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2012年06月19日

【6つのタイプ】『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』本田真美


医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)
医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げた1冊。

簡単な認知特性テストによって、自分の得手不得手が分かる、というフレコミに惹かれました。

アマゾンの内容紹介から。
初対面の人の顔と名前は、どのように覚える?
携帯電話をなくしてしまったら、どのように捜す?
「フランシスコ・ザビエル」と聞いたら、何を思い出す?
――35の問いから診断する、自分だけの能力の伸ばし方

私自身もやってみましたが、診断結果も、その特徴も「なるほど」と思わせられました!


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【ポイント】

■1.認知特性の6つのタイプ
A視覚優位者
 (1)写真のように二次元で思考するタイプ
 (2)空間や時間軸を使って三次元で考えるタイプ

B言語優位者
 (3)文字や文章を映像化してから思考するタイプ
 (4)文字や文章を図式化してから思考するタイプ

C聴覚優位者
 (5)文字や文章を、耳から入れる音として情報処理するタイプ
 (6)音色や音階といった、音楽的イメージを脳に入力するタイプ


(詳細は本書を)


■2.人によって違う集中しやすい環境
たとえば、聴覚が敏感な人は静かな環境のほうが集中しやすくなるので、家の中ではテレビやラジオを消し、喫茶店よりも雑音の少ない図書館などで作業したほうが効率が上がるでしょう。視覚が敏感な人は、雑然とした部屋や机の上だと無意識にその刺激を遮断しようするので、脳内にムダな労力が発生してしまいます。まずは身の周りを整理してから作業に取りかかるとよいでしょう。


■3.記憶の仕方は認知特性によって異なる
 視覚優位者は、物事を覚える際、見たままの映像を記憶します。
 言語優位者は、情報を頭の中で言語に置き換えたり、記憶をより論理的なものに変えてから作業台の上に置くので、物語の一文を記憶したり、ゴロ合わせやエピソード記憶として覚えたりするほうが得意です。
 聴覚優位者は物事を覚える際に、音(言語や音楽)として作業台の上に置くので、電話番号案内の104番で聞いた番号をすぐに覚えたり、九九を暗唱で覚えたりするのが得意です。


■4.九九の暗記法にも一工夫する
 九九や分数は、量概念です。九九は量概念と同時、あるいはそれエリも前に覚えます。しかし、まだ概念が確立していない子どもにとって、九九は意味を持たない音(数字)の羅列のため、聴覚的ワーキングメモリーが必要です。そのため、聴覚的ワーキングメモリーの弱い子どもは暗唱ができなくてへこたれてしまいます。このような子どもは、目で見て覚える九九表や「ビジュアル九九カルタ」(文渓堂)など、視覚的な手掛かりを併用して暗記するほうが効率がよいでしょう。


■5.言語優位者と聴覚優位者のコミュニケーションのコツ
 聴覚優位者と言語優位者は、言語を用いる点では共通しているところも多いので、比較的相性がいいでしょう。お互いに視覚優位者を相手にするよりも、コミュニケーションを取るのには苦労しないかもしれません。
 しかしながら、聴覚優位者は耳で聞く言語処理のスピードが速く、音の記憶もよい場合が多いため、話し方に注意を払いましょう。(中略)

 言語優位者は、聴覚優位者のスピードについていけずに上手に話ができないときは、手紙やメールのような継時的で形に残る手段を取ったほうが有効です。


■6.「姿勢がいいと勉強ができる」ワケ
 たとえばノートを取っているときに、姿勢が崩れて右側に傾いて座っていると、極端な話ですが、右目がノートの文字に近く、左目が遠くになります。すると、どうなるでしょう。
 目から入ってくる文字という情報を正しく認識し直そうと脳が微調整をします。その調整はほんのわずかなものかもしれませんが、姿勢よく左右の目でまっすぐに均等に見ていればやる必要のない、脳にとってはムダな仕事です。(中略)
 人間が本当に集中できるのはわずかな時間です。限られた時間内で効率よく学習するには、脳効率を最大限に上げ、ムダなエネルギーを脳に使わせないのが鉄則です。


【感想】

◆冒頭で申しあげたように、本書プロローグには「35の問い」からなる、「認知特性テスト」なるものがあります。

まずはこれを実際にやってみるのが、本書を読む上で重要な点かと。

認知特性には「6つのタイプ」があるわけですが、「アナタのタイプは、ズバリこれです!」というのではなく、それそれの認知特性のうち、どれが強くて、どれが弱いか、といった形式で表現されます。

採点表の次のページにはレーダーチャートがあって、これに記入して確認。

ネットにフリーで作ってくれるジェネレーターがあったので、拝借して作成してみました(軸はポイントの1で挙げたタイプの順に並んでいます)。



15〜25の間で各認知特性が配置されてるとバランスが良い、とのこと。

……って、私の場合、明らかに聴覚能力に問題がありそうなw


◆さて、このようにして、自分の認知特性が分かると、それに合った学習法もある程度決定します。

私の場合、(1)の「写真のように二次元で思考するタイプ(カメラアイタイプ)」だったので、税理士試験の際に「理論を目に焼き付けて暗記していた」のも、今にして思えば当然でした。

ちなみに、著者の本田さんの旦那さんもこの「カメラアイタイプ」だそうで、何でもこのタイプは「映像によるトラウマ体験」を持ちやすいのだそう。

実際、その旦那さんは、1年程前に通勤途中で電車の飛び込み自殺に遭遇しており、同じ場所に立つと、今でもその人の姿と洋服の色を思い出すことがあるのだとか。

実は私も小学生の頃、ライトバンにはねられて小さな女の子が亡くなった事故を間近で目撃しており、「そのせいでペーパードライバーになった」とよく言っていたのですが、あながち冗談でもなかったようです。


◆また、勉強のみならず、実社会に出てからも、この認知特性は色々と影響を及ぼす模様。

上記ポイントの5番目のように、タイプが違うと、コミュニケーションにも問題が出てくることがあります。

ここでは「言語×聴覚」しか取り上げておりませんが、本書では「視覚×言語」「聴覚×視覚」についても言及されておりますので、ご確認を。

職場の人間関係や仕事のやりにくさでお悩みの方は、ひょっとしたら、ここに解決のヒントがあるのかも。

さらには、どういう認知特性を持つ人が、どういう職業に向いているか等についても本書では触れられており、これは就職・転職を考える上では重要なハズ。

気になる方は、本書の第4章「どうしたら社会で自分を活かせるのか」をご覧ください。


◆ところで、私自身は、今さら勉強でもないですが、ウチの子どもたちは、これからが大事です。

彼らの認知特性も理解せずに「〜ができない」と親が決めつけてしまっては、子どもも可愛そう。

たまたまウチは、歌で九九を覚えることができたから良かったものの、もしこれでダメだったら、ポイントの4番目にあるように、視覚的に覚えさせる方法もある、ということを本来知っておかねばなりませんでした。

参考記事:【備忘録】資格試験方式でムスメに九九を教えた話(2012年02月01日)

上記のプロローグのテストは大人向けでしたが、本書では子ども用に3つのタイプに分類するテストも別途収録。

お子さんをお持ちの方は、一応こちらもチェックしておくと良いと思います。


◆本書は元々が「勉強本」として書かれたものではないため、即効性のあるTIPSを求めて購入すると、若干肩すかしを食らいそうな気が。

ただ逆に、理由は分からなくても体感していたことに納得できたり、自信を持てずにいた勉強法に自信が持てる、ということはありそうです。

……「年を取ると丸暗記じゃダメ」みたいによく言われますけど、私のようなタイプは引き続き「目に焼き付ける」方が良さげですしw

個人的には、認知特性それぞれの「効果的な勉強法」についてもっと掘り下げて欲しかったのですが、本書は新書ですし、とりあえず「認知特性テスト」だけでも十分元は取れると思います。


認知特性にあった勉強法や仕事を知るために!

医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)
医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)
第1章 人にはどうして得手不得手があるのか
 ――感覚がすべての能力のベースとなる
第2章 なぜ、同じモノを見ても同じに理解しないのか
 ――人には認知特性がある
第3章 人には本来どのような能力が備わっているのか
 ――認知特性と能力には関係がある
第4章 どうしたら社会で自分を活かせるのか
 ――認知特性に合った人生の選択方法
第5章 得意な能力は、どのようにしたら伸びるのか
 ――二つ以上の得意な能力を獲得する


【関連記事】

【備忘録】資格試験方式でムスメに九九を教えた話(2012年02月01日)

【暗記の真実】『東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術』に学ぶ5つのポイント(2009年08月28日)

知らないと損する『頭の働きが「最高によくなる」本』活用法(2012年05月25日)

【記憶法?】『ビックリするほどよくわかる記憶のふしぎ』榎本博明(2012年03月10日)

【オススメ】『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法』池谷裕二(2011年12月09日)


【編集後記】

◆今日の本に関連して(?)。

「計算力」を鍛える プロフェッショナルの「数字を自在に操る」技術 (PHPビジネス新書)
「計算力」を鍛える プロフェッショナルの「数字を自在に操る」技術 (PHPビジネス新書)

帯にある問題、皆さんだったら、どう解きますか?


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この記事へのコメント
               
認知の特性についての記事を書こうとネットをウロウロしていましたところ、この記事を発見し、読ませていただきました。

差支えがないようでしたら、トラックバックさせていただいてもよろしいでしょうか?

Posted by ユジニオンマ at 2013年11月29日 20:46
               
>ユジニオンマさん

コメントありがとうございます。
私自身は、本を鵜呑みにして記事を書いておりますが、トラックバックはご自由にどうぞ。

ただ、一応この記事へのリンクをお願いしますね♪

今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年11月29日 21:56