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2012年05月16日

【時間管理術】『戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット』ネイル・A・フィオーレ


戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット
戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日記事にした奥野宣之さんの『「処方せん」的読書術』にて知った1冊。

本書の「訳者あとがき」によると、ブロガーの間では原書が「古典的名著」としてもてはやされていたのだそう(知らなんだ)。

アマゾンの内容紹介から。
いつまでもグズだと思うなよ! 「〜しなければいけない」から「〜始める」へ。すきま時間をうまく活用し、遊びも仕事も思いっきり「できる人」になるための、最強ガイド!

それほど厚い本ではないのですが、なるほど実践的なアドバイスが満載でした!


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【ポイント】

■1.グズ特有の5つの否定的な言葉を置き換える
「しなければならない」を「することを選ぶ」に置き換える。

「仕上げなければならない」を「いつはじめられるか?」に置き換える。

「これは大がかりで大切な事業だ」を「わたしは小さな一歩を踏み出すことができる」に置き換える。

「完璧でなければならない」を「人間的でもいいのだ」に置き換える。

「遊ぶ時間がない」を「遊ぶ時間を作ろう」に置き換える。


■2.「プル・メソッド(目標に向かって引っ張る方法)」で動機づける
 軍隊や会社や学校では、脅しによって活動を刺激する方法――「プッシュ・メソッド(背中を押す方法)」による動機づけ――がよく使われる。だが、罰や恐怖によって強いられる活動は、目標へと向かうのではなく、グズのように、恐怖を避けることに向かうというのが事実なのだ。(中略)

 他方、「プル・メソッド」の経営は、わたしたちが本来、好奇心旺盛で、もし努力が正しく報われるなら、もっとも困難な仕事でもやり遂げるという前提に立っている。(中略)

 長いトレーニングを積んだ後でなければ得られないような報酬は、つらい大変な仕事をつづけるモチべーションを維持させるだけのパワーをもたないというのが、「プル・メソッド」の考えである。他方、レジャー、友達に会う、アイスクリームを食べるといった、もっと身近にあるはっきりとした報酬は、容易に楽しみが想像できるので、強い影響力をもつと考えるのだ。


■3.罪悪感なく遊ぶ
 罪悪感のない遊びと質の高い創造的な仕事は、互いに影響し合い、肯定的なサイクルを形成する。たとえば、何のうしろめたさももたずに遊びに没頭する自分を想像してみてもらいたい。そのような遊びは解放感に満ちており、自由な感覚をもたらさずにはいない。それが人々を短時間で質の高い仕事をしようという気にさせるのだ。
 一方、なんらかの計画で質の高い仕事をやり遂げると、セルフ・コントロールの感覚が高まり、自分の集中力や創造力への自信もつく。そうした自信が、心おきなく遊ぶ能力を高める役割を果たすのだ。


■4.「逆向き予定表」で仕事をコントロールする
逆向き予定表は、普通の予定表と異なり、仕事の最終期限からはじまる。そこから一歩一歩遡って、出発点である現在へといたる予定を立てていくのだ。(中略)

 逆向き予定表を作れば、各段階の予定が分かり、毎週、どれだけの時間――たとえば、一週間20時間を5週間にわたってつぎこむ――を仕事に振り向けなければならないかが明らかになる。
 報告やキャンぺーンの規模の大小にかかわらず、逆向き予定表は、それぞれの段階をやり終えるのにどれだけの時間がかかるかについて、現実的な展望をもたらしてくれるだろう。


■5.失敗を恐れず最善を尽くす
 大抵の人は絶対に失敗しないことを至上命題にする。しかし、そうしたアプローチは深刻な不利益をもたらす。なぜなら、自分の思い通りに物事がいくよう操作しようとするのは、莫大なエネルギーを要するし、うまくいかなかった場合、ショックが大きいからだ。
 本当の自信は、成功するか否かにかかわらず、いつでも最善を尽くし、必要とあらば、再度挑戦する準備ができているという気持ちから生まれる。真の自信とは、「わたしは最悪の事態に備えている。今は、最高の結果に導く仕事に専念できる」と言える能力なのだ。


■6.「すきま時間予定表」で生産性を高める
 すきま時間予定表は、予定されるレクリエーション活動を書き込んだ週間カレンダーで、休憩、食事、友達とのつき合い、遊びなどによって一週間を手ごろなプロックに分割する。それプラス、やり終えた仕事の時間が記録されている。
 これを見れば、レクリエーションの予定が分かるだけではなく、仕事にあてられる実際の時間が一目瞭然となるため、あなたは仕事に早く取り組まなければならないという気持ちになる。一日の時間から日々の雑用、会合、通勤、食事、睡眠、レジャーなどの時間を差し引くと、仕事のために取れる時間がごく少ないことに気づくからだ。さらに、30分という仕事の時間は短いのであまり負担にならない。それゆえ、気軽に仕事に入っていけるのだ。

(詳細は本書を)


■7.グズな部下には褒めつつ建設的なアドバイスをする
 褒めることと建設的なアドバイスを組み合わせるコツは、ストレスをかけて社員の学習能力を損なうことなく、どの行動が正しく、どの行動がさらなる努力を要するかを鮮明に伝えることである。批判する前に仕事をよくやったことを認めてやると、失敗への恐れが薄らぐ。部下は自分のやり方が正しいことを認められたと感じ、自分の努力が評価されていると思う。その上でアドバイスをしてやれば、部下は機嫌を損ねることなく、それをためになることとして聞くようになる。


【感想】

◆できるだけノウハウ的な部分を優先した結果、このようなポイントを抜粋しましたが、実は割愛した中に、結構重要なお話も含まれております。

例えば、「人はなぜグズになるのか?」。

一般的には、性格や能力の問題と思われがちですが、実は違う、と。

本書によれば、人がグズになるのは、主に次の3つの理由によるのだそう。
(1)権威をもった者からのプレッシャーに抵抗する間接的手段

(2)失敗への恐れに対する防衛的手段

(3)成功への恐れに対する対抗手段
詳しくは、本書の第1&2章にてご確認を。


◆本書では第3章以降で、こうしたグズへの対処法を明らかにしていきます。

私もさっそく「プル・メソッド」を用いて、この記事を執筆中w

「おれ、ポイント全部抜き出したら、うまい棒1本食べるんだ……」

また「逆向き予定表」は「ゴールから逆算」する考え方を、そのまま実際に予定表にするというもの。

ゴールから書き始めて、予定表の最後は、もちろん「本日」

これは、仕事を始める最初の段階で、全体を見積もることにより、余計な不安を持つことを防ぐ効果があります。


◆一方、「すきま時間予定表」は、タイトルだけ見た時「すきま時間に何をやるか予定すること」かと思ったら全然ハズレw

上記ポイントの6番目で抜き出したように、まずは「レクリエーション」と「仕事以外で絶対必要なもの」をあらかじめ予定に埋めてしまいます。

そして残った時間に仕事をし、その結果を予定表に書き込むのですが、ここで大事なのが「何にも妨げられずに30分以上やった場合だけを仕事とする」ということ。

その結果、仕事に没頭できるハズですし、その仕事のブロックが終わった後には「報酬」も用意する、と(「プル・メソッド」ですね)。

本書では第6章を丸々使って解説されていますので、気になる方はぜひご確認ください。


◆個人的にはポイントの3番目の「罪悪感なく遊ぶ」というお話が響きました。

自分自身、税理士試験の受験期間中の数年間、本試験直後の1ヵ月の夏休み以外は、「罪悪感なく遊んだ」ことはなかった記憶が。

結局、遊びにも集中していないし、リフレッシュしきれずに、勉強にも集中しきれなかった可能性は高いような。

それだけが、資格試験で苦戦した理由だとは思いませんが、現在勉強中の方には、意識して頂きたいところです。


◆「訳者あとがき」によると、時間管理に関する本が多い中、本書の原書はひときわ高い評価を受けているのだそう。

その理由の1つが、著者のネイル・A・フィオーレが、経済学の学士号だけでなく、心理学の博士号を持つれっきとした心理学者であり、本書もその基盤の上で書かれているから。

確かに、グズを改善するには、こうした心理学的なアプローチは有益ですし、自分がグズだと思ってネガティブに捉えていた方には、本書は福音となるかもしれません。

気になる方は、マーケットプレイスの在庫があるうちに、お早めにお買い求めくださいw


テキパキと仕事ができない方に、一読をオススメ!

戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット
戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット
第1章 わたしたちはなぜグズグズするのか?
第2章 どのようにしてわたしたちはグズになるのか?
第3章 自分を説得する方法
第4章 心おきなく遊んで、質の高い仕事をしよう
第5章 障害の克服
第6章 すきま時間予定表
第7章 フロー状態で働く
第8章 挫折をチャンスに変えるテクニック
第9章 あなたの周りにいるグズの人とのつき合い方


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【編集後記】

◆「時間管理」ネタで、この本も。

誰も教えてくれない 一流になれる時間術
誰も教えてくれない 一流になれる時間術

明日香出版社さんのこのシリーズは、装丁が似ているので、新刊が出ても分かりにくいんですよね〜。


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