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2012年05月02日

【出世術】『入社10年後に活躍できる人、できない人』古川裕倫


入社10年後に活躍できる人、できない人 ― 新入社員のときから一生食えるプロを目指せ!
入社10年後に活躍できる人、できない人 ― 新入社員のときから一生食えるプロを目指せ!


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、元三井物産社員でホリプロ取締役でもあった古川裕倫さんの仕事術の本。

想定読者層が「入社3年以内の新人」ということで、オーソドックスなTIPSを中心にまとめられています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
上司や先輩との人間関係の築き方、いいメールと悪いメールの図解、新入社員が読むべき本のリストなど、新入社員の問題解決になるテーマが多く実用性が高い。
中堅・ベテランの社員も本書から「仕事のいろは」を振り返ることができる。
企業の若手社員育成のテキストとしての活用も可能。

ホント、こういう本を新人時代に読んでおきたかったです(今ごろw)。


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【ポイント】

■1.給料を決めるのは「自分」自身
 自分が成長し、会社の業績に貢献して、そこで初めて自分自身に成果が跳ね返ってきます。つぶれない会社にするのも、給料のいい会社にするのも、すべて自分の会社への貢献がもたらす結果なのです。
 よく居酒屋などで、「うちは給料が安くてさあ」とぼやく人を見かけます。これは極論すると「自分には能力がない」と言っているのと同じこと。自分の貢献が少ないがゆえに、自分に給料という成果が戻ってこないのですから。
 大切なのは自分を高めることです。そうすれば入社後10年して、あなたは上位20%の人の中に入り、社内での重要な分野に登用されて活躍していることでしょう。


■2.「目的」と「期限」を確認する
 仕事には必ず「目的」があります。その目的を明確にすることです。
 例えば、あなたが上司から資料作成を依頼されたとします。その際に、「誰が」「何のために」使う資料なのかを、事前に確認してから作業を進めるべきなのです。(中略)

 目的にプラスして、「期限」を聞いておくことも大切です。「いつまでに」の確認です。
 いくら精度が上がっても、期限までに仕事を終えなければ、せっかくの頑張りが水の泡になってしまいます。


■3.代替案のない否定はしない
 仕事に対しては、常に自分なりの意見を持って臨むべきです。時に、現状を否定するようなケースでも、上司に自らの意見を通せる人は、同期の中で一目置かれる存在になり得るでしょう。
 ただし、単に「○○はよくない」といった否定的な意見を述べるのでは、まったく意味がありません。現状否定は誰にもできます。否定するだけでは、何の問題解決にもなっていないのです。

 現状に不満があるなら、類似する問題に他社はどう対処しているかなどを調査して、現実的な代替案を出さなくてはならない。入社3年たってもそういうことができず、不平ばかり言っている人は、いずれ会社に不要の烙印を押されてしまう可能性が高いのです。


■4.上司から聞かれる前に報告する
 上司から聞かれる前に、自分から報告することを肝に銘じてください。そもそも、「あの件は今、どうなっている?」と聞かれること自体がまずいのです。
「ちょっと教えてくれる?」「今、いいかな?」「何度も悪いけど」と優しく声がけしてくれる上司も大勢います。ですが、そう言われて初めて、報告すればいいという姿勢は大きな問違いです。
「教えてくれる?」は「ちやんと報告しろ」、「何度も悪いけど」とは「わかるように脱明せよ」という、上司からの催促のサインなのです。


■5.小さな「完了報告」をしっかりする
 上司からちょっとした仕事を頼まれたときに、「はい、わかりました」と答えることは誰にでもできます。
 しかし、頼まれた仕事を終えたあとに、「○○、終わりました」と完了報告をする習慣が多くの人に身についていません。実際、私が部下を持つようになってから、なぜ彼らからの完了報告がないのかと、何度も疑問に思ううことがありました。
「○○の件、終わっています」という完了報告は、2秒もあればできます。とくに新人は、完了報告をすることで、上司を安心させることです。この報告ひとつで、上司のあなたに対する信頼度は大きく違ってきます。


■6.上司に叱られている時こそメモを取る
 とくに上司から叱られているときには、その場でメモを取ることを徹底していました。メモを取っている姿勢を上司が見れば、「こいつはオレの言っていることをちゃんと理解しているな」と感じます。
 そのおかげか、上司の怒りが静まっていき、叱られる時間を短縮できました。
 そもそも、上司に呼ばれてメモや筆記用具を持たずに行くのは失礼な話です。メモも取らずに話をただ聞くだけでは、「こいつはわかっているのか」と思われ、上司はいつまでも叱り続けることになるでしょう。


■7.「定性」「定量」の両面から説明する
 例えば、「ラーメン屋のA店はすごく繁盛しているらしい」「つけ麺が絶品のうまさと評判のようだ」というのが定性的な説明。特性を示す主観的な評価による表現です。
 一方、定量的な説明とは、具体的な量や数字で物事を示す方法です。
「A店の売り上げは○○地区で3本の指に入るらしい」「平均客単価は〇円、1日〇人のお客が来るそうだ」と、数値など具体的なデータをもとに評価した表現です。(中略)

 ひとつのことを語る際に、定性と定量の両面から説明するからこそ、話の内容に厚みが出て、説得力も増すのです。


【感想】

◆本書は帯にかなり大きく「新人のための仕事のバイブル」というキャッチコピーが掲載されており、本来であれば、そういった若手に手に取ってもらうべき本だと思います。

なのに、新人向けらしからぬ(?)ラフな格好でリラックスした人物が写っている装丁は、アラフィフである私をガッツリ捕えてしまい、思わず購入に至ったというw

同じく帯に「新人教育に悩む、上司や企業の研修担当者必読!」とあったので、書店員さんは私がそういう用途で買ったと思われているかもしれません。

ざーんねん、自分で読むのでしたw

いや、マジで、いい年した私でさえ、ぁゃιぃ部分がありましたし。


◆例えば、上記ポイント4番目の「上司から聞かれる前に報告する」というのは、少なくとも私は会社員時代はほとんどできておりませんでした。

そもそも経過報告もしておらず、途中で聞かれた際に、やっと「現在のところ……」といった報告をしていた程度。

同じように5番目の「完了報告」も、聞かれてやっと「あ、それなら終わってます」と事後報告。

……よくぞ「そこそこの評価」でいられたものです。


◆なお、冒頭の「内容紹介」で触れられていた「新入社員が読むべき本のリスト」は第6章に収録。

著者の古川さんほか、古川さん主催の「世田谷ビジネス塾」のメンバーの方々が選書を行なわれています。

『7つの習慣』『人を動かす』といった定番本から、本田直之さんの『レバレッジ勉強法』といった新し目の本まで計30冊。

新人ならずとも、押えておいた方がいいな、と思う本が何冊かありましたので、興味のある方は、本書にてご確認ください(塾生が空気を読んで古川さんの本が何冊か入ってますがw)。


◆もちろん、新人向けなだけあって、本書は「電話対応」やら「挨拶」やら「時間厳守」といった「お約束ネタ」も一応収録しております。

この辺は、当ブログで今までご紹介してきた類書でもほぼ同様であり、ネタが被るのはある程度ご了承頂きたく。

むしろ、新人だけでなく、新人を指導する先輩が読むことを意識したかのような記述に、私は好感を持ちました。


入社時からトップ2割の社員を目指す方に!

入社10年後に活躍できる人、できない人 ― 新入社員のときから一生食えるプロを目指せ!
入社10年後に活躍できる人、できない人 ― 新入社員のときから一生食えるプロを目指せ!
第1章 社会人としての「心構え」
第2章 仕事の「基本」をまずマスターしよう
第3章 「1年以内」に仕事ができる人になるための習慣
第4章 「信頼される人、信頼されない人」の違い
第5章 「できる人」の話し方&コミュニケーション
第6章 自分をプロにまで高める「学び」の方法
第7章 小さくまとまるな。「大きな器の人間になろう!」


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【編集後記】

◆本書の「新入社員が読むべき本のリスト」の中から。

超一流企業トップが明かす 20代に必ずしておくべきこと
超一流企業トップが明かす 20代に必ずしておくべきこと

この本の著者は、古川さんのメンターでもある島田精一さんでした。


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