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2012年04月06日

【勉強法】『「1分スピード記憶」勉強法』宇都出雅巳


「1分スピード記憶」勉強法
「1分スピード記憶」勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログでは多くの著作をご紹介してきている、宇都出雅巳さんの最新作。

今回は資格試験のみならず、英語学習法にも触れられています。

アマゾンの内容紹介から。
「記憶したがる脳」になる。記憶力が高まると、24時間が10倍充実する。誰でもかんたん、“頭の使い方”がうまくなる最高の方法。

キャンペーンもあるとのことなので、これは見逃せません!


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【ポイント】

■1.「1度に覚える量」を減らす

◆本書は第1章で記憶力について言及しており、具体的な「1分スピード記憶法」については、2章から解説されています。

その「1分スピード記憶法」の重要ポイントは6つ(詳細は本書を)。

その中で、私が「なるほど確かに」と思ったのが、『「1度に覚える量」を減らす』というもの。
「覚えられない……」「面倒だな」と感じずに、ラクにくり返しができるまで、量を少なくしてください。
 たとえば英単語を10個覚えるためのくり返しができなければ、半分の5個のくり返しに専念します。そうすれば、10個のときより、くり返しがラクになるでしょう。

「でも、10個全部覚える必要があるんです!」
 といわれるかもしれませんが、だからこそ減らすのです。
 覚えるためにはくり返しが不可欠なのですから、いったんは目標の量を減らしてでも、回数を多くくり返したほうが、結果的には覚えられることになります。
私が税理士試験の理論を暗記する際も、とにかく最初は「1度に頭に入る量」「その場で暗誦できる量」からスタートしていました。

そうやって1つの理論を細かく分けて、順を追って暗誦していき、最後まで行ったら先頭に戻って、今度はもうちょっとだけ量を増やして、また暗誦。

この辺のやり方は、先日ムスメの九九で実践させてみました。

参考記事:【備忘録】資格試験方式でムスメに九九を教えた話(2012年02月01日)

いずれにせよ、最初は少ない量から始めるのが吉かと。


■2.記憶したら、ただちに繰り返す

◆もう1つ、「1分スピード記憶法」のポイントから。

くり返すのは当然として、それも「記憶したら、ただちに」というのがミソ。
 記憶というものは、覚えた直後ほど忘れるスピードは急激で、時間がたつにつれてだんだんと緩やかになります。
 だからたとえば、本を読み終わったらすぐにくり返す。最初から一字一句読む必要はありません。目次を見て、読んだ内容を思い出してみるだけでも効果があります。
 本を読んでいる途中で振り返ってみるのも効果的です。

 試験勉強でも、何かを勉強したら最後にもう一度思い出してみる、テキストや問題集をサッと読み返す、単語を1O個覚えたらすぐもう一度さらう。
 翌日も、いきなり新しいところを勉強する前にまずは前日勉強したところを大雑把に振り返っておく。
 こんなふうに、「覚えてすぐにくり返す」を習慣づけること。それが、くり返しをラクにし、効率よく記憶するために有効なのです。
やった内容をふり返る、というのは、多くの本でも言われていることです。

ただし、「ただちに」という点については、必ずしも触れてないこともあるので、改めて心にとめておきたいな、と。


■3.択一式試験は、過去問を「読む」

◆本書の大きな特徴が、資格試験の勉強法を「択一式」と「記述式・論述式」の2つに分けて解説していること。

これは結構珍しくて、一般的な勉強本ではそこまで細かい論点に触れてませんし、逆に資格の勉強本では、資格ごとにそれぞれ分かれているため、同じ本に一緒に掲載されることがないからかと。

さて、まずは「択一式試験」について。

こちらでも「択一式試験」突破のためのポイントが6つ挙げられています。


◆内容については、やはり本書をご覧頂くとして、その前提となるのが『過去問は「読む」』という考え方。
「過去問なのに、解かなくていいの?」
 と思われるかもしれません。そうなんです、過去問を解く必要はありません。
「過去問を解くな」というのには、もちろん理由があります。
 まず、試験勉強を始めてすぐの時期は、解けない問題ばかりのはずなので、解こうとして考える時間が無駄になります。(中略)

 さらに、実際の試験では問題数も多く、じっくり考えている時間はありません。(中略)

 あなたが目指すべきは、「過去問の選択肢の一つひとつの文章、穴埋めをした文章を見て、すぐに正しい、間違っていると反応できる」ことなのです。
私自身は択一式の資格試験を受けたことがないので、あまり言及できないのですが、宅建や行政書士といった資格をお持ちの著者さんも、おおむね同じような考え方でいらっしゃるような感じ。

ちなみに、宇都出先生も行政書士の資格をお持ちです。


■4.記述式・論述式試験は、「ページ単位で記憶」する

◆次に「記述式・論述式試験」について。

こちらは、「択一式」と違って「テキスト1冊分の細かい知識を漏れなく正確に記憶することが必要」とのこと。

本書の中で私が個人的に腑に落ちたのが、「ページ単位で記憶する」という考え方でした。
「最初のぺージに書いてあったのは……」
「○○については、左のページに書いてあった」
「△ぺージの真ん中あたりに表があった」
 と、「ぺージ」という区切りが記憶のガイドとなります。

 ページ単位で頭に入れていくメリットは、「覚えたことを引き出しやすくなる」ということです。
 たとえば、何度かくり返し読む中で、次のように自分に質問してみましょう。
「最初のぺージの上のほうには何が書いてあっただろう?」
「左のぺージにあった○○の表の下に、何かの説明が書いてあったけれど、それは何だろう?」

 こうして自分自身に質問を投げかけ、またテキストをくり返し読むことで、記憶が強化されていきます。
 頭の中の知識に決まった「収納場所」が与えられ、整理されていくのです。
以前、どこかで書いたかもしれませんが、私は覚えるべき理論を「多色使いでマーキング」していました。

それによって、「左のページの真ん中にオレンジの枠があった」「右のページの最初に青のかたまりがあった」といった具合に思いだしていたのですが、これって、要は「ページを記憶していた」んだな、と。

……受かって10年以上経ってから、初めて気がつきましたがw


■5.動画教材も短時間でくり返して観る

◆本書の第5章では、「1分スピード英語勉強法」について解説されています。

正直私は、英語の勉強法については掘り下げてないので、細かい点については触れられませんが、1つ面白かったのが、映画等の教材も「短時間に絞り込んで、くり返す」というやり方。
 さて、「教材」が手に入ったら、そこからあなたの好きなシーン・場面を選びます。まずは1分程度に絞り込みましょう。
 そう、ここでも本と同じように、ラクにくり返せるように「範囲を絞り込む」わけです。
 このように、自分からくり返したくなる教材を選ぶことが、ラクにくり返して記憶するためのポイントです。

 1分程度のシーンでも、最初は何のことかわかからないかもしれません。でも、何回、何十回とくり返していけば、だんだんと言葉がなじんできて、ラクに聞けるようになります。
他の英語勉強本でも言われていることかもしれませんが、「少ない量をくり返す」というやり方は、上記の資格試験の勉強法とも同じですね。


【所感などなど】

◆下記目次をご覧頂ければお分かりのように、本書は5つの章から構成されており、指摘はしなかったものの、資格試験の勉強法については、第4章が充てられています。

そして、今回完全に割愛しているのが、第3章の「1分スピード読書法」。

これはまぁ、勉強法とは違いますし、宇都出先生の読書については、この本をご覧頂ければ宜しいかと。

どんな本でも大量に読める「速読」の本
どんな本でも大量に読める「速読」の本

参考記事:【速読】『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出雅巳(2011年09月27日)

「ドラッカーの『マネジメント』を記憶しながら速く読む!」なんて斬新な試みもされてますがw


◆一方、それ以外の章については、広い意味での「勉強法」が満載。

上記で、本書に関して『資格試験の勉強法を「択一式」と「記述式・論述式」の2つに分けて解説している』と申しあげましたが、逆に、両タイプの受験生を読者層として想定しているのだと思います。

加えて、英語勉強法についても触れられている以上、どれだけ広い層に訴求しようとされてるのかw

もっとも、英語に関しては、こちらの本があるので、それとの兼ね合いだとは思いますが。

英語は「速く何度も」繰り返せ!
英語は「速く何度も」繰り返せ!

参考記事:【英語】『英語は「速く何度も」繰り返せ!』宇都出雅巳(2009年03月11日)


◆ところで私の場合、なまじ宇都出先生の本を大量に読んでいるため、勉強法としてのネタが微妙にかぶるのは致し方ないところ。

今回「1分スピード記憶勉強法」というフレーズを使われているのも、「高速大量回転法」の「回転」というのが業界(資格試験業界w)用語で分かりにくいからではないかと、思っているくらいでして。

ただ、本書では「場所法」のような「イメージを使う」記憶法が登場していましたが、これは過去の著作になかったような(?)。

いずれにせよ、上記で述べたように、自分の勉強法について改めて整理できただけでも、私は本書を読む価値がありました。


「宇都出式勉強法」の総まとめ的1冊!

「1分スピード記憶」勉強法
「1分スピード記憶」勉強法
はじめに 不思議なぐらい、ラクに覚えられて、忘れない
     一生モノの勉強法

第1章「記憶力」は誰でもかんたんに、すぐ高められる

第2章 最速で覚えて、ずっと忘れない「記憶したがる脳」に変わる法

第3章 記憶しながら速く読む!
「1分スピード読書法」

第4章 資格試験・大学受験も最短でクリア!
「1分スピード試験勉強法」

第5章 楽しみながら確実に上達!
「1分スピード英語勉強法」


【関連記事】

【力作!】『合格(ウカ)る技術』宇都出雅巳(2011年02月24日)

「速読勉強術」宇都出雅巳(2007年02月03日)

【英語】『英語は「速く何度も」繰り返せ!』宇都出雅巳(2009年03月11日)

【速読】『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出雅巳(2011年09月27日)

【読書術】「速読・多読でビジネス力が高まる!スピード読書術」宇都出雅巳(2008年06月23日)


【編集後記】

◆本書で「英語学習用のテキスト」として用いられている本。

たった「80単語」!読むだけで「英語脳」になる本 (知的生きかた文庫)
たった「80単語」!読むだけで「英語脳」になる本 (知的生きかた文庫)

なかなか面白そうです。


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