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2012年07月20日

【サイバラ流?】『生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント』西原理恵子


生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み西原理恵子さんの「初の新書」。

帯に「史上最強の人生指南書」とあるのですが、確かにサイバラさんの豊富な人生からは、学べる点が多いかと。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
『ぼくんち』『毎日かあさん』で知られる人気漫画家・西原理恵子さんが、波瀾万丈な人生経験をふまえて、恋愛、家族関係から仕事、おカネの問題まで、あらゆる悩みに答える「人生相談」エッセイです。(中略)
表紙カバーに西原さんのイラストが使われるほか、重松清、角田光代、しりあがり寿といった著名人からの相談に漫画で答えるコーナーもあるなど、文章でも絵でも楽しめます。

見た通り、装丁はいつもの「サイバラ調」ですが、なかなか「奥が深い」1冊でした!


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【ポイント】

■1.正面から入れなければ、横入りすればよし

◆まずは「70社受けても内定が出ない大学生」からの相談。

西原さん曰く「有名な順に上から受けるのではなく、下から攻めよ」と。

加えて薦めたのが「横入り」。
 私の知り合いの編集者でも、編プロのアルバイトから入って大手の社員になった人とかいるからね。たまたまインド取材のときに知り台った女のコなんかも、そのときは学生だったけど、最終的にはいいとこ入ってるんだよ。ちゃんと単行本の企画を出して10万部とか売って、それをお土産に大手の面接に行くから、中途で採ってくれるの。女子にはそういう中途の人、すごい多い。みんなそうやって横から入ってる。私だってエロ本からの横入りだし。大事ですよ、横入り。
結論としては「マニュアル的に考えるのではなく、それ以外の方法もあるってことを考えよ」とのこと。

西原さんらしいと言えばらしいご回答ですな。


■2.できること、小さいことから始めよ

◆続いては、「使えない部下にいらいらする」という男性からの相談。

西原さんいきなり「それは『ネジ』だと思って下さい。人として扱うから腹が立つんです」とバッサリww
ほら、盲導犬とか警察犬ってすごい優秀だけど、あれは訓練されてるからで、ほとんどの犬は何も教わってないから何もできないじゃん、お腹出して可愛がってもらうだけで。でも、実は盲導犬レべルまで行く能力は持ってるんですよね。その新人も、教わってないからできなくて、ボーッとしてるんだと思う。だから、もし本当に育てようという気があるんなら、わかりやすくできることをまずやらせる。最初は「大きな声で返事をする」とかでいい。たった一個の小さなことでも、できるようになったらホメる。できなかったことは一切けなさないというのが基本です。
私自身、このお話は子育てで参考にしなくては……。


■3.あまりお金をかけずに小さく失敗せよ

◆次は、「夫が脱サラして田舎でそば屋を開きたいと言いだしている」という主婦からの相談。

西原さん曰く、まずは「うまくいった人といってない人の話を聞きに行け」と。

ただし、必ずしも成功する必要はないのでは、とも言われてます。
 でも、このダンナさんも今まで頑張ってきたんだから、一回失敗させてあげてもいいんじゃない? やらずに後悔するより、やって後悔したほうが絶対いいし、あんまりお金をかけずに小さく失敗してみるといい。退職金を突っ込んで田舎に家買うっていうんじゃなくて、賃貸で。古い民家をちょっと改造したようなお店とか、あるじゃない。あんまり田舎じゃなくて埼玉ぐらいにしておくとか。それだったら、失敗しても取り返しがつく……って、失敗すると決めつけちゃってますけど、だいたい失敗しますから。
ちょwww

まぁ、小さな失敗の積み重ねが成功につながる、と言いますから、これはこれで良いのかも。


■4.親子仲良くなくてヨシ

◆48歳にして未だ親と仲良くできない、という男性からの相談には「仲良くできないものはしょうがない」と断言。

基本的には「お金で解決」するのが良い、と。
 親孝行もいいけど、そのへんちょっとはき違えて、優先順位を間違ってる人が多いんですよ。家族のことを考えたら、姥捨て山に捨てなきゃいけないときがあるんです。だから、本気で介護のことを考えるなら、早めにそういう施設を見つけておくこと。あとは資金面でのバックアップ。家族がやるぺきは後方支援です。週イチでもいいから、お花を持っていって「大好きだよ」って言ってあげる。そして、お金を出してあげる。
 だからもう、仲よくするとか親孝行とか考えなくていいんです。無理なものは無理。
実際、西原さんも旦那さんのときに「これは捨てないとダメだ」と思ったのだとか。

こういった我慢は、イライラが子どもに向かって、子どもに同じ因子を継がすという「負の連鎖」になるので、自分の代で切るべきなのだそうです。


■5.できないことを直すのではなく、できることを伸ばせ

◆最後に「お前は空気が読めない」と言われることを悩む男性からの相談を。

西原さんは長嶋茂雄氏を例にあげて、「空気読めなくとも人より突出した面があれば許されるもの」と説きます。
 できないことを直そうとするんじゃなくて、できることを伸ばしましょう。スポーツでも勉強でも生まれ持ったセンスがあって、みんな自分ができないことを別の部分で補ってるわけじゃないですか。それを大の男が「僕、足遅いんです」って言ったって、「だから?」って話だし、それこそ空気読めてないよ。そもそも、みんなに「空気読めない」と言われるってことは、そこが一番目立ってるってこと。それ以外の部分、たとえば仕事で目立つようになれば、誰もそんなこと言わなくなるよ。
なるほど確かに。

もっとも、成毛眞さんはこの本で「空気は読まない」と言われてますがw

成毛眞の超訳・君主論 (メディアファクトリー新書)
成毛眞の超訳・君主論 (メディアファクトリー新書)

参考記事:【成毛流】『成毛眞の超訳・君主論』(2012年01月06日)


【所感などなど】

◆私は1度だけ西原さんとお会いしたことがあって。

と言っても、お話したのではなくて、パーティにいらしてたのを遠目で見てただけなんですがw

参考記事:【忘年会】小飼邸で広瀬香美さんの生歌を聴いてきました(2009年12月13日)

ご自身が描かれるマンガ等では、物凄く押しの強い、キャラの立った方のように見えますが(怒鳴りまくってますし)、実際の西原さんはとっても穏やかで素敵な女性でした。

多分、マンガでのキャラは、読者からの期待に添うための「作られたもの」ではないでしょうか。

……とオモテたら、息子さんがウソついて塾サボってたのにキレて「てめえみたいなウソつきは親父みたいな気●いアル中になって道端でク●もらして死んじゃうんだよ。死ね●ソ野郎!」って怒鳴った、と本書にあったんですがww


◆そんな(どんなw?)西原さんが、答えまくった人生相談が60個詰まったのが本書『生きる悪知恵』。

内容的には下記目次にもあるように、仕事から家庭、男女、性格、トラブルとさまざまです。

中には結構「えっ?」という回答もあって、色々な意味で「目からウロコ」が落ちましたw

一番ビックリしたのが、「夫が浮気しているようです」という主婦からの相談に対して、そのことが判明した携帯の覗き見について「やっぱり夫の携帯は見ちゃダメです」「基本的には、見たアンタが悪い」と諭したこと。

しかも「夫が自分から謝ってきたら、許してあげましょう」……って、それでいいんですか???

確かにその旦那さん、「夫としてパパとして、よくやってくれてる」のだそうですけど、これはちょっと想定外でした(私だけ?)。


◆なお、こんな私(?)ですから、第3章の「男と女編」は、丸ごと割愛しております。

例えば、アドセンスの関係で一部伏字にしますが、妻子ある男性との関係に悩む女性からの相談に、西原さんの周りの「もののふ」(って何ぞww)の女性たちの言葉を借りて「3チ●ポ持て」、とw
「いいですか、1チン●ではいけません。それがなくなったらどうするんですか」「必ず2本はバックアップを持っておくように」って。泳がせておいてもいい、年に1回くわえるだけでもいいんです。必ずバックアップを持っておいてください。
……後半部分だけ読んだら、パソコンのデータのバックアップみたいですがw

他の相談に対しても「腹上死したらラッキーと思え」なんて回答もされてますし、この辺は多少フランクなコンテンツにご理解頂けた方が良さそうです。

まー、友人として本書で一番登場されているのが岩井志麻子さんなんで、推して知るべしなんですけどねww

ちなみに本書によると、その岩井さんのところには、道場破りみたいに「頼もう!」ってのがいっぱい来るのだそう(性的な意味で)。

もはやワケが分かりませぬww


◆また、冒頭の内容紹介にもあったように、本書には60の人生相談とは別に、各章の終わりに重松清さんや角田光代さんといった著名人からの相談もアリ。

これらは見開き2ページずつなので、文章ではなく、西原さんいつものマンガ形式となっています。

相談する方も答える方も、どこまで真面目なのか分からない仕様になっていますが、こちらも読みどころの1つかと(多分w)。

全体を通して、本書は西原さんらしさが出た、ユニークな自己啓発書と言えると思います。


まさに「正しくないかもしれないけど、役に立つ」1冊!

生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)
第1章 【仕事編】商いは小さなことからコツコツと
第2章 【家庭編】近くて遠くて好きで嫌いで
第3章 【男と女編】ヤリたいときがヤレるとき
第4章 【性格編】直すより慣れろ
第5章 【トラブル編】上手なウソは人生の通行手形


【関連記事】

【オススメ】『この世でいちばん大事な「カネ」の話』西原理恵子(2011年08月17日)

【提言】勝間和代の日本を変えよう Lifehacking Japan(2008年09月27日)

【忘年会】小飼邸で広瀬香美さんの生歌を聴いてきました(2009年12月13日)

【オススメ!】『走る哲学』為末 大(2012年07月15日)

【オススメ】『変われる人 8000人のキーパーソンと会食してわかったこと』鮒谷周史(2012年01月07日)


【編集後記】

◆西原さんの「名作」、『いけちゃんとぼく』が知らぬ間に文庫化されていました。

いけちゃんとぼく (角川文庫)
いけちゃんとぼく (角川文庫)

ちょっとネタバレ気味ですが、動画もどうぞ。




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この記事へのコメント
               
わー面白そう!!と思わずAmazonアタックしてしまいました。
来週試験なのに…。
魅力あふれる紹介ありがとうございます。そっか、アフィリエイトの関係でエロい単語は使えないのですね〜。私も気をつけよ。
Posted by あきのり♀ at 2012年07月20日 13:52
               
>あきのり♀さん

アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
おっと、来週試験なんですか(汗)?
それならば、そちらを優先して頂いた方がよいような……。
ブログ辿って、何の試験か確認させて頂きましたが、頑張って下さいね☆

アフィリの件は、私も良く分かってませんが、そっち系の単語があると、アドセンスが表示されない、という話があったハズです。
違ってたらごめんなさい。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年07月21日 06:54
               
応援ありがとうございます!!
ブログまで訪れていただいて…。嬉しすぎる。
でも、今日届いてしまい息抜きで読んでしまいました。
西原理恵子さんだからこその答えですね。同じ質問で勝間さんに答えてもらいたい☆
いつかリアルでお目にかかりたいです。(^-^)/
Posted by あきのり♀ at 2012年07月22日 19:05
               
>あきのり♀さん

レス遅くなってスイマセン(汗)。
ブログも良かったらURL貼って下さいよ〜w
宣伝目当てだなんて思ってませんから。

勝間さんに同じ質問したら、もっとロジカルというか「身も蓋もない」回答が返ってきそうな気がw
まぁそれが勝間さんの魅力でもあるのですが。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年07月24日 02:13