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2012年07月22日

【裏ワザ?】『ラクして受かる勉強法』鈴木秀明


ラクして受かる勉強法
ラクして受かる勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ちょっと変化球気味(?)の勉強本

帯に「努力、やる気、才能、すべて不要の勉強法」とあって、「それはいくら何でも……」と思いきや、結構頑張っていましたw

アマゾンの内容紹介から。
試験に受かる人の共通点は、「がんばる」ことではなく、「ラクする」ことだった! ──東大に独学で現役合格、資格試験250個以上を獲得してきた合格コンサルタントが、努力もやる気も才能も必要ない、「試験合格の秘訣」を教えます!

試験科目しだいですが、読んでおいて得する人は結構いるカモ!?


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【ポイント】

■1.限られた時間で合格するための3つの考え方

●「捨てる」
 たとえば、『TOEIC』やセンター試験の英語は択一式の試験ですから、英単語は意味や使い方さえわかっていればよく、「正しいスぺルで書ける」というところまでは必要ありません。
 TOEICやセンター英語で高得点をとることだけが日的なのであれば、英単語のスぺルまで正確に覚えようと書きとりの練習をするような行為はムダであり、"捨てる"べきです。

●「減らす」
 覚えるべきことがたくさんある場合、そのうち50%だけを記憶することとして、残り50%は記憶済みのものから間接的に導き出せるような覚え方をすれば、記憶にかける労力は半分で済みます。

●「効率化する」
 今までは100のことを勉強しても60%しか記憶に残っていなかったのが、少し読み方・覚え方を工夫して80%、90%残るようになると、コストパフォーマンスを向上できるわけです。
 記憶のザルの目を小さくして、漏れ出る量を少しでも減らすことで"収量"を上デる、というイメージです。


■2.テキストは能動的に読む
 試験勉強をしていると、どうしても「テキストに書いてあることを覚える」とか「出された問題に答える」ということを繰り返して受け身になりがちです。
 しかし、積極的に「自分か出題者だったらこういう問題を出すね!」、「この制度はこうなってるみたいだけど、絶対ここをこうするほうがもっとよくなるよね!」というように、能動的に考えるスタンスをとっていくべきです。


■3.過去問・問題集をテキストとして使うコツ(抜粋)

●とにかく解説を読み込む
 問題集の解説部分は「その選択肢の正誤(○×)や問題の答えを判定するために必要な知識」がピンボイントで詳細にまとめられている部分です。そのため、問題を解くために必要な知識を最も効率よく仕入れることができます。

●"×の選択肢"に注目する
 以前、ある資格試験の問題集で「"×の選択肢"のみからなる一問一答形式の問題集」なんていうものも出ていたくらいで、それだけ「"×の選択肢"をよく吟味すること」は試験勉強に効果的なのです。


■4.勉強ノルマは逆算思考で考える
 具体的には、まず目標数値を「積み上げ式」ではなく、ゴールまでの「カウントダウン式」で管理していくことからはじめてみるのです。
 たとえば、「模擬問題を20問解く」と決めたなら、「スタート→2問解いた→5問解いた→10問解いた」ではなく、「あと20問→あと18問→あと15問→あと10問」と考えます。
 当たり前のようですが、意外とみなさんできていません。無意識に前者の「積み上げ式」で数値をとらえてしまっている方が多いです。


■5.数式問題・計算問題を解くコツ
●選択肢の値を実際に数式に入れてみる

●単位から逆算してみる

●とりあえず中途半端な値を選んでみる

●計算問題は後回しにして、知識問題等を解いた残りの時間で解く


(詳細は本書を)


■6.選択肢で迷ったときの「自分ルール」を決めておく
 時間をかければ解けるかもしれないような計算問題や、1から論理的に考えれば答えが導き出せるかもしれないようなタイプの問題ならまだしも、単純に知識の有無が問われるタイプの問題では、時間をかけて考えてみたところで、結局は勘で答えるしかないということがほとんどでしょう。
 どうせ勘で答えることになるのに必要以上に迷うことに時間を使ってしまうのはやめて、「迷ったときにはこれを選ぶ!」という自分ルールをあらかじめ決めておいて、迷わずそれを選ぶということを習慣づけましょう。資格試験は時間との勝負でもあるのです。


【感想】

◆上記ポイントで抜き出したのは、主に本書の第2章「省エネ勉強法」と第4章「試験テクニック」の2つの章からになります。

というのも、この2つの章がもっともボリュームがあり、かつ最終的に付箋を貼った箇所が多かったから。

一方、ボリュームの少ない1章&5章はさておき、第3章の「誘導勉強法」は主にモチベーションネタでした。

ただ、「何を持ってモチベーションが高まるか」というのは、個人的には「人それぞれ」だと思うので、その辺は丸ごと割愛しております。

何でもこの本によると、「モチベーションは11種類もある」そうですし。

職場で“モテる”社会学 なぜ今、女性は「仕事を楽しむ男」に惹かれるのか (講談社+α新書)
職場で“モテる”社会学 なぜ今、女性は「仕事を楽しむ男」に惹かれるのか (講談社+α新書)

参考記事:【モテる働き方?】『職場で“モテる”社会学 なぜ今、女性は「仕事を楽しむ男」に惹かれるのか』三浦 展,菊入みゆき(2012年07月21日)


◆本書の一番特徴的な部分は、やはり第4章の「試験テクニック」になるかと。

これは俗に言う「解答テクニック」であり、試験によっては答えがわからなくとも「その試験の傾向により」かなりの確率で正解にできる、というもの。

著者の鈴木さんは「250個以上の資格」をお持ちなだけあって、本書でも様々なTIPSを公開されています。

一番興味深かったのが、「試験別の○×問題の○×出現比率」で、1〜5まで選択肢があった場合、何番が正解になりやすいかを試験ごとに明らかにされているというw

どの試験も1番が少ないのは理解できるのですが、例えば公認会計士は2が安定して多く、宅建は3が多いようです(詳細は本書を)。

冒頭で触れたように、受験する試験によりますが、知っておいて損はないでしょう。


◆ちなみにこういった解答テクが収録されている本としては、以前こちらをご紹介しております。

大人のための最短・最速勉強法―「平成の資格王」が教える
大人のための最短・最速勉強法―「平成の資格王」が教える

参考記事:【資格試験】「大人のための最短・最速勉強法」中村一樹(2007年07月30日)

ぶっちゃけ、この手のテクは、記事タイトルにも書いたように「裏ワザ」なだけに、毛嫌いする人もいらっしゃるかと。

ただ、上記ポイントの最後で触れたように、「考えるだけ時間の無駄」な問題は、自動的にサクサク埋めていった方が、それ以外の問題に時間をかけられる分、やり方としては正しいのではないでしょうか。


◆そう言えば、先日ご紹介したこの本の記事では、「勉強本の内容の7〜8割位は、どの本も皆同じようなもの」と申しあげました。

ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた 夢がかなう勉強法
ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた 夢がかなう勉強法

参考記事:【正統派?】『ふつうのOLだった私が2年で弁護士になれた 夢がかなう勉強法』篠田恵里香(2012年07月16日)

それに対して、今日の鈴木さんの本は、類書とかぶらないよう意識的に構成されている感じ。

ですから、他に王道的な勉強本をお持ちの方が、もう1冊買う分には良いと思います(試験によりけりかもしれませんが)。


さすが『ALL About』の「資格」ガイドというのは伊達じゃありません!

ラクして受かる勉強法
ラクして受かる勉強法
Chapter1 試験はラクして受かるにかぎる
Chapter2 ムダなことはいっさいやらない「省エネ勉強法」
Chapter3 ナマケモノでも継続できる「誘導勉強法」
Chapter4 1点でも合格に近づく「試験テクニック」
Chapter5 今日からできる! ラクラク試験に受かる人の習慣


【関連記事】

【資格試験】「大人のための最短・最速勉強法」中村一樹(2007年07月30日)

【超快速】『コツコツできない人でも短期間でスイスイ受かる! 超快速勉強法』庵谷賢一,安田史朗(2011年08月25日)

【トラップ?】『試験勉強という名の知的冒険』に学ぶ6つのひっかけのパターン(2012年05月05日)

【語呂合わせ】『マンガでかんたん!暗記丼』が、結構キテる件(2011年12月02日)

【Amazonキャンペーン有】「68点を確実に取る勉強法」横溝慎一郎(2010年06月10日)


【編集後記】

◆先日の「未読本・気になる本」で取り上げた本に書影が来ました。

Googleがほしがるスマート脳のつくり方 ニューエコノミーを生き抜くために知っておきたい入社試験の回答のコツ
Googleがほしがるスマート脳のつくり方 ニューエコノミーを生き抜くために知っておきたい入社試験の回答のコツ

やっぱり面白そうですね!


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