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2012年05月30日

【必読】『土井英司の「超」ビジネス書講義』に学ぶ、本の5つの選び方と2つの読み方


土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)
土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み土井英司さんの「ビジネス書」読書術本。

ビジネス書業界ではトップの土井さんの書かれた本だけあって、私のような書評系ブロガーにとっては学ぶべき点が多々ありました。

アマゾンの内容紹介から。
業界で最も影響力のある書評メルマガ「ビジネスブックマラソン」編集長にして、17,000冊を読んできた日本随一のビジネス書の目利きが語りつくす
この先10年サバイブするために、いかに選び、読み、活用するか?

今回は特に、土井さん流の本の「選び方」と「読み方」にフォーカスしてみました!


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【ポイント】

■1.本の中で出てくる本を買う
 この手の本は、アマゾンの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といったリンクだけでは、決してたどり着けません。では、どうするかといえば、勉強になる本を読んでいるとき、中に出てくる本をすかさず買うのです。参考文献ですらなく、著者が文中でサラッと触れているようなものも「これは使える」と思ったらその場で迷わず検索・購入します。本を読みながら、アマゾンで注文してしまうのです。


■2.書店で前書きか第1章を立ち読みする
 僕が書店に足を運ぷ頻度は週2,3回くらい。滞在時間は1〜2時間です。なぜそんなに長いかというと、立ち読みして吟味しているから。(中略)

 立ち読みは主に、本の初めのほうに注力します。いい本は前書きか第一章に必ず面白いことが書いてあるものです。


■3.見かけだけで判断しない
 地味な本。装幀もタイトルもよくわからない。値段も高い。
 これは「売れないけれど、掘り出し物としては最高」という本がもつ3つの条件です。(中略)

 掘り出し物は、パラパラ読んで、使えるかどうかの判断を自分でするしかありません。たいていの掘り出し物はタイトルと装丁ではずしていますが、見た目が悪くても中身がいい本は必ずあります。人も本も、見かけだけで判断してはいけないということです。


■4.編集者で買う
 僕の本の選ぴ方のもう1つの基準は「編集者で買う」。編集者の名前は必ず出ているとは限らないので、一般的な方法ではないと思いますが、「この人が作る本なら間違いない」という編集者は何人かいます。しかし、そうした人の本は"メジャーになるツボ"も押さえられているので、掘り出し物という意味では役に立たないもどかしさがあります。


■5.よく知らないジャンルの人に聞く
 僕は、よく知らないジャンルの人に会ったとき、お勧めの本を聞くようにしています。「あなたの業界でバイブルみたいな本は何ですか?」と尋ねると、たいてい意外な答えが返ってきます。問題点や愚痴が世間話で出たら、「ああ、医者はこういうところで悩むのか」と受け、「じゃ、それに関してお医者さんは、どういう本を読んでるんでしょう?」と尋ねることもよくやります。ポロッと出たらその本を買ってみて、よさそうだったら周辺を芋づる式に買っていく。芋だけに、掘り出し物が見つかります。


■6.収入か費用か運用かを考えて読む
 橘玲さんが『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 知的人生設計入門』(幻冬舎、2002)で、「[収入−費用]×運用=自分に残ったもの」という考え方を紹介しています。これはお金についての方程式ですが、本の読み方にも応用することができます。
「今、3つのうちのどの部分でこの本を読んでいるのか」と冷静に意識するのです。
収入を増やすためにアイデアを読んでいるのか。費用を減らすためにアイデアを読んでいるのか。それとも運用をする新たなアイデアを読んでいるのか。


■7.固有名詞・数詞・動詞だけ読む
 本当に役立つ本と、いわゆる"いい本"が異なることはままあります。本当に役立つ本の多くが掘り出し物となる要因には、ぶっちゃけ「文章がひどい」というケースもあるのです。(中略)

 そこで、悪文を苦にしない読み方をマスターしなければなりません。ポイントは、「固有名詞・数詞・動詞」しか見ないこと。読みにくい文章を書く人というのは、助詞や助動詞の使い方が下手です。そこはもう、無視してあきらめるしかありません。
 極端にいえば「マクドナルド・2000年・何をやった・売上いくら」の要領で、その間の文章を全部すっ飛ぱす勢いで読んでみましょう。


【感想】

◆今まで数々のいわゆる「読書本」を読んできましたが、私にとってはこの本はベストと言って良いと思います。

と言うのも、土井さんも私も「ビジネス書を読んで紹介する」という行為を日常的にやっているから(規模は著しく違いますがw)。

ある意味、同業者(規模は(ry)で、かつトップランナーの方が手の内を明かしてくれたのですから、こんなに有り難いこともないワケです。

特に「本の選び方」というのは、個人的には書評系ブログの「生命線」だと思っているので、そのことが書いてある部分だけでも、本書を買った価値はありました。

今回挙げた7つ以外にも、土井さんの選び方(読み方も!)は本書に掲載されていますから、気になる方は要チェックで!


◆また、本書は普通に「ビジネス書のガイドブック」としても秀逸。

干場社長のこの記事によると、本書には土井さんが「認めた」ビジネス書が280冊収録されているそうです。

ディスカヴァー社長室blog: 他版元のビジネス書担当の方には読んで欲しくない!? ビジネス書に見るビジネスとビジネスパーソンのこれまでの15年とこれからの10年 ●干場

上記ポイントの1番じゃないですが、私もさっそく何冊かアマゾンアタックかけましたw

その中から知らなかった本を1冊だけ……。

失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する
失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する
東京大学大学院の工学教授である著者は“失敗のしくみ”に着目し、それらのパターン化を試みた。タイタニック号の沈没やチェルノブイリ原子力発電所の爆発、まだ記憶に新しい米国の9.11テロ事件などの歴史的事件・事故から、国内で相次いでいる企業の不祥事に至るまで、200近い事例を徹底的に精査してその教訓を整理していく。
なかなか面白そうなヨカン!


◆なお、本書の第1章や第2章では、土井さんらしく「時代」や「トレンド」といった要素とビジネス書の関係についても、言及されています。

「こういう時代だから、こういう本が求められる」という視点を持っているからこその「選書」なのだな、と、改めて思った次第。

私のように、ただ書店でパラパラ見て選ぶのとは、次元が違います。

そしてその書店での立ち読みも、毎回「1〜2時間」されている、というのですから、これはなかなか太刀打ちできそうにもありません。

そう言えば以前、小飼 弾さん聖幸さんと3人で話している時、「土井さんに負けたくない」みたいなことを言った小飼さんに対して聖幸さんが、「僕らと違って、向こうは仕事でやってるんですからw」とツッコミをいれてましたが、まさに「プロの矜持」といったところでしょうか。


◆ところで最近、「ビジネス書は役に立たない」「古典を読んでいればいい」的な主張をする本も出ていましたが、本書のまえがきで、土井さんはこのように言われています。
 ビジネスパーソンであれば、「できるだけ具体的に加工された真の事象を、手っ取り早く吸収したい」と考えるのが自然です。本の解釈に貴重な時間を充てるよりも、「本から素早く吸収した知恵やノウハウを、自らのビジネスにどう役立てるかを考える時間がほしい」となる人が圧倒的多数ではないでしょうか。
もちろん本書では、俗に「古典」と言われるものや、学術書の類も紹介していますが、むしろ「旬がある」ビジネス書を「いかに活用するか」に焦点が置かれているかと。

本書自体も、まさに出たばかりの今が「旬」。

乗り遅れないうちに読んでおくことをオススメしておきます。


ビジネス書好きなら「マスト」な1冊!

土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)
土井英司の「超」ビジネス書講義 (ディスカヴァー携書)
第1章 「時代の振り子」はこうして揺れ動いてきた
第2章 ビジネス書のトレンドから「時代の潮目」を読む
第3章 テーマ別トレンドと「今が旬」のオススメ本紹介
第4章 コモディティから抜け出すためのビジネス書の選び方・読み方
付録 人生の定番本をつくろう――土井英司が「著者買い」する11人


【関連書籍】

◆本書の中で紹介されているビジネス書の中から、当ブログでのオススメ本を何冊か挙げておきます。

10年後に食える仕事、食えない仕事
10年後に食える仕事、食えない仕事

参考記事:【必読!】『10年後に食える仕事、食えない仕事』渡邉正裕(2012年02月04日)


スティーブ・ジョブズ I
スティーブ・ジョブズ I

参考記事:【速報】『スティーブ・ジョブズ I』が想像以上に濃厚だった件(2011年10月25日)


ある広告人の告白[新版]
ある広告人の告白[新版]

参考記事:「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)


広告コピーってこう書くんだ!読本
広告コピーってこう書くんだ!読本

参考記事:【スゴ本!】「広告コピーってこう書くんだ!読本」谷山雅計(2008年01月15日)


アイデアのちから
アイデアのちから

参考記事:【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)


【編集後記】

◆本書の中で激プッシュされていた1冊。

アイデア・バイブル
アイデア・バイブル

土井さん曰く「発想法を教えていることをビジネスにしている人たちがみんな失業してしまうくらいの優れもの」だそうです。


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【小飼流】『本を読んだら、自分を読め 年間1,000,000ページを血肉にする【マインドマップ的読書感想文】at 2013年02月20日 08:00
                               
この記事へのコメント
               
smoothさん、土井です。書評、ありがとうございます!
Posted by 土井英司 at 2012年05月30日 16:30
               
smoothさん、聖幸です。
泥酔していて、あまり良く覚えていませんが(笑)
ご紹介ありがとうございます!

Posted by 聖幸 at 2012年05月30日 19:19
               
>土井英司さん

著者様直々のコメントありがとうございます。
さすがの出来と言いますか、こういう本を出されてしまうと、同業者(笑)としては商売あがったりなんですがw

また、さっそくの増刷おめでとうございます!


>聖幸さん

あの時そんなに酔ってましたっけ?
妙な時間に小飼亭におしかけた私たちは、望まれざる客だった気がww
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年05月31日 04:22