2012年08月09日
【仕事術】『伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い』 小宮 謙一,紫垣 樹郎
伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。思いっきり20代、しかも特に「新人向け」に書かれているのですが、「働き方」を考える上では、全てのビジネスパーソンの参考になる内容でした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
20代で突き抜けられる人は、なぜ突き抜けられるのか。
この一冊にその秘密をすべて集約。
わずか数年の新人時代をいかに過ごすかで、その後の人生は大きく変わります。
“優秀"レベルではなく、“伝説"レベルの新人になるためのヒントが満載!
実践すれば、今からでも「伝説レベル」になれるかも!?
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.本気で成功したいなら3年間は徹底的に働くもしあなたが本気で「伝説の新人」を目指すなら、まず、最低3年間は全力で駆け抜けてみてください。すると、それが当たり前のことになり、全力を出すことに苦しさを癒じるようなことはなくなります。(中略)
初めの3年間を全力で駆け抜けたら、あとは習慣の力で成長が加速することを必ず実感できます。むしろ、その世界で成功する感覚をつかみ始めることにより、仕事か楽しくなつてくるでしょう。
■2.101%の法則でチャンスを切り拓く
どんな仕事でも相手の求めていること=相手の期待値をしっかりとイメージし、それに応えるだけでなく、1%でもいいから、その期待値を上回ろうと考え、行動すること。このたったl%オンされた行動の違いが相手に強い印象を残し、すぺてを好循環に導きます。これこそかチャンススパイラルに乗る鉄則なのです。
逆にたったl%だけ、相手の期待値に足りなかったとしましょう。すると残念なことに頑張った99%は評価されず、そのマイナスのl%が目立ってしまうのです。すると相手は次に何かを依頼するとしても、もっとレぺルの低い仕事を頼むようになり、それが続くと仕事を頼まれなくなってしまうのです。
■3.当事者意識を持って仕事に臨む
よく「もっと任せてほしいのに、上司がチャンスをくれない」と言う人がいますが、これも上司の立場がわかると、仕事を任せられるかどうかの基準はすぐにわかります。
確かに任せるのが不得意な上司もいるでしょう。しかし、あなたに任せることで自分が動くよりもいい成果を生み出すことができ、それがチームの評価となって自分の評価につながると確信できるのであれば、あなたに任せない上司はいません。
あなたがもし任される仕事が少ないと思うのならば、まずは自分の当事者意識のレべルを見直し、上司以上の責任感を持って案件に臨む習慣を身につけなければなりません。
■4.与えられた目標は、200%の達成を最低基準にする
では、どのレべルで目標設定すればいいのでしょうか。その答えが200%です。理由は極めてシンプルで、伝説的な仕事をやり続けてきた方々の多くがそう答えるからです。
目標に対して120%や150%の成績を残すことは誰にでもあります。その時の環境や運にも左右されます。しかし、200%を達成し続けるとなると、本物の力を身につけなければなりません。200%を達成したら、次はその実績を基準に目標が設定されます。そうしたらそれも200%で応えていけばいいのです。
■5.仕事の切れ目以外で息継ぎをしない
例えば、新規営業の流れで考えてみましょう。通常、リストを作り上げ、そのリストに対するアポ取りを行いますが、多くの人はアポが取れた段階で息継ぎをしてしまいます。「よし、取れた!」という達成感がそうさせてしまうのでしょう。
しかし、まだここでは息継ぎをしてはいけません。アポが取れた瞬間にそのアポのために必要な準備をし、訪間準備ができたところで初めて息継ぎをするのです。
なぜなら、アポを取ってスケジュール帳に訪問日時を入れただけだと、訪問直前に準備をしようとしても、前回どんな話で盛り上がったのか、何を用意していけばよかったのかを忘れてしまったり、思い出すのに苦労してしまったりするからです。
■6.1つ1つの出来事に対して、明日につながる意味づけをする
大きな成功を収めた方に成功の要因を聞いていくと、「たまたま運がよかっただけだ」と言われることがよくありますが、実はそれは1つ1つの出来事や出会いに対して、明日につながる意味づけを行う習慣ができているからなのです。
運がいいと思う人はその運に感謝し、それを大切にしたり、そこから学んだりします。しかし、運が悪いと思う人は何事も自分の責任ではなく、運が悪いせいだと考え、そこで思考がストップしてしまうのです。だから同じようなことを繰り返してしまいます。
運がいいと思う人が本当に運を引き寄せ、運が悪いと言う人が悪運を引き寄せるのはこのような構造があるからなのです。
【感想】
◆今回は、本書のタイトルにもある「10の違い」のそれぞれから、1つずつ選んで第6章まで来たところでボリューム的に終了。ちなみに「10の違い」の内容については、下記目次の通りです。
初っ端の「スタート」こそ、まさに「新人」ならではのもので、ここをクリアしないと本書で言うところの「伝説」にはなれない模様。
しかし「現状を少しでも上回りたい」という方なら、それ以外の項目について堅実に実践していけば、必ずやレベルアップしていける、と感じました。
◆実際、私自身を振り返ってみても、入社初年度から飛ばせるだけ飛ばしてましたし、2年目の有給は、家族で年末に旅行するための1日だけ。
3年目からは強制的に夏休みを取らされた(課長にいきなり「来週から夏休みね」と言われたw)以外は、土日のどちらかは大抵休日出勤してましたし、いわゆる「社畜」のようなものでした。
ラインに係長がいなかったため、すぐ上の先輩が異動してしまってからは、常に「自分が係長だったら?」と考えて仕事をせざるを得なかったものの、さすがに上記ポイントの4番目にあるような「200%の達成率」は思いもよらず。
著者の1人である小宮さんはリクルート出身であり、そこで「伝説」と呼ばれるような人が、いかに高いハードルを設定していたかを思い知らされました。
◆割愛した中で興味深かったのが、若き日の糸井重里氏のお話。
20代の頃、糸井氏は宇崎竜堂氏率いるダウン・タウン・ブギウギ・バンドを取材してレポートしたいと「ローリングストーン日本版」という雑誌の編集者に持ちかけるも、「タダなら」と言われてしまいます。
そこで自腹でツアー先の沖縄にノーアポで行き、ホテルの鍵入れに手紙を入れて交渉したところ、見事取材に成功。
後日その編集者から「矢沢永吉の本を作りませんか」と言われて、密着取材をして書かれたのが、あの『成りあがり』だったという……。
成りあがり―矢沢永吉激論集 (角川文庫 緑 483-1)
糸井氏曰く「そのくらいの歳の時って、自分のために、借金してでも、ほんとにやりたいことに『やります』と言わないと、チャンスが逃げるんですよ」とのこと。
「伝説」となるためには、そのくらいの意気込みがないとダメなんですね。
◆抜き出した第6章までが、比較的「ビジネススキル」的だったのに比べると、第7章以降はコミュニケーション的な内容が展開されています。
「好かれる」ことはもちろん大事なのですが、「伝える」「スキルを盗む」あたりは、職種によっては、やや重要性が低いかも。
この辺は自分の状況に合わせて臨機応変で行けばよいと思います。
いずれにせよ、本書を読めば、高いレベルにある人の「思考」がインストールされること必至。
実践すれば、たとえ「伝説」にまではなれなくとも、「ライバルより一歩秀でた」存在になれるに違いありません。
できるだけ早いうちに読んでおきたい1冊!
伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人の10の違い
はじめに 〜20代で、ぶっちぎれ〜
序 章 新人ならではの武器を知れ 小宮謙一
20代でチャンスをつかみ、突き抜ける人の10の違い。 紫垣樹郎
第1章 伝説の新人は、スタートが違う。
第2章 伝説の新人は、チャンスのつかみ方が違う
第3章 伝説の新人は、当事者意識が違う。
第4章 伝説の新人は、目標設定力が違う。
第5章 伝説の新人は、時間の使い方が違う。
第6章 伝説の新人は、解釈力が違う。
第7章 伝説の新人は、好かれ方が違う。
第8章 伝説の新人は、伝え方が違う。
第9章 伝説の新人は、スキルの盗み方が違う。
第10章 伝説の新人は、読書力が違う。
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【編集後記】
◆「伝説」と言えば、土井英司さんの『「伝説の社員」になれ!』が有名ですが、晴れて文庫化されていました。文庫 「伝説の社員」になれ! (草思社文庫)
レビューは上記関連記事にてご確認を。
ご声援ありがとうございました!
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