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2012年04月10日

【話し方】『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』平木典子


アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)
アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法 (講談社現代新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「アサーティブなコミュニケーション=アサーション」について掘り下げた1冊。

2月に出た本ですが、積読状態になっていたのを今般サルベージしてみました。

アマゾンに説明がほとんどないので、版元サイトから。
コミュニケーションがうまくいかないときや人間関係が難しいとき、「アサーション」を理解すると、関わりを建設的に変えることができます。「自分も相手も大切にする自己表現」を意味するアサーションは、私たちの会話を心理学の知恵をもとに読み解き、日常のやり取りに変化と充実感をもたらすコミュニケーションの方法と関わり方です――<「はじめに」より>

本書にあるようなちょっとした心がけで、人間関係が好転するかもしれませんよ!?


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【ポイント】

■1.自己表現の3つのタイプとは?
 第一に、自分よりも他者を優先し、自分は後回しにする自己表現。第二に、自分のことだけをまず考えて行動し、時には他者をふみにじることにもなる自己表現です。この2つは、対照的というか両極端です。第一の自己表現は「非主張的(non-assertive) 自己表現」、第二のタイプは「攻撃的(aggressive) 自己表現」と呼ばれています。
 この2つのタイプに対して、第三のタイプは、第一と第二のちょうどよいバランス=黄金率とも言えるもので、自分のことをまず考えますが、他者のことにも配慮する自己表現です。これがアサーションです。


■2.償う/謝ることも権利
失敗をしたら謝る、そして相手はそれを受け入れる、それが、人間が犯す過ちが生じたときのアサーティブなやり取りなのです。
 謝ることによって、そしてそれが受け止められることによって、完璧には償うことができない出来事への真の反省と、できる限りの償い、そしてそれを受け入れてくれる相手への感謝も生まれるでしょう。
 先に述べたように「謝ることは権利」です。被害を受けた方は「相手の謝罪の権利を認める」、そう考えて謝罪を聴くのです。


■3.一人で対応できそうもないときは相談する
 誤解されやすいのですが、人に相談することを必要と認め、決心するのは、「逃げ」や「非主張的自己表現」ではなくアサーションです。
 また、検討した結果、危険が大き過ぎて実行不可能と予測したら、危険に近づかず、計画を取りやめるのもアサーションです。
 検討して「止める」「やらない」決心をすることは、非主張的になったのではなく、「自分が止めると決め、そのことに責任をとる」という意味で、アサーティブな行動なのです。


■4.「以心伝心」には頼らない
 たとえば、列に並んでいて、横から人が割り込んできたと感じたとき、いきなり「並んでください」と自分の要求を言うよりも、「ここ、並んでいるんですよ」と客観的状況を伝えると、話し合いがしやすくなります。それを伝えただけで、後ろに並び直す人もいるでしょう。情報や状況を共有することは、互いにとって交渉や話し合いをしやすくする共通基盤となり、同じ土俵に乗って話し始めることができます。もちろん、互いに十分に状況や事実が分かっているときは、必要ありません。


■5.「私メッセージ」で気持ちを伝える
 たとえば、「大声を出さないで」「早くしなさい」「だらしない」などの表現の主語は、誰になっているでしょうか。「(あなたは)大声を出さないで」であり、「(あなたが)早くしなさい」「(あなたが)だらしない」と言っています。つまり、「あなたメッセージ」になっています。
 では、この表現を「私」を主語にして言うとどうなるでしょうか。
 大声に聞こえているのは私ですし、早くしてほしいのも私、だらしないと思っているのも私です。ということは、「私には声が大きく聞こえるので、小さくしてほしい」であり、「私が急いでいるので、急いでほしい」「私にはだらしなく思える」です。つまり、「私メッセージ」にすると「(私が)声を小さくしてほしい」であり、「(私が)急いでほしい」「(私には)だらしないと思える」になります。
 自分が感じたり、思ったり、お願いしたりしたいことを、あたかも相手がそうしているかのように断定的に「あなたが〜だ」と決めつけると、相手は「そんなことしていない」と思うかもしれません。その結果、気まずくなったり、後味が悪い思いをしたりするでしょう。
 そんなときは、「あなたメッセージ」を使っていないかふり返ったり、「私メッセージ」にするとどうなるか考えてみると、より率直で、決めつけに聞こえないメッセージを発することができるようになるでしょう。


■6.「なぜ〜?」「どうして〜?」を言うときは気をつける
「なぜ〜?」「どうして〜?」という表現には、理由など聞くつもりはなく問答無用で責める意図が含まれやすいのです。
 そのため誤解される可能性が高い言葉ですから、理由やいきさつを聞きたいとき、「なぜ〜?」「どうして〜?」は使わないでどのような言い回しができるか、考えてみましよう。たとえば、「意図や理由、いきさつについて知りたい」とか「聞かせてほしい」と伝えることでしょうか。


【感想】

◆上記ポイントの5番目がやたら長くなってしまったので、今回もこの辺で。

その「私メッセージ」については、似たようなお話が、こちらの本でも紹介されていました。

たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック
たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック

参考記事:【話し方】「たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック」アラン・ガーナー(2010年06月06日)

この本を読んだ時は、記事にも書いたように「パラダイムシフト」に感じた記憶が。

当時は結構意識していたのに、最近ではついつい忘れておりました。

特に子育てをしていると、子どもに対して「あなたメッセージ」を連発しがちなので、気をつけねば。


◆上記ポイントの最初で、自己表現の3つのタイプが説明されていますが、アサーションな方は当然いいとして、やはり問題なのは「非主張的(non-assertive) 自己表現」な方。

特に職場の上司が「攻撃的(aggressive) 自己表現」だったりすると、ストレスが溜まりまくります。

それがある日突然爆発すると「ふだんはおとなしくて優しい○○さんが、突然キレた」と言われてしまうという。

一方、「攻撃的自己表現」の方も、その場では主張が通ったにしても、敬遠されたり、孤立したりする可能性が大。

やはり自分だけでなく相手も尊重する「アサーション」なふるまいを身に付けるべきでしょう。


◆また、割愛した中で興味深かったのが、アサーションを小学校で子どもたちに教えるとき、「ドラえもん」を活用しているという先生のお話。

たとえば、「隣の席の子どもに黙って消しゴムを取って使われ、そのまま返してもらえなかった」らどうするか?

その時、「ドラえもん」のキャラだったら、何と言うか問いかけます。

子どもたちの回答は、ジャイアンだったら「消しゴム返せ」、のび太だったら「何も言わないで黙っている」等々。

静香ちゃんについては、「消しゴム済んだら返してね」「今度使いたいときは、『貸して』と言ってね」といった台詞を考えます。

そこで先生が「じゃあ、みんなはどの答えが好き?」と聞くと、「静香ちゃんの言い方が気持ちがいい」、と。

その理由は「自分の言いたいことをきちんと言って、相手のことも大切にしているから」だそう。

まさにアサーション!!


◆そもそも、最初にアサーションというかアサーティブな考え方について知ったのは、この本ででした。

インディでいこう!
インディでいこう!

参考記事:「インディでいこう!」ムギ(勝間和代) (著)(2006年03月25日)

いやー、勝間さんの記念すべき1作目ですよ、これ。

その頃から、考え方として知っていながら、未だ習得できていなかったワタクシ。

今般、本書によって改めて「アサーティブ」に振る舞おうと決心した次第です。


自分も相手も大切にするために!

【関連記事】

「インディでいこう!」ムギ(勝間和代) (著)(2006年03月25日)

【オススメ】「断る力」勝間和代(2009年02月19日)

【話し方】「たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック」アラン・ガーナー(2010年06月06日)

【処世術】「認められる力 会社で成功する理論と実践」太田 肇(2009年02月26日)

【会話術】相手を傷つけないようにモノをいう「8つのポイント」(2011年05月08日)


【編集後記】

◆アマゾンランキングで見かけた1冊。

圧倒的な価値を創る技術[ ゲシュタルトメーカー]
圧倒的な価値を創る技術[ ゲシュタルトメーカー]

タイトルや内容は面白そうなんですけど(ry


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