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2012年08月10日

【50の行動原則】『仕事は"6勝4敗"でいい 「最強の会社員」の行動原則50』出口治明


仕事は“6勝4敗
仕事は“6勝4敗"でいい 「最強の会社員」の行動原則50


【本の概要】

◆今日お送りするのは、一昨日の記事にてご紹介した、ライフネット生命株式会社社長の出口治明さんの最新作。

2日続けて仕事術系の本となってしまいましたが、本書も昨日の本に負けず、読みどころがありました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「最強の会社員」とは、特別な能力を持った人のことではない。
仕事を楽しめている人こそが最強である。
では、「仕事を楽しむ」とはどういうことか?
20代、30代のビジネスマンに向けて、日々の仕事での心得や鉄則を具体的に説く。

「最強の会社員」になりたい方なら必読かと。


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【ポイント】

■1.準備だけは怠らない
 20代、30代の人たちと話すと、「やりたいことが見つからない」と悩んでいる人が少なくありません。そんな時、私は「人生80年もあるのだから、見つかるまで探せばいと思う」と伝えます。
 しかし、やりたいことが見つかったとしても、人生は"凧あげ"と似た意地悪なものです。自分がいくら凧をあげたいと願っても、風が吹かなければ凧はあがりません。そして、いつ風が吹くのか。それは誰にもわからない。
 大切なことは、風が吹いてきたなと思った時に、すかさず凧をあげること。すなわち、いつでも準備だけは怠らないようにすることが重要です。


■2.「鋼」のような人物を目指さない
 10代、20代でやりたいことを見つけ、実現に向けて邁進している人は、ごくわずか。彼らは才能に恵まれた「鉄の人」です。鉄は叩けば「鋼」になりますが、私も含めた99%の人は「土の人」。努力した末にたどり着くのは鋼ではなく、「瓦」です。(中略)

「最強の会社員」というと、鋼のようなl%の人のことを思い浮かべるかもしれません。しかし、私が本書でお伝えしたいのは、99%に属する普通の私たちが「割れにくい瓦」になるにはどうすればいいかということです。


■3.仮決めでいいから、とにかく結論を出す
 たとえば、皆さんは上司から「レポートを持ってこい。締め切りは1週間後くらいでいいぞ」と言われた時、どういう対応をしていますか?
 丁寧に時間をかけて1週間後に持っていく人もいれば、仕上がり次第すぐに持っていく人もいると思います。こうした場合、じっくり時間をかけて丁寧に資料を整え、読みやすい体裁にまとめ、提出する方が質の高いレポートだと思われがちです。
 しかし、もし私が上司だったら、評価するののは仕上がり次第すぐに持ってくる部下です。欲を言えば、翌日には提出してほしい。なぜなら、できあがりが早い分、修正の時間を十分に取ることができるからです。


■4.困ったら、ギャーッと叫ぶ
 人間、そんなに賢い動物ではありませんから、困ったことを自分ひとりで抱え込んでも、良い知恵はなかなか出てきません。大切な時間がただただ過ぎていき、たいていの困ったことはフォローが遅くなればなるほど、深刻に、複雑になっていきます。
 ですから、「これは手に負えないかも」と思ったら、すぐに周りへサインを出せばいい。周りに迷惑がかかるとか、メンツに関わるとか見栄を張るとか、そんな思い込みで時間をロスする方が、はるかに非合理的です。


■5.白書で数字に強くなる
 私が講演でお勧めしている数字に強くなる訓練法は、官庁の発表する白書などのデータを読み込むことです。もし、皆さんが社内外の勉強会などに参加しているなら、参加者各々が○○省担当となって、ホームページにある経済統計を読み込み、その資科と数字、データのみを材料に30分のスピーチをするような試みをお勧めします。


■6.部下への「ほうれんそう」を大切にする
 一般的には、「部下が『ほうれんそう』をしなさい」という形で説かれることが多いように思いますが、私は上司が部下に「ほうれんそう」することをお勧めします。そもそも、うっとうしい上司に喜んで「ほうれんそう」する部下がたくさんいるはずがないではありませんか。
 部下にマメに話しかけることにより、部下の状況を把握しやすくなり、トラブルの芽を事前に摘んだり、万が一の場合の対策をより早くとれるようになります。
 さらに、積極的な「ほうれんそう」によって、部下が話しかけやすい雰囲気を作り出すことかできれば、より一層情報が入ってきやすくなることでしょう。


【感想】

◆ご存知の方も多いと思いますが、本書の著者の出口さんは、ライフネット生命の前には、業界最大手の日本生命にいらした方です。

しかも同期入社の中でも、いち早く部長になり、業界を代表して旧大蔵省との交渉を担当したこともあったそのだう。

それが、ある事によって出世コースから外れて、その後、ビル管理を行う関連会社の取締役になったのだとか(知らなんだ)。

そんな出口さんですから、上記ポイントの2番目にあるように、自ら「普通の私たち」であることを自認し、その上で「最強の会社員」を目指す方法を指南しています。


◆ですから、出口さんが本当に「普通」かどうかはさておき、本書で提唱されている「行動原則」は、昨日の本にあるような「伝説」レベルの難易度ではありません。

例えば、上記ポイントの4番目のように「困ったら叫ぶ」くらいなら、私にでもできそうなw

また、割愛した中で面白かったのが、「上司のタイプによって行動を変える」というクダリで、「エリートコース」「叩き上げ」タイプそれぞれについて「ロジカルに」「情に訴えて」接していく、というのは分かります。

ところが「古い価値観と根性論」タイプには「反論するだけ時間のムダ」「話を適当に受け流す」というスタイルを推奨するという、およそビジネス書らしからぬ(?)結論に、思わずワロテしまったワタクシ(その他のタイプについては本書にてご確認を)。

本書のところどころに、こうした「らしからぬ」作法が説かれているのが、本書の特徴だと思います。


◆もう1つ、本書の根底を流れる考え方を表しているのが、野口悠紀雄先生のこちらの本。

1940年体制(増補版) ―さらば戦時経済
1940年体制(増補版) ―さらば戦時経済

比較的最近までしっかり作動していた、いわゆる「日本的な仕組み」〜青田買い、終身雇用、年功序列賃金、定年制等〜というのは、高度成長と人口の増加があって初めて可能となった「ガラパゴス的なシステム」である、と。

上記「古い価値観と根性論」タイプの上司も、実は、こうした仕組みの元で、過去成功しているからこそ、部下にそのやり方を押し付けてくるワケです。

この辺りは、本書の第3章『「くよくよしない人」の行動原則』にて解説されていますので、ぜひご確認下さい。


◆最後にタイトルの「仕事は6勝4敗でいい」について。

私はてっきり「10戦全勝できなくてもいい」とか、「10回勝てなくとも6回勝てればいい」という意味かと思っていたところ、見事にハズレw

モロにネタバレになりますので、詳しくは申し上げられませんが、具体的には「交渉ごと」についてでした。

このお話でのエピソードも含め、さすがに会社員生活が長い出口さんだけあって、事例が豊富で分かりやすい点もポイント高し。

上司や部下への対応も含め、得るところが多い1冊でした。


「最強の会社員」を目指すために!

仕事は“6勝4敗
仕事は“6勝4敗"でいい 「最強の会社員」の行動原則50
序章 「最強の会社員」とは
第1章 「仕事を楽しめる人」の行動原則
第2章 「上司とうまく付き合える人」の行動原則
第3章 「くよくよしない人」の行動原則
第4章 「時間に追われない人」の行動原則
第5章 「説得がうまい人」の行動原則
第6章 「部下の力を引き出せる人」の行動原則
第7章 「変化に対応できる人」の行動原則


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【編集後記】

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