2012年05月10日
【効率的】『どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法』井藤公量
どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、大手司法試験予備校で講師を勤めていた井藤公量さんの勉強本。某大手書店で平積みにされていたのでチラ見した上で購入しましたが、実は丁度1年前に出ていた作品でした。
アマゾンの内容紹介から。
合格の請負人・井藤公量があなたに贈る、高校・大学入試から、司法試験や公務員試験、各種の難関資格まであらゆる試験に通用する"ダイヤモンドルール"。
「中学、高校、司法試験という通算6年の浪人生活」から生み出された勉強法には、説得力がありました!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.試験が持つ4つの本質(1)時間的・物理的制約――決められた制限時間内で司題を処理する
(2)客観的正解の存在――誰が採点しても同じ点数になる公正・公平性が必要
(3)出題範囲とパターン――出題者が想定した答えを書かなければならない
(4)合格点――満点をとらなくていい
■2.封筒整理術
僕は、A4サイズの封筒に、たとえば刑法なら、おおざっぱに「構成要件」、「違法性」、「責任(錯誤論)」、「その他」とサインぺンで書いて、模試の問題と優秀答案あるいは参考答案を、検討するたびに該当する封筒に放り込んでいた。これだと、勉強しながら整理できるので効率的である。作業だけの時間は無駄なので、工夫することで極力減らすようにしよう。
■3.自分自身に講義をする
できなかった問題はその日のうちに復習して、復習したあとは、自分自身にその問題の講義をしてみることが重要だ。そして、なぜできなかったのか、何が足りなかったのか、どこを直せばいいのかといったことを、教訓として蓄積していかなければならない。そしてその蓄積を、普段の勉強にフィードバックさせるのである。
■4.縦に大量に反復する
大量の教材をどんどん反復しながらつぶすことが、学習教材のマスターには重要だ。
受験レべルで大切なのは縦の反復(始めから終わりまでをとにかく早く繰り返すこと)だ。短期間に大量の情報を一気にこなして、少し時間をおいてまた一気に処理する。この繰り返しが知識を活性化し、血肉化し、自由自在に操れる理解を生む。また、間違えたところは目立つようにマークしてておいて、さらにそこだけ重点的に何度も繰り返さなければならない。
ハイスピードで大量に頭に入れるのが成功の秘訣だ。頭に知識を圧縮してインプットしよう。その圧縮された知識がセンスを生み、思考の密度を高め、集中力を生み出すのである。
■5.記憶するために休憩時間に運動する
30分程度学習したら、必ず短時間(5分程度)の休憩をとろう。歩き回ったり、軽く運動をしたりするといい。
長期の記憶には、アドレナリンとノルアドレナリンが必要なのだ。アドレナリンは神経伝達物質である。ノルアドレナリンには、覚えたことを記憶に焼きつける作用がある。
この2つの物質は、肉体がストレスにさらされたときに発生する。そこで運動が必要となるのだ。
そして、運動のあとで必ず軽く復習する。これがポイントである。
■6.SQ3Rメソッド学習法
資格試験流にアレンジして説明すると、次のようになる。
ある参考書を読むとしよう。
(1)概観(Survey)
基本書の、章題・節題・大項目・小項日・見出しだけ(内容は無視する)をスピーディに読み流して、全体の構造を理解する。
(2)設問(Question)
題目や項目を設問形式に読み替えて、今、自分は何をしているのかに焦点を当て、その解答を探すように読む。(中略)
(3)精読(Read)
自分で読み替えた設問の答えとして本文を読み込んでいく。ただ読むのではない。精読するのである。虫の目で読むように心掛けよう。
(4)暗唱(Recite)
読み終えた部分を再現できるか、本を閉じて暗唱してみる。思い出せないなら再度精読だ。
(5)復習(Review)
(1)から(4)を各項目ごとに終了したら、全体の復習を一気にする。そして、時間をおいてこれを繰り返す。これで完璧だ。
■7.問題集のつぶし方
(1)まず、1冊の問題集の問題と答えをざーっと最後まで読む
(2)次に、問題集の問題を1問1問どんどん読んでつぶしていく
(3)問題だけを見て答えが浮かぷか1浮かぱないものは覚える
(4)解法のストックを増やして、自由自在に使えるようにする
【感想】
◆長々と書いてきましたが、実は本書は、その元となる本を7年前に読んでいました。試験に受かる超効率勉強法―司法試験の合格請負人井藤公量の
参考記事:「司法試験の合格請負人井藤公量の 試験に受かる超効率勉強法」 井藤公量(2005年03月29日)
本書は、上記の本を加筆・修正したもの。
確かに勉強本の中身は、多かれ少なかれ似たようなものになるのですが、さすがに7年前の記憶はありませんでした。
もっとも、この間にも色々と変わっている点(司法試験の制度等)があるので、前作をお持ちの方以外は、本書の方が良いと思います。
◆ちなみに上記参考記事がやたら短いのは、本の内容が薄いのではなくて、「読書マインドマップ」を作成するのに時間がかかっていたから。
当時の記事は皆、あの程度の長さ(&マインドマップの書き込み具合)でした。
「本全体を俯瞰する」という点では、マインドマップの方が優れているのですが、いざ実践できるか、というと、今の記事のスタイルの方が良いかな、と。
……そういうわけで、7年前からの読者さんがいたとしても、今回の記事も無駄ではないと思います。
◆と言うか、7年前と今では、私が読んだ勉強本の数がとてつもなく違うので、以前はピンと来なかった部分でも、今回は付箋を貼っているわけでして。
例えば、上記ポイントの3番目のお話でも「その日のうちに復習」というやり方はよく見ますが、「自分自身に講義をする」という部分は、読み流していました。
おそらくもっといいのが「他人に講義をする」ことなんでしょうけど、基本的に勉強は一人でやる前提ですから。
さらに、ポイントの5番目の「アドレナリン&ノルアドレナリン」の話は、類書でも見かけなかったような?
ただ、そう思って運動すれば、プラシーボじゃないですけど、記憶と健康のダブル効果が望めるかもしれません。
◆なお、重要な部分を抜き出す関係上、以前の記事でブーたれてた著者の井藤さんの体験談部分は丸ごとカット(当たり前)。
いつもの通り、テクニカルなことを優先したため、章で言うと第4章と第7章からの部分がほとんどです。
徹底した「パターン暗記」と、それを「条件反射」のレベルまで高めるのが井藤さんの勉強法の特徴であり、それこそが「合格の請負人」と言われるだけの合格者を輩出した秘訣かと。
「どういう問題集を選ぶべきか」等、他にも有益な情報がありましたので、この手のスタイルの勉強法(「身も蓋もない」的な)がお好みの方は、本書をぜひチェックして頂きたく。
もちろん、『試験に受かる超効率勉強法』の方をお持ちの方は、そちらでも構わないと思います。
未だ色あせない勉強法がここに!
どんな試験も1年で合格! 資格試験<超効率>勉強法
第1章 落ちこぼれのストラテジー
第2章 野望を胸に抱け
第3章 逆算思考で最短合格をつかむ
第4章 効率的に点をとる手段を考える
第5章 合格までの最短の期限を設定する
第6章 勝利へのモチベーション
第7章 合格するためのテクニカルスキル
【関連記事】
「司法試験の合格請負人井藤公量の 試験に受かる超効率勉強法」 井藤公量(2005年03月29日)【知的生産術】『"司法試験流"勉強のセオリー』伊藤 真(2012年04月08日)
【勉強法】『「1分スピード記憶」勉強法』宇都出雅巳(2012年04月06日)
【超快速】『コツコツできない人でも短期間でスイスイ受かる! 超快速勉強法』庵谷賢一,安田史朗(2011年08月25日)
【再びオススメ】「試験勉強の技術―東大・司法試験に一発合格」柴田孝之(2010年03月18日)
【ガチ系勉強本】「資格試験の合格技術」多田健次(2009年04月23日)
【編集後記】
◆本書と一緒に買われているという作品がこちら。3000人の指導実績を誇る人気No.1カリスマ講師が教える 資格試験の合格技術
上記関連記事の最後にレビューがありますので、ご参考まで。
ご声援ありがとうございました!
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