2012年07月14日
【スゴ本?】『即戦力をつくる記憶術』渡辺剛彰
即戦力をつくる記憶術 (トクマブックス)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、あの名著『スーパーエリートの受験術』で「この本は絶対に必要です」とまで言われていた勉強本。先日『成功の心理学』復刊の記事を書いた際に、改めてこの本は買うべきだと感じ、マーケットプレイスにて入手した次第です(ずいぶん積読状態でしたがw)。
アマゾンの内容紹介から。
人の名前、電話番号、重要な情報…自由奔放に連想して覚える!渡辺式実戦記憶術の極意はこれだ。
タイトル通り「記憶術」のテクニックが豊富でしたので、そちらを中心にまとめてみます。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.名刺をもらった際の人名記憶法(1)その人の名前を繰り返し口に出すようにする
(2)顔の特徴をつかむ
(3)特徴と名前を連想で結びつける
(詳細は本書を)
■2.数字変換法
この方法は、数宇を50音(アイウエオ)に変換し、2桁で1語の意味あることばをつくり、それを連想で結合させて覚えるやり方である。たとえば、
9 4 6 2 3 2 2 8 4 2 7
といった10桁の数字を、この方法を利用すると以下に説明するるように、
裸体――墓――酒樽――屋台――鎌
に置き換えることができるのである。(中略)
変換は、50音表の各行(アカサタナ……)を0から9までの数に結びつけて行なう。(ア行) 1……アイウエオ
(カ行) 2……カキクケコ (後略)
■3.連想結合法
現実の情報の中では、名前や数字ばかりではなく、さまざまな「ことば」が出てくる。そこには、「木」や「山」や「テレビ」や「ストーブ」のように具体的な目に見えるものばかりではなく、「法律」や「愛情」や「原則」のような抽象的なことば、あるいは意味のとりにくいことばもしばしば登場する。
そこで、こうした覚えにくいことばは、覚えやすいものに変換してから記憶することが必要となる。たとえば、ビジネス情報によく出てくる次のことばを例にして、覚えやすいものへの変換をやってみよう。(中略)
(1)商品――「商品」それ自体は具体性をもっていないから、具体的なもので「商品」を表わすものに変換する。たとえば、「商品券」でもいいし、「商品ケース」でもよい。(後略)
■4.基礎結合法
そこで必要なのが、引き出しをつくることである。引き出しをいくつかつくって、それぞれの情報をそれぞれの引き出しの中に入れて記憶するのである。(中略)
この引き出しづくりを、記憶術では基礎をつくるという。たとえば、すでにご紹介した十二支や時計なども引き出しの一種である。だから引き出しは、整理番号つきの記憶の収納庫なのである。
基礎にすることのできるものは、順番をしっかりと知っているものならなんでもよい。あるいは、身近によく知っているもので、順番がつけやすいようになっているものがよい。たとえば、次のようなものが引き出しとしては適当である。
(1)からだの要所――上から、頭・額・目・鼻・ロ……といった順序。
(2)自分の家の中――門・玄関・リビングルーム・階段・寝室……といった順序。(後略)
■5.二度読み連想記憶読書法
アルバイトをしながら定時制高校を常に成績トップで通し、東京大学に合格した楠原君という記憶術にたけた青年がいるが、彼も読書の場は通勤・通学の電車の中だった。楠原君の読み方は、これは大切という個所で顔をあげて車外を見る。そして、気にとまった事項を目に映ったものに結び付けて連想し、記憶するのである。毎日のコースなので忘れることはなかった。日々この調子でやるものだから、やがて1本の煙突にいくつもの事項がぶら下がるようなことにもなったが、それがかえって互いの記憶を助け、混同するようなことはまったくなかったといっている。
■6.鈴なり式記憶法
丸暗記には、鈴なり式記憶法という方法を用いると便利である。まず記憶したい本を、部・章・節・目・段落・文章中の単語などに分解して、図のように組み立てる。本によって、はじめからこのように組み立ててあるものとないものがある。組み立てがしてない本については、あらかじめ記憶すべき事項をこのように組み立てておく必要がある。要点をうまく整理して、親―子―孫といったように系統だてて分類すればいいのである。これをノートなどに書き取っておけばよい。
(詳細は本書を)
【感想】
◆長々と引用した割には、ちと分かりにくくてすいません。特に最後の「鈴なり式記憶法」に至っては、「図のように」と「この記事にない図」を参考にすることになっていますし。
その図ですが、ざっくり言うと、大項目⇒中項目⇒小項目とロジックツリーのように広がっていくもの。
ポイントは、大見出し的な部分は上記ポイント4番目の「基礎結合法」で記憶し、細かい部分はポイントの3番目の「連想結合法」で覚える、というところかと。
本書では、その「基礎」を「近所の町並み」を利用して記憶する手順が載っておりますので、参考にしてみて下さい。
◆他の記憶法も同様に、逐一具体的な手順が指南されているのが、本書の大きな特徴です。
この手の「イメージを使った記憶法」の場合、具体例があって、初めてやり方が腑に落ちるものでしょうし、これから試そうと思われている方には有り難いハズ。
なお、本書で渡辺先生は記憶法に色々な名前を付けられていますが、既に一般的な名称で呼ばれているものも多いです。
例えば、基礎結合法のうち、部屋の中や町並みに結びつけるものは、「場所法」として知られていますしね。
オーソドックスな記憶術「場所法」にトライしてみよう : ライフハッカー[日本版]
◆ところで、こうした記憶法ですが、語呂合わせを除いて(本書には語呂合わせも収録されています)、私自身は習得できておりません(ご紹介しといてアレですがw)。
高校受験の頃(私は大学の附属校だったので大学受験はしてません)は、このような手段があることすら知りませんでしたし、税理士試験の場合、「条文を一字一句丸暗記する」必要があるので、イメージに結び付けるやり方は採用しにくかったです。
それでも、多くの勉強本等で、こういったやり方で難関を突破されている方の体験談を読むと、その効能については疑う余地はないところ。
現に記憶術の世界大会の入賞者のやり方を見ても、「何かに結びつけて記憶」してましたし。
世界一の記憶術
参考記事:【記憶術】『世界一の記憶術』に学ぶ達人のワザ7選(2012年02月26日)
◆また本書では、第7章で上記でご紹介した「連想結合法」「基礎結合法」の2つの記憶法について、レッスンのページを用意しています。
類書ではイメージと結びつける具体例を紹介していることは多いものの、さすがにその前提となるトレーニング法までは触れていなかったはず。
例えば、第1ステップは「モノの形を特定すること」。
出題者に読みあげてもらった問題(「ワイシャツ」「ナイフ」等)をできるだけ早く、できるだけ具体的に、頭の中に描け、と(続きは本書にてご確認を)。
なるほど、こういうトレーニングを積んだ上での記憶法なんですね。
今までこういった記憶法に挫折したことのある方も、参考になりそうです。
◆ちなみに、本書のプロローグでは、著者である渡辺先生の武勇伝が掲載されていて、これがかなりショッキング。
高校1年の時、学年で「241人中240番」だった成績が、お父さんから指導された記憶術によって、学年トップになったところまではまだ良しとしましょう。
そのまま卒業まで成績トップで、東大に入った、というのもありえなくはないです。
でも、さすがに「勉強始めてから2ヶ月で司法試験合格」というのは、あんまりではないかと(しかも一桁台だったそう)。
税理士試験合格に何年も要したsmooth涙目の巻。
『スーパーエリートの受験術』の有賀ゆう先生が「激オススメ」している以上、間違いないでしょう!
即戦力をつくる記憶術 (トクマブックス)
第1章 記憶術は潜在能力を開発する
第2章 2度と忘れない人名記憶法
第3章 数字に強くなる実戦記憶術
第4章 ビジネス情報の読み方・覚え方
第5章 読む能力を十倍に高める法
第6章 効率第1の聞き方・話し方
第7章 記憶術基本レッスン―実践編
付章 記憶術番外レッスン―応用編
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【編集後記】
◆今日のご本に関連して、マーケットプレイスで漁った1冊。黒川式 試験突破必勝法―資格三冠王が秘訣をすべて伝授する!
中古なのに値崩れしてないのがスゴイです。
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
私自身、記憶術を教えていることもあり、この本はとても興味があります。さっそく購入して読んでみたいと思います。
Posted by 成功哲学・成功法則研究 at 2013年02月13日 19:05
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