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2012年06月14日

【勉強法】『読むだけですっきりわかる最短勉強法』後藤武士


読むだけですっきりわかる最短勉強法 (宝島SUGOI文庫)
読むだけですっきりわかる最短勉強法 (宝島SUGOI文庫)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、5年半前に出て絶版となっていた『受験・資格にらくらく合格する最短!勉強法』の復刻本。

当時はまだ、当ブログもそれほど勉強本に注力していたワケではなかったのですが、それでもこの本のクオリティの高さには驚嘆した記憶がありました。

アマゾンの内容紹介から。
「読むだけ」シリーズの原点!手こずっていた勉強法が、この1冊にすべて詰め込まれています。試験の攻略法、日々の独学法、国語読解力がつく方法などが、後藤氏のわかりやすい文章で、まるで講義を受けているような感覚で展開していきます。多くの社会人、受験生が試験勉強をスムーズにできるように、勉強法の細部まで紹介します。

タイトルからは分かりにくいものの、ガチな資格試験受験者なら見逃せない1冊です!


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【ポイント】

■1.参考書は索引のついたものを
過去問を分析し、分析のあと、順番に弱点を補強しておくのに必要なのが、参考書だ。参考書にはいろいろなタイプがあるが、できるだけ索引のついたものを選んでほしい。ピンポイントで弱点を補強するのに便利だからだ。(中略)

ぺースメーカーとして使うのはあくまでも過去問なのだ。そしてその過去問の学習を進めるのにつまずいた折、その都度振り返るときに使うのが参考書なのだ。
 たとえば設問番号1に出題される知識や類題を学んでいて、そこに関して知識が浅いことがわかる。そのときに初めて参考書を振り返るのだ。


■2.過去問の類題は問題集で見つける
同じ単元、同じパターン、同じ出題形式でありながら、答えは同じではない、それが類題だ。ではその類題、どこから見つければよいのか。一番手っ取り早いのが市販の問題集なのだ。市販の問題集は順に解けば普通の問題集でしかないが、類題の宝庫として使えば、学習をかなりサポートしてくれる。たいてい問題には単元が書いてあるし、そうでなければ解答の出題意図などに記述があるだろうから、そこを参考にすればいい。


■3.短期的な目標は内容的なものを
 単純に「3時間学習しよう」などの時間的な目標でもかまわないのだが、私はむしろ内容的な目標をおすすめする。というのも時間というのは自分の自由にならないからだ。(中略)
多少心ここにあらずで勉強しても、休み休みで問題に取り組んでも、3時間が過ぎてしまえば3時間。つまり時間というののは努力や成果に比例しないのだ。


■4.まぎらわしいところは出題される
 出題する側からすればまぎらわしいところこそ出題のしがいがあるというもの。まぎらわしいところは間違える受験者も多いだろうし、そういうところをしっかり学習している受験生は綿密に学習していることが推測されるのだからなおさらだ。まぎらわしい箇所があったら、そこは絶対にチェック、ほぼ間違いなく出題されると思ったほうがいい。


■5.講義メモは教科書やテキストに書いてない部分を
 だってそれらに書いてあるところはわざわざノートに書き写さなくてもそこを見ればよいのだから。それらには書いてない重要なポイントや講師オリジナルの暗記法や語呂合わせ(これらは印刷物には載せない講師が多い。コピーなどで自分の顧客である受講生以外の生徒に情報が出回るのを防ぐためだ)、そうしたものこそ是が非でもメモをとっておきたい。
 ならば、あらかじめ該当する箇所のテキストを開いておいて、そこを参照しつつ、載っていないところが板書されたり、扱われたらそこだけメモをとるようにすればいいではないか。そうすればメモをとらなければならない分量もぐんと減るはずだ。そこだけを集中してメモすればいいのだ。


■6.ノートは固定し、ルーズリーフを避ける
まずはノートを固定してほしい。最低各科目1冊。
 ノートの種類だが、無難なのは普通の大学ノート。枠の大きさなどにとらわれる必要はない。あまりに厚すぎると途中で嫌気がさすので、普通の厚さのものでよい。
 避けたほうがいいのはルーズリーフ。特に学生にはかさばらないし、おしゃれに見えるらしく、持ちたがる人が多いが、やめたほうが無難である。
 私は、塾で何千人と子どもたちを見させていただいてきたが、これまでにルーズリーフを使っていた生徒でうまくいった生徒はなんとひとりしかいなかった。


【感想】

◆本書のあとがきによると、この本は自費出版を含めると、今回で4度目の改訂・出版となるのだそう。

それだけ何度も世に出るのは、本書が実用的であり、かつ、クオリティが高いからかと。

今にして思えば当たり前ですが、勉強法の本でノートや文房具の使い方や効能をうたったのは、後藤さんが初めてのだったとか(本記事では割愛してますが)。

名著『スーパーエリートの受験術』でも似たような記述はあったものの、自費出版の時期が分からないため、ひょっとしたら後藤さんが、この手の「How To系勉強本」のさきがけなのかもしれません。


◆さて、本書ではかなり最初の方で「後藤式・過去問分析法」が述べられているのですが、ここでなんと「立ち読みご無用、ブログなどでの詳細な紹介はご遠慮いただく」という表記アリ。

この時点で、ブログを書くのにかなり腰が引けましたw

いや、確かにこの分析法は斬新というか、過去問を解く上で是非知っておいた方が良いですが、書評系のブロガーとしては、至極残念……。

また、下記目次をご覧頂ければお分かりのように、本書では他にも「ボールペン学習法」ですとか「ぬりつぶし予定表」といった、著者オリジナルの勉強法が披露されているのですが、心配なので、丸ごと割愛してしまいました。

結果的に上記ポイントも、比較的「王道」というか、勉強本マニアとしては「想定内」の内容にとどまっているのがもどかしく。


◆もちろん、こういった「王道的」なやり方を最初に提唱しただけでもスゴイと思いますし、これらのTIPSを凝縮して本にまとめあげたことによって、「1冊の勉強本」としてのレベルはかなり高くなっています。

総合的な勉強本のうち、文庫で出た中では、おそらく上3本には入るのではないでしょうか?

ただし、前作からの改訂部分については、あまり本質とは関係ない部分(タレントの名前等)がほとんどなので、前作をお持ちの方は、あえて読む必要はないと思います。

逆にお持ちでない方で、大学受験や資格試験を控えてらっしゃる方なら、一読の価値はあるはず!


ここで書けなかったTIPSも、本書でぜひご確認ください!

読むだけですっきりわかる最短勉強法 (宝島SUGOI文庫)
読むだけですっきりわかる最短勉強法 (宝島SUGOI文庫)
はじめに――ほんとうに使える勉強法とは?

第1部 (秘)最短! 勉強法
 [1] 試験に王道あり! それが「過去問」だ
 [2] 最強の独学法
 [3] 最短で効果を上げる予備校、通信講座の使い方

第2部 高校生から社会人まで、すぐできる最短! 勉強法
 [4] すぐできるノート活用法
 [5] 「5分間」暗記法
 [6] 最終兵器「ボールペン学習法」
 [7] これなら実行できる「ぬりつぶし予定表」

第3部 最短! 国語読解力がつく方法
 [8] 絶対必要な国語読解力

おまけ1〜3

付録・あとがきにかえて 単行本『最強最後の学習法』より

あとがき


【関連記事】

【勉強】「最短!勉強法」後藤武士(2007年08月07日)

【効率的】『どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法』井藤公量(2012年05月10日)

【勉強法】『「1分スピード記憶」勉強法』宇都出雅巳(2012年04月06日)

【超快速】『コツコツできない人でも短期間でスイスイ受かる! 超快速勉強法』庵谷賢一,安田史朗(2011年08月25日)

【再びオススメ】「試験勉強の技術―東大・司法試験に一発合格」柴田孝之(2010年03月18日)

【ガチ系勉強本】「資格試験の合格技術」多田健次(2009年04月23日)


【編集後記】

◆何やら、あの瀧本哲史さんの新刊が出るようです。

武器としての交渉思考 (星海社新書)
武器としての交渉思考 (星海社新書)

うーん、これも見逃せなさそう。


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