2012年05月23日
【仕事術】『他社から引き抜かれる人の仕事術』中山遼二
他社から引き抜かれる人の仕事術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々に(?)真っ当な仕事術の本。某大手リアル書店で、最初の方だけチラッと見て、思わず買ってしまいました。
アマゾンの内容紹介から。
どこにいっても通用する「スキル」「常識」「魅力」を身につけろ。有名企業に引き抜かれた150人が実践している。仕事で成果を出す、成果をまわりの人に認めさせる、一緒に働きたいと思われる人間になる、の3ステップ。
「転職」のみならず、「出世」にも役立ちそうな1冊でした!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.PCのデスクトップ画面は整理されているか?あなたのデスクトップ画面は整理されているでしょうか? PCを立ち上げてください。何がどれくらい表示されていますか?
ワードやエクセルなどのデータが、画面の8割以上を占めている人は、完全に落第です。半分でもアウト。1/3くらいの人は、ギリギリ及第点です。合否のポイントは、「自分がどこに何のファイルがあるかを瞬時に認識できるか否か」。
デスクトップの整理度合と仕事の成果の大小には強い関わりかあります。それは、デスクトップか汚いというだけで、常に3つのリスクにさらされてしまうからです。一つ目は、情報の探索で時間を浪費するリスク。2つ目は、情報を失くすリスク。3つ目は、誤った情報を加工・共有するリスクです。
■2.フレームワークに溺れない
目的に沿ったフレームワークを生み出すときのコツは、常に自分が考えたことをこれでいいのかと疑い続け、完成に近づいても違和感を覚えたら、白紙に戻してゼロから考え直すことです。フレームワークは基礎知識。身につけた上で安易に溺れることを避けましょう。目の前の課題にじっくり向き合い目的に応じて使ってみる。習得したものを闇雲に使うのではなく咀嚼し、思考を巡らした上で使用する癖を身につければ、成果がもう一段良くなることを約束します。
■3.思考力を議事録書きで磨く
戦略コンサルティング会社出身で、現在は事業再生会社に勤める湯川さんはこう話していました。
「自分の武器の1つは、コンサルティング会社で培った思考力です。確かに若手の頃に書いていた議事録が効果的だったと思っています。議事録を書き、ヒアリング内容を可視化し、構造を整理しなから記録することで、話の論理構成が正しいのか否か即座にわかるようになるのです。(後略)」
■4.数字に強くなる
数字に強くなることで、物事の判断が即座に下せるようになったり、他人から信用を得やすくなったりとメリットが多いことは確かです。そのため、総じて他社から引き抜かれる人材は、皆何らかの努力をして数字に強くなっていました。
そもそも「数字に強い」とは、「概算する能力」と「精緻さ」の2つがあります。前者は、利益規模等を即座にざっくり計算できるという、構造を分解して概算する能力。後者は、細かい計算を間違わないという、確かな算出能力です。
■5.会議で価値ある発言をする
では、会議で価値のある発言、価値ある情報とは何でしょう。
それはたった2種類だけです。1つは誰も知らない新鮮な情報。もう1つは既出の情報の切リ口(見せ方)を変えた情報です。
後者は、視座や視点を高くし、情報を整理しなければなりませんから、若いうちは難しいかと思います。(中略)
だから、まずやるべきことは、前者の「新しい情報を提示する」ことなのです。
■6.言われたこと以上の心配りをする
わかりやすく説明するために、こんな話を紹介しましょう。
大工の親方に「おい、釘を持ってこい」と指示されたとき、普通の弟子は釘だけを持ってくる、気がきく弟子は様々な種類の釘を持ってくる、そして一番できる弟子は、金槌とくぎ抜きと様々な釘を持ってくる、という話です。
あなたは、指示どおりに釘だけを持ってくる動きをしていませんか?
ここで考えるべきは、「釘を持ってこい」という指示にどのような背景があるのか、ということ。他社から引き抜かれるような人は、「古い釘を抜いて新しい釘を打つ。そしてその箇所は複数の場所に及ぶぞ」と理解した上で行動します。
■7.上司はクライアントだと考える
上司は、あなたの業務管理者であるだけではなく、クライアントでもあると考えてみてください。だから、上司か何を考え、何を求めているかをうまくつかむことで、あなたを引っ張り上げてくれる可能性が高まるのです。「こいつはかわいい奴だ」と思われることや「こいつは使える」と思われるよう意識的に働きかけることは、お互いにとって有意義だと思います。
【感想】
◆冒頭で「最初の方をチラ見して」と書いたように、最初の方で付箋を貼った重要部分から引用していったら、第2章で終わってしまいました。/(^o^)\ナンテコッタイ
もっとも、当ブログの常連さんなら、こういうちょっと「ベタ」な内容がお好みではないか、と。
ですから抜粋したTIPSも、基本的に「仕事術」的なニュアンスが強いものを選んでおります。
実はポイントの初っ端のデスクトップのお話が、本書でも最初なんですけど、私の場合、その時点で「アウト」でした(ダメじゃんw)。
◆もちろん、第3章以降も付箋を貼ったお話がザクザク。
割愛した中で、興味深いものを挙げると、まずは「朝活するなら早朝出勤せよ」。
当たり前ですけど、早朝から働いていると、上司からの印象も良いそうです。
ポイントの最後の「上司マネジメント」と同様、「引き抜かれる(転職)」だけでなく、「出世」まで考えるなら、ここは見逃せないところでしょう。
ただ、本書にある「急に朝活に参加したがゆえに睡眠不足になり、日常業務に支障をきたしたりしてる、という人が非常に多いのです」というのは、本当なんでしょうか……?
◆一方、第6章の「キャリアを描き、チャンスをつかむ」も、キャリアを考えるビジネスパーソンなら要チェック。
例えば、自分の市場価値を確認するなら、複数の転職エージェント等から「3つのポイント」(ネタバレ自重)をヒアリングするのだとか。
私は自営業なので、やったことはないのですが、こうやって第三者に評価してもらわないと、なかなか本当の自分の市場価値は分からないものです。
また、キャリア目標をノートに書きだしたことのある方は多いと思いますが、本書によると、他社から引き抜かれる人は、「日常的に目標設定と修正を行う」のだそう。
それが「キャリアのPDS(Plan,Do,See)を毎日回す」ということ。
事例として本書に登場されている方も「ちょっとやり過ぎじゃない?」とよく言われるくらい、PDSを毎日回しているそうなので、読者の皆様も、この機会に昔書いた目標に手を加えてみてはどうでしょうか?
◆第7章以降は、ビジネススキル、というよりは、自己啓発的な内容が中心となっています。
やはり引き抜かれるような方は、単に仕事ができるだけでなく、人間的にも優れていたり、愛されたりしている模様(これまた当たり前)。
実際、第8章には「異性の心をつかむ魅力を備える」なんてありましたが、「それ何てモテ本スキル!?」
確かに最近では、こんな本も流行ってますしね。
会社人生は「評判」で決まる (日経プレミアシリーズ)
参考記事:【必読!】『会社人生は「評判」で決まる』相原孝夫(2012年02月17日)
本書で、テクニカルな部分と、ハートフルな部分の両方を強化して頂きたく。
引き抜かれた150人から導き出された93のTIPSがここに!
他社から引き抜かれる人の仕事術
第1章 知識も小技も身につける
第2章 成果にこだわる
第3章 体調・時間・お金の管理を徹底する
第4章 情報収集・発信に長けている
第5章 魅せ方にもこだわる
第6章 キャリアを描き、チャンスをつかむ
第7章 視点を高く持つ
第8章 人間に向き合う
第9章 心を平穏に保つ
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完全『プロフェッショナルサラリーマン』マニュアル 改訂版(2011年11月14日)
【編集後記】
◆近所の書店ではガッツリ売れてるようなのがこちら。仕事が10倍うまくいくマイナス思考術 (PHPビジネス新書)
逆説的なタイトルがいいんでしょうか……?
ご声援ありがとうございました!
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