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2012年04月13日

友達には秘密にしておきたい『時間を最高に活かす17の技術』





【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の未読本記事でご紹介した時間管理に関する1冊。

とはいえ、内容的には下記目次をご覧頂ければお分かりのように、ビジネススキル全般に渡る幅広いものとなっております。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
来客、電話、メール対応など時間の中断が多くて困る。
そんな時間泥棒になりうる様々な要因にいかに対応し自分にとってベストな時間を管理できるか。
ビジネスマネジメントの専門家二人がつづった時間管理の17の技術。

いわゆる「ライフハック好き」の方なら、きっとツボにはまるハズ。

なおタイトルは、お馴染み「ホッテントリメーカー」のお世話になりました!


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【ポイント】

■1.自分の強みを理解する
 たいていの人は、何が得意なのか自分でわかっていると考えているが、それが間違っていることも多い。自分の強みを理解するために、フィードバック分析を利用しょう。まず、重要な決定をする際に、期待する結果を紙に書いておく。半年〜9ヵ月後に、期待していた結果と実際の結果を比べ、期待どおりもしくはそれ以上にうまくいったことがらが自分の強みである。1〜2年これを繰り返すうちに、あなたの真の強みがはっきりしてくる。


■2.先のばしの傾向がある人の特徴
 繰り返し先のばしをする人は、外部からの中断を受けることが多くなる。なぜなら、重要な問題を解決しなくてはならないという「いやをこと」を先送りできるので、無意識に中断を歓迎しているからだ。ほかには、細部にこだわりすぎて全体的な混乱を招く、というかたちでの先のばしがみられる場合もある。たいてい、机に置いた「未決書類入れ」やパソコン上の「やることファイル」にどのくらい仕事がたまっているかを見れば、先のばしをする傾向があるかどうかがよくわかる。


■3.昼食後の眠くなる時間帯の対処法
 たいていの人は昼食の直後、なかなか調子が出ずに、少し眠りたいと感じる。この眠気に対処するいちばんの方法は短い仮眠をとることである。(中略)

 もうひとつの対策は、重要度が低い簡単な仕事を半ダースほど、短時間ですばやく片付けることだ。結果として得られる達成感でアドレナリンが分泌される。また、昼食後すぐに重要な仕事にとりかかると考えると気が滅入るような場合は、昼食の前にその仕事に手をつけておくとよいだろう。


■4.深く集中するまでの時間を短縮する方法
一度にひとつの課題に取り組む

ある課題に取り組み続ける最低限の時間を設定する

自分に報酬を与える

隠れ場所をもつ

労働時間を変える


(詳細は本書を)


■5.同じ書類を2度見ないためのTIPS
 それぞれの書類に目をとおすのは1度限り、読んだらすぐに対処方法を決定することにしよう。そうしたルールを設けずに同じ書類を2度読むとしたら、その仕事に2倍の時間をかけていることになる。10章で提案したように、同じ書類を何度も見ているかどうかを確認するひとつの方法は、何か書類を手にしたときにはいつも用紙の上隅にえんぴつで点をひとつ打つことである。何度も点が打たれている書類があったら、それはあなたに書類を何度も見る傾向があるということだ。


■6.聞き取りがうまい人とそうでない人との違い
 実験室で行われた実験によれば、英語圏では、人は1分間に100〜200語のスピードで話し、1分間に約600〜800語で考える。ここで生じる思考の余裕をどうやって利用するかが、話をどの程度効率よく聞き取れるかを決定づける大きな要因となる。聞き取るのがうまい人は、余った時間に話者が言ったことを思い返しながら、話の構造を把握したり、表情やジェスチャーなど意味ある非言語コミュニケーションを観察したりしている。平均的な練習不足の聞き手はこの反対の行動をとる。脳が話の理解を邪魔する行為にふけるのだ。たとえば午後の仕事の予定をたてたりする。これが会議中に起こると、最後に話した人の発言を聞き逃すことになる。


■7.電話に効果的に対処できるようになるための方法(抜粋)
●電話をかけようとして受話器を取り上げる前に、それがいちばん効率のよい時間の使い方かどうかを考える。電話をかけるべきだと判断したら、相手に伝えることを整理しておいて、できるだけ手短に伝えるようにする。

●社交会話は控える。失礼にならない範囲で、当面の用件についてのみ話す。

●はじめと終わりの言葉がもつ効果を利用する。人は最初に聞いたことと最後に聞いたことがいちばん記憶に残りやすい。だからまず要旨を手短に述べて、それから詳しい説明を行い最後に重要な点をまとめて締めくくる。


【感想】

◆タイトルから想像した本書の内容は、お馴染みの「緊急度×重要度のマトリックス」のような、いわゆる典型的な「時間術本」でした。

もちろん、それに近い内容や、今回は割愛した「行動計画の立て方」のようなお話もあるのですが、本書はそれだけにとどまらず、「読む」「書く」「聞く」といった「知的生産系」のお話にもページを割いています。

結局のところ、読み書きや電話、さらには会議等も、効率的に行うことによって時間が捻出されるわけで、最終的には「時間を活かす」ことにつながっていると言えるわけで。

むしろ、本書のように「幅広いテーマ」で「濃い話だけ」をすることで、本自体のクオリティはかなり高いものとなっていると思います。


◆中でも、類書であまり見かけなかったのが、上記ポイントの6番目に挙げた「聞く技術」のお話。

「思考の余裕が、かえって話の理解を邪魔する」という指摘は、目からウロコでした。

そういえば私は、何かを暗記する時に、書きながらだと絶対に覚えられないのですが、それは「考えるスピードに比べて書くスピードが遅すぎるから」だ、と今さらながら判明。

要は、覚えたい対象を紙に書いている間、頭で別のことを考えてしまうのを止められなかったんですよね。

いずれにせよ、本書によると「聞き手に耳を傾ける準備ができていれば、話し方が少々まずくとも内容はきちんと伝わる」そうなので、口頭でのコミュニケーションスキルを高めるために、「聞く技術」も身に付けたいところ。

私のように(?)「他人の話を聞かない傾向がある人」は、第13章必読です。


◆また、本書の特徴の1つとして「TIPSが箇条書きで列挙されていること」が挙げられるかと。

具体的には、上記ポイントの7番目のような感じです。

「〜は次のとおり」「〜の方法を次に挙げる」「次の項目に当てはまらないかチェックしてみよう」「次の落とし穴に注意すること」etcetc...

いかにも「ハウツー本」と言うか、「ライフハック本」らしい(?)のですが、それが読みやすさにつながっている気が。


◆同時に、必要に応じて、表やグラフが掲載されている点も、ポイントが高いと思います。

画像は控えますので、タイトルだけいくつか列挙してみると……。

●バランスシート・グリッド(潜在的なリスクと利益について分析)

●5つのドライバー メリットとデメリット

●タイムログ

●職務分析表

●個人用時間分析フォーム

●委任チェックリスト


詳しくは、本書にてご確認を。


仕事術・ライフハック好きなら必読!

時間を最高に活かす17の技術
時間を最高に活かす17の技術
第1章 まず目標を定める
第2章 余暇時間の増やしかた
第3章 時間をどう使いたいか
第4章 「先のばし」の悪習を克服する
第5章 時間管理をさまたげる「心のカベ」をこわす
第6章 集中力が最大化する「プライムタイム」
第7章 実のところ時間を何に使っているのか
第8章 目標と「やること」を管理する
第9章 オフィス環境で時間を節約する
第10章 仕事のひんぱんな「中断」を避ける
第11章 あふれる書類と情報を管理する
第12章 読み書きの効率を最大化する
第13章 聞く技術で差をつける
第14章 電話につかう時間を短縮する
第15章 あなたの時間を奪う上司に対応する
第16章 ほかの人に仕事を任せる
第17章 会議の効率をアップする


【関連記事】

ビジネスの達人がこっそり教えてくれる『「先延ばし」にしない技術』の真実(2012年01月09日)

【時間術】『「結果を出す人」の手帳の秘密』美崎栄一郎(2011年10月22日)

【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)

【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)

【時間術】「エンジニアのための時間管理術」Thomas A. Limoncelli(2008年06月13日)


【編集後記】

◆あの「コンビ」が帰ってきました!?

人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない
人は自分が期待するほど、自分を見ていてはくれないが、がっかりするほど見ていなくはない

『憂鬱でなければ、仕事じゃない』に続く、幻冬舎社長の見城 徹さんと、サイバーエージェント社長の藤田 晋さんの共著。

それにしても、なんつー長さのタイトルかw


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