」を理解し、最適化を図るべきなのだと思います。
資格試験を目指す方なら一読の価値アリ!

一瞬で思い出せる頭をつくる 機械的記憶法
第1章 なぜ、記憶できないのか?
第2章 記憶術でつなげて覚える
第3章 速読で目に焼き付けて記憶する
第4章 速聴きと自動記憶で耳から勉強を極める!
第5章 学習の効果を最大化させる
【関連記事】
【勉強】『なぜ人は情報を集めて失敗するのか 目標達成論』牛山恭範(2011年06月24日)【スゴ本】『勉強法最強化PROJECT』牛山恭範,斉藤将人,石原伸浩(2011年06月19日)
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【記憶術】『記憶力世界チャンピオンカールステン博士の頭がよくなる勉強法』グンター・カールステン(2010年10月05日)
【速読】「本がどんどん読める本 記憶が脳に定着する速習法!」園 善博(2009年04月15日)
【編集後記】
◆実は本書はテクニカルなことが中心なため、それ以外の点については、牛山さんが関与された以下の2冊で補足するよう記述がありました。
なぜ人は情報を集めて失敗するのか 目標達成論 (YELL books)

勉強法最強化PROJECT (YELL books)
いずれも、レビューは上記関連記事にてご確認を。

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タイムリーな時期に
記憶術磨きに良さそうな本の
紹介ありがとうございます
読者特典も何だか嬉しいです
記憶術磨きに良さそうな本の
紹介ありがとうございます
読者特典も何だか嬉しいです
Posted by マグロ船の齊藤正明 at 2012年08月13日 12:04
>マグロ船の齊藤正明さん
ご無沙汰です☆
タイムリーな時期とは、何か受験でもされるのでしょうか?
読者特典は、アマゾンキャンペーンと違って、いつどこで買ってもゲットできるので、是非!
ご無沙汰です☆
タイムリーな時期とは、何か受験でもされるのでしょうか?
読者特典は、アマゾンキャンペーンと違って、いつどこで買ってもゲットできるので、是非!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年08月14日 05:18
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