2012年06月28日
【知的生産?】『勉強上手』成毛 眞
勉強上手
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」でもご紹介した、成毛 眞さんの勉強本。ジャンル的には「勉強本」とは言え、『日本人の9割に英語はいらない』なんて本を書かれちゃう成毛さんのことですから、本書も俗に言う「ガチな勉強本」とはまったく違うコンテンツとなっております。
アマゾンの内容紹介から。
芸は身を助く新時代の勉強法!
自分の市場価値を高めるために、資格を取り、英語を学び、セミナーに通っても、出世に見合う給料が期待できない今は、努力と時間がムダになるだけ!
元マイクロソフト社長が、芸は身を助く新時代の到来と、テレビやインターネットを駆使した勉強法を大胆提言。努力ゼロで効果10倍。学ぶって、こんなに楽しいことだった!
……という斬新な内容の中、個人的には過去のヒット本を斬りまくる第3章の「勉強法ブックガイド」がツボでしたw
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.思っている以上に能力があると自分を信じる山を登る道は1つではない。長くて緩やかな道もあれば、短くて急な勾配もある。そして、登るべき山も1つではない。自分の好きな山を見つけて登ればいいのだ。
そのためにも、自分で思っているより能力があるとまずは自分を信じ、自信を取り戻すところから始めないといけない。社会に出てからも、散々使えない社員呼ばわりされ、多くの若者の自信は粉々に打ち砕かれているだろう。
私が本書で紹介する勉強法は、その失われた自信を取り戻すきっかけになるかもしれない。
■2.本を読みながら、分からない用語はググる
気になる用語や分からない用語を検索すると、本を読み終える頃にはその本から得た情報に加えて、ネットで得た情報も加わる。そうすると、その本を書いた著者レべルの知識が身についたのに等しいのだ。
つまり、情報に奥行きが生まれるのである。(中略)
最低でも5つの用語をググれば、かなり情報に奥行きは生まれるはずだ。その本自体はたいした内容ではなくても、知らない用語が出てきたら調べる価値はある。
■3.読書は自分の思考の幅を広げて、変質されるためにある
本の内容そのものは二の次だ。
その情報に触れたとき、自分がどう思うか、どう感じるかという感性や思考が大切なのだ。今までAという考えしか持っていなかった人が、Bという情報を本から仕入れてCという考えを持つようになる。
そのように、自分の思考の幅を広げて、変質させるための手段が読書なのである。だから、読んでも思考は何も変わらず、何も感動を得なかったのなら、その時間はムダになるのだ。
■4.テレビを観るのも勉強
テレビを観るのも勉強だと私は考えている。最近は、若者のテレビ離れが進んでいると言われているが、テレビもそれほど捨てたものではない。いい番組も数多くある。(中略)
商談など、一般のビジネスでの話題は、ワイドショーやニュースで事足りる。
ただし、それたけではあまりにも中身が空っぽなビジネスマンになってしまう。
本を読む時間もないはど多忙なビジネスマンなら、テレビを観て効率よく情報収集するのをおすすめする。ドキュメンタリー映画などのDVDを借りてきてもかまわない。海外のドキュメンタリー映画は良質なものが多く、1本観れば本3冊分ぐらいの情報を得られる。
■5.ツイッターは言語能力が問われ、フェイスブックでは情報力が問われる
ツイッターは140字でまとめるという制限があるので、文章がうまい人と下手な人がはっきり分かる。繰り返し読まなけれぱ意味が分からないつぷやきをしている人は、あきらかに言語能力は低い。私は、そういうつぶやきの主はフォロー解除してしまう。(中略)
フェイスブックは文字数の制限がないので、言語能力はあまり考慮していない。その人の発信する情報で判断している。フェイスブックは友達の上限が5000人と決まっている。実際には、そこまでの人数とつながりを持つのは難しく、私はリアルな友達プラスアルファに制限している。
■6.SNSでは「人を見る目」で判断する
SNSで相手を信頼できるかどうかを判断する材料の1つが、「人を見る目」である。
その人が誰をフォローし、どのようなコメントに反応しているのかを見れば、その人自身が見えてくる。
よく、人を判断するときは、本人ではなく周りの人を見ろ、という。それはSNSでも当てはまり、本人は立派な肩書きであっても、フォローしているのは首を傾げるような人ばかりなら、敬遠する。
【感想】
◆冒頭の内容紹介にもあったように、本書は当ブログで言うところの「狭義の勉強本」(受験のための勉強本)とは、ほぼ真逆のポジションにあります。と言うのも、これからの時代は「資格を取っても報われない」可能性が高い上に、そもそも英会話スクールや資格講座自体が「人の不安な気持ちを煽るシステム」だから。
ではどうすれば良いか?
成毛さん曰く「好きなことをやれ」、何故なら「芸は身を助ける」から。
◆「好きなこと」をやって成功した例として登場するのが、TOKYO PANDAさんという中国在住の日本人ブロガー。
彼女は、自分のブログで、中国最大のネットショップ「淘宝(タオバオ)」で買ってコーディネートした洋服やバッグ、小物等を紹介したところ、20〜30代の中国人女性にウケ、紹介された商品が淘宝で爆発的に売れるようになったのだそうです。
同様に「好きなこと」を極めて成功したのが、テレビでもお馴染みのさかなクン。
タレントやイラストレーターとしての活動はもちろん、2006年には東京海洋大学客員准教授にも就任しています。
◆……と言ったお話が第1章と第2章で語られ、「じゃあ、具体的にはどうしたらいいの?」と言うことで登場するのが、第4章の『「得意」を最短で最強にする方法』。
上記ポイントにあるような「読書」「テレビ」「ネット」における「成毛流作法」が指南されています。
特に、具体的に成毛さんが推奨されるテレビ番組、というのは今までの著作ではなかったハズ。
本書における「ノウハウ的な要素」は、ここに集中していますので、書店等でチェックされる際には、前の方だけでなく後ろも忘れずにご覧ください。
◆そして、残る第3章では、冒頭で触れたように過去の勉強本の「ブックガイド」が展開されています。
登場する中から一部ご紹介すると、こんなところが……。
無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法
レバレッジ勉強法
STUDY HACKS!
また、当ブログではご紹介していない、『脳を活かす勉強法』については、このように言われています。
率直な感想を言うと、茂木氏はプレゼンテーションの仕方がうまい。(中略)なるほど確かにww
「脳の特性を知り、自分の脳と上手につきあおう」など、この「何となくその気にさせる」表現が抜群にうまいのだ。
こんな感じで1冊5〜7ページほどで斬りまくっておりますので、私のような「勉強本マニア」は、この第3章だけでも元は取れると思います。
◆本書は厳密な意味では「勉強本」と言うよりかは、「知的生産本」に近いのではないかと。
従来の勉強法を否定しているような表現も、「どのように勉強するか」というレイヤーのさらに上の視点から、「そもそも勉強する必要ってあるの」と問いかけてらっしゃるワケで。
ただし、仕事上、取得しなければならない資格がある方や、これから大学受験を控えるような方にとっては「目の前の試験を何とかする」必要があるわけですから、本書の内容とは別に、そのハードルをクリアして下さい。
もちろん、「何となく資格とろうかな」「TOEIC勉強しといた方がいいかな」といった状態の方は、本書を読んで、今一度「現在の勉強の必要性」について問い直してみるのも良いかもしれません。
成毛さんらしいアドバイスが満載でした!
勉強上手
第1章 得意分野だけが武器になる理由
第2章 もう努力は必要ない
第3章 これだけ読めば充分! 勉強法ブックガイド
第4章 「得意」を最短で最強にする方法
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【編集後記】
◆同じ幻冬舎さんから、こんな本が。賢人の勉強術
過去の本のリミックスっぽいのですが、未確認です。
ご声援ありがとうございました!
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