2012年08月12日
【寓話?】『ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから』博報堂ブランドデザイン

ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから (アスキー新書 222)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ビジネス書の愛読者さんなら馴染みの深い「寓話」の本。本書の場合、その「寓話」自体にフォーカスしているのが特徴です。
コンパクトにまとまっていたので、アスキー新書の新刊紹介から。
ビジネスの要諦や視点を短いストーリーで比喩的に表現したビジネス寓話。さまざまなビジネスシーンで使われるビジネス寓話だが玉石混交の感もある。これらビジネス寓話を、次世代型ビジネスに精通する博報堂ブランドデザインが改めて選別し、解説する。
寓話ばかり体系的にまとめてある、という点でもありがたい1冊です!

【所感などなど】
◆本書に収録された寓話は、実はタイトルだけでしたら、すべてアマゾンの目次ページに記されています。Amazon.co.jp: ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから (アスキー新書 222): 博報堂ブランドデザイン: 本
読む前であってもタイトルだけ見て「あぁ、あの話ね」と思うのもあれば、個々に読んでも全く知らなかったものもあり。
結局、約1/3は私にとって既知の内容でしたが、これだけビジネス書を読んでも、2/3も知らなかったのは、読んでる本に偏りがあるのかもしれません。
……それよりも「ほとんど知っている」という方に本書をお買い上げ頂くと心苦しいのですが。
◆ちなみに、有名で、かつ、私でも知っていた寓話だと、こんなモノが。
●大きな岩を先に入れろ
ある大学で、こんな授業があったという。
「クイズの時間だ。」教授はそう言って大きな壺を取り出し、教壇に置いた。その壺に、彼は1つひとつ岩を詰めた。壺が一杯になるまで岩を詰めて、彼は学生に訊いた。
「この壺は満杯か?」(後略)
会社がなぜ消滅したか―山一証券役員たちの背信
●3人の石切り工
3人の石切り工の話がある。
なにをしているのかと訊かれたとき、第1の男はこう答えた。
「この仕事で暮らしを立てているんだよ」(後略)
ドラッカー名著集14 マネジメント[中]―課題、責任、実践
●幼稚園児なら10分で解ける問題
幼稚園児が数分で解けるのに大人が解けない問題の解答と解説 - NAVER まとめ
●天国と地獄の長いスプーン
ひとりの男が、天国と地獄について神様と話をしています。神様が男に言いました。
「こちらについて来るがよい。地獄を見せよう」
2人が最初に入った部屋には、人間たちが煮物の入った大きな鍋を囲んで座っていました。全員がひどくお腹を空かせ、生きる望みもすっかりなくしたように見えます。皆、スプーンを鍋に入れては煮物を口に運ぶのですが、スプーンの柄が腕より長くて口に届きません。その苦しみようと言ったら、それはひどいものでした。(後略)
こころのチキンスープ〈2〉―生きることは愛すること
●ピレネーで遭難した登山隊
ある登山隊がピレネー山脈を登山中に雪崩に遭遇しました。隊員たちは一時的に意識を失ってしまいます。意識が戻ったときには、背負っていた基本的な装備が失われていました。一生懸命に自分のポケットの中に何が残っているか探してみたら、ろくなものがない。食料もチョコレートなどの非常食が少々。最悪なことにはコンパスもなくなっていた。その瞬間に、もうわれわれは生きて帰れない、どうやって山を下りるんだ、と隊員たちは暗澹たる気持ちになりました。
ところが、ある人のポケットの中から一枚の地図が出てきました。これを見ているうちに、だんだん元気が湧いてきました。(後略)
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
一部、著者陣によって編集されているものもありますのでその辺はご了承を。
これらは、すべて冒頭の部分だけですけど、話の「オチ」までご存知の方も多いのではないでしょうか?
◆また、出典が分かるものは、それを明記してくれているのも有り難いところ。
中には微妙というか、たとえば「大きな岩を先にいれろ」は、確かに『会社がなぜ消滅したか』に掲載されているのですが、どうも外国の方もご存知のようなので、多分大元は外国の話なのだと思いますが。
いずれにせよ、こうした寓話やエピソードは、知っているだけでももちろん便利(講演や会話等で)ですが、出典が何かを知っていると、さらに説得力が増します。
この辺翻訳本は、「参考文献」や「引用」という形でしっかり記載されていることが多いような。
私のようなブロガーはさておき、ライターさんや著者さんは、本書のような本を持っていると便利かもしれません。
◆思えば一般的な本は、何か言いたいことがあって、それを補強したり、分かりやすくするために、「寓話」を用いています。
それに対して本書は、まず「寓話」があって、その背景や考え方を解説する、というもの(解説自体には、解釈の違いと言うか異論がありそうですが)。
アプローチが違うものの、単純に「寓話」に関する知識を増やせる点では、本書の価値は低くありません。
さらに、ちょっとしたスピーチやプレゼンにも使えることウケアイ。
「寓話」を理解し、使いこなすために!

ビジネス寓話50選 物語で読み解く、企業と仕事のこれから (アスキー新書 222)
第1章 「はたらく」
第2章 「売る」
第3章 「つくる」
第4章 「動かす」
第5章 「つながる」
終 章 50の寓話から見えてくるもの
【関連記事】
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【ティッピング・ポイント】「急に売れ始めるにはワケがある」マルコム・グラッドウェル(2007年07月18日)
【編集後記】
◆本書に収録されているかな、と思ったものの、なかったのが「峠の豚」というお話。詳しくは、出典であるこの本をお読みください。

パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法
レビューは上記関連記事にてご確認を。

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