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2012年05月18日

【接客業の方必読?】『必ず黙らせる「クレーム」切り返し術』神岡真司


必ず黙らせる「クレーム」切り返し術―どんな相手にも通用するとっさのひと言 (日文新書)
必ず黙らせる「クレーム」切り返し術―どんな相手にも通用するとっさのひと言 (日文新書)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、とあるスジ(?)からオススメされた1冊。

サービス業、接客業を営んでいる方や、バイト等で入られている方なら、読んでおいた方が良さげな内容です。

アマゾンの内容紹介から。
ビジネスにクレームは付きもの。しかしその対応を誤ったら、後々面倒なことに…正しい対処法を身につける事はアナタの身を守る。

対応のフレーズ集まであり、これは役に立ちそうな予感!?


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【ポイント】

■1.クレームの芽は事前に摘んでおく
 人手不足の居酒屋では、給与直後の繁忙期に、週末シフトを敷いていても、バイトが突然その忙しさを忌避するかの如く、当日欠勤に及ぶなどというケースは少なくないのである。(中略)
 
 こんな時には何はともあれ、クレームの芽を事前に摘んでおくのが最善の策となる。
 正解は、あらかじめ店のキヤパシティーを小さくしておくことなのである。
 対応できないテーブル席には予約席のプレートを置き、迎える客席数を限定しておき、お客を一定以上入れないようにする――。
 こうした事前対応があるならば、クレームを招くこともなくなるのである。


■2.まずはお客の言い分を信じて謝罪する
ここで謝罪すれば「割れた皿を売った」という事実を認めた形になるのではないか、と心配されるかもしれないがそうではない。
 誰が割ったか、はじめから割れていたのか、いなかったのか――などということは、この際、もはやどうでもよいことと言わねばならない。
 お客が「割れていた」という言葉を信じ、そうした不快な状況を招いたことに対してまず謝罪すること――これが問題解決の第一歩なのである。


■3.クレームは3段階で解決する
第1段階:
迷惑をかけた状況に対し、まずはお詫びする。

第2段階:
状況把握に努める。

第3段階:
確認調査結果や今後の改善策などがあれば、それらを報告。店側に非があり賠償の必要があれば、お客の納得が得られるよう話し合う。

(詳細は本書を)


■4.「誠意をみせろよ」とゴリ押しされたら?
お客「誠意だよ、誠意……。精神的、肉体的ダメージを与えたことへの……」

責任者「お客様。大変申し上げにくいことですが、私どもでは、社会通念上出来うる限りの誠意は尽くさせて頂いたつもりでございます。この上での、お客様の言われる誠意ということになると、どのようなものであるのか、私には理解出来かねます。お客様から具体的におっしやって頂けませんでしょうか?」


■5.「アイツをクビにするか、土下座させろ!」とゴネられたら?
お客「それじゃあ、納得出来ないよ。クビにするか、私の前で土下座させてもらいたいんですよ」

責任者「お客様、本当に今回は私どもの監督不行き届きでございます。心からお詫び申し上げますが、司会者の処分は私どもの内規に則って行なわねばなりません。また土下座を強要することは、人権上も出来かねますので、お断りを申し上げます」


■6.「誉め言葉」を上手に活用する
 このお客は、50万円もする高額製品を買ったことをもっと讃えてほしい気持ちがあったのである。
 にもかかわらず、ぞんざいな扱いを受けたことで、かえって自分が否定されたように感じ、腹を立てていたというわけだ。
 クレームの原因の多くが、実はこうしたパターンに当てはまるのは言うまでもなく、科金に見合ったサービスが受けられなかった、買った製品に瑕疵があったというのが大半である。
 こういうケースでは、まずお客の気持ちをなだめる言葉が必要であり、お客の承認欲求を満たすべく、誉めのテクニックを駆使することが重要なのである。

(詳細は本書を)


■7.お客に逆説の言葉は使わない
お客との会話で、逆接の接続詞を連発する店員もいる。
いや、お客さん、そうおっしやいますけど〜」
しかしですよ、うちの場合は〜」
あのですねえ、それは〜」
 いやしくも接客サービスに携わろうとする人間は、すべからく「いや……」「しかし」「でも」「だけど」などの逆接の言葉は、すべて封印してしかるべきだろう。
 こんな危うい対応では、クレームをどんどん拡大再生産するだけなのだ。


【感想】

◆私自身、今現在は接客業に携わっていませんが、実際に日々お客さんに接している方からしてみたら、こういった「クレームへの対応の仕方」というのは非常に重要なのだろうと思いました。

もちろん、ある程度大規模な会社(お店)だったり、チェーン店だったりすれば、マニュアル等があるのでしょうけど、そうでないところは、経営者レベルで「会社としてどう対応するか」を決めておかないと、現場は大変です。

結果的に、現場レベルで悪質なクレーマーの脅しに屈して、何度も便宜を図ったりすることにもなりかねません。

逆に、普通のお客さんの「正当なクレーム」に誠実に対応しなかったり、常習的なクレーマーと認定して失礼な態度を取ったりすると、会社の信用問題にも発展する可能性があります。


◆そこで思いだされるのが、「クレーマー」という言葉を世間に広めることになった、この事件です。

東芝クレーマー事件 - Wikipedia

テレビでは、ユーザーによって録音された、東芝の担当者の「横柄な発言」ばかりが取り上げられた記憶がありましたが、これも対応を誤らなければ、ここまで大ごとにはならなかったハズ。

ちなみに、開設して間もなかった2ちゃんねるが、この事件の「特設掲示板」を設けてアクセス数を伸ばし、その後の躍進の足がかりとしたのだとか(知らなんだw)。

本書の第5章では、この事件を含め、「誤ったクレーム対応で大騒ぎとなった例」(と逆に信頼を得た例)が収録されていますので、併せてご確認下さい。


◆また、上記ポイントでは4番目と5番目で、具体的な応答例を挙げていますが、こういった「切り返しフレーズ」は、覚えておくと良いかと。

「丁寧な物言い」である事を前提として、「言うべきことをキチンという」のが大事です。

「表沙汰になったら困るだろう?」

「誰に断って店出しとるんじゃ!」

「社長を出せ、社長を!」

「ネットに書き込んでやるからな」
etc etc...

こういった脅し文句に対しては、本書の回答例に沿って、テンプレートのごとく粛々と対応すべし。

相手も分かったもので、こちらが正しく対応すれば、「ネバっても金にならない」とあきらめるようですから。


◆本書は2008年の暮に出た本であり、すでに3年半ほど経っています。

とはいえ、こういったクレーム自体は昔からあるものですし、今読んでも参考になる点は多々ありました。

業種によっては使いようがないので、当ブログの読者さん全員に薦めるわけにはいかないものの、逆に接客業をなさる方にとっては「スゴ本」とも言えるもの。

マーケットプレイスで沢山在庫があるようですし、宜しかったら読んでみて下さい。


使わないにこしたことはないんですけどね!

必ず黙らせる「クレーム」切り返し術―どんな相手にも通用するとっさのひと言 (日文新書)
必ず黙らせる「クレーム」切り返し術―どんな相手にも通用するとっさのひと言 (日文新書)
1 こんなにある“あぶない”クレーム!―実例から学ぶクレーム処理
2 悪質クレーマーの撃退法!―恫喝状態のクレーム処理
3 主導権を握る“切り返し”のテクニック―相手に打ち勝つためのとっさのひと言
4 凶悪クレーマーへの対処法―クレーマーの本音を見極めることの大切さ
5 クレーム対応“失敗事件簿”―誤ったクレーム対応で大騒ぎになった実例


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【編集後記】

◆先日の「未読本・気になる本」の記事で予約段階だった本が、続々と発売されております。

それをお金で買いますか――市場主義の限界
それをお金で買いますか――市場主義の限界

この本もいよいよ登場。

書店でもさっそく平積み状態です。


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