2012年03月24日
【頭と心】『仕事と無理なく両立できる 毎日続く勉強法』多田健次
仕事と無理なく両立できる 毎日続く勉強法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、公認会計士の専門学校の人気講師である、多田健次さんの勉強本。多田さんの本といえば、以前スパルタな勉強本をご紹介したことがありました。
参考記事:【ガチ系勉強本】「資格試験の合格技術」多田健次(2009年04月23日)
それに比べると、本書はテクニック的にはややマイルド。
その代わり、前作出版後、心理学検定1級やメンタルヘルスマネジメント検定マスター資格といった資格を取られたこともあってか、メンタル面でのアドバイスが加わっています。
伸び悩んでいる方、勉強疲れの方、勉強が辛くなってきた方には、救いの1冊となるかも!?
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.合格のために「理解」が鉄板暗記する勉強と深く理解する勉強のどちらが有効かといえば、受験における「合格」を目指すうえでは、私は暗記を軸に進める方法が「鉄板」だと考えます。
問題集と同じような問題が本試験で出題されるならば、確実にそれを正解できることが大切だからです。テキストの内容をだいたい把握できれば、あとは問題を通じて解答のパターンを覚えていくほうが、シンプルに合格ラインに到達できます。
深く理解しておくことが求められるような応用問題は、解けなくとも合否に影響することはほとんどありません。
■2.「33分サイクルメソッド」で時間対効果を上げる
・30分で一区切りとする
・頭に残すことを明確にしてから勉強に取りかかる
・30分で学んだことを3分間で要約する
これは、30分で必ず休憩を取るという意味ではありません。あくまでも、勉強内容を振り返るために30分単位で区切りを入れるのです。
取り掛かる前に「○○という内容を説明できるようにする」「△△の定義を言えるようにする」など、頭に残したいことを明確にします。30分経ったら、その目的が達成できたかどうかを3分間で確認する、ということです。
この一連の流れをワンセットとして、可能な限りセット数を増やすことで、質を高めながら量を増やすことができるようになってきます。
■3.上位成績者のことは気にしない
ボウリングは、ピンを倒すことをとおして、スコアの高い人から順位が決まるスポーツですが、これは、点数が高い者から合格していく競争試験と似ています。
また、「点を奪い合う」テニスなどと違って、ボウリングは相手がピンを倒すことに対して、どうすることもできません。この点も、ライバルの点数や成績をどうすることもできない競争試験と似ていると言えます。
結局、相手に勝っためには、ボウリングの場合であれば、思いどおりにボールをコントロールする技術を磨くこと、試験であれば、試験問題を攻略するためにインプット量を増やし、理解力を高めておく必要があるのです。
つまり、結果的には相手と競争していても、自分のレべルを上げることが最重要だということです。
■4.「休みは必要」と言い聞かせる
真面目な人は、休息をとることに罪悪感を持ってしまうことも少なくありません。
しかし、「休息」と「サボリ」は違います。
サボるというのは、勉強できる体勢でありながら、目の前の楽しい誘惑に負けてTVを見てしまったり、ちょっとわからない内容が出てきたときに、理解しようとすることなくすぐに勉強を放棄したりすることです。
一方、休息は、自分の体調をしっかりと管理し、計画的に身体と気持ちをメンテナンスする時間を取り入れることです。
「休みをとっても大丈夫!」。むしろ、継続的に勉強するためには「休息は必要だ!」と自分にしっかり言い聞かせるようにしてください。
■5.完璧主義を捨て「今日できたこと」にフォーカスする
受験は合格点を取ることが目的なのであって、トップで合格する必要はありません。
完璧主義者は、「テキストに書かれていることはすべて理解しなければならない」「問題集はすぺて正解できるようにしなければならない」と考えます。少しでもわからないことがあるとそれが気になって先に進めなくなるのです。(中略)
こだわりを一切捨てろとは言いません。
しかし、受験では完璧を求めすぎないことも大切なことなのです。
そのためには、今日できたことをしっかりと見つめてください。ちょっとくらいできなかったこと、わからなかったことがあっても、前に進む勇気を持ってください。
■6.一気に新鮮な気持ちになれる「ゼロリセット」法
私は、これから公認会計士の受験勉強を始める人たちを対象に、受験勉強に対する心構えやスケジュールなどについて説明するオリエンテーションを年に数回担当し、次のような話をしています。
「今の気持ちを手帳に書き込んでおいてください。できれば、講座を申し込むまでの葛藤や、最終的に勉強すると決断した理由などもメモしておきましよう。この先、どこかで勉強が楽しくないと思うようになったとき、今書き込んだ内容が、きっとあなたに元気を与えてくれるはずです」
実際に、会計士試験に合格した人から「あのときにメモを残しておいてよかったです。勉強をすることが辛くてどうしようかと悩んでいるとき、メモに助けられました」といった話も聞いています。
■7.受験をする上での「10の問題行動」(抜粋)
●実現困難な目標を忘れようとする
●いつも言い訳をしてしまう
●勉強のストレスを家事のやりがいにすり替えてしまう
●失敗を「悪い夢」として処理してしまう
●勉強の劣等感を得意な仕事で補おうとする
(事例や解決策等の詳細は本書を)
【感想】
◆今回この記事を書く前に、コウスケさんの本書の紹介エントリーが、華麗にホッテントリ入りされてましたw仕事と両立!勉強が毎日続く5つの方法 - ライフハックブログKo's Style
いや、ブクマ580超ってパネェっす!
一瞬戦意喪失(?)しかけたものの、ポイントが私とは異なっていたので、めげずにエントリーを上げてみた次第。
働きながら勉強をされている方なら、コウスケさんの記事のポイントは参考になると思いますので、まだ未読の方は、ご確認を。
◆一方、私が挙げた部分は、どちらかというと、私自身が受験生時代に悩んだり、納得したり、知りたかったことが中心。
「合格のためには『理解』と『暗記』とどちらが必要なのか」とか、「上位成績者のことは気にしない」「休みは必要」「完璧主義を捨てる」なんてあたりは、悩むことが多いですし、私もそうでした。
例えば、自分が理論を暗記できないと、「これは理解してないからだ」と思って頑張って理解しようとするものの、ワケが分からず先生に相談したとして。
そこで先生から「理解は置いといて、まず暗記して」とか言われると、「あー、ひょっとして、生徒に理解させる説明ができないんだ」なんて思っちゃったりするわけですよ(わ、私じゃないですよ!)。
一応、試験にもよるんですが、「理解」と「暗記」なら、「試験の合格」のためなら普通「暗記」が鉄板。
とりあえず「暗記」しておくと、ある日目からウロコが落ちるように「理解」することはよくありましたから。
◆実際、こういう「割り切り」ができるようになることも、合格へのステップなんですよね。
同様に「回答欄に答え埋めること」と、「その内容を理解していること」とは、ぶっちゃけ無関係です。
さらに言うなら、合格のためには「全部正解している必要もない」ことは、上記ポイントでも挙げた通り。
何でも多田さんは、受験生に対して、こうした「心がまえ」を伝授されているそうなので、今の受験生たちが羨ましい限りです。
◆そして、類書では見られないコンテンツが上記ポイントの最後にある「10の問題行動」。
これは「受験生あるある」みたいなもので、確かに私もいくつかはやっちゃってました。
実はこういった「問題行動」は、心理学的に言うところの「自我防衛機制」に基づくものであり、「深層心理のメカニズム」を理解した上で「どのように対処すべきか」を知っておくと良いそう。
この辺は冒頭で触れたように「心理学」や「メンタルヘルスマネジメント」を新たに習得した多田さんの面目躍如といったところです(詳細は本書を)。
頭に知識を詰め込むのも大事ですが、こういうメンタル部分での補強があれば、さらに合格が近づくかと。
「合格」という結果を求めるアナタに捧ぐ!
仕事と無理なく両立できる 毎日続く勉強法
第1章 勉強が必ず続く「目標」の立て方
第2章 1日30分でも集中できる「気持ち」の持ち方
第3章 挫折を未然に防ぐ「環境」のつくり方
第4章 無理なく学び続ける「時間」の使い方
第5章 勉強の継続を邪魔する「問題行動」とのつき合い方
第6章 学びを進化させる「アウトプット」の仕方
【関連記事】
【ガチ系勉強本】「資格試験の合格技術」多田健次(2009年04月23日)【継続!】『意志が弱い人のための 勉強を続ける技術』内藤勝浩(2012年02月06日)
【ウサギとカメ?】『35歳からの「資格試験」勉強法』山本浩司(2011年07月05日)
【勉強】『なぜ人は情報を集めて失敗するのか 目標達成論』牛山恭範(2011年06月24日)
【強力!】「必ず合格する“成川式”勉強法!」成川豊彦(2008年02月15日)
【資格取得!】「難関資格が働きながらラクラク取れる勉強法」福田 稔(2009年07月23日)
【編集後記】
◆「公認会計士試験」つながりで、こんな本が!平林亮子の公認会計士「最短最速」合格法
「美しすぎる公認会計士」こと平林先生の新刊です!
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
smoothさん、ブログ記事の紹介、ありがとうございます。
同じ本を読んでもポイントとして取り上げる場所が違うのはとても興味深いです。
はてブがつくのはやはり元ネタの本が良いのでしょうね。
記事に対してネガコメもほとんどなかったし。
それと、「勉強しよう!」という人が多いのかな。
素晴らしいですね。
同じ本を読んでもポイントとして取り上げる場所が違うのはとても興味深いです。
はてブがつくのはやはり元ネタの本が良いのでしょうね。
記事に対してネガコメもほとんどなかったし。
それと、「勉強しよう!」という人が多いのかな。
素晴らしいですね。
Posted by コウスケ@ライフハックブログKo’s Style at 2012年03月26日 00:03
>コウスケ@ライフハックブログKo’s Styleさん
コメントありがとうございます。
そうなんですよね〜、拾う場所が違っていて、面白かったです。
まー私の場合、アプリとか無理なんですがw
あと、ブクマ数では完全に水をあけられて涙目の巻でした。
ブクマのネガコメは、コウスケさんに比べるとコメント自体少なかったので、そもそもネガティブなものがなかった、というのはあるかもしれません(汗)。
今後ともよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
そうなんですよね〜、拾う場所が違っていて、面白かったです。
まー私の場合、アプリとか無理なんですがw
あと、ブクマ数では完全に水をあけられて涙目の巻でした。
ブクマのネガコメは、コウスケさんに比べるとコメント自体少なかったので、そもそもネガティブなものがなかった、というのはあるかもしれません(汗)。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年03月26日 00:17
smoothさん、紹介していただけただけでも感謝いたします!
今後も精進していきます!
ありがとうございました^^
今後も精進していきます!
ありがとうございました^^
Posted by 多田健次 at 2012年03月26日 23:10
>多田健次さん
著者様直々のコメントありがとうございます。
あまりお力にはなれませんでしたが、また機会がございましたら。
今後ともよろしくお願いします。
著者様直々のコメントありがとうございます。
あまりお力にはなれませんでしたが、また機会がございましたら。
今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年03月27日 05:52
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