2012年05月26日
【オススメ】『媚びない人生』ジョン・キム
媚びない人生
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、発売前からTwitter等で話題騒然だった、慶應義塾大学大学院准教授であるジョン・キム先生の自己啓発書。何でもこの本、キム先生が「ゼミ生の卒業へのはなむけの言葉」として贈る、「キムゼミ最終講義 贈る言葉」が元となっているのだとか。
面識のある方々が本書を激賞されていたので、私も迷わず買って読んでみたところ、なるほど内容の濃さが圧倒的!
思わず付箋を貼りまくりました!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.内面的な革命を起こす社会に革命を起こすことは難しく、時間がかかるものた。しかし、内面の革命は今この瞬間にスタートできる。社会や他者に媚びないと自らを鼓舞し、真に自由な人生を生きるために、その革命に挑んでほしいと私は考える。
内面とは「感情」「思考」「言葉」「行動」の4つで構成される。自分の感情を自分でコントロールできているか。論理的思考を含め、思考で負けないか。難しい言葉を使わず、説得力のある形で言葉を操れるか。思いを行動に移し、結果を受け入れ、そこから学び、自らを成長させられるか。
■2.不満を成長の糧にする
たとえ不満の原因が自分の外にあったとしても、その原因を自分の中で見つけるクセをつける。それは、自分を悪者にするということではない。不満を自分の原因に昇華できたなら、そのとき不満は不満でなくなるからである。
例えば、おかしな上司がいる。それを不満にして吐き出してしまうのは、簡単なことである。しかし、それを一度、抑えてみる。上司に対する不満の原因は何かを、自分の内側で考えてみる。
■3.自分にとっての理不尽は、相手にとっての合理
社会に出たばかりの頃は、理不尽だと思うこと、不条理だと思うことに、たくさん遭遇すると思う。まず理解をしておくべきは、理不尽、不条理なものは、実は他者にとっては合理的な選択だということである。自分の価値を測るモノサシから見れぱ理不尽、不条理でも、相手のモノサシから見れば、合理性があるのだ。
■4.ネガティブな感情を自覚する
実はネガティブな感情は、居場所を与えられて、表に出されると、極めて居心地が悪くなる性質を持っている。(中略)
ならば、その習性をしっかり理解して、きちんと真正面から向き合ってやれば、ネガティブな感情は逃げていく。どうするのかというと、例えば嫉妬でも、焦りでも、妬みでも、なんでもいいのだが、それを感じたときに、ネガティブな感情を自覚することである。できるなら、言葉に出してみるのである。
■5.自分だけの山を見つける
社会に出たら、人生における山をいかにうまく自分で見つけられるか、というところから勝負は始まると私は考えている。みんなと同じ高い山を登ることには、創造性が求められる今の時代、もはや大した意味はない。なぜならそれは、所詮すでにある山だからだ。むしろ、誰も登ったことのない山を見つけ、登ることこそが今は求められているし、挑戦しがいのある山なのだ。
■6.成功や失敗は「結果」ではなく「瞬間」にある
成功というものが、ーどこかに形として存在していると思い込んでいる人がいる。
しかし人生の成功は他者ではなく、自分で決めるのだ。自分が今、最善を尽くしているのであれば、それは何よりの成功である。逆に、頑張らなければいけないときにだらしなく過ごしているときは、たとえ結果が出ていようと失敗である。成功や失敗は、結果にあるのではなく、常にこの瞬間、この瞬間にあるのである。その瞬間が連続となった状態に幸せな人生があるのだ。
【感想】
◆一言で「自己啓発書」と言っても、色々なカテゴリーというかジャンルがありますが、本書の場合、「ライフハック」系とは一線を画す、いわゆる「王道的」な内容です。傾向としては『7つの習慣』や『人を動かす』といった作品に近いカモ。
また、そのクオリティも、こうした名著に迫るものがあります。
写真等で拝見する限り、キム先生、まだお若いようなのですが、よくぞこういう骨太な本を書かれたものだな、と。
◆本書では、ご自身の体験等はあまり触れられていないので、どのような経験を積まれてこのような本が生まれたかは分からないものの、その経歴を見る限り、複数の国での生活(韓国生まれで、日本、アメリカ、イギリス、ドイツで生活)されていたのは大きそうです。
また、「小学校5年生から一人暮らしを求められていた」という点も、「自分自身と向き合う」きっかけになり、それがキム先生曰く「たくさんの発見」につながった模様。
それが故か、本書では「孤独」でいることの重要性を説いており、同時に「居心地のいい群れから離れよ」とも言われています。
ある意味、「自分に厳しさを求める」ことのできない方には、ビターな味わいになるかもしれません。
少なくとも、私が大学生時代にこの本を読んだら、結構落ち込みそうな気がw←ワロエナイ
上記ポイントは、私が「なるほど!」と思った「視点」なのですが、アマゾンの内容紹介(上記で引用した以外の部分)には、本書の小見出しの中から「エッジの効いた」フレーズが10個ほど紹介されていますので、ぜひご確認を。
◆一方、本書を称賛するツイートをググったところあまりに多くてビックリ。
そこで、直接面識がある方のみ拾っても、こんな感じに……。
ゲラ読んだけど、今年TOPに入る必読書!RT @diesuk: 『媚びない人生』は慶應大学の准教授ジョン・キム先生が自分と向き合い、悩みなさい。そして、どんな瞬間も自分を信じなさい」とエールをおくる本。私の信頼している書店員さんが大絶賛をしていたので、とっても気になっている一冊。
— Naoyuki Honda/本田直之さん (@naohawaii) 4月 30, 2012
いま新幹線の中でジョン・キムさんの「媚びない人生」のパイロット版を読んでいる。ショーペンハウアーの幸福についてに通じるものがある。内面こそが人生の始発駅であり、終着駅である。生きるということは内面を深めていく、成熟させていくプロセスである。
— 石田淳さん (@Ishida_Jun) 5月 16, 2012
今月末の最注目の本、『媚びない人生』は10年後、20年後にも読み継がれていてほしいと思う名著。1度読んでおしまいではなく、何度も読んで本と向きあってほしい。『僕はきみたちに武器を配りたい』や『20歳のときに知っておきたかったこと』のようにずっと平積みで展開し続けたいと思う。
— diesukさん (@diesuk) 5月 21, 2012
いよいよジョン・キムさんの「媚びない人生」 書店発売です!たぶん今年のベスト1になると思います(予言) ow.ly/b99Fa 詳しくはこちらを ow.ly/b99NP
— 千葉智之さん (@chibatomo) 5月 25, 2012
他にも、ツイートではないですが、はあちゅうさんも激プッシュしていたり。
いやもう、読む前から「周囲が包囲」されておりました。
◆私のような「ノウハウ系ビジネス書好き」の場合、本の評価は、収録されたコンテンツ(ノウハウ)から、どれくらいリターンが望めるか、で判断する傾向があります。
それを見透かしたかのように、本書の第7章には「すぐには役に立たない本を選べ」との小見出しがw
実際のところ本書も、「すぐに役立つ本」ではなく、何度も読み返して「自らの血肉とすべき本」なのだと思います。
逆に、読むべき本の典型例として「古典」が挙げられていましたが、本書もおそらく将来的に「古典」として読み継がれているのではないか、と。
何たって上記ツイートにあるように、「本の目利き」の皆さんのお墨付きなんですから。
私でなくともオススメしちゃうのが納得の1冊!
媚びない人生
●はじめに 自分と向き合い、悩みなさい。そして、どんな瞬間においても、自分のことを信じなさい
●プロローグ 「強さ」だけが人間を独立した存在に導く
第1章●「今」と向き合う ~自然体になれる強さを手に入れる
第2章●自分と向き合う ~富士山でなく、エベレストを目指せ
第3章●社会と向き合う ~不可抗力に逆らわず、可抗力の統制に集中する
第4章●他者と向き合う ~絶対不可侵領域を持った自己を育てる
第5章●仕事と向き合う ~超ガラパゴス人材になる
第6章●人生と向き合う ~5年後の計画は立てるな
第7章●未来と向き合う ~純度の高い自分を創る
●おわりに 絶対不可侵としての自己を確立し、どんな状況でもそれを貫くことだ
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【編集後記】
◆キム先生、そういえばディスカヴァーさんでも書いてらしたのでした。ウィキリークスからフェイスブック革命まで 逆パノプティコン社会の到来 (ディスカヴァー携書)
また、来月の終わりには、同じくディスカヴァーさんから新刊が出るようなので、こちらも楽しみです。
ご声援ありがとうございました!
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