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2012年05月12日

【読書】『「処方せん」的読書術 心を強くする読み方、選び方、使い方』奥野宣之


「処方せん」的読書術  心を強くする読み方、選び方、使い方 (oneテーマ21)
「処方せん」的読書術 心を強くする読み方、選び方、使い方 (oneテーマ21)

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「ノート本」でお馴染みの奥野宣之さんによる読書術指南本。

娯楽や情報を得るための読書は、広く親しまれていますが、「心を強くする」という新しい読書の効能を説いてらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から。
長引く不況、リストラや就職難、リアルやネット上での人間関係……。この「生きづらい」時代を乗り越えるために、速読でも多読でもない、全く新しい"心を鍛える"方法論としての読書術を紹介する。

なるほど、そういう読み方もあったのか、と。


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【ポイント】

■1.不安をしずめたいときは、「本当に読みたい本」を読む
不安をしずめたいときは「人としての成長」とか「正しい生き方」とかいったことは、すべて忘れて、「本当に読みたいか」だけで本を選んでください。(中略)

 それが、血しぶきドロドロのホラー小説だろうが、アイドルのブログ日記だろうが、読んで救われるなら「いい本」です。言い換えればレビューを書いたり、友達に話したりするための「客観的な評価」とは別回路として、「徹底した主観」に基づく「自分のためだけの読み方」を持っておく。「主観的な読み方」でしか、自分は救えないからです。


■2.具体的な悩みにはノウハウ書をポンと買う
 1500円の単行本でも、800円の新書でもかまいません。ベストセラーになったものや昔からのロングセラーなど、とにかく1冊だけ買う。(中略)
ノウハウ本を買えば、まず「問題を先送りせずアクションを起こした」という満足感が得られます。それに、自腹を切れば「もったいないから、とりあえず書いてあるとおりにやってみよう」と思える。
 いわば、800円や1500円を払って、自分をその気にさせる"おまじない"をかけるわけです。


■3.落ち着きたいときは本を書き写す
 イライラしたり焦ったりして、いよいよもう全力で壁でも殴ろうかと本気で考えるようなとき、僕には、最後の手段があります。
 それは、本を書き写すことです。
 心を落ち着けたい場合、本当は瞑想したりすればいいのかもしれませんが、教えてくれる人がいないとなかなか難しい。だから、ごく単純に「字を書き写す」という方法をとっています。一昨年は、毎日、文庫本を1ページずつ書き写して、結果的に文庫本を丸1冊書き写しました。


■4.悩んだときには「人生相談」を読む
 さて、なぜ悩んだときは人生相談がいいのか。
 一見、無関係な他人の悩みの中に、自分の一部を発見するからです。(中略)

 自分の悩みを真っ正面から見つめて、考えたり相談するのは気が重いし、大変です。
 しかし、ほかの人の悩みの中に自分を見つければ、この難関をスルーして、問題解決に一歩ふみ出すことができる。何に悩んでいるかわからないという人でも、読んでみるとスッキリするはずです。


■5.歴史は学ぶより楽しむ
 現実で出会う人だけでなく、歴史の中でも好きな人を探してみる。ずっと気になっていたお店に入ってみたり、参加したことのない飲み会に顔を出してみたり、新しい体験を求めて旅に出るようなことにも似ています。
 歴史とは、学ぶものではなくて楽しむものです。
 事実を学ぶより、かつていたすばらしい人を味わう。このような態度でないと、「はげましたり、なぐさめたり」してくれる人には、出会えません。


■6.動物や植物を見て癒される
 動物や虫、植物などの本を自分に読ませるのも、辛い気持ちのときには有効です。(中略)

 僕は、雑誌の『ナショナル ジオグラフィック』を自然ジャンルの案内役にしています。(中略)
 人間社会はいろいろと嫌なことはあるけれど、世界は美しい。
 こういう感覚を持っておくことは大切です。
 ストレスに押しつぶされそうなときに備えて、自然に想いをはせるための窓口としての本を持っておきましょう。


■7.読み返す度に本に記録を残す
ポイントは次の3つです。

1:読み返したり参照したりしたときは、必ず本に痕跡を残す

2:その上で、線を引くマーカーやぺン、付箋は、なるべく読み返すたびに違う種類のものを使う

3:付箋は破れないプラスチック製のものを使用。一度貼ったら二度と外さない


【感想】

◆基本的にビジネス書(一部モテ本含むw)を読んでいる自分にとっては、本書での奥野さんの提案は、なかなかユニークなものでした。

もっとも、辛い時や悲しい時に本を読んで、励まされたり癒されたりする、というのは、比較的よく聞くお話。

ただ本書は、それより一歩踏み込んで、「本は私たちに何を与えることができるのか?」を考えてらっしゃる点が新しいと思います。

例えば本書によれば、「古典は心を強くする本」であるのと同時に「プライドを守る」効果もあるとのこと。

確かに、「名著」と呼ばれる本を買うと、たとえ「積読」になったとしても、一種の精神安定剤的な効果はありますよね。


◆また、今回は割愛しましたが、奥野さんは「洋物ビジネス書」を読むと、気合が入るそう。

紹介されていたのがこちら。

戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット
戦略的グズ克服術―ナウ・ハビット

なんでも「仕事や用事を先のばしにしてしまう『グズ』を元米国海兵隊のコンサルタントが開発したプログラムで治してくれる」というものだとか。

当ブログでは、以前『「先延ばし」にしない技術』が人気だっただけに、この本もアマゾンアタック!


◆一方、分かりやすいところでは、上記ポイントの6番目の「動物や植物の本」による「癒し効果」なんてものも。

『ナショナル ジオグラフィック』は、アマゾンでも買えるようです。

NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2012年 05月号 [雑誌]
NATIONAL GEOGRAPHIC (ナショナル ジオグラフィック) 日本版 2012年 05月号 [雑誌]

「癒し効果」という意味で、個人的なオススメなのは、こちらの本。

世界の島々―かけがえのない風景99島 (世界名景紀行)
世界の島々―かけがえのない風景99島 (世界名景紀行)

参考記事:【快感!】「世界の島々」は見ているだけで癒されます!(2009年08月22日)

相変わらずの携帯画像で申し訳ないのですが、こんな感じの綺麗な空や海の写真が満載です。




◆本書は、下記目次のように、第1章から第4章までは、各目的ごとの読み方を紹介。

さらに章の終わりには「オススメ書籍」も収録されています。

そして第5章では、上記ポイントの最後のような「読み方の工夫」について言及がされており、より「メンタルに効く」読書ができるようになる仕様。

日頃私のように、「知識を得るため」だけに本に接している者にとっては、本の新たな可能性を感じさせてくれた1冊でした。


本は心のサプリです!

「処方せん」的読書術  心を強くする読み方、選び方、使い方 (oneテーマ21)
「処方せん」的読書術 心を強くする読み方、選び方、使い方 (oneテーマ21)
序章 生きづらい時代だから本を読む
第1章 不安をしずめる読書―鎮静剤
第2章 前向きな気持ちを起こす読書―気付け薬
第3章 折れない心を作るための読書―栄養剤
第4章 自分を取り戻すための読書―体質改善
第5章 もっとメンタルに効かせるための工夫


【関連記事】

【超実践!?】『1年後に夢をかなえる読書術』間川 清(2012年03月25日)

【42人の座右の書】『スミスの本棚 私の人生を変えたこの一冊』(2011年09月15日)

【読書の王道】『自己啓発の名著30』三輪裕範(2011年06月13日)

【読書術】『人生で大切なことは、すべて「書店」で買える。』千田琢哉(2011年07月30日)

【オススメ】『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ 』成毛 眞(2010年07月10日)


【編集後記】

◆これは、モテ本と言っていいのか?

みんなの不倫~お値段は4493万円!?~ (宝島SUGOI文庫)
みんなの不倫~お値段は4493万円!?~ (宝島SUGOI文庫)

既婚者の方は、こういう本で事前にお勉強しておいた方がよいカモ?


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この記事へのコメント
               
smoothさん、こんにちは。ご無沙汰しております。
とはいえ、毎朝ブログはチェックしています。

さて私の新刊を探し当て、紹介してくださり、ありがとうございました。
また、個別に新刊の告知メールをせず、申し訳ありませんでした。
例のごとく「また紹介できそうもない本を出して」とお叱りを受けると思ったので(汗)

第4章では「口説き方」に焦点を当てているので、確かに「モテ本」の要素はありますし
恋愛も不倫も共通点は多いです。ただ、未婚同士の場合に比べ「既婚男性→未婚女性」の場合
ハードルが高く、高度なテクニックが必要なので、そこまでは不要かもしれません。

それでは今後とも、よろしくお願いいたします。
今度は快く紹介できる本を出版できるよう、頑張ります(爆)

Posted by 露木幸彦 at 2012年05月12日 12:49
               
>露木幸彦さん

コメントありがとうございました。
こちらこそご無沙汰しております。

お気遣い感謝です。
確かにウチでは紹介しにくいところですよね。ただ既婚男性⇒未婚女性というのは、私の周りでは結構多かったです。
というか、むしろ既婚同士のカップルはほとんどいなかったような(笑)。
そうやってモテる男が独り占めしちゃうから、非モテが増えるのか、と思ってみたり。

次回作以降もご無理はなさらず〜!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年05月13日 07:04