2012年07月26日
【質問力?】『すごい説得力: 論理的に考え、わかりやすく伝える話し方』に学ぶ6つの質問テクニック
すごい説得力: 論理的に考え、わかりやすく伝える話し方 (知的生きかた文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。著者の太田龍樹さんは、数々のディベート大会で優勝されたディベートの達人だけあって、本書の内容もテクニカルなものが多かったです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
ディベートの達人が伝授する、「人を説得し、動かす」技術。
ロジカルシンキングと心理学を基にした話し方・聞き方のノウハウが満載!
付箋を貼りまくった中から、今回は特に「質問テクニック」についてフォーカスしてみます!
いつも応援ありがとうございます!
【6つの質問テクニック】
■1.最初の質問では「過去の事実や体験」を聞く最初の質問で、相手の「希望」や「好き嫌い」を尋ねるのは避けるべきです。(中略)
では、どのような質問がいいのでしようか?
たとえば、
「○○を今まで使ったことがありますか?」
「○○に行ったことがありますか?」
というような「過去の事実や体験を聞く質問」がべストです。
もし「ない」といわれても、
「そうですか。でしたらぜひご紹介させてください」
と先を続けることができます。
■2.「限定質問」で心の壁を崩してから、「拡大質問」で深掘りをする
「限定質問」は、答えが1つに限定される質問で、who (誰)、when(いつ)、where (どこで)を使います。(中略)
一方、「拡大質問」は、答えが1つに限定されません。相手からより具体的、詳細な内容を引き出す質問で、what (何、どんな)、why (なぜ)、how (どうやって)を使います。(中略)
まずは「限定質問」で心の壁を崩してから、「拡大質問」で深掘りをする。
人間心理を考慮すると、これが一番自然な流れです。
■3.「答え」を相手自身に気づかせる「気づき質問」
(1)相手の言葉の抽象的な部分に言及し、具体化を促す
(2)相手のやっていること、考えていることに、漏れがないかを確認する
(3)相手のやるべき優先順位を問いかけてみる
(4)相手の話をまとめた上で、それが実行可能なのかを問いかけてみる
(詳細は本書を)
■4.相手のホンネを引き出す「もしも質問」
「もしも〜ならば……」と質問を投げかけると、相手はこの提案を現実のものとして考え始めます。
これが「もしも質問」です。具体化したイメージを相手に投げかけ、それに基づいて相手に考えてもらうテクニックです。「もしも質問」は、相手の本心・本質を知ることができるすごい質問です。この例の場合、お客様から「妻が賛成してもね……」などと返事が引き出せれば、提案を受け入れられない問題が、実はまた別のところにあるとわかるわけです。
■5.よそでの成功例を挙げる質問
「○○様をご紹介くださったA様も、初めはお客様と同じように『そんなの必要ないよ』とおっしやっていました。ところが、弊社のサービスを実際にお試しになってからは、『始めてよかった』と、とても満足していただいています。お客様も一度、お試しになってみてはいかがでしょうか?」
このように、実例――それもよそでの成功例を挙げると、相手は安心してくれるものです。また、人は「自分だけが損してしまうこと」を常に恐れています。その恐怖を、証拠を挙げることで緩和してあげるのです。
■6.お客様の要望を深堀する「切り返し質問」
「高級時計しか、このお店では扱っていないの?」
というお客様からの質問に対し、
「とおっしゃいますと、お客様はどのような時計をご希望なのですか?」
と質問で切り返すだけです。
そこで相手が、
「5万円程度の時計が希望なんだけど」
と答えれば、その予算に応じた時計をご提案することができます。
「はい、当店は高級時計がメイン商品でございます」
と答えてしまっては、お客様はスタスタと店を出て行ってしまうでしょう。
【感想】
◆日頃、質問とは「相手にしゃべってもらうためのコミュニケーションの1つ」としか考えていなかった私にとっては、ためになるテクニックばかりでした。そもそもポイントの2番目に出てきた「限定質問」「拡大質問」なんて言葉すら知りませんでしたよ。
上記では割愛しておりますが、初対面の相手に、いきなり「why」「how」の「拡大質問」を投げかけると、相手は身構えてしまうのだそう。
いずれ深堀りするために聞くにしても、最初のうちは心にしまっておくのが吉とのことです。
◆また、ポイントの3番目の「気づき質問」については、本書では部下に質問をなげかけることで、彼の仕事をより具体的に見とおすようにできた上司の例が挙げられていました。
●「早急に商品の棚卸しをする」という部下に「早急に、とは?」と問いかけて、具体的に「今日中」であることを認識させる
●「棚卸し以外の未処理案件は?」と問いかけて、他に抱えているものを認識させる。
●「その中で優先順位の高いものは?」と問いかけて、棚卸しをする前に何をすべきか認識させる。
その結果、この事例では部下が自分自身で「すみません、今日中には無理です」と「気づき」ました。
今後の事を考えれば、頭ごなしに「無理だろう」と決めつけるより、はるかに生産的なテクニックではないか、と。
◆なお、「NG」なのが「知識レベルや経験レベルを尋ねる質問」なのだとか。
というのも、これらは、その知識を持っている人や経験のある人にとっては、バカにされたように受け取るかもしれないから。
逆に、あまり知らない人や経験のない人は、「恥をかかされた」と感じる可能性もあります。
いずれにせよ、相手の機嫌を損ねてしまった場合には、伝えたい意図を説明しなおすことが大事。
もしくは「あまりご興味がなければ申し訳ないのですが――」といった「クッションフレーズ」を入れると良いとのことです。
◆ちなみに今回の記事は、本書の2章「あなたの説得力が倍増する質問法・反論法」からのみ抜き出しました。
もちろん、本書のテーマは「説得力」であり、今回の「質問」以外にも説得に関するさまざまなテクニックが収録されています。
例えば「リラックスしている人は説得しやすい」なんてお話は、モテネタにも使えそうな(ヲイコラw)。
いずれにせよ、「書き下ろし文庫本」ということで、コストパフォーマンス的にも高かったです。
オンでもオフでも説得力は大事かと!
すごい説得力: 論理的に考え、わかりやすく伝える話し方 (知的生きかた文庫)
序章 「説得をする力」は、「結果を出す力」
1章 徹底的に「わかりやすく伝える」説明の技術
2章 あなたの説得力が倍増する質問法・反論法
3章 タイプ別――説得相手を丸裸にする方法
4章 相手の心理を巧みにつく表現のテクニック
終章 最後は、この「人間力」がモノをいう!
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【編集後記】
◆本書の参考資料の中から。アメリカの企業家が学ぶ世界最強のプレゼン術
この本、私も読みましたが、なかなか良かったです!
レビューは下記参考記事をご参考の事。
参考記事:【プレゼン】「世界最強のプレゼン術」ジェリー・ワイズマン(2010年03月08日)
ご声援ありがとうございました!
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